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マルクス兄弟デパート騒動(1941年【米】)これまで、そんなに多くのマルクス作品を観てるわけじゃないが、今のところ本作が一番好き(凄いのは断然『二丁拳銃』だけど)。
通の方々はみんな口をそろえて「MGM移籍前のシュールなマルクスの方がいい」と言いますが、残念ながらオイラにとってはロイドがアメリカ映画の原点なのだ。キートンでもチャップリンでもないのだ。 この回のマルクス兄弟は、最初から明快に善玉の側についていて、安心して観れる。いつもは暴走に暴走を重ねるチコもハーポも危なげな感じはなく、お約束の若いカップルたちを背後でガッチリとサポート。この落ち着きの良さが、いろいろファミリー向けのネタを投入できる余地を生み出していて、途中に挿入される新作交響曲の演奏シーンは楽曲としてもナカナカだと思います。 アメリカが最悪だった時代を笑いで支えて来たマルクスたち。時代は太平洋戦争に踏み込んでおり、荒っぽさを避けたソフトなシナリオは、そういう時代背景も匂わせます。決して正義を振りかざさない、善き者の味方・マルクス兄弟。 彼らの映画の、そんな観方があってもいいじゃないですか。 |
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