33.この作品をS・キューブリックが撮っていたら・・・などとは言うまい。死んだ子の歳を数えるようなものであり、まさに無いものねだりと言うものだろう。かなり乱暴な意見だが、キューブリックはその才能のほとんどをすでに枯らしてしまっていたことは「アイズ・ワイド・シャット」でも見てとれるし、それを本人が一番良く分かっていた筈だ。それだけにこの壮大なストーリーを友人でもあるスピルバーグに遺言として託したのは当然の成り行きだったと思う。かつて「時計じかけ・・・」でM・マクダウェルがそうであったように、オスメント君とJ・ロウはこの作品のために生まれてきたような存在として感じるし、また夜空に浮かぶサイケな高速道路のイメージ・デザインや、そこを二人を乗せた若者たちの車が疾走するシーンは「時計じかけ・・・」だし、水没したマンハッタン上空をヘリで飛行するシーンは「2001年・・・」の月面上空を飛行する探査船とイメージが重なる。これらの視覚映像にこだわったのも、キューブリックに対しての敬意の表われだと思う。とりわけ海上のビル群をカメラが舐めるように飛行するスペクタクル・シーンは、「未知との遭遇」のマザー・シップの登場シーンに匹敵するほどの圧倒感があり、個人的にはこのシーンだけでもこの作品を観た甲斐があったと言うものだ。結末の捉え方によっては評価が分かれるところだが、少年デイビッドは母親と言うよりも、既に絶滅し、もはやクローン(もしくはバーチャルな世界)でしかその姿形を示せない人間そのものに涙しているのであろう。ロボットを造っておきながら、それらを否定するという人間のエゴと彼らに対する絶望感は、まさしくキューブリックの描いた終末観そのものだが、ファンタジックな優しさに包まれたエンディングにすることで、これこそが紛れもなくスピルバーグ作品だといえるのだ。 【ドラえもん】さん 10点(2001-08-05 16:35:30) (良:4票) |
32.この作品を単なる「人工知能を持ったロボットのお話」として捉えないで欲しいと思う。この作品は「愛することしかできない悲しさと尊さ」をとことん見せてくれる。デイビットの姿を見ていると、人間がどうして愛するという感情を憎むという感情に摩り替えられるかがわかった。愛することしかできなかったら、そこから逃げられない。逃げられなかったらデイビットになってしまう。だから人は憎むという感情を持つことで自分の心を守る。けれどデイビットは現実世界でいう「犬」のようなもの・・・ただひたすら愛する事しかできない。愛だけあれば他には何もいらない。観ている観客は「どうしてここまでされて憎まないんだろうか」「所詮ロボットだから愛せるんだ。インプットされた愛だからね」と思うだろう。それが人間という生き物。相手の愛を自分の尺度で計り、自分の納得行く形に収める事ができる都合の良い知能を持っている。けれどその知能こそが、愛する事しかしらない生き物の愛を傷つけるのだという事を描いている作品なのではないかと思う。母親の姿は等身大の人間のエゴであり、デイビットの姿はもっとも純粋な愛の形。けれどラストのシーンのデイビットの姿はまさしく人間の姿なのではないか。「たった一瞬でも、愛する人に会いたい。その直後に別れが訪れようとも、生き返らせてでも、姿をひと目見ずにはいられない」相手が目の前から消えてなくなるその瞬間まで、一秒も逃さずに、瞳に、焼き付ける。あの姿は愛する人間の姿なんだと思った。 【えりっぺ】さん 10点(2003-06-04 05:12:26) (良:2票) |
《改行表示》31.人間たちはメカを恐れ、憎悪し、破壊する。 その姿は自ら作り上げてきた文明社会に傷めつけられている現代の私たちの姿そのものではないか。 メカであるハーレイ君の一途な愛を乞う無垢な姿を通して、たったひとつの愛ですら貫き通せぬ人間の存在意義を痛烈に問うている。 創造し破壊する繰り返しの中で営まれてきた文明は一体何処へ辿り着こうとしているのか、という壮大で深遠なテーマを美しく詩情豊かに描いた本作を傑作と呼ぶことに、一片の躊躇もない。 【poppo】さん 10点(2003-12-20 13:24:11) (良:1票) |
30.「愛って、なに?」…この単純であり深淵でもある命題とともに彷徨する少年ロボットの物語を、最初の予定通りキューブリックが映画化していたなら、一種の「オデッセイ」(『2001年~』がまさにそうだったように)として華麗に映像化したんだろうな。それをスピルバーグは、自身がそうだったように「親に捨てられた子ども」という実にドメスティックな視点から作り直してしまった。で、出来た作品は、何ともおセンチなSF版『ピノッキオ』…。でも、たぶんスピルバーグが撮り得た最もプライベートな「私映画」として、これは本当に本当に本当に残酷で、悲しくも美しい映画だとぼくは思う。実際、愛とは死に至る病なのだってことを、この映画くらい生々しく、哀しく教えてくれる映画はない。単に良し悪しでも、好き嫌いでも、面白いかつまらないかでもない、ただ「美しい」という一点で、これは、ぼくにとって間違いなく最も愛しいスピルバーグ作品です。 【やましんの巻】さん 10点(2003-05-19 14:32:49) (良:1票) |
29.ここまで壮大なストーリーとは思わなかった。デイビットは幸せになったんだろうと思いたい。 【十人】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-04-16 10:50:19) |
28.完璧に作り上げられた未来世界に脱帽。あまりにスケールが大きく、まるで小説を読んでいるかのような気分にさせられた。イマジネーションを完璧に映像化出来るのがキューブリックの凄さなのだろうか。俳優陣も文句無しに素晴らしい。 【Robbie】さん 10点(2004-11-03 12:41:25) |
27.ダメやわ。例えロボットでも母と子というテーマを持ってこられると泣いてまう。そこは俺の涙のツボやから。まー、そんなことはどーでもえーとして、映画としては映像もよくできてるし、話もなんか現代版ピノキオって感じで童話的で俺はよかったと思う。役者もよかった。最後もハッピーエンドじゃなきゃ悲しすぎます。だからアレでいいんちゃうかな。でもなんかせつなかったけど。とにかく震えるほど泣いてもーた(一人で部屋で観てよかったわ。泣き顔はあんまり人には見せたくない方やから) 【なにわ君】さん 10点(2004-06-30 15:38:59) |
26.感動しました。ジュードロウの最後のセリフに涙が出た。 【ゲソ】さん 10点(2004-06-02 02:11:17) |
25.ラストのシーンが余計だっていう人が私の周りに多かったです。でも私は映画館で大泣きしてしまいました。ハーレイ君の悲しげな顔が何とも…。人間とは時にすごく残酷。 【蘭】さん 10点(2003-08-31 21:11:24) |
24.ちょっと悲しいなあ。ヒューマンドラマじゃなくて、ロボットドラマ+SFドラマ!!ターミネーターも好きだけど、感動したよ!!人間のバカヤロー!! 【正岡賢二】さん 10点(2003-07-17 14:13:13) |
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23.洋画では今までで最も号泣した作品なので10点。子供の純粋な心&死が私のツボだったんです。前評判で賛否両論って聞いてたので期待しないで観たのが良かったのかも。あのしつこいくらいの一途さは好き嫌いが分かれるところでしょう。受け付けられないって言う人は、自分がロボットじゃなかった事を喜びましょう。 【めそ】さん 10点(2003-06-19 00:48:01) |
22.なんか辛口の評が多かったのであまり期待していませんでしたが僕には結構好みの作品でした。ただひたすらに母の愛を求めるアンドロイドのデービッド。そのけなげさで話をどんどん引っ張って行くから、一体どこで落とし所をつけるのかなって思っていましたが、なるほど、そうきたかってカンジでしたね(^^ゞホントは7点をつけるつもりでしたが、あまりに皆さんの点が低すぎる気がするので・・・ 【TOSHI】さん 10点(2003-03-27 12:23:36) |
【でででん】さん 10点(2002-12-06 18:17:43) |
20.こういう映画は、激しく賛否両論真っ二つに分かれると思う。ちなみに僕は賛成派。途中「アレ?」とか思うとこもあったけど、映画でこんなに泣いたのは初めてだ。 |
19.ほんとにいい映画でした。家から2時間もかけて観にいったかいがありました。ハーレイ君の演技は無論、呼び込みのせりふも泣かせてくれます。 【アリアス】さん 10点(2002-10-23 11:27:38) |
18.深いこと考えずに泣けた映画。こんなのはじめてで自分でもびっくりした。一日しか会えないといったのは、生と死はいつも隣あわせだから一瞬を大事にしろと言いたかったんじゃないかな。<<ちょいネタばれかも>> 【alt】さん 10点(2002-06-15 15:13:15) |
17.泣きました。オスメント君の熱演とストーリーの分かりやすさ。現代版ピノッキオとでも言っても良いでしょう。その反面、人間の愚かさというのがよく分かる映画だと思います。心というものは時には良いもの時には悲しいものとなってしまうんですね。 【涼風あき】さん 10点(2002-06-09 23:26:34) |
16. めっちゃ泣いた!もう止まらない~(涙)あの一日の為に2000年も・・・・・(涙)特に最後見てからまたはじめのほうをビデオで見たら、また泣いた。 |
15.この映画のロボットは「まばたき」はしない演技かたになっているけど、やっぱりまばたきは人間が自分を表現する1つの動作だと思うし、まばたきしないで見つめられると不快感を与えるし、ある役者は目で演技ができるそうだし、ただたんに人は目が乾くから瞬くんだみたいなことだけはないと思う。でもストーリーは最高にいい!この映画で感動しない人はいない!そうじゃない人は感受性がない人かもしくは途中で寝てしまったかまたは途中のトイレが長かった人だけだと思う。 【ケイ・コ】さん 10点(2002-04-01 22:49:19) |
14.よく、語られた親密な物語です。タルコフスキーとキューブリックを補いつつ観ていました。(意識せずに)初めからエンターテイメントは期待せず、観て下さい。キューブリックの遺作です。 |