7.これは絵空事ではありません。全世界が驚愕した事実です。世界貿易センタービルの崩壊シーンがTVで繰り返し流れる度に、テロの恐ろしさ、忌わしさ、そして、結果たくさんの人々が犠牲になっています。最初、この映画はビルのシルエットが象徴的なポスターで知りました。2本のビルの間に小さな小さな人間のシルエットがふたつ。本編の主人公である2人の警官が立っている有名なポスターです。監督がオリバーストーン。政治的な匂いが漂ってきそうな、そんな印象を受けました。しかし、映画は実に淡々と、真正面からこの災害を、瓦礫に埋もれ必死に生きようとする人間を描いています。テロだとは知らず、ビルが全て無くなった事も知らず、2人は互いに声を掛け合い、生きようとします。妻を想い、子供を想い、家族を想う。生きるという行為にすがる手だてが、やはり自分だけの命ではなく、家族あっての自分だというのは、どこの国でも同じ。暗い画面の向こうで交わされる2人の会話に胸が震えます。また、彼等を助けようとする人々も、名声や報酬が欲しい訳でもなく、ただ人間の素朴な本能に基づき、崩れそうな瓦礫の中に挑みます。大袈裟な演出もなく、ただ感傷的に盛り上げる音楽もなく、どちらかというと地味に作り上げられた作品です。映画以上に事実としてのドラマがそこにあったからなのでしょう。映画の最後、元気になった2人が感謝の会で見せた笑顔に涙がこぼれました。重い涙でした。心の充足というよりも、受け止めねばならない問題を観る者に与える映画でした。とりとめのない感想でごめんなさい。ただ、多くの人に観て欲しい作品ではあります。 【映画小僧】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-10 09:51:19) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 9.11の背景として必要な政治色やテロリズムの匂いがあまりしなかったので、映画としては物足りないと確かに感じはしたが、それは私が恐らく現場にいなかったからだと思う。あの規模の被害状況では、現場にいた人々にとって、人災だろうと天災だろうと、救いたい、救われたい、という祈り以外、何も考えられなかったはずだ。その緊迫感に驚かされた。まさに、映画は天災に見えた。敵の姿が誰1人として映らず、とりあえず戦うべきは崩れ落ちるコンクリートの瓦礫だったからだ。9.11らしくない、と思うのは、ニュース番組などの解説によって先入観に毒されているからで、あの映像はやはりリアリスティックに描かれていると思う。がれきの下敷きになった2人が聞いていた轟音は、紛れもなく100階以上の超高層ビルが崩れる音で、半端な迫力ではなかった。大勢の死者が出たのは間違いはないが、死の淵をのぞきながら生還した人も確かにいたのだ。その喜びは素直に祝福したい。 【tony】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-26 09:38:10) (良:1票) |
5.「9・11」を映画化する場合、様々な視点から描く事ができるだろう。あまりにも多くの犠牲者がおり、それぞれにドラマがあるから。だから今後も「9・11」を扱った映画はたくさん世に出てくるだろう。本作は「娯楽映画」として見るのではなく、1つの「記録映画」として心に刻み込むべきだと思う。これが実際に起きた出来事であるという事を忘れない為に。 【tonao】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-24 22:16:40) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 N・ケイジが大活躍してけが人を救出する映画だと思っていたが違いました。それでも映画は、最後には救出されるひとを描くが、現実は大半の人々が瞬間的にあっけなく死んでいった。それを考えると暗澹たる気持ちになります。 【kaaaz】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-10-17 01:19:53) |
3.オリバー・ストーン監督..カメラワーク、撮影に関しては、さすがに一級品でしたね~ すばらしい! ストーリー構成も、欲張り過ぎになるところを “ピンポイント” で、押さえるところは押さえて、良くまとまっていました..まったく予想していなかった内容でしたが.. 元海兵隊だったあの若者の行動は、実話なんでしょうね~ 感動しました(涙)、美談として最高です..ユナイテッド93とは、また違った切り口で、なかなか良かったのではないでしょうか..この手の作品を創るのは、とても難しいことだと思います..ましてや、起きてまだ日が浅いし、アメリカにとって “歴史的大事件” ですから... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-08 16:48:41) |
2.この事件があった当時、俺はまだ中学1年生でした。あの時丁度テレビ番組のニュースステーションで一部始終を見ていましたが、ワールド・トレード・センターの崩壊をリアルタイムで見て、当時のまだまだ世間知らずだった頃の俺にもあの大惨事の衝撃が大きく伝わってきました。その中でこういったドラマがあった。瓦礫の中で身動きも殆ど出来ないまま互いを励まし合いながら助けを待つ2人。何度も瓦礫の崩落が起こり、地上がどんな状況かも全く分からない。もし自分がこんな状況になったらと思うだけで恐ろしく感じます。でもそんな絶望的な状況でも希望を捨てずに助けを待ち続けた2人の姿にとても心打たれました。突然の出来事で愛する人が行方不明になり胸が張り裂けそうな思いで待つ家族の姿にもその心情がかなり伝わってきます。そして2人が助かった時は俺も感動を覚えましたが、その反面助からなかった人の家族も数多くいる事実もエレベーターホールで働いていた息子を病院で待つ黒人女性の描写で痛切に感じ取りました。確かに別にオリバー・ストーンじゃなくてもよかった映画かもしれない。映画にする時期も早すぎたかもしれない。けれでもあの日ほどアメリカにいる人々が一致団結し、人と人のつながりの大切さが表れた日を俺は知りません。ドラマ映画としては王道に沿った感じではありましたが、個人的には高く評価したい映画になりました。 |
《改行表示》1.《ネタバレ》 これは、ストーリーを楽しむ作品というよりは、「9.11」に起こった事実を記録し伝えるための作品だと思います。(事前に思っていたより、非常に淡々としたストーリーでした。) 当時の状況が迫力ある映像で描かれているのですが、これがフィクションでは無く実際に起こった話であることを考えると非常に恐ろしく感じました。 できれば、劇場の画面で見てもらいたい作品ですね。 【TM】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-10-22 20:10:14) |