風の又三郎(1940)のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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風の又三郎(1940)

[カゼノマタサブロウ]
1940年上映時間:98分
平均点:8.00 / 10(Review 2人) (点数分布表示)
ドラマファンタジーモノクロ映画学園もの小説の映画化
新規登録(2006-08-24)【ミスター・グレイ】さん
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監督島耕二
キャスト片山明彦(男優)三郎
大泉滉(男優)一郎
北竜二(男優)三郎の父
見明凡太朗(男優)洋服の男
風見章子(女優)嘉助の姉
原作宮沢賢治『風の又三郎』
撮影相坂操一
配給日活
あらすじ
一年から六年までが同クラスの一学級しかない小さな学校に、九月、高田三郎という名の転校生がやって来る。三郎という名前と変わった格好、風が吹いたということから子どもたちは風童神〝風の又三郎〟だと噂し、彼を又三郎と呼ぶようになる。そして年長者の一郎を中心に子どもたちは次第に又三郎と仲良くなっていくが・・・。 宮沢賢治の代表作『風の又三郎』を実写化。
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【クチコミ・感想】

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2.賢治ものってとかく解釈が加わって矮小化しちゃうのが多いんだけど、これはそれが少なかった。家畜や森の生きものたちの効果がよかったのかな。カタツムリやフクロウのほかにも教室の中にカエルや鶏、病床にもチャボがはいってきて、外のものが自然に内へ内へと流れ込んでくる。これ賢治のユートピアですな。そして風。映画にとって風ってのは重要なモチーフのようで、舞台ではざわざわ揺らぎだす瞬間の緊張ってのは出せないもんな。風についてやり込める「それからそれから」のシーンで、一つ一つその映像を入れるユーモア。風車の仕掛けのアニメーションが出たのには驚いたが、あんがい科学者賢治の精神を受け継いだ手法かもしれない。大泉滉がかわいかったのにはびっくり。
なんのかんのさん [映画館(邦画)] 8点(2012-12-03 10:14:38)
1.《ネタバレ》 割りと原作に忠実に作られているので賢治の特異な世界観を損なうことなく実写化に成功しています。原作(最も読まれているであろう新編において)と同様に本作では三郎が本当に〝風の又三郎〟なのか明示されません。風の又三郎は大人が信じないような子供社会の伝説の一種です。大人になると無理にでも論理的に説明をつけようとしてしまいますが、子供は濁りの無い目で純粋に信じることができます。そして原作にはない又三郎の鉛筆紛失事件を挿入するする事によって又三郎の存在をさらに不明瞭にしています。しかもこの事件は子供たちにとっては風の又三郎の仕業として永遠の語り草となるでしょうが、観客には妹の仕業という種明かしをしてしまっているのです。つまり観客は全ての答えを提示されたうえで判断を委ねられるのです。童心を忘れずにいられたかどうかを。様々な年代で見たいと思う作品です。
 ・・・ところで年長者が年下の子の面倒を見るという分校スタンスは良いですね。一クラスにおける生徒数や教員の多忙さ、学力向上等を考えると様々な問題が生じて無理な話かもしれませんが、週一日や一日一時限だけでも学年混合のクラスがあったら失われつつある昔の大切な人間関係を取り戻せるかもしれないとさえ思わせます。教師でもあった賢治の理想の教育環境を垣間見た気がしました。
ミスター・グレイさん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-08-25 18:16:41)
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【点数情報】

Review人数 2人
平均点数 8.00点
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