1. リメンバー・ミー(2017)
《ネタバレ》 ピクサー作品の良さというのは喜怒哀楽のバランスの良さにあると個人的には思います。 お約束のストーリーを、多彩な小技で観客を楽しませながら最終的に期待通りのラストに着地させる。 そこにピクサーの良さがあると個人的には思っています。 (たとえばモンスターズインクなんかがその典型です) 本作品でも「写真の高祖父の顔がなくて誰かわからない」「ヘクターは写真を飾ってもらえないから消えそう」という点で「ヘクター=高祖父」なのが観客には早々にバレバレなのですが、しかしピクサー的にはそこはバレバレでもいいところ。 観客はそれはわかった上で、この映画がどんな解決をしてくれるのか…そこに、ピクサーらしいお約束な展開を期待して観るわけで、そういう意味で本作品は観客の期待にきっちり応えていて、まさにピクサーの大王道。 減点法で評価したときにほとんど非の打ちどころがありません。 そういう意味で非常に完成度は高い映画だと思うのですが、しかし一方でキャラクターや音楽の魅力という面で突き抜ける要素があまりないのも確かで、お約束からもう一歩突き抜けた何かがほしいな…と思ってしまうのも事実。 そういう意味では「とてもいい映画ではあるけど大好きというには一歩足りない」惜しい映画になっていると個人的には思いました。 [地上波(吹替)] 8点(2022-03-09 02:45:53)(良:3票) |
2. リカウント
いまだに記憶にある2000年アメリカ大統領選挙のフロリダでの再集計(リカウント)問題を映画化した実話物。 アメリカ大統領選挙の不思議なルールについては日本でも毎回ニュースで取り上げられるのでご存知の方も多いと思いますが、あんな変なルールだからこんな問題が起きちゃうんだよなぁ、と。 一般投票で負けた側が大統領になっちゃうわけですからね。 観てて思ったんですが、沢山の人が出てきてひたすら再集計問題と戦う、というこの映画の構成はほとんどシンゴジラといっしょです。 当然シンゴジラ同様、人間がどうこうというのは描かれてません。 そういう意図の映画じゃないから当たり前なんですが、しかし「映画にはヒューマンドラマが必要だ!」という人には向かないと思います。 何しろ大量に人が出てくる上にそのほとんどが数分のシーンがあるだけ。主要な数人以外は誰が誰かわからないのですから、人間ドラマも何もあったもんじゃありません。 それでもこの映画は緊張感があり面白いのです。 誰かの判断一つが違っただけで、今の世界の歴史はもしかしたら変わってたかもしれない…という内容なんですから面白くないわけがありません。 さて登場人物の多くは存命の実在の人物なんですが、中でもただの困ったちゃんと描かれてるキャサリンハリスなんかはこの映画での描かれ方、これでオッケーなんでしょうか? ヘタすると訴訟レベルのひどい描かれ方をしてるので多分オッケーなんでしょうけど…これでオッケーとはある意味すごい人だな、と思います。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-05-19 18:49:27) |
3. リンカーン弁護士
面白い! 法廷物は潜水艦映画と並んでハズレが少ないジャンルだと思いますが、この映画もその期待を裏切りません。 というかこれ、法廷物というよりヒーロー物に近いです。 金になる事件を探してリンカーンで裁判所を回る怪しい弁護士。汚い事もやるし金にもうるさい。 刑事にも嫌われてる。 乗ってるリンカーンのナンバーはNTGUILTY。 しかしほんとの悪は絶対許さない。 ってな感じで、この映画の構図は法廷を舞台にしたダークヒーロー物のそれです。 マシュマコノヒーは非常にハマってます。 シナリオの細かい伏線と回収は精緻だし、いやな奴はちゃんと負ける。 だから観た後に爽快感がある。 これぞ正しくヒーロー物です。 そしてこういう映画にかかせない小粋なパートナー。この映画では運転手ですな、彼がいい味だしてます。 変な前知識をもたずに観ていただけると吉です。 [インターネット(字幕)] 8点(2020-05-17 14:19:24)(良:1票) |
4. Re:LIFE リライフ
ヒューグラントという人は、以前はいけてたけど今は落ち目のちょっとダメ人間みたいな役がやたらハマるというか、そういう役がやたら多いというか、そんなイメージなわけですが、この映画の主人公もそういう意味ではヒューグラントしかいないだろ的なハマり役だと思います。 逆にそれだけイメージ通りという事は、あらすじの序盤を聞いただけでほぼ映画本編のストーリーが読めてしまう予定調和のありきたりな映画になってるという事でもあり、この映画ならではのよさってどこなの?という、この手の話の映画としてごく普通の出来に収まってしまっているのが残念なところです。 あえて言えばちょいちょい出てくる映画ネタがちょっと面白いかな…くらいでしょうか。まさかあんな映画のタイトルが出てくるとは…みたいな。 でもそれで映画の評価が上がるかと言われると、そんなわけないので、「ごく普通の映画」という評価しかしようがありません。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-04-25 18:31:35) |
5. リミットレス
《ネタバレ》 有名な「人間は脳の10%(20%)しか使ってない」という都市伝説をもとにした映画なわけですが、そもそも「人間は脳のn%しか使ってない」というのは都市伝説にすぎず実際にはそんな事は全然なくほぼ全部使ってます。 この映画に関しては後味が妙に悪い映画で、ツッコミどころも満載。 そもそもあの主人公に限らず(特に薬を開発した側の誰かが)薬の効果を推し進めてより効果の高いものを開発してるに決まってるわけで、そういう人がいくらでもいそうなのにそうじゃない…というあたり、もう根本的におかしい…と思ってしまう矛盾点だらけの映画でありました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-07-06 10:29:54) |
6. リクルート
《ネタバレ》 何しろ観客からすれば、いかにも何かオチがある事は予期してるだけに..多分、オチ...つか裏幕はあいつだろ、と思って観ていたらた期待通りの黒幕だったのでそこは納得。 ラストのトラップ、黒幕がべらべらしゃべる内容を自作のスペシャルプログラムで送信してると(観客にも)思わせておいて、それが実はハッタリで.....ってとこは伏線の張り方含めて相当に気の利いたシナリオで素直に「へ~」って感じ。 (でも、あの最後の倉庫のシーン、シナリオが凝りすぎていてちゃんとわからなかった観客も結構いるんじゃなかろうか..) どこに騙しがあるのか..的映画だけに最後まで常時緊張してみることができたので、それは成功していたし最後まで面白くみられた。ただ、体感的にちと長いというか..どうもカタルシスがないというか達成感が微妙なんだよねぇ。 そこが減点。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-10-09 00:36:17) |