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R&Aさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2162
性別 男性
年齢 57歳
自己紹介 実は自分のPC無いので仕事先でこっそりレビューしてます

評価:8点以上は特別な映画で
全て10点付けてもいいくらい
映画を観て損をしたと思ったことはないので
酷評しているものもそれなりに楽しんで観たものです


  *****

●今週のレビュー
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541.  ストレイト・ストーリー
青々と茂った芝生に囲まれた家が映し出されるがそこに耳は落ちていない。しかしどう見ても耳が落ちていそうな雰囲気だ。リンチへの偏見がそう思わせるのかもしれないが、リンチだってぜったいそう思うようにもっていってますよ、これ。おばちゃんがカメラから消えしばらくすると「ドサッ」という音。ぜったいあのおばちゃん、殺されたんだと思うようにもっていってますよ。違うかなぁ。やっぱ偏見かなぁ。そういう類の緊迫感がところどころで襲ってくるんですよ、この映画。嵐の夜の稲光と窓の水滴がじいさんの顔に映される描写なんてホラーだし、橋を渡りきろうとする瞬間の映像のぶれなんかもSFホラーだし、最後の寝床は墓地だし。その「おちょくり」が好きなんだけど、もしこれがリンチの「おちょくり」じゃなく私のたんなる思い過ごしならせいぜい5点。でもたぶん、いや、どっちにしても個人的にはおちょくられた気になって楽しめたからいっか。鹿に囲まれて鹿を食うシーンはやりすぎ。笑ったけど。
[DVD(字幕)] 6点(2006-04-26 16:09:16)
542.  真夜中のカーボーイ
西部劇のガンマンたちが時代の波に乗れなかったように、テキサスの男が大都会ニューヨークの空虚な空気になじめずにいる。しかしこの男は臆することなく夢を見る。そんなイモ兄ちゃんのイモ兄ちゃんぶりが眩しい。希望を持つことに水をさすアメリカン・ニューシネマのスタイルに、さめざめとした現代風景が見事に合わさる。ジョン・ヴォイトの演技はうまいとは思えない。が、その演技そのものの初々しさがラストの困惑でもなく怒りでもなく悲しみでもない、なんともいえない表情を作り出しているように思った。この表情にはぐっとくるものがある。何度か差し込まれる過去のトラウマのフラッシュバックは意味ありげでいて然程必要とも思えないがどうなんでしょう。
[DVD(字幕)] 6点(2006-04-25 14:45:26)(良:1票)
543.  アメリカ,家族のいる風景
ヴェンダースがとうとうドイツに戻る。その前に愛するアメリカをぎゅっと押し込めた作品を届けてくれた。その背景となるアメリカがとにかく美しい。とりわけ物語のメインとなるビュートの町並みの色が真っ青な空の色に映える。虚構のヒーローが現実の孤独から逃れるように姿を消す。母に道を示され、元恋人に叱られ、初めて会う娘に孤独ではないことを教えられる。息子とその恋人の関係も含めて、「女によって救われる男たち」という一見安易な、しかし極めて映画的な公式のもとシンプルに進行してゆく。『パリ・テキサス』以来のサム・シェパードとのコラボレーションとなる今作は、ヴェンダース特有の映画との関わりに対する使命感のようなものが消え、ひたすらに原点回帰に努めているように感じた。曖昧な目的のまま飛び出した旅がもたらすものの大きさがまさにロードムービーの原点を見せ、アメリカとジョン・フォードへのオマージュがヴェンダース初期の作風に回帰している。サラ・ポーリーが大きく映し出され、おそらく感動的な言葉が発せられたシーン、、サラ・ポーリーが美しいのではなくサラ・ポーリーがアップで映された画面がとてつもなく美しく涙が溢れた。だから字幕を見損なった。目が字幕を追うことをやめた瞬間、この映画は私の映画となった。
[映画館(字幕)] 8点(2006-04-24 13:11:26)(良:1票)
544.  サウンド・オブ・ミュージック
ちょうど2年ほど前にこの作品のレビューを書こうと思ったけど躊躇してしまいそのままになってしまった。ちなみに6点を入れようとしていました。私の6点はそれなりに満足した作品につける点数なのですがそれでも躊躇してしまった。名作だから躊躇したわけでも高得点が並ぶから躊躇したわけでもありません。何人かのレビューを読み、あまりにこの映画を愛する人が多かったので躊躇してしまったのです。でも今日書いちゃいます。当時までの感想をまず。『サウンド・オブ・ミュージック』で最も印象に残るのはなんといってもかの名曲たちです。まずメロディが浮かぶわけです。じゃあ、シーンはというとじっくり思い返せばオープニングの丘で歌うジュリー・アンドリュースだったり笛の合図で高らかに足をあげ一歩前に出て名前を言う7人の子供たちだったり晴れやかなはずの結婚式の日のその後のナチスによる暗雲を暗示するかのような曇り空だったりといろいろ出てくるんですが、パッと出てこない。『ウエスト・サイド物語』同様ロケーションによるミュージカルというのは良かったけどすでにやっているので『ウエスト~』ほどの驚きも無いし、突然踊りだす違和感が良かった『ウエスト~』と違いこの作品は突然の歌に妙に違和感が無いのも不満。でもね、やっぱり歌がいいんですわ。で、タイトル見たら『サウンド・オブ・ミュージック』。じゃあこれでいいんじゃないかという結論に2年の月日の経過の中で思うようになりました。だらだらと言い訳がましい長文御免。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-21 17:56:45)
545.  西部戦線異状なし(1930)
時代性で言うならまず原作者のレマルクこそが賞賛されるべきだろう。この映画は原作どおりに反戦を謳ったにすぎない。しかし反戦を謳いながらもかっこよい戦闘やスリルある作戦を見せている多くの戦争映画とは違い、素直に原作のメッセージに沿うことにに徹した演出は評価に値する。戦意抑揚を少年たちに植えつける教師の異様な顔のアップで「国家のために戦うことを美徳とする」ことをあからさまに批判し、実際に戦場にいるものの素直な不満と素直な疑問をはっきりと露呈させる。爆撃のシーンだって1930年公開作品だからといってあなどるなかれ。戦争を現実の問題として語るためのリアル感はじゅうぶんに達成されている。 しかし70年以上も前の作品に思うのは、いくらこのような反戦映画が作られようとも今尚戦争に駆られる人間の愚かさである。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-20 15:39:26)(良:1票)
546.  プラトーン
オリバー・ストーンのベトナム戦争三部作は、けしてベトナム戦争を通して「戦争」を語ったものではなく、この『プラトーン』も含めてあくまでベトナム戦争そのものとそれを指揮したアメリカという国を批判している映画だととらえている。それをあたかも反戦映画のようにとられて評価されているのはどうかと思うが、こういう監督の独りよがりな想いの詰まった作品というのは嫌いじゃない。もちろんテーマがベトナム限定の作品のため永遠に語り継がれるような普遍性といったものは希薄であるが、当時としてはかなりショッキングな映画であったし、メッセージ色が強いにもかかわらずじゅうぶんに娯楽映画として鑑賞できるドラマの見せ方をおさえている。デフォーが両手をひろげて崩れ落ちる有名なシーンは、そこだけが強烈にドラマチックでバックに流れる音楽とともに印象づけられる。くやしいけどこのシーンだけは永遠に頭から離れないような気がする。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-04-19 17:09:41)
547.  クラッシュ(2004)
脚本は、面白いか面白くないかは別としてたしかにうまいとは思う。ただ、脚本が完成されすぎているからだろうか、なんだかコンピューター同士の詰め将棋を見てるような感じの作品ととった。アメリカという移民の国ならではの、日常に様々なカタチで存在する人種に対する偏見を、まさに様々な人種による群像劇仕立てで見せてゆくのだが、あからさまな差別が描かれてもそれほどネガティブな印象は無い。身内への愛が同時に描かれていて、性善説がベースにあるからだ。透明マントのエピソードは同じ年頃の娘を持つ身ゆえに涙なしでは見られないのだが、それ以外に揺さぶられるようなシーンはなかった。監督は自らの脚本を完璧に映像化しているが、ただそれだけ。職業的に仕事をこなしただけという感じで、この作品には決定的ななにかが欠如している。でも透明マントにはやられたのでこの点数を。
[映画館(字幕)] 5点(2006-04-18 18:34:32)(良:1票)
548.  許されざる者(1992) 《ネタバレ》 
初見時は困惑したことをよく覚えている。勧善懲悪が完全に崩れ去った西部劇に満足していたら、まるで正義のヒーローのように容赦なく、そしてかっこよく主人公にとっての敵を殺しまくって終わる、、、、「え?」、、、「え?」。なんでラストだけありきたりな西部劇になっちゃうの?と思ってイーストウッドはダメだ、とも思った。でも数ヵ月後か数年後かに再見したときにはこのオチは深いと思うようになった。敵を殺すイーストウッドはたしかに他の西部劇のヒーローのようにかっこよかったけどそれ以上に怖かった。相棒の復讐に燃えるイーストウッドはかっこいいが、拳銃を撃つシーンはただの人殺しの顔をしていた。元賞金稼ぎが復活する様、そして娼婦の依頼によって賞金首である二人のカウボーイを殺すだけにとどまらない展開が暴力の連鎖を象徴する。さらに娼婦が殺されたのではなく顔に傷を入れられただけだとわかってもけっきょく賞金首を狙いにゆく、すなわち殺すための大儀が喪失しても殺しにゆく様、そしてイーストウッドとハックマン、それぞれが自らの正義のもとに殺しあう様は、まるで暴力の最たるもの「戦争」を彷彿させる。となると力と抑圧で町を守るハックマンはイラクで正義のヒーローに見える強すぎるイーストウッドはアメリカ、、。と、またまたうがった見解をしてしまいましたが、なにはともあれもうすぐイーストウッドの戦争ものが登場しますね。非常に楽しみです。
[映画館(字幕)] 7点(2006-04-17 19:29:47)(良:2票)
549.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
ハート・オブ・ゴールド三部作の最終作ということで、主人公はやっぱり無償の愛を提供することになんのためらいも持たない女である。愛という言葉が正しいかどうかは別にして、純粋な心の持ち主ではある。息子に対する自らの犠牲もいとわない愛が死の恐怖に打ち勝つためにミュージカルという虚構の世界が存在する。ミュージカルシーンの鮮やかな色彩に驚いた。ラース・フォン・トリアーは、これまでの作品でも色彩の異なるシーンを挿入してきたのでミュージカルシーンの色彩の変化は予想の範ちゅうであったのだが、それでも驚いた。これは色彩の変化だけではなく、ミュージカルシーンそのものが非常に完成度が高かったからに他ならない。ドグマ95を立ち上げて以降その約束事にもある手持ちカメラを使用してきているので、手振れも予想の範ちゅうである。しかし手振れ具合が展開を追うごとに少なくなってゆくのは予想外。共産主義国から超資本主義国に移住してきた主人公はミュージカル映画でしか知らないアメリカを体現してゆく。同時に視力がどんどんと無くなってゆく。彼女の中でのアメリカの理想と現実の格差が手振れによって表現されていたのかもしれない。そしてその格差は彼女から現実を遠ざけ妄想へと導いてゆく。視力の低下がそれを加速させる。彼女の妄想は彼女の現実となり、存在しない理想のアメリカを堪能しながら逝く。ミュージカルの概念の崩壊といい、撮影手法といい、斬新さが目につきがちだが、トリアーにとっては奇をてらったわけではなく計算されたものの結果だと思う。
[ビデオ(字幕)] 7点(2006-04-14 21:48:23)
550.  暗くなるまで待って
最初から最後まですべての些細な出来事がぜーんぶ伏線として活かされている。例えば、盲目の原因が火事であったということがタバコの消し忘れのシーンにつながり、さらにクライマックスへとつながる。あるいは手伝いに来ている少女との諍いが冷蔵庫の開けっ放しにつながりこれまたクライマックスにつながる。また少女との仲直りの際の「自分のことは自分で」もクライマックスに。実によく出来たストーリー。冷静に考えればいろいろとむりやりな筋が見えてくるのですが、他のサスペンス映画だと気になるそういったものがこの作品では全く気にならない。それはサスペンスが面白いから。主人公の盲目ゆえに鋭い感覚と機転によってピンチを脱しようとしたかと思えば、盲目と人の良さが仇となりまたピンチになる、この繰り返しによってハラハラ感を持続させている。『マダムと泥棒』のアレック・ギネスを彷彿させるアラン・アーキンの不気味さも見所。
[DVD(字幕)] 7点(2006-04-13 19:06:51)(良:1票)
551.  セント・オブ・ウーマン/夢の香り
深夜にたまたまテレビをつけたらフェラーリのシーンでそのまま最後まで見てしまったというのを何度か経験しているということは、それなりに引きつけるものがあるのだろうが、校長のいやな男っぷりは露骨だし、そもそも全校生徒のあの喝采を見たって校長の正義が歪んでいることは最初からあきらかなわけで、感動的な弁論もただの正論にすぎず、その正論をぶつけられたからって聴聞会の結論が変わるってのもあまりにもバカバカしいオチであんまり良い印象が無いんだな、これが。シェイクスピア狂のパチーノお得意の舞台演技のような濃い演技がこの作品の主人公のキャラに妙にはまってて、その渾身のパチーノ節にぐいぐいと引きこまれているだけのような気がしないでもない。まぁそれも映画の魅力のひとつでもあるからいいんだけど。マーティン・ブレストは俳優の魅力を引き出すのがうまい監督なのだと思う。ガブリエル・アンウォーがからむシーンはもうちょっと見ていたかったなぁ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2006-04-11 18:57:26)
552.  キリング・ミー・ソフトリー
ありゃ?ありゃりゃりゃ?けっこう良かったと思ったので皆様の辛口レビューにびっくり。たしかに犯人当てを楽しむクチにはきついかも。でも見ず知らずの男女が特別な理由もなく一瞬のうちに恋に落ち、お互いを欲し、そして満たされる様は例を見ないほどの生々しさを画面に残していたし、愛しているから信じたいという感情と愛しているから知りたいという相反する感情のぶつかり合いもまた生々しく見応えがありました。ストーリーとしてのサスペンスはどおってことないですが、男女の恋愛の中で多かれ少なかれ発生するサスペンスはじゅうぶん堪能できました。最初から判っていたオチの部分はいきなりありがちサスペンスと化してしまって残念。
[DVD(字幕)] 6点(2006-04-06 15:49:53)(良:1票)
553.  始皇帝暗殺 《ネタバレ》 
タイトルどうり、荊軻による秦王政暗殺未遂事件の映画化であるが、暗殺者と標的の間に女を一人入れることでドラマチックなストーリーにしている。標的は後の始皇帝であり、この人物がいなければ中国の統一は無かったと評されるほどの大人物であるにもかかわらず、その暴君ぶりや実績以上に男女の想いがメインに語られてゆく。壮大な歴史劇にはせずに「人」に焦点を当てた描き方は個人的には好きです。しかし全く立場の違う男二人と、その二人を出合わせる役目の女という三者が食い合いをしてしまっている。存在感がダントツのコン・リーが脚本上でもメインに描かれてこそ事件の主役たちが活きてくるのにって思った。それか女を削って史劇に撤するか。
[ビデオ(字幕)] 5点(2006-04-05 19:32:45)
554.  ホテル・ニューハンプシャー
原作は未読ですが想像するに素晴らしい作品なのでしょう、きっと。波瀾に富んだ人生を送るある家族を通して、あるいは家族の死を通して生きることとはどういうことかを説いている。様々な困難に遭遇しても人生は続く。困難に遭遇してもこれまでの人生を否定する必要はないし夢があるなら諦める必要もない。だからこの映画でのその困難が困難に見えないというのは意図的なのだろうが、あまりにも事件が多すぎて、あまりにも葛藤が無くて、原作におそらく並べられているだろう出来事をただ並べただけという印象を持ってしまった。父と母の出会いから始まりホテル経営という夢の実現と挫折が描かれるのに、視点が父かと思えば息子に移ったり娘に移ったりして散漫とも思った。前半のちょっとエッチなB級青春ドラマのような軽い空気がずっと後を引きずっているのも気になる。良かったのはジュディがナタキンに汚い言葉を投げかけるシーン。なんだかもの凄く貴重なものを観た気がした。
[ビデオ(字幕)] 4点(2006-03-29 18:54:37)
555.  グランド・ホテル
グランドホテル形式という用語として今も使われるくらいだから群像劇としてのパイオニア的価値は大いに高いのだろう。登場する者全てがグランドホテルを介して運命を大きく動かされるという物語もさることながら、映画会社の壁を超えたオールキャストは当時の観客を存分に魅了したことだろう。今観ると、人気の度合いによって映る度合いも考慮されているような窮屈感も感じなくはないが、当時としては主演に配された花形スター以外に光が当たることもそうはなかったわけで、じゅうぶん前衛的だといえる。また、そういった商業主義的な妥協も含めて大衆娯楽としての責務を十二分に発揮した作品だとも思う。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-03-28 18:53:47)
556.  イナフ 《ネタバレ》 
この作品はあくまでジェニファー・ロペスの洗練されたアクションを堪能する映画だと思うのですが、SFではなく現実の世界でより現実的な格闘を見せようとしたために敵を倒すための正当な理由作りのための前振りが長くなってしまったのが残念。裁判での勝機がないのはDVというデリケートな題材を描いているのではなく主人公を追い込んで戦いへと導くためのものでしかない。旦那がしつこく追いつづけるのも変質的な愛を描いているわけではなく、はたまた子供への父性を描いているわけでもなく、やっぱり戦いへと導くためでしかない。ある意味その割り切った姿勢は認めたい。でも旦那の確固たる信念をも感じさせる女性に対する偏見と恐るべき自己中ぶりに、何年もいっしょに暮らす妻が全く気付かないってのはどうでしょう、、と鑑賞する側は割り切れなかったりしています。
[ビデオ(字幕)] 4点(2006-03-24 19:42:16)(良:1票)
557.  フォーガットン 《ネタバレ》 
子供の存在を誰も認めないという後の『フライト・プラン』と同じ設定からスタートしているが本当に存在するのかしないのかわからないという点においてはこちらのほうがうまい。しかし早々に、記憶を消されようとしていることに主人公が気づく。何故そんなことをするのか、誰が首謀者なのか、という謎が提示される。面白いのはここまででした。実は宇宙人の実験でした、、という展開はべつに悪くはないんですが、観客よりも誰よりもその可能性を最初に疑うのが主人公なのだが、そのこと自体が不自然だし、なによりも主人公の疑念の言葉で観客に察知させるなんて酷すぎる。その後のなんでもござれの展開はそれなりに楽しめたけど筋書きがややこしくなりそうになったら「ええ~い!めんどくせー!」って人を飛ばしちゃってるみたいなずるい作品でした。
[DVD(字幕)] 4点(2006-03-23 19:11:51)
558.  パニック・ルーム
<フィンチャ-=どんでん返し>と思われているなら肩透かしをくらうのは間違いないところだが、フィンチャ-自身も自らのその呪縛から解き放たれるためにあえてありがちなプロットと王道の演出に撤したのかもしれない。サスペンスの王道を行くならお手本は当然ヒッチコックとなる。『北北西に進路を取れ』を彷彿させるオープニングタイトルが高らかにそのことを宣言する。家具の隙間を通りぬけてゆくカメラ(家具をCGで後から書き足しただけだと思うが)は、カメラが外から窓を通って部屋に入る『サイコ』の冒頭部、あるいは独房の小窓を通りぬけたように見せた『間違えられた男』が浮かぶ。頻繁に映し出される階段は『めまい』か『フレンジ-』か。動けない男が照らす懐中電灯はまぎれもなく『裏窓』。ぜんぜんストーリーに絡まずに肩透かしをくらったジュディの閉所恐怖症って、もしかして元祖ヒッチ狂のデ・パルマの『ボディ・ダブル』からだったりして。そう言えば天窓と雨といえば『ファントム・オブ・パラダイス』じゃん。なんだかだんだん楽しくなってきたぞ。でも伏線っぽいものの置き去りは「お遊び」としては面白くても「オマージュ」になってないなぁ。暗くても見ずらくない、暗くてもそこにさらなる陰影がある映像はさすがフィンチャ-。
[DVD(字幕)] 6点(2006-03-22 18:27:35)
559.  フライトプラン
たしかにヒッチコックの『バルカン超特急』の設定を飛行機に変えて、さらに主人公をひたすら孤立させるというアイディアは面白い。大空での密室と孤立無援が主人公を不安に陥れるのではなく、娘を想う母の孤軍奮闘を加速させる。人がけして走ることのない空間(機内)を全速力で走る姿は密室の閉塞感よりもむしろアクション映画のスピード感を演出し、密室サスペンスではなく密室アクションとして昇華させている。乗客の迷惑を顧みない主人公に辟易している方もいらっしゃるようですが、娘を守る母はそれでいいんです(キッパリ!)。娘のためならなんでもあり! ただこの面白い設定を作り出すために生じたムリは、一応謎解きを前半で観客にしてしまっている以上は見逃せない。あの“見知らぬ乗客”も“間違えられた男”で終わっちゃってるのもなんかねぇ。9.11テロ後の一部の人種に対する偏見を警告しているというよりも、テロ後の航空機に対する不安を利用しただけのような気がする。
[映画館(字幕)] 5点(2006-03-20 19:49:16)
560.  テレフォン
ガキの頃、CIAとかKGBとか出てくる作品が妙に好きだったのですが、今考えると米ソの冷戦から冷戦終結という時代背景の中で単にこの手の作品が多く作られていただけなのかもしれない。それでもこの当時の作品には共通の男臭さがあって、それってほとんどが個人的郷愁の念に支配されていることが前提にあるんだろうけども、確実にそそられるものがあります。私にとってドン・シーゲルといえば『ダーティ・ハリー』だしブロンソンといえば『狼よさらば』だし大好きなヒーローはブロンソンではなくマックィーンなんだけど、この作品の同時代他作品同様の寡黙なヒーローと抑えたアクションが紡ぎだす同じ空気はやっぱり良い。それでいて主人公が寡黙であることとアクションがおとなしいってことは、誤魔化しがきかず演出の力量が問われる設定でもあって、この独特の男臭さは演出の賜物なんだとあらためて思うのであります。
[ビデオ(字幕)] 6点(2006-03-10 11:55:50)
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