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エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 644
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ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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81.  ツイスター 《ネタバレ》 
『秒速5センチメートル』を観てて、いまだ未見だった本作の空気の表現を観たくなった。 元々ハリウッドゴジラの没シナリオ(つまんないんじゃなく制作費がかかりすぎるので、という理由らしい)だったのをクライトンが拾い上げた…というエピソードも以前から気にかかっていた。  まさに怪獣映画だった。 演技は物足りない。ヘレン・ハントとビル・パクストンの掛け合いは、もう少しテレビドラマっぽさが欲しくなったが…いやストレートに行くならジェームズ・ウッズとデミ・ムーア呼んできてトルネードな怪演させるとかした方がよかったかもしれない。ともかく台本の狙いは《過激なスクリューボール・アクションコメディ》。頭の中で補完してやる事で、何とかこの路線の完全版を観れるようになる。男の愛情の、あの《急激な進路の変え方》はニヤニヤものだ。 映像面では、90年代に大活躍だった3Dソフト・プリズム(現在はフーディニだっけ?)がSGI機の上で所狭しと暴れる、フラッグシップ的な作品。この技術が後に『タイタニック』を生む礎石となるワケね。ジェームズ・クラークありがとう。この文もいま Mozilla で書いてるよ(意味不明)! ちょっと力不足の役者陣に比べ、雲の演技はナカナカ。『秒速5センチメートル』以降、空を観なければ気が済まなくなったオイラですが、大気の織り成す様々なドラマが鑑賞できて本当に楽しかった(実際のオクラホマの空がどうなのかはまた別だけど…行ってみたいねー)。 この二つの平面、天界と地上を繋ぐ橋として作用する竜巻ですが、そういう宗教的でシンボリックな面も「生死」「運命」などの面でしっかり織り込まれていて、物語がシンボライズするスケールは非常にデカい(つまり主人公から観れば個人的な愛の物語だが、ヒロイン側から観ると人類愛の物語に早変わり)。 そしてそれが、つまり竜巻の実体がゴジラだと思うと…怪獣映画最強の規模じゃないですか! ゴジラ、大天使級だよ! 東宝褒めすぎてるよ(笑)。エメリッヒ版くらいでちょうどいいって(再笑)。
[DVD(吹替)] 8点(2007-05-08 17:02:29)
82.  トムとジェリー ワイルド・スピード<OVA>
Wikipedia の受け売りですが、『チキチキマシン猛レース』はアメリカではそれほどヒットせず、忘れられた作品なんだそうです。ハンナ&バーバラ作品では意外にも『スクービー・ドゥ』が一番人気なんだとか。いやそもそもアメリカで「レーシング・アニメ」と言えば『マッハGoGoGo』だそうですから…広川太一郎と野沢那智は世界のアニメ文化を捻じ曲げてしまったのかも(笑)。 で、原作者ジョゼフ・バーバラが関与する最後の作品となった本作なんですが、『トムとジェリー』の衣を借りて、『チキチキマシン猛レース』を語り直したという異色作。しかもノスタルジックな語り直しではなく、猛烈にスパイスを効かせて辛さ×20倍です。 作品が違うからキャラも流用してないとはいえ、ミルクちゃんはオバチャンになってるし、キザトトくんは嫌味なマッチョ男。ヒュードロ・クーペもファンタジーブームの煽りを受けてトレカ販売業を営んでおります。 そして重要な点は、本作はレーサーが一人づつ脱落する形式だということ。全員揃ってラストスパート…なんてお約束のノンキな展開ではありません。一人づつ事故って死んで行きます(まあカトゥーンだから悲惨な死に方じゃないですが)。  以下は、本作を楽しむために必要と思われるウンチク。 ハンナとバーバラは1940年代にMGMで『トムとジェリー』をヒットさせたアニメーター…ってだけじゃなしに、『トムとジェリー』の量産体制が整った段階でMGMを出奔、画のタッチを全く変えて『宇宙怪人ゴースト』やら『スカイキッドブラック魔王』やら『スーパースリー』やら、TVを土台に無敵の快進撃を開始します。やがて原点である『トムとジェリー』の権利も買い取って、TVシリーズ化する…と。 自分たちの作りたいものを作れていたMGM映画時代から、視聴率によって左右されるTVアニメへ。そして、うっかり人気が出ちゃった事による、終わりなき地獄…まさに本作のトムたちが進む道ですナ。 この作品が、最初からセルビデオ用アニメとして製作された事、当事者の最後の作品である事を考え合わせると、視聴者を楽しませる事だけに徹してきた職人アニメーターのハリウッドTV業界への本音が(辛~いスパイスと共に)大きく浮かび上がって来る作品。 オイラが知る限り、明確なメッセージを持ったハンナ&バーバラ唯一のスラップスティック・アニメです。
[インターネット(字幕)] 8点(2007-01-12 22:01:35)
83.  BATS 蝙蝠地獄
題名でおわかりの通り、劇場未公開のB級動物パニックです。が、ラストショットの「改めて自己紹介させて頂きますが、実は私B級映画なんですわ」という感じのオチが史上最強。本当に、このオチだけで9点つけてます(2008/3/16、バランス取りで8点に変更…DVD売ったしな…)。そのために新規登録までしてしまったのです。モンスター映画は今後も作られ続けるでしょうが、これを超えるB級なエンディングは当分出ないと思います。それくらい、B級を満喫できる作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2006-06-15 22:29:53)(笑:1票)
84.  ピッチブラック 《ネタバレ》 
以下、かなりマニアックなレビューで、あんまり映画評になってませんが。  実は数年前、予告を見た時点で「コレは当たり」と判定して、あえて観ずに残してありました。 まあSFを読み込んだ人なら元ネタは即出て来るでしょうな…『夜来たる』×『アヴァロンの闇』×『死の世界』という、豪快な変化球。ついでに前半で、砂漠に異様なオブジェが林立する絵造りはもしかしてキンザザ狙ってますか? …って感じで、SFスリラーな展開にもかかわらず相当にマニアックな映画でした。 ただSFファンへのサービスが前半に集中しているのが残念。夜が来るタイミングも、もう少し遅くてもよかったと思うな。ちょっとサプライズに欠けました。 ストーリーを語って愚痴になるのはつまらないので、プロダクトデザイン関連について書きますか。惑星不時着時に、宇宙船のオペレーション体系をいろいろ考えてあるのはナカナカでした。タトプロスのモンスターデザインは『アヴァロンの闇』のグレンデルをベースにした(未成熟期・成熟期で巣を分けてるし、ちゃんと共食いシーンあるし~! なぜか常時ターボが効いてますが…)爬虫類型ながら、オリジナルな要素として音波を出す長い突起が左右にある。後半で明らかになる奴らの弱点は、このモンスターデザインから来ているワケっすね。リディックの「異星生態系の中で自分が生き延びるためには、どこまでも冷酷になる」という人物像は(日本ではもう絶版して久しいですが)往年の名作『死の世界』シリーズを思い出させます…つうかまあ、ここまでマニアックなシナリオ&監督なら、きっとアレをイメージして作ったんだろうなぁ。  こういうリスペクトの集大成も、SF映画のあり方としてOKでっせ、オイラ的には。よって、『2001年宇宙の旅』と同じ配点とします。 
[DVD(吹替)] 8点(2006-06-12 00:05:02)
85.  クール・ワールド(1992) 《ネタバレ》 
こりゃ~すげえや。ブラピ、ガブ、ベイジンガーと実力派を集めたアニメ実写合成モノ。以前から気にはなってたんだけど、イマイチ評判を聞かないので「こりゃスカだろう」と放ってありました。オープニングの段階で、ある種の凄い匂いが漂ってきます。この段階、本編に入る前から4割くらいの率で確信しました。この作品で言う《クール》ってのは「クールガイ」等の用法の方じゃなく、ダウナー系ドラッグをキメた時のクールを意味してるんだ…とね。 これを理解すると、マンガのクセに故意にアダルティな展開に持って行ったり、かと思えば分裂症患者のような意味不明の論理が通用したり…という、本作を覆い尽くしている(英俗語で言うところの)「クール=らりぱっぱ状態」を見切る事ができます。この作品が目指すベクトルは『ロジャー・ラビット』や『スペース・ジャム』じゃなく、『裸のランチ』『トータル・リコール』『カリガリ博士』の方向性なんです(余談だけどオイラは『ギャラクシー・クエスト』も相当意地悪な分裂症テーマ作品だと思うよぉ)。 で、本作の凄かった点は徹底した「狂気の肯定」。これに尽きます。クライマックスで博士の言った通りにヒーローになってしまうガブ君は、もう『裸のランチ』のエンディングを通り越して向こうの国にイっちゃってますからねー。ラストがこんな凄い現実否定で終わる物語は貴重ですよ。また、対するブラピ君は刑事として登場する時点で、既にクール・ワールドに取り込まれて「狂って」いるっていう点も、観客へ余計な恐怖感を与えずに世界を案内できるというメリットがあり秀逸。ベイジンガー演じるホリー・ウッドは『花嫁はエイリアン』と同系のハマリ役ですね。まさに彼女のためのキャラでした。エッ、ラジーショー? ウッソ... しっかし、アニメ版『指輪物語』を監督したラルフ・バクシが、こんなぶっ壊れた精神世界を描くだなんて…描写に彼らしいねちっこいクドさがあって、ハナシが何ともスムーズでないのが満点に届かない理由。そこだけは本当に残念でした。ホリーの動画だけ信じられないくらい気合い入ってるのが笑えますけど。クール・ワールドで彼女に会えるなら、ちょっと狂ってみてもいいかな。←既に作者の手の上 ●追記:"cool ドラッグ" で用法をぐぐってみてるんすが「非ハイ=クリア状態」の用法しか出てこない…90年代に結構使われてたと記憶してるんだが…。
[DVD(字幕)] 8点(2006-05-31 00:14:10)
86.  アタック・オブ・ザ・キラートマト
かつて、映像作品は神聖だった。どんなクズ映画だって作っている側は真剣そのものだった。エド・ウッドはシャレで『死霊の盆踊り』を製作した訳ではない(少なくとも酒代を儲けたかった)。石井輝男は遊びで『江戸川乱歩全集~恐怖奇形人間』を監督した訳ではない(彼はいつだって本気)。ハーシェル・ゴードン・ルイスは無為に『血の祝祭日』を撮った訳ではない(彼も生活がかかってた)。ラリー・ブキャナンは何の下心もなく『火星人地球大襲来』を企画したわけではない(あれはストリップ映画を撮るための口実)。若松孝二はドブに捨てるつもりで『天使の恍惚』を世に出した訳ではない(そのトンデモなさで評論界から睨まれはしたが)。etc,etc…。 だがしか~し! 70年代のある晴れた日の事(あくまで想像)である。我らがジョン・デ・ベロは映画を神聖だなんてこれっぽっちも思わなかった。創作行為が芸術だなんて、映画配給がビジネスだなんて、そんなセオリーぶったゴタクには耳も貸さなかった。代わりに、彼はかつてない手段で「映画」というメディアを処理した。ニヤニヤと笑いながら(あくまで想像)各地の大都会のパニックシーンをたった1カットで撮り上げ、ビーチでの凄惨なトメィトォ襲撃シーンは究極のリアリズムで挑む。彼はハリウッドが積み上げてきた伽藍の塔を、作中では事も無げに突き崩してしまった。 「ラクガキするな」と言われればデカい筆で大書してみたくなる。廊下だって走ってやりたい。みんながやらないのは、単に後ろ指をさされたくないからだ。だからオイラは今でも、こんなに楽しげに廊下を爆走する彼(あくまで想像だって)の姿に、分類不能のある種の感動と羨望を憶えるのだ。 こんな幸福な人物は滅多にいないと思う。 彼は世界で初めて、一点の曇りもない遊び心から、無為に、下心もなく、シャレで映画を作ってドブに捨てた。映画界にでっかくラクガキしたのだ。 
[ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-19 20:11:20)(良:3票)
87.  太陽の帝国(1987) 《ネタバレ》 
信じるもの、心惹かれるものがことごとく壊されて行く少年期。絶対の強者なき流動的社会。極東のエキゾチックな混合文化。《世界一冷酷な状況観察者》J・G・バラードはそこで誕生した。スピルバーグが頑張って与える彩りも、最後には全て無に還っていく。この虚脱感、そして虚無感。ラストはまさにバラ色の絶望と呼ぶにふさわしい。この後、成長した彼が「世界の破滅」ばかり描き続けたのは、こうした理由のある事だと納得できる。彼の小説には決して悲惨さはない。彼は反戦家ですらない。他の同世代の子供達と違い、バラード少年はこの時、傷ついたのではなく悟りを得てしまったのだろう。スピルバーグは、求道者が老僧へ教えを乞うように、バラードから悟りを授かりたかったのかも知れない。後に『シンドラーのリスト』を撮った時の彼の視線は、バラードのそれに、かなり近い。  …てゆーかそこまで入れ込んだんならだよ、儲けた金で『ハイライズ』とか『結晶世界』とか『残虐行為展覧会』とか『コカイン・ナイト』とか『コンクリートの島』とか映画化してやれよ~! いまだにバラード作品の映画化はクローネンバーグの『クラッシュ』だけっつー悲惨な状況なんだからさー。 ●追記:そう思ってたら、ナタリ監督の次回作が『ハイライズ』ぅ? 大道具費削減王ナタリか…また『クラッシュ』みたいにババかもな…健闘を祈る。
[映画館(字幕)] 8点(2006-05-06 05:50:01)
88.  エイリアン4
シリーズの中では一番好き。4作目ともなればエイリアンの正体はバレバレになっちゃってるワケで、ここはジュネ風の猟奇なユーモアセンスが活きたと思う。この4作目、大局的には所詮(軍人・科学者を含めて)ダメな奴らがドタバタと自滅していく光景をシニカルに描いているだけなのだよ。もう終わっちゃってる世界の、終わっちゃってる人々を描く冷めた視線が、いかにもジュネらしくてたまらんです。鉄錆を思わせる鈍い赤を基調にしたオンボロ宇宙船のプロダクト・デザインも、本作の世界観にベストマッチ。『デリカテッセン』風な人類世界の終焉を予想させる(元のラストシーンはエイリアンの地球占領で終わってるので、そこを加味しないといけないけど…)。 シリーズ最終作としてもう一本欲しいところだが、ジュネ以上の終末観を出せる新進監督はいるだろうか…。
[映画館(字幕)] 8点(2006-03-16 04:04:39)(良:1票)
89.  フォーン・ブース
映画としてはたいしたコトなくても、エスねこ的には高い点をつけなきゃならん作品というのがありまして、これなんかはそう、ド真ん中ストレートな「変格」映画ですな。なんかポール・オースターのスッカスカな純文小説をアクション満載で映画化したみたいな感じ。コリン・眉毛・ファレルの演技力で80分保たせ続けるのはチト厳しかったとは思うけれど、フォレスト・お人好し・ウィテカーの演技もいつも通りで飽きるんだけど、そのあたりは監督も犯人も先刻ご承知、いろいろ先手を打ってオイラをハラハラさせ続けてくれました。 この映画は(売り文句とは違って)各キャラのパワーバランスを楽しむ群像劇なので、演技はスタニスラフスキー・システムがよく似合う。役作りが全てと言っていいかも。その意味での本作の見所はエキストラの表情です。普通はエキストラって、ただ引っ張ってこられてバックで歩いてるだけの群衆なワケですけど、この映画での群集は完全に事件にのめり込んでいる。メイキングを見て納得しましたが、コレってある種の擬似イベントとして撮影してるんですね。エキストラは当日撮影分のシナリオしか渡されず、しかも時間順に撮影されたため、全員が事件を実体験してるような一体感があります。観客の代わりにスクリーンに入り込み、事件の展開に呆然とする顔・顔・顔…。これに勝る画は滅多にありやせんぜ。映画好きより演劇好きの方が楽しめるような気がする、B級実験ムービーだったと思うのです。
[DVD(吹替)] 8点(2006-03-15 19:14:24)(良:1票)
90.  パニック・ルーム
オイラは好きなんだけどね、こういうの。攻守共に手札を改めつつ、毎ステージごとに戦略を練り直していく頭脳戦ムービー。これ、どっちかっていうと潜水艦映画なんかにお約束の制約がバリバリに組み込まれていて、犯罪モノというより一軒屋を舞台にした戦争映画って感じの作りです。発想の異色性とド真ん中ストレートな展開、些細なアイテムも複線として絡んでくる芸の細かさ。惜しいのはドはまり役だったフォレスト・ウィテッカーの演技がいつも通りで見飽きちゃった事かなぁ。そこは減点です。あと、ハッとするオープニングの題字の入れ方は『ゼイリブ』を髣髴とさせて心憎かった。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-25 17:43:32)
91.  ドラムライン 《ネタバレ》 
監督監督~! 会場がポップスでノリノリに流れてるタイミングでどこのダレが『熊蜂の飛行』ぶつけますかぁ? しかも、ペットのソロならまだしもバンドで…どう考えても主人公が正しいよ。色々な場面で音楽の本質(ある時は快楽、命の暗喩、そしてショー)がわかりやすく出ていたと思う。主人公が音に命を吹き込むと、途端にトラブル発生。なぜならドラムはブラスバンドのハートビートを司るパーツでしかないからだ。楽典憶えて曲を作る方が、彼の「音楽」にとって幸せだったのは言うまでもない。「トイレの文字が読めない奴でもちゃんと使ってる」と言う敵の監督、彼の方が音楽の根幹をしっかり捕まえてると思うし、ブラスでヒップホップという豪快な技が生み出せたんじゃないかな(正直、あの曲が一番の感動でした)。というわけで、主人公だけじゃなしに監督の音楽的成長のドラマでもあるのですな。日本の大太鼓(in 夏祭り)でも似たような話が作れそうだけど、誰かやんねーかなー『ドラムライン』東北ケンカねぶた版…きっと燃えるですよ…。●追記:黒人モノとしては震えが走るほどよかったっす。あと、演出がちょっとリドリー・スコットを意識しすぎかナ?
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-08 06:27:36)
92.  危険な動物たち
『ワンダと…』のB面ムービーですな。天藤真の作品でほとんど同じテイスト・内容のミステリ(『陽気な容疑者たち』)がありまして、洋の東西を問わず、こういうほのぼのブラックはいい味が出るのを実感。ワンダより好評価です。
[DVD(吹替)] 8点(2005-11-30 02:31:03)
93.  最後の航海
いまだに『タイタニック』を見てない理由のひとつに、この映画の圧倒的な存在感があります。どんな豪華客船を沈めたところで、CGでやってる限りはこの映画に勝てるわけがない(本物パワーとしてはもう一作『フィツカラルド』ってのもありますナ)。淀川さんの受け売りですが、ヒロインの救出シーンは本当に沈む船の中で撮影したそうで、撮影現場には異常な緊張感が漂っていたそうです。オイラにとってはかけがえのない沈没テーマ大作。
[地上波(吹替)] 8点(2005-11-06 14:31:35)
94.  Mr.インクレディブル
序盤、スーパージャイアンツ以来と言ってもいいほどの正義っぷりに感動し、現代にシーンが移ってからはトルンカの魂が甦ったかのような一部キャラのデザイン&動きに涙しました。最も好きなシーンは、デザイナーのエドナと電話ごしに話すヘレンが、めっちゃ言いたくなさそうに「ほら…イラスティガールよ…」と言うシーンの表情。正義の味方やめちゃうと、やっぱ恥ずかしいんですかね(笑)。二番目に好きなのは、これも超母ちゃんがバイオレットとダッシュにマスクを渡して「スーパーパワーを使ってもいい」と言い渡すシーン。仮面の下でしか本当の自分になれないんですよね、この家族って。置かれた境遇の悲しさと、アイデンティティに目覚める悦びが同時に描かれるこの場面、オイラ的には全編で最大最高の泣き所でした。 …とはいえ、あらゆる点においてオリジナリティがゼロなんだよなあ…ある意味すごいんだけど…イラスティガールの描き方が素晴らしすぎたせいでファンタスティック・フォーもCGシーンが作り直しになってるらしいし…一部の場面では明らかに各々の本家を越えてますな。ここは微妙ですが、プラスに評価します。
[DVD(字幕)] 8点(2005-07-18 23:17:57)(良:3票)
95.  決断の3時10分 《ネタバレ》 
まあいつもは映画の嗜好がオイラと異なってる元みかんさんのレビューですが、ここまで熱く語られると手に取らないわけには行きませんにゃあ(笑)。で、ここのレビューを読まなかったら存在すら知らずに一生を終えた (詳細はブログにて)
[DVD(字幕)] 8点(2005-06-19 03:21:26)(良:1票)
96.  ザ・ドライバー
あれ? 大事なポイントに誰も言及してないですね…この映画、「主役のオニールとアジャーニが一瞬たりとも笑わない」っていうのでも有名になったんですよ(いや今ならカウリスマキとかがフツーにやってますが)。ウォルター・ヒルの作劇能力は本作(と『ウォリアーズ』)で頂点に達したと思ってます。映画を見始めた頃からしばらく、血気盛んな自分的には10点満点を維持してきたんですが、『イシュタール』に出会ってからオイラの興味がバカ映画に向いてしまったので、今はちょっと点が低め。あ、でも両方ともアジャーニがヒロインだぞ。なんだそういう事だったのか(笑)。
[地上波(吹替)] 8点(2005-05-15 01:25:02)
97.  アウトブレイク 《ネタバレ》 
うちには開けてはならない「禁断のDVDボックス」がある。超駄作とか二度と見たくない作品とかが入ってるんだけど、仕事の空きができてしまった&ゴールデンウィークで外出する気がないので、今日の夕方、パンドラ宜しくついつい開けてしまった。「『アウトブレイク』? 確かエボラ熱の話だったのが、後半いきなり空中戦になるトンデモ駄作だったよなあ…」そんな認識でプレーヤーに突っ込んで見る。40分後、まざまざと蘇る記憶に「ああっ! そういやこれイキヂゴク映画なんだった~ッ!」と大後悔中の自分がいたのでした。ショック映像を極限まで抑えてあるから、なおさら怖い。無骨なペーターゼンが監督したのは、今までは大失敗と思っていたんだけど案外正しい選択だったのかもしれない。以前は「冴えない演技だなー」と軽く見ていたダスティン・ホフマンも、意図的な役作りでああなったのを理解した。伝染病による人の死を星の数ほど見てきて、感覚的に突き抜けてしまった現場肌の頑固な医師。麻痺した感性を補うために、彼は生命倫理と使命感だけで駆動し続けている。プライベートなんて壊れてしまって久しく、愛する家族はペットの犬だけ。最大の武器は自分の死への恐怖をなくしている事だ。そんな人物像を主人公に配し、様々な彩りを持ったキャラクターが巻き込まれ、彼の生き方と対比されて行く…。いいじゃないですか。すっごく! 後半、ヘリで街を出てから、いきなりアドリブ出まくりのシチュエーション・コメディになっちゃうのを除けばね…いやー本当に、キューバ・グッディング・ジュニアとダスティン・ホフマンのかけあい、漫才としては面白いんだよなあ。というワケで、トータルでは何をやりたいのか方向不明な本作ですが、名優たちの演技の深みと素晴らしさ、それが産むドラマを堪能する事はできました。今は「駄作」ではなく「怪作」と呼ぶのが正しいと思えます。●大統領補佐官が閣僚に爆撃の決断を迫るシーンの演説、怒涛の迫力で記憶に残ってたんですが、悪役専門のJ・T・ウォルシュだったとは…なんだこういうキャラでも名演できるんじゃん!
[DVD(字幕)] 8点(2005-05-04 20:15:16)(笑:1票)
98.  スーパーマリオ/魔界帝国の女神
ひそかに大好きですこの映画。なんせマリオ役にボブ・ホプキンスですよ! 本作を遡ること10年前、彼が『未来世紀ブラジル』で《セントラルサービス》の配管工を演じてたのを見た瞬間「これ、まんまマリオやん!」ってひっくり返りましたからね(あれ自体、ギリアムはマリオをイメージしてたのかもしれない…日本文化が重要なファクターを占める作品ですから)。あのインパクトをそのまんま直球ストレートでブチ込んで来た頭の悪さに乾杯。ダークなセットも『ブラジル』にかぶっちゃうし、明らかにジャンプしてないし、本当に日本の客に見せる気があったのか甚だ疑問です。本作から下る事5年後、ハリウッドが『ゴジラ』を食い物にした時に、マリオはただの前奏曲でしかなかったのに気付くわけなんですが…いや本当、こういうブチ壊しにされる時の快感ってこたえられん。子供の心を無くした大人向けの秘宝。
[ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-22 09:53:51)(良:1票)
99.  宇宙で最も複雑怪奇な交尾の儀式
ホント、安い造りの映画なんだよなあ。セットはショボいし、ライティングは平板だし、役者に知った顔がないし。オマケにストーリーはべったべたなアメリカン・ラブストーリー(…以下かもしれない)。しかーし。だからこそ人間はアタマを使わなきゃイケナイのだ。映画は客をいっぱい呼んで見てもらってナンボなのだ。このカビが生えちゃったようなハナシを、斬新な視点でナレーションすればいいのだ…プロデューサーの涙ぐましい努力が伺えます。個人的には「○○のターミネーター」が登場した時点で、何でも許してやれる大らかな気持ちになれました。この映画に携わったスタッフ達。彼らはきっと生まれや育ちはアメリカ人だろうが、ソウルは関西芸人に違いない。低予算にめげない前向き姿勢、あの手この手のサービスいっぱいなウケ狙いに、この点数を献上。
[DVD(字幕)] 8点(2005-01-28 03:48:08)
100.  豪勇ロイド(1922)
ぐるぐるさんの指摘はかなり当たってると思います。本作のロイドはまだのび太としては未定形としても、本作の恋敵のコワモテ男は(『要心無用』では救急隊員、『活動狂』ではハリウッド俳優をやってるロイド映画常連なんだけど名前がわから~ん!)明らかにジャイアンのプロトタイプです。風貌や行動パターンがソックリ。ミルドレッド=しずかちゃん…うーん、ソコはどうかな。そして重要なのはやっぱりオバーチャン=ドラえもん、そして「ズーマのお守り」という怪しげな(ある意味時空を越えた)アイテムの存在ですね。もちろんこういう「打ち出の小槌」的民話アイテムは通常のロイド世界には似合ってないんだけど、今回のロイドは特例的に南部の超田舎が舞台なのでよかったのです。 このほか本作について言いたい事は、サイレント末期の1922年という時点なのに、カメラワークが素晴らしくダイナミックである事。ラストの対決シーン、カメラが移動しながら退く、退く、どこまでも退きまくる(よく見ると地面に車輪の跡があるんだけど気にしな~い)。ズーマのお守りの力で攻勢に立ったロイドの迫力が伝わります。ロイド作品は同時期のチャップリン作品なんかに比べてずっとカメラワークと編集技術の探求に熱心だったと思います。そしてロイド映画が「都会的」と呼ばれて来た理由の大半は、こうした技術的な努力による「大胆な絵作りと無駄を排したスピーディな筋運び」にあったと思うんですね。 ストーリー的には、ロイド唯一の西部劇という事で銃撃戦とかカーチェイスとか派手目です。ミルドレッドと結ばれるずっこけラストショットは、現実に彼女との結婚を控えていたロイドの「照れ」が感じられて楽しい。健全志向でなければならなかったロイド映画がやれたギリギリの「濡れ場」、象徴的な性的表現なんでしょう。
[DVD(字幕)] 8点(2004-12-30 12:01:51)(良:1票)
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