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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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161.  オン・ザ・ミルキー・ロード 《ネタバレ》 
何年ぶりになるだろう?クストリッツァの実に久しぶりの新作。 作品からほとばしる、この人の映画特有の力強さに全く衰え無し、本作も素晴らしい作品でした。 いつものクストリッツァと同じく、愛すべき動物たちと牧歌的な農村の風景から作品はスタートする。 しかし間もなくこの村は戦場であることをすぐに思い知らされますが、 そんな中に生きる人々の人間描写もまた、彼らしい独特の明るさと力強さがあります。 〝イタリアの宝石″モニカ・ベルッチの変わることの無い美しさと共に、 ミレナを演じた女優さんの、モニカに全くひけを取らない存在感もまた印象的でした。 モニカ演じる〝花嫁″と愛し合うことになる、クストリッツァ自らが演じる主人公の男ら主要登場人物と 動物たちの楽しい絡みや、もう1つのクストリッツァの映画に欠かせない要素、登場人物が楽器を奏で歌い踊る音楽もまた素晴らしい。 休戦を祝い、村人が歌い踊る宴。しかしモニカを追ってやってきた黒ずくめの特殊部隊が、その平和なひと時を粉々にしてしまう。 その特殊部隊が多国籍軍であるというところに何とも言えない皮肉を感じます。 以降は愛し合う2人の特殊部隊からの逃避行が描かれますが、水辺から川の中、そして荒涼とした羊の放牧地での追手との攻防は圧巻の一言。 祖国の内戦を背景にしたものが多いクストリッツァ映画ですが、平和の象徴のようなクストリッツァ映画に出てくる動物たち。 本作で最も印象的なのはハヤブサですが、戦争の悲惨さを寓話的要素に包み込み、いつにも増して彼らの強い意志を感じさせます。
[DVD(字幕)] 8点(2018-08-05 16:23:25)
162.  サンダーボルト(1974) 《ネタバレ》 
マイケル・チミノの監督デビュー作。 本作から始まって、「ディア・ハンター」が絶賛され、「天国の門」で地獄を見て、 「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」でプチ復活もありましたが、その後はパッとしなかった。 今となると、この人のこういうスケールの映画をもっと見たかった気がしますね。 全体的にコメディタッチにまとめられながらも、ニューシネマ的な哀愁が漂う凸凹コンビの男2人が中西部を行くロードムービー。 年長者と勢いのいい若者、そんな2人のコンビぶりは、本作の前年製作の「スケアクロウ」と重なって見えた。 刹那的な生きザマのライツフットを魅力いっぱいに演じて見せたジェフ・ブリッジスですが、 それだけに彼に待ち受ける運命を思うと、どこかおどけたような作品の空気そのものが悲しさを誘います。 大らかな中西部の風景と大らかな作風の中に漂う、笑いと哀愁が入り混じったような空気感がたまらない一品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-07-06 22:16:31)
163.  15時17分、パリ行き 《ネタバレ》 
15時17分パリ行きの特急に乗り合わせた乗客とテロリストとの闘いを再現するサスペンスと思っていたので この列車に乗り合わせた3人のアメリカの若者たちの生い立ちから見せるストーリーは意外でした。 悪ふざけをしては校長室に呼び出されるような、アメリカのどこにでもいそうな子どもたち。 その生い立ちや遊びを通して、3人のうち2人は軍人を志す。アメリカのどこにでもいそうな青年たち。 それもエリート軍人ではなく、戦地の村で忘れ物をしたり訓練に遅刻したりする姿が。 俳優を使わず、実際に英雄となった3人にそのまま自分たちを演じさせ、 ヴェニスやアムスを観光する彼らの姿は、本当にどこの観光地でも見かけそうなごく普通の若者の姿だった。 そんなごく普通の3人の若者の姿が効いてくる。15時17分パリ行きに乗り合わせた色んな国の名もなき人々が力を合わせ、 勇気を振り絞り被害を最小限に食い止めるべく闘い、重傷を負った乗客の命を必死で救おうと奮闘する様を描く。 思っていた映画とはかなり異なりましたが、これもまたイーストウッドらしい映画だと思えました。
[映画館(字幕)] 8点(2018-03-09 16:22:31)(良:1票)
164.  深く静かに潜航せよ
名匠ロバート・ワイズ。「ウエストサイド物語」「サウンド・オブ・ミュージック」といった まずはミュージカルの大作が思い浮かぶのですが、この人は本当に色んな映画を撮っています。 本作は太平洋戦争における日本海軍と米海軍の息詰まる攻防を描いた潜水艦もの。 狭い艦内の中で俳優の動きが極端に制限されるので戦争映画の中では地味に映るのですが、 本作も含め潜水艦ものは秀作が多いと思います。敵を目視できない潜行中のレーダー探知や些細な音など、 互いの意思を読み合い、次の一手の出方を探り合う。張りつめたような緊張感が漂うサスペンスは潜水艦ものならではです。 特に両軍の潜水艦が機関停止状態で対峙する時間帯。見ている方まで息を殺してしまうような緊張感があります。 潜水艦ものはアクションが制限される分俳優の力量も重要になりますが、 艦長ゲーブルと副艦長ランカスター、2人の名優が演じる男と男のドラマも見応え充分の作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-03-08 19:18:38)
165.  ロング,ロングバケーション 《ネタバレ》 
人生の最後をどう生きるのか。 認知症の夫と、末期ガンの妻の老夫婦2人が旅に出る。ゆったりとした時が流れるロードムービー。 人生の思い出がいっぱい詰まっているのであろう、2人が旅に出る年季の入ったキャンピングカーがいい。 作品の多くの時間を占める、夫婦を演じるドナルド・サザーランドとヘレン・ミレンの2人だけの時間がいい。 切なく、見ているのが辛くなる2人の時間もあるのですがその一方で、 強盗に襲われたり、キャンプ場の夜、2人で古いスライドを眺めながら思い出を語り合う時間など、 楽しく微笑ましさを感じさせる2人の姿もいっぱいあります。 この2つの時間帯の切り替えが絶妙で、2人が抱える重い事情ほどに作品は重さを感じさせません。 それは2人の名優の味わい深く素晴らしい演技があってこそであることは言うまでもありません。
[映画館(字幕)] 8点(2018-01-31 17:15:08)
166.  隣のヒットマン 《ネタバレ》 
まともな登場人物が1人もいない。 唯一まともなはずの主人公の歯科医の男も気が付けばあちらの世界にどっぷり。 そうなるに至る過程も実に面白いです。 ある程度登場人物を絞り、男も女も、皆のキャラが見事に立っています。 全員が何らかの形で愛し愛され、殺し殺されの関係でつながり不要な登場人物がいない。 結構ぐちゃぐちゃで殺伐としたそれぞれの関係ではあるのですが、それをあまり感じさせず 挿入されるべたなギャグも効果的で、少々ブラックで笑えるドタバタコメディでありラブコメになっています。 序盤はドツボにはまっていく主人公の男ですが災い転じて福となす、 最後はブルースさんと揃ってうまくハッピーエンドとなりました。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-01-26 16:50:41)
167.  夫たち、妻たち 《ネタバレ》 
夫(男)とは?妻(女)とは?結婚生活とは?-アレン映画お馴染みのテーマを インタビュー形式を交えたアレン映画お馴染みの手法で見せる、彼が得意とする非常に苦味の強いコメディ。 全編にわたって手持ちカメラが使用され、時にかなりの接近戦で登場人物をとらえており、それがいい臨場感をもたらす。 2組の夫婦の間に割って入る、途中から挿入される男女1人ずつ(リーアム・ニーソンとジュリエット・ルイス) と、2組の夫婦の関係が微妙に変化していく中盤以降の展開が非常に面白い。 特にジュリエット・ルイスのあの独特の喋り方と、彼女に惑わされていくアレンとのやりとりが見ものです。 敢えてインタビュー形式を入れなくても成り立った作品だと思いますが、登場人物が結構感情的になる場面が多く、 その後にクールダウンした登場人物がその時々の心境を振り返るので、見る者に彼らの気持ちを整理する間を与えてくれます。 中盤までとはガラリと変わった関係となった2組のカップルと、1人の男。3つのインタビューで作品を締めくくります。 男と女とは、結婚生活とは・・・。色々と考えさせてくれる、彼らの本作最後の言葉です。
[DVD(字幕)] 8点(2018-01-06 17:38:42)
168.  戦略大作戦 《ネタバレ》 
戦争映画としての面白さも十分兼ね備えている戦争アクションコメディ。 イーストウッドとサヴァラスが戦争映画として作品を引き締め、 とぼけた味を見せる怪優サザーランドとコメディアンのリックルズがコメディとして作品をいい具合に緩めます。 任務そっちのけで金塊強奪団と化した彼ら小隊の面々の顔ぶれが絶妙。仲間の数名が命を落とす中盤の地雷原の攻防に、 最後の金塊が眠る町での市街戦は戦争映画らしい緊張感も見せてくれます。 真面目に戦争なんかやってられるか!と思わせるような、やたらうるさい上官の存在がいいアクセントになっています。 「お互いただの兵隊じゃないか。こんなとこで死んで何になるんだ。」と、 町を守備するドイツ軍と仲良く金塊を山分けし、軽く敬礼し別れ行くラストの爽快感もいい。 その直前、イーストウッド、サヴァラス、サザーランドが一列に並び敵のタイガー戦車に向かってゆっくりと歩を進める。 ほとんど西部劇のような(この時のいかにも西部劇風の音楽も含め)演出といった遊び心も楽しい。 愚かな戦争を笑い飛ばしつつも豪華キャストのカッコよさや味を十分に堪能できる戦争アクションコメディの佳作です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-12-30 00:17:43)(良:1票)
169.  暴力脱獄
1967年。ベトナム戦争が泥沼化していくアメリカ。自由で、世界をけん引してきたはずのアメリカは一体どうしてしまったのか。 一気にアメリカに内在していた負の部分が噴出し始めるこの頃に映画の世界ではニューシネマが台頭してきます。 誰からも愛される完全無欠のヒーローはそこにはなく、多くの反体制的なアンチヒーロー像が出現しました。 本作でポール・ニューマンが演じるルークもまさにそれに当てはまります。軍隊では軍曹にまで昇進したのに、二等兵で除隊。 恐らくは上官に逆らってばかりいる、軍隊では歓迎されない人間だったのだろう。 作業中にわざとらしく登場し、作業中の囚人たちの前で洗車する挑発的な女に囚人たちが興奮する様や、 ゆで卵50個一気食いイベントなど、母の死までは刑務所ものにしてはコミカルな空気も漂う。 それだけに囚人たちのヒーローになっていくルークが脱獄を繰り返し、痛めつけられ一旦は弱さをさらけ出す終盤の姿は痛々しくもある。 作品の舞台は刑務所ではありますが権力に屈せず、今自分がいる場所に自由が無ければ自らの力で道を切り開こうと更にもがき続ける。 だからこそ、そんなルークの姿は人々の心を強く掴んだのでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-12-10 20:35:25)
170.  泥棒野郎
ウディ・アレンの初監督作とされている作品です。 (実はその前に"What's Up, Tiger Lily?"という極めて微妙な作品がありますが・・・) 多くの作品で取り入れ、彼が好むパターンの1つであるナレーションに物語を進行させる手法に、 代表作「カメレオンマン」でお馴染み、古ぼけた昔の写真や映像の挿入と もっともらしい証言者を用意してのドキュメンタリータッチのホラ話に、 自身の出自や劣等感をギャグにしてしまうセンスに、撮り方にはまだ粗削りな部分は感じますが、 もうすでに典型的アレン映画となっていることに驚きます。 ジョーク作家、スタンダップコメディアン時代に書き溜めたのであろう小噺のようなギャグが全編に散りばめられています。 アレンにしては体を張ったベタなギャグもあり、「笑える」という点においては彼の数多い監督作の中でもかなり上位にくる作品です。 アレン好きの方で、まだ未見の方には是非ともおススメしたい初期の代表作と言ってもいい作品です。
[DVD(字幕)] 8点(2017-11-22 20:17:32)
171.  レイジング・ブル
自身の多くの作品で偏執的な登場人物を登場させてきたスコセッシと、 体重を増やし、前髪を抜き、偏執的なまでに演じる役になり切ったデ・ニーロ。 同時期にニューヨークで、同じくイタリアの血をひく家系に生まれ育った2人がコンビを組んだのは必然だったのか。 70代に入り近年はすっかり丸くなったデ・ニーロですが、スコセッシと共に見せる、若い頃の尖った演技、表情が作品にもたらす緊張感が凄い。 スコセッシとデ・ニーロのコンビの作品の幾つかでも、血の気の多い役で脇を固めてきたジョー・ペシもまた好演。 美しいモノクロ映像と挿入曲とは裏腹に迫力あるボクシングシーンは今に見ても迫力十分です。 ジェイク・ラモッタという男の栄光と挫折、人生の光と影を演じ切り2度目のオスカー受賞となったデ・ニーロの役者魂が全編にみなぎっています。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-09-17 23:55:40)
172.  ミリオンダラー・アーム 《ネタバレ》 
メージャーリーグへの夢を追いかける実話をベースにしたディズニー映画。「オールド・ルーキー」が思い出される。 本作も同じく、MLBのスーパースターになり莫大な富を得たという訳ではないけど、野球に夢を見た男たちの実話。 本作の主人公は選手ではなく、エージェントであるJBバーンスタインという人物。スポーツイコールビジネスという男。 彼がインドで発掘した2人の金の卵との二人三脚の奮闘記と思いきや、うまくいかない。野球も、彼らとの人間関係も。 しかしいい実話モノには必ず、そんな彼らを支える素敵な人物の存在がある。 インドからやってきた純粋な2人の若者。彼らにとって母のような姉のような存在、ブレンダ。 2人の若者と一緒にインドからやって来たエージェント見習いの男のコミカルな存在も効いている。 そんな彼らの存在がJBの心を変えていく。 「私はビジネスを優先させすぎていた。野球はビジネスが全てじゃない。野球を楽しむんだ。」 2度目のトライアウトではこの言葉通り、2人と共に野球を楽しんでいるJBの姿があった。 野球というアメリカンドリームに挑む若者の物語であるとともに、いい出会いが人を変えていくドラマでもあると思う。 実話モノゆえにドラマチックな展開も無く、当然彼らがトントン拍子にメジャーのマウンドに上がれるということもなく、 (ピッツバーグ・パイレーツと契約したとあるが、マイナー契約であると思われる) 感動をあおるような演出も控え目にされていますが、本作もまたディズニーらしい良作です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-08-26 17:02:54)(良:1票)
173.  グッドナイト&グッドラック
アメリカ映画を見ていると忘れた頃にその名が出てきて嫌でもある程度知ることになる、 アメリカ映画界にも大きな影響を与えたジョセフ・マッカーシーと赤狩り。 マッカーシズムと真っ向勝負を挑んだCBSのアンカーマン、エドワード・マローを主人公としながらも、 その対決の相手となるジョセフ・マッカーシー上院議員を演じる人はいない。 マッカーシーは頻繁に登場しますが、それは全て当時のモノクロのアーカイブ映像の中に登場する本人。 そしてエンターテイメント性を徹底的に廃し作品自体もモノクロにすることで、 本作のキャストが同じ時代で当時のマッカーシズムと闘っているような緊張感を生み出しています。 ジョージ・クルーニーが映画人として骨のある所を見せつけた佳作。 作品タイトルの"good night and good luck"、これはエドワード・マローへのこれ以上ないリスペクトであると思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-06-17 20:40:25)
174.  トゥルー・クライム(1999)
やはりイーストウッドには、こんなひと癖もふた癖もあるヒーロー像がよく似合う。本作では、信心深い冤罪の死刑囚と面会した際でさえ、 「俺はどうせ世間ではつまはじき者だ。神など知ったこっちゃない。あの世の正義などクソ食らえだ。」と言い放つ。 平気でこんな台詞を吐く正義の人を演じると誰もイーストウッドには太刀打ちできません。 勤める新聞社でも禁止になっている、社会悪の象徴のようなタバコをくゆらす様がまた絵になる。 死刑執行まであと数時間。普通なら不可能と思われるドラマですがイーストウッドがやると、それだけで何か説得力のようなものがある。 不慮の事故で急死した後輩に代わり、死刑囚の面会の仕事を引き継いだ時には執行まであと数時間。 面会時、与えられた時間は15分。冤罪の死刑囚との分刻みの真剣勝負。 最後は、刑の執行が始まり秒刻みの争いとなってくる。次第に残された時間との闘いが緊迫度を増してくるドラマの展開も見事。 冤罪と死刑、人種問題、司法やジャーナリズムの在り方を問う重さのあるテーマを扱いながらも、 娘とのやり取りや職場での軽いやりとりが効いていてイーストウッドの社会派サスペンスとしてはそれ程重さを感じさせない。 そこには何も台詞は要らない。クリスマスの夜、目が合う2人の表情で終わるラストもまた良かった。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-06-10 23:12:41)
175.  ブルー・ストリーク
勢いがいい。ノリがいい。テンポがいい。尺が短い。笑いドコロ十分。 元泥棒の偽刑事。無茶苦茶なようでそれなりに辻褄が合ってくる。みんなちょっとずつ間が抜けている。 警察、FBI、昔の泥棒仲間に麻薬王まで入り乱れて、最後はちょっとハラハラドキドキ。そして結末がいかしている。 マーティン・ローレンスが素晴らしい。新人ダメ刑事だったはずの相棒、ルーク・ウィルソンが最後はカッコいい。 典型的アメリカン・コメディとして実に素晴らしい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2017-03-29 21:22:36)(良:1票)
176.  シング・ストリート 未来へのうた
ジョン・カーニーの音楽映画を見るのは本作が3本目。いずれもハズレが無い。本作もいい映画でした。 本作は過去の2作の落ち着いた味わいがある"音楽と大人のラブストーリー"とは異なり、 ベタな青臭さも魅力の躍動感あふれるロックと恋の青春映画の秀作です。 ジョン・カーニーの青春時代の実体験がベースになっているというこの作品、 キャメロン・クロウが同じく青春時代の実体験を映画化した「あの頃ペニー・レインと」のテイストが好きな方、 また、僕は40代のおじさんですが、80年代に洋楽を聴きまくった同世代の方にもぜひお勧めしたい作品です。 ジョン・カーニーもまた同世代。作品の至る所にロック愛がにじみ出ている。 台詞の中に次々とあの頃ヒットチャートを賑わしていたグループやアーティストの名前が出てくる。 The Cureの曲も挿入されていますが、主人公の少年のメイクした姿なんて、もろにロバート・スミスです。 また、主人公の少年が初めて出会うメンバーが何となくジョン・レノンを髣髴とさせる。 2人が作曲を始めるシーンは、かのレノン=マッカートニーもこんな風に曲を作っていたのかな?と思わせます。 こんな風にジョン・カーニーの思惑を想像しながら見るのも面白いと思います。 終盤のライブでの、ロック魂あふれる"校長に捧げる歌"など、オリジナルの曲も素晴らしい。 他のメンバーのキャラがほとんど立っていないのは残念ですが、主人公の少年の兄貴が実にいいキャラです。 ちょっと前のアメリカのロック映画ならジャック・ブラックがこういう役を演じて散々作品をかき回すところでしょうが、 ブッ飛び具合と落ち着き具合が絶妙で、この兄貴を演じた俳優さんを本作のMVPとしたいですね。 ラストは邦題"未来へのうた"の通り、希望を胸に未来へ向け、彼女と一緒に大海原へ飛び出していく。まぶしすぎる2人の姿。 そのラストに続く、エンドロール前の「すべての兄弟たちに捧げる」がなんか良かったな・・・。
[DVD(字幕)] 8点(2017-01-21 21:15:39)(良:1票)
177.  クラッシュ(2004) 《ネタバレ》 
冒頭のドン・チードルの”触れ合いとぶつかり合い”の語り。 鑑賞後にこの冒頭の語りがとても印象に残る作品でした。 本作には様々な人種の人々が登場する。人種差別主義者もそうではない人も登場する。 人々の暮らしの中に普通に存在してしまっている銃の存在。 アメリカに住む市民なら誰もが、多少なりとも本作に登場するような人に出会い、 触れ合いもぶつかり合いも経験したことがあるのではないかと思う。 特定の主人公は存在せず本作の登場人物も誰もがアメリカの一市民であり、 これらに対し本作は特にこれといった解決策を見出している訳ではないですが、 現状では誰にも解決策なんて見出すことができないんだから仕方が無い。 その上でポール・ハギスはアメリカ社会の現状の一端を語り、アメリカ市民に問いかけようとしたのか。 それでも、序盤から人種差別的な行動や発言を繰り返す、主役級のマット・ディロンやサンドラ・ブロックですが 彼らの序盤からのぶつかり合いの果ての触れ合いに少し救われたような気がします。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-11-26 17:40:16)
178.  トレヴィの泉で二度目の恋を 《ネタバレ》 
映画が始まり、最初に聞こえてきた声「マルチェロ!」。そしてTVに流れているモノクロの映画。それは「甘い生活」。  シャーリー・マクレーン演じる虚言癖がありちょっとブッ飛んだところもある、それでいてチャーミングなばあさん。 年は取っても彼女のパワフルなコメディエンヌぶりには全く衰えなしです。 そしてクリストファー・プラマー演じる偏屈だけど、それでいて品を感じさせるじいさんの2人の恋。 想像していた以上に2人が笑わせてくれる。しかしそれでいて品を感じさせ見る者をホロリともさせてくれる。 2人の味わい深い共演が素晴らしい。 近年でもRアッテンボローの「あの日の指輪を待つきみへ」で2人は共演しており、息もピッタリな所を見せてくれます。 終盤に2人はローマに旅立つ。そしてあのトレヴィの泉へ・・・。 あの名シーンのマストロヤンニとアニタ・エクバーグに、プラマーとマクレーンの姿が重なり合う。 2人の世界がモノクロに変わる。何とも素敵な、「甘い生活」に捧げられたオマージュ。 その後すぐに突然訪れるラスト。多くを語らないのもまた良かった。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-11-15 21:29:25)
179.  ブロークン・トレイル 遥かなる旅路<TVM>
TV用に製作された作品ですが、これは映画館で見たらいいだろうな。 雄大な西部を行く500頭の馬と、遥かなる旅路の様々な人間模様を大らかに描く。 叔父と甥、そして序盤にもう1人、音楽家を志す若者が仲間に加わる。 いい具合に不器用で強く、いい具合に優しく紳士であるこの男達が実にいい。 売り飛ばされようとしていた所を彼らが助けた中国娘達が旅に加わり、更に他の町でも仲間が増える。 仲間が増える出来事の度に彼らの魅力が増す。最初は彼らにも怯えていた中国娘達が次第に綺麗に見えてくる。 その旅の道程は現代が舞台のロードムービーと比べるとテンポは良くありませんが、ゆったりとした3時間が実に心地いい。 しかし、西部開拓の時代も現代も、全く変わることの無いアメリカン・ロードムービーの風景がある。 それはアメリカン・ロードムービーの、僕の好きな風景である夜の焚き火とその語らい。 音楽家を志す若者のフィドルに合わせて皆で踊るシーンは特にお気に入りのシーンです。 こんな平和な風景だけではなく、この時代ならではの悪者も出てくる。そのクズっぷりも良かったと思う。 旅の仲間の中には命を落とす者もいる。ウォルター・ヒルらしいハードさも加わります。 本作は何と言っても主演ロバート・デュバルの映画。 「あなたは不幸よりも幸せになることの方が怖いのね。」この終盤の台詞を見事に体現していました。 いかにも不器用そうな甥役のトーマス・ヘイデン・チャーチも良かった。ささやかに挿入される叔父と甥、それぞれのロマンスも。 久しぶりにグレタ・スカッキが見られたことも嬉しかったです。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-11-02 23:47:05)(良:1票)
180.  コンドル(1975)
この頃のレッドフォードは本当にカッコいい。レッドフォードだけでなく、この映画も本当にカッコいい。 レッドフォード演じる男のせいで事件に巻き込まれてしまう女、フェイ・ダナウェイ。しかし惚れてしまう。 普通そうなるか?とも思うけど、そうなっても仕方が無いと思わせるレッドフォードのカッコよさ。 しかしその上を行く存在感を見せる、マックス・フォン・シドーの名演を堪能できる作品でもあります。 誰も信じられない、誰も頼れない。レッドフォード演じる組織の末端の男のたった1人の戦いが際立ちます。 そこに登場する1人の女。この頃のこんなサスペンスにフェイ・ダナウェイがよく似合います。 「その新聞が出ると思うのか・・・?」「必ず出るさ」何とも言えない余韻を残すラストもバッチリ決まっています。 ちなみに、レッドフォードがこの翌年に出た作品は「大統領の陰謀」。この流れも、何かいい。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-10-14 21:28:14)
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