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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 2524
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1.  犬王 《ネタバレ》 
 山田尚子監督の『平家物語』を見ていたお陰ですんなりと世界に入ってゆくことができたわ。『平家物語』のヒロインびわが見て触れて琵琶法師として語ってきた世界がここに語り継がれていて、ってまるで地続きのように見ることができて。   山田尚子監督の繊細な、静のアニメーションに対して湯浅監督は一貫して動のアニメーション。アニメーションの快楽は今回も爆発しているわ。  盲の琵琶法師ともののけの如き男がバンドを結成する物語、歌曲と舞踊が生み出す快感が画面いっぱいの絵巻として繰り広げられて。今に通じる青春映画のようでもあるわ。ただし、その背景には源氏に滅ぼされた平家の無常な世界があって、権力の介入による不条理な弾圧があって。  平家の亡霊を成仏させるたびに犬王が獲得してゆく人間らしさはまるで社会に摂りこまれてゆくようで、体制に反発し、あくまで信念を貫く友魚こそがロックな生き様を見せてくれるようで、二人の対比が最後には切なく迫ってくるわ。   ただ、ロックよりは琵琶や太鼓や鐘の音色のみで魅せて欲しかった感はあるのね。本来はそこに聴こえないハズのギターやベースの音がジャカジャカと入っていると、その音にこそレイヴ感が存在しているような印象を受けてしまうのよね。今の音に重ねる事で過去と今とを繋いでいるのは判るのだけれども、舞台装置も含めて今になり過ぎちゃってる、今の野外ライブを見てるのと感覚一緒、って感じになっちゃって。そこはもうちょっと工夫、音にも絵にも見せ方にも時代を意識させるデザインが欲しかったかな。  それから重要な歌唱シーンで肝心の歌詞が聴き取りづらかったのが残念。でもそれはハコの音響設備の問題かしらねぇ? 出力的には問題なかったのだけれども。  あと、中盤のかなり長いライブシーンはちょっとテンション維持できてなかったかも。そのアニメーションの暴走的な歪さは湯浅監督らしい、湯浅監督の魅力でもあるのでしょうけれども。   この無常なる青春映画、今に通じる表現についての物語、難点はありつつも楽しみ、そして考えさせてくれる映画だったわ。
[映画館(邦画)] 7点(2022-06-08 16:09:17)
2.  いのちの停車場 《ネタバレ》 
 ムビチケ貰ったので(協賛企業経由なヤツ)見に行ったのだけど、なんだか色々と残念な映画だったわ。   冒頭の大事故スペクタクルなシーンが、ただ病院が大混雑したために手が回らなくなりました、という状況のためだけに存在していて。  田中泯と吉永小百合が親子っていう設定に無理があって(吉永小百合を40~50代として見てくださいね、という事なのかしらね)。  役者さんたちの会話のタイミングが妙に悪くて(特に西田敏行の間の空け方は危なっかしさすら感じて)。  患者が出てきては死んで泣かせてのパターンを繰り返して。  広瀬すずの境遇が明かされるのが結構経ってからで(あんな少人数の職場でそんなに長く明かされないものかしら?)。  何故か小池栄子と伊勢谷友介のエピソードは放ったらかしなままで終了して。  ラストはまさかの絶望エンド。   なんていうか、コロナ禍でちゃんと撮りきれないまま公開するしかなかったのかしら? 伊勢谷友介はまあアレがあったからアレだけど。   在宅医療や終末期医療、安楽死の問題を盛り込んで人間性、情の側面から現代の医療を捉えているのは判るのね。でもひたすらに感情的、感傷的になってしまっている気がして、それはどうなのかしらねぇ。もちろん心が無いのは良くないけれど、法律には勿論それが存在することの意味があるのだから、それを無闇に間違っている、あるいは法律よりも優先されるべきである的な投げかけをしても良くないのよね。冷静に論理的に考えるべきものまで感情論で潰しちゃダメだと思うわ。さすがにサユリスト向き映画的情緒で片付けちゃいけないわよね。   救いは松坂桃李かしらねぇ。喜怒哀楽ハッキリしたキャラなので映画の中で生きてる!ってカンジがしたわ。莫迦だけど。
[映画館(邦画)] 4点(2021-06-18 21:07:26)
3.  一度死んでみた 《ネタバレ》 
 豪華なチョイ役の人々、ペラペラな内容、尺もテレビの2時間枠にぴったり収まるように作られた典型的なフジテレビ映画。   冒頭からしばしはテンポ良く進むので、あ、コレは無駄なくスッキリと作られて好感持てるかも、と思ったものの中盤以降はダラダラ。元々、大して容量のある物語ではないので、90分ちょっとでも尺を持て余してるカンジがするわ。クライマックスの棺桶争奪からのチェイスなんか構成からしたら無駄な展開よね。あの歌がクライマックスでいいハズなのだから。火葬場まで到達しないとせっかくの伏線がキモチ良く回収できないってコトなのでしょうけど(回収した伏線をわざわざセリフで説明しちゃうのマジ不粋)。  チェイス以降はその後の遺言のやりとり部分も含めて展開が弛緩しちゃったわ。   ただ、そういうバカっぽい、バラエティノリの映画で広瀬すずがバカっぽい演技をしている、って状況の面白さはあるのね。  それに冒頭の(予告編でもさんざん聴かされた)「デスデスデスデス!」ってアレは正直なところ聴いてらんないレベルの酷さで、だから彼女に歌わせるのって酷じゃね?とか思ってたんだけど、クライマックスでの歌でしっかと聴かせるところまで持っていってるので、ああ、なんだ、そんな実力もあったんだ、ってキッチリ納得させてくれて。   映画を堪能した、って感覚は全く薄いけれど、広瀬すず主演のバラエティドラマをなんとなく楽しんじゃったって程度の感じね。   ところでエンディング後の1シーンはあれ、余計だったんじゃない? そこまでになってたかしら?
[映画館(邦画)] 6点(2020-06-25 21:12:12)
4.  イニシエーション・ラブ 《ネタバレ》 
 ラストのネタバレすんな、という注意メッセージが冒頭に出てくるので、なるべくそれに則って。全く触れずに感想を書くのはさすがに難しいのですが。でも、そのメッセージの書体からしてふざけてるような感じで、本編でもちょくちょくおふざけが顔を出し、ああ、やっぱり私の嫌いな堤幸彦作品だよ、と。   まず、ラストに明かされる真相、アレは「そういう事なんじゃないの?」って仮定して見てたらその通りだったので、意外性も何もなく、あーあ、やっちゃった、って感じで。やっちゃったのは映画側じゃなくて私の側ですが。ヘンにアレコレと読み過ぎて面白さを消してしまうっていう。  でも、見終わって考えると、その真相を隠すためのテクニックが随分とあざといんですね。映画のセオリーを破ってまで騙そうとしてます。ルール違反状態。   そして、もっと気になったのが堤幸彦って人の毎度の不真面目っぷりが結果的に映画を疑問や不信感たっぷりなものにしてしまう事。  ラスト、あっちゃんが随分と・・・に思えるような描き方になっているわけですが、でも、女性としてかなり一方的に傷を負ってるんですよね? そこをラストのアップで「でも、それはそんな大した事じゃないよ」って帳消しにしちゃってるように思えるんですよ。男が男なら彼女も彼女、みたいな扱い、オチを付ける事で軽い笑いへと転化されてしまうような無責任な姿勢。そうじゃないでしょうに。異様なテンションやバカくさいエフェクトも含めて、この人いつもそう。   80年代を舞台にした青春映画って事で、世代的には私はどストライクだったりするのですが、そのノスタルジーですよ、って要素は「だから?」としか言い様がなく。これ見よがしに並べ立てられたところで恥ずかしいばかり。シーンに合わせて流れる当時の歌なんかは特にそうなのですが(イントロちょっと聴いただけで曲名がすぐ判るレベルの歌の数々)、これは原作由来なようで、そっか、原作からして恥ずかしいのか、と。   全編、騙しのための細工と懐かしネタで散りばめられた映画、だけどその陰に隠されてしまった痛みや切なさ、そここそが本来は大切なんじゃないの?と思うのでした。世代的に、ちょっと馬鹿にされた気分。あっちゃんは良かったんですけどねぇ。
[映画館(邦画)] 4点(2015-05-26 21:12:51)
5.  イン・ザ・ヒーロー 《ネタバレ》 
 スーツアクターに対する愛、終わってみると、そこだけな映画って気がしてしまって。   まず紋切型な展開の序盤、湿った感じで火が付くまでにやたら時間がかかります。日陰の身であるスーツアクターの悲哀と魅力とが描かれている、のはいいのですが、判りやすい悪役を設定する事で良い人々を描くのはかえってノッてゆかないんですよね。ダサさを冷めて見ちゃう。   中盤、悪役が改心して群像劇になってゆくと俄然面白くなってゆきます。それぞれのキャラが立って一人一人が魅力的な存在になって。で、このままクライマックスに向って一気に突っ走ってくれると良かったのですが・・・   結婚式の夜のシーンが終わるとそこまでの流れがパタッと止まって主人公のパーソナルな映画になります。ここからがクライマックスという事なのですが、まータメるタメる。二度も延々スローモーションでタメるシーン入って映画のテンポめためた。  で、そこまでして勿体つけてタメた末のクライマックスが「それはネタか?」という。「ワンカット長回しでCG使わずに撮るアクションシーン」という設定を、カット割りまくりのCG使いまくりで描いてくれます。「そんな拘りは重要ではないんだよ」って言いたいのならば、それだけ説得力のある画が必要だと思うのですが、そこまでのものは、いや、それ以前の戦隊モノのアクションシーンのキメポーズまで含めて、無かったように思えるんですよね。   第一「ハリウッド映画」の描写がめちゃくちゃ。死亡する危険性の高いスタントを無理矢理やらせるようなハリウッド映画がどこにありますか? アクションシーンのワンカット長回しに固執するハリウッド監督がどこにいますか? アクションシーンを長回ししたって『幕末高校生』のクライマックスみたいなアレな事になるだけですがな。「ハリウッドに日本のアクションの意地を見せてやる」って言ったって、そのハリウッドがニセモノ丸出しじゃあ情けなくないっすか?   登場人物はみんな魅力的だったのですから(いや、及川ミッチーに与えられたあまりに愛のない悪役っぷりは酷かったですが)、あまり無理をして虚勢張ってデカいホラ話にするんじゃなくて、もう少し身近な親しみのある範囲での話でまとめた方が良かったんじゃないかなぁ。
[映画館(邦画)] 5点(2014-09-30 22:51:39)
6.  偉大なる、しゅららぼん 《ネタバレ》 
 この原作者の『鴨川ホルモー』『プリンセス トヨトミ』に続いて、またしても「奇抜な設定をただひたすら説明するだけの映画」が登場しました。   物語はほぼ無いようなもので、映画の殆どは古くから反目する琵琶湖畔の2つの名家の対立と備わった特殊能力についての解説。そのファンタジーな設定を楽しめないと映画自体が楽しめないという点も前2作と全く同じと言えます。   で、それが今回もあまり楽しめないって感じで。  登場人物のあり得なさっぷりを、そういうものだと納得して楽しむというところに行かないんですね。作品の中だけで閉じ過ぎちゃってるようで、生きた、血の通った人々になかなか見えてきません。  延々とお殿様言葉で話し、感情を表に出さない濱田岳を、それでも面白い人と思うためにはその背景描写が欠落し過ぎていると思うのですね。設定の説明には費やしても、人や社会との関わりについては殆ど語られないので、ただ設定の中だけに閉じ込められた存在で。キャラ設定的には因習から抜け出そうとしていた訳ですから、皮肉な話です。   全編、そういう絵空事っぷりがハンパなく、しかも画面に登場するキャラを絞り過ぎてしまっている上(お城に居を構える名家でありながら、そこに住んでいるように思える人間はほんの数人)、人となりすらも多くがセリフで説明されるため、世界全体が薄っぺらい感じ。  クライマックスは湖が割れたり龍が出たりと、それこそ奇想天外な話になりますし。   あと、この原作者の映画でいつも気になる事なのですが、関西から全国に発信するのでなく、関西で閉じてる感じ、何か閉鎖的な感じがしてしまうんですね。土地に縛られる、他所とは線を引く、それがどうも東京モンな私からすると「なんだかなぁ」って思えて。   現代を舞台にした和なファンタジー、っていうのはとってもアリだと思うのですが、それが色々と縛り(物語や設定だけでなくもっと外側の部分まで含めて)を与えた上に成り立っているのはどうなんでしょうねぇ?
[映画館(邦画)] 5点(2014-03-16 19:37:56)(良:1票)
7.  板尾創路の脱獄王 《ネタバレ》 
映画全体がラストのオチのためだけにあるような感じもしますが、そこに至るまでを、あんなにもヒネリもなく淡々と描いてしまったんじゃ、全然ラストまで引っ張れてませんよ。見ていて眠い眠い。「何故、脱獄を繰り返すのか?」ってミステリー部分か、脱獄のシチュエーションの面白さを見せるか、どちらかをちゃんと作っておかなくちゃ引っ張れないと思うのですが、そのどちらもが半端。前者は表情や感情を一切見せないために脱獄に賭ける執念のようなものが欠けてしまっていますし、後者は凝った描き方になっているのは少しだけ。せめて國村隼演じる看守の視点を大きくして、主観的に描いたら、まだオチも生きたのかもしれません。中盤の中村雅俊の歌は、これが真面目な時代設定に基づく映画ではありませんよ、って宣言する事でラストのあり得なさを暗示しているのかもしれませんが、それにしても、そことラストだけがまるっきり異質になっちゃってるのもねぇ。少しでいいから笑わせて貰いたかったというのが正直なところ。お笑いの人がどんどんゲージツ家気取りの観念的な映画を撮りだしたらヤだなぁ。
[映画館(邦画)] 4点(2010-01-27 18:04:47)
8.  いけちゃんとぼく 《ネタバレ》 
サイバラのブログによると、ねちお監督は阪本監督の『ぼくんち』に苦言を呈していたようですが、コレもまた『ぼくんち』以上に困ったモンでね。テクニックが劣る分だけ、もう少しツラいかな。まず、撮っておくべき画があれこれ撮れてないのが気になりました。牛乳瓶を割るシーンでは最初にそれが牛乳瓶だって説明するカットがなくちゃ。あれじゃ何やってんのか判らんて。爆走父ちゃんがいきなり引き返すシーンはただ漁師が食事してる風景だけじゃ何故引き返したかの説明になってないし。お母さんとの会話シーンではいちいちお母さんの顔がハンパに闇に沈んで重要なシーンなのに表情が見えなかったり。そう、お母さんが重要なハズのこの映画で、何故かお母さんを避けまくり。元々この物語って「母性の物語」でしょ? それは原作がそうだ、ってだけじゃなくって、いけちゃんって存在の示すところがそうであるのに、お母さん避けて延々と子供が主演のヤクザ映画みたいな、殺伐とした陰湿なシーンが続いて、一体何やってんのよ? あのノリを延々と引っ張り過ぎちゃってて、みんな退いちゃってるって。もう映画館の椅子に座ってるのが苦痛ってレベル。心情はみんなセリフで喋ってて橋田壽賀子のドラマみたいだし、子供達のドラマは類型的でウソくさいし。日本映画は原作クラッシャーの巣だぁ! でも、サイバラが創造し、蒼井優が命を吹き込んだいけちゃん部分はあくまで凄くイイんですよねぇ。それゆえラストの盛り上がりでヘタにイイ映画に見えたりして困ったモンですが、そこに至るまでの苦痛を忘れちゃいかんですな。
[映画館(邦画)] 3点(2009-06-20 17:56:30)
9.  ICHI 《ネタバレ》 
最近お馴染みのインチキ時代劇群に比べれば、まだ時代劇としてマトモであろうとしている真面目さは認めます。だけど、その分まったり退屈。ベースになる部分は時代劇としてなーんにも冒険してないんだもの。そんな中、今日的なのが窪塚&獅童でね、だけどこの二人の毎度の演技が映画を壊しちゃってるのがあーあーあー、って。『ピンポン』まんまで出てきてるようなモンで。獅童なんか、先週見た『レッドクリフ』と同じ顔しかしてないし(アレは子供の頃に読んだ『桃太郎』の絵本の鬼の顔だ)。っていうか、市の壮絶な強さってのを期待したんですけど、まさか主役が途中で変わるなんて思ってないって。弱いんじゃん!つーか、クライマックス迎えてまだ寝てるじゃん!って。あそこは本来、両派ぶつかるところにバーン!って出て行ってこそなのに、何やってんだか。結局実は大沢たかおが主役で、だけどいざって時に刀抜けない、って最初からもう鞘から抜いとけ!そこら辺に落ちてるの拾え!みたいな、ツッコミ入れたくなるボケ演技を延々と見せられるのがバカバカしくて苦痛でした(タメが全く効果的でないのよ)。登場人物みんなやたら辛気臭くて、女々しく、そして何より類型的な物語でまー、見てる方はせっかく金払って時間潰してるんだから、って消化試合みたいなモン。でもまあ、その真面目さに可もなく不可もなく、って評価を。
[映画館(邦画)] 5点(2008-11-08 20:27:11)
10.  犬神家の一族(2006) 《ネタバレ》 
映画が始まり、藤司純子の松子が口を開いたとたん、思わずそれに合わせて「お父様、ご遺言を。みな、お父様のご遺言を・・・」と口をパクパクさせてました。それくらい前作は私の中に染み付いている映画ですし、そしてこの映画は前作との違いは殆どないという作品。もはや、役者以外はどこが違うのかの間違い探し状態。前作をよーく知っている人間にとってこれは、リメイクと言うよりもオリジナルのちょっと音痴な模作って感覚になってしまうんですよね。何が音痴か、と言えばやはり役者さん。それぞれの役者さんは悪くないんです。存在感は見事です。だけど発声、声と声の応酬によって高まってゆく場面、それがとても弱いかな、と。前作では役者さんが皆、パキッ!とした声を出していたのですが、今回は全体的にアンバランスなトーンでコンビネーションがいまひとつ、みたいな。それから、映像派の市川監督にしては、構図が全編やや頭づまりに感じたのが「あれ?」と。前作の東宝ワイド(1:1.5の特殊サイズ)に対して今回はビスタサイズ(1:1.85)でしたが、実は今作も東宝ワイドを前提とした撮影がされてるような事はありません? 前シリーズは東宝ワイドに非対応な劇場ではスタンダードサイズ(1:1.33)で映写できるよう撮影されていたのですが、今回は無理に上下切ってないですかねぇ? あとせっかく新作なのだから、前作で省略された湖から下半身が突き出している理由とか、お琴の師匠の正体とかを見せて欲しかったですし、笑いを取るシーンも前作と同じではなく新しいネタを仕込んで欲しかったです。とは言え、今の日本映画でこれだけちゃんと撮影されている映画ってなかなか見られないですし、なんと言っても極太明朝のカクカクっとしたクレジット見ただけで涙出てくる身としては、素直にこうして新作として見られて嬉しかったです。唯一前作と全く異なるラストシーンなんか、ただそれだけで嬉しかったですしね。
[映画館(邦画)] 7点(2006-12-16 14:20:09)(良:1票)
11.  1980(イチキューハチマル) 《ネタバレ》 
こういう時代ネタモノってのは、どうしても自分語りになってしまいますねぇ。私の場合は世代的に映画の中での蒼井優とほぼ同世代かな。こっちがもうちょっと上だけど。正確に1980年を再現してる訳じゃないけれど(「インベーダー」は80年時点じゃもう殆ど見かけず「ギャラクシアン」から「クレイジークライマー」の時代ですな)、あの頃ボレックスやアリフレックス回してたりしてたんで懐かしさと言うより映画の世界にシンクロするような感覚を味わいました。映研の部室に貼ってあるポスターや置いてあるプログラムのボンクラ具合も共感しちゃうし(「グレート・ハンティング」に「テンタクルズ」って・・・)。しかーし、テクノカットの少年のモノローグで始まりながら、彼の視点はさっさと消え、最後の方で唐突に蒼井優のモノローグになったりするのはイカンです。結局、誰視点の映画なのよ?と。それが象徴しているように、映画は表面的なことばっかり描いていて、いつまで経っても本題に入らないままに終わってしまいます。ともさかりえ、犬山犬子、蒼井優と役者はおいしいんですけどねぇ。残念。軽薄丸出し80年代を象徴するかのような作品ですけど、作品そのものが軽薄じゃ仕方ないですわぁ。でもね、この時代をナマで生きてきた人間としてはそれを完全には否定しきれない、ってゆーか、聖子ちゃんカットの蒼井優は全然アリ!とか思ったり(←アホ)。豆知識。この頃の「ぴあ」は誌面を開くと何故かもの凄くクサかったんだぞぅ(←だからどうした)。
[DVD(邦画)] 6点(2006-10-23 00:50:44)
12.  インストール
んー、内容についてアレコレと文章を考えたんですけど、結局のところ『とっても判り易い押井守』だけで説明ついちゃうかな。これを求めている層にぴったり適合するならば(なんてったってリアルワールドの上戸彩が演じるんだもの、需要はありますわなぁ)、こういう文法もアリでしょう。タイトル部分のデザイン良。神木くんはどの映画でもかわいらしいやね。
[DVD(邦画)] 6点(2006-10-18 01:00:39)
13.  いちばんきれいな水 《ネタバレ》 
とっても面白くてキレイで感動的なハナシになりそうな題材なのに、こうも平凡な映画になってしまったとは。ションボリ。『11年間眠ったままだった女の子。ある日突然目を覚ました彼女は、妹よりも幼い心を持ったお姉さんとして妹を悩ます事になるのでした。』こうストーリーを書くと、色々とステキな映画の世界を空想できるんですけれど、実際は盛り上がらない脚本と、平凡な演出と、ありきたりなカメラと、画面に合っていない音楽とで、結果はそこら辺にごろごろ転がっていそうな毎度のひとりよがり風のジミな邦画。もっと楽しく弾んでいいハズなのに、もっと幻想的でいいハズなのに。ご都合主義いっぱいの物語でも構わない、って思わせるだけのファンタジーになってないんですよね。最後は『こういう展開だったらイヤだなぁ。でも予定調和の道を進むのならば、そういう終わりになるんだろうなぁ』って通りに落ち着いてしまってガッカリ。そういうお決まりの物語なんか、望んでなかったんですけどねぇ。加藤ローサ、菅野莉央の二人はいい素材なのに、それをあんまり生かしてなかったなぁ。勿体ない。映画館では豊洲でしか見られない(ネット配信されていますが)、豊洲を舞台にした後日談のビデオ撮り短編「夏美のなつ」の方がずっと弾んで楽しくて美しい映画だったり。何より本編よりよっぽど菅野莉央が魅力的に映ってます。ちょうど映画が夕方に終わって、映画の豊洲の景色を追体験できたのが良かったです。「夏美のなつ」込みならば6点かな。
[映画館(邦画)] 5点(2006-10-16 00:07:41)(良:2票)
14.  いぬのえいが 《ネタバレ》 
「動物と子供にゃ敵わない」っていう業界の常識を臆面もなく出してきてしまうあたりのあつかましさ。ハッキリ言ってイヤなカンジ。だから「犬なんて全然関係ないもんね」って状態の伊東美咲いじくりまくりドッグフードCMのあたりのノリは、意外に思いながらも楽しみました。そして「いよいよ犬と子供出してきやがったなぁ!」ってところから、心のバリケード築き気味に見ておりましたが、ポチかわいい~ん、とあえなくとっとと陥落。お笑い系も泣かせ系も、楽しんでしまいましたとさ。ポチのエピソードがあそこで終わりになるのはなんかヘンな感じがしますし、エピソード羅列状態は散漫に思えます。これは映画として成立してるのか?みたいな福袋状態。でも、ラストに、あんなエピソードを持ってきて〆られちゃったら、はぁぁぁぁ・・・泣けた・・・ってなるしかないでしょう。卑怯だなぁ。見終わって思わずミミさん(うちの愛猫、♂、元野良)をメチャクチャなでなでしちゃいましたよ。ちなみに犬好きの人ってやっぱり冒頭のミュージカルのように「ウチのコが最高!」とか思うんでしょうか? ネコ派な私はミミさんには悪いですが全てのネコが可愛く、でも犬も、リスとかハムスターとかも可愛かったりするんですけど。
[DVD(邦画)] 7点(2006-09-18 00:34:58)
15.  いま、会いにゆきます 《ネタバレ》 
ラストに至って「あああ!そう来たか!ちょっと感動しちゃったぞ!」って感じだった(ファンタジーだと思わせておいて、SFでした!)んですが、冷静に考えると終わり良ければ全て良しなのかぁ?って。だって全体の90パーセントは、私、だれだれ~んと見てましたもんね。なんていうか、ラストの大きなオチのために、あまりに強引で無理矢理な展開をさせるじゃないですか。死人が甦ったのにそれを当然の如く受け入れてしまったり、記憶喪失だってのに医者に行くでもなく、外界から一切遮断された状態で過ごして、って。それはラストで理由が明かされはするんですけど、ラストまではひたすらヘンなモノを見せられ続けてる感じとしか言い様がありませんでした。もし実は記憶喪失の別人だったらホラーにだって転じちゃいますよね。記憶がないのをいい事に若い女性を自宅に軟禁状態にする親子。キャー! そういう不信感がずーっとつきまとって、ラストでなるほど!ポン!と膝を叩いて、って、じゃあこれはラスト数分間のためにある映画なのかい、と思うと、いい映画だったのかどうか、ちょいと頭をヒネらざるを得ないのですわぁ。怒涛のラストで感動しました~!って裏で、実はパラドックスが生じちゃってたりしてますし。どうして時間いじり系映画はみーんな「細かいコトは気にするな」になっているのでしょう? むー。心で見ずにアタマで見たのが敗因かな・・・。
[DVD(邦画)] 5点(2006-08-02 01:44:51)
16.  イノセンス
人の体が単なる意識の器だとすれば、器は意識を収めきれず意識は行き場を求めバランスを失ったりするのかもしれません。ネットワークにデータを分散させるように意識を肉体の外に置く事ができるとするならば、人という存在は一体何によって定義できるのでしょう? そして今この瞬間、その作業をしているという現実があります。そう、このサイトに映画の記憶を刻み付けている事が、自分の中のメモリを外部メモリへ移す作業であったりします。映画の記憶は時間と共に整理されてゆきますが、その時何を感じたのかをネット上に残す事で映画を見たという証は記録され、その記録は他者と共有されてゆくのですね。レビューを書くという行為ひとつ取っても、意識していなかった潜在的な理由があるのかもしれません。とまあ、映画を見ながらそういう事を考えてはいたものの、映像博覧会みたいなこれ見よがしワールドと、説明的な台詞、スノッブな台詞の洪水には辟易。テーマをゴテゴテと世界で飾る事によって奥へ奥へと隠し込んでゆく状態には、さすがにやりすぎでしょ、と思いました。ここまでCGを前面に押し出すと、手書き部分との融和性がとっても悪く見えてしまいますし。作品世界との接続を積極的に行い続けていないと、即断線してしまいそうな映画ではありました。
[DVD(邦画)] 6点(2006-07-28 01:35:46)
17.  狗神
ダメだ~、自分の日常からは、かけ離れ過ぎてて入り込む余地が全然ありません。面白いポイントも、ちっともないですし。監督、自分の映画に冴えない息子出すの、いー加減にしたらぁ?って、そんなトコくらいにしか気が向いていかない映画でした。私、四国って行った事ないんですが、「死国」とセットで「こういう世界なの?」って勘違いしちゃいそうです。罪作りな映画だなぁ。
[映画館(字幕)] 3点(2003-11-26 15:23:33)
18.  EAST MEETS WEST
途中で日本人、あんまり関係なくなっちゃって、先生が主役の西部劇がメインになって、なーんだ、結局西部劇が撮りたかっただけじゃん、とガッカリ。でも、単純に西部劇として見ると物足らなさ過ぎですしねぇ。期待してたのは、真田広之と竹中直人の活躍で、彼らが脇役化するなんて思ってもみなかったワケですが、監督ってのは、観客の期待なんかより、まず自分が撮りたいモノ、って事なんでしょうかねぇ。
[映画館(邦画)] 5点(2003-11-26 12:49:35)(良:1票)
19.  犬神家の一族(1976)
公開当時は予想外の面白さ(原作本の表紙が恐い、テレビCMが恐い、で、最初は全く気が進まず・・・)だったのですが、その後、シリーズを重ねる事で、もっといい作品が出て、相対的に評価が落ちちゃった感じです。まだ作品全体を貫くイメージの統一感に欠けていたり、やたらホラー映画風だったり。でも、全編、作為に満ちた画面作り、編集は、ワザとらしくてダメな人もいるでしょうけれど、私は大好きです。それにしても有名なテーマ曲はリメイクの方ではキレイな曲として扱われてる感じでしたが、当時はチイチイの首が菊人形から落ちるショットから始まるCMで悲鳴と共に流れ出す曲だったワケで、不気味で恐ろしい曲、だったんですけどねぇ。
[映画館(邦画)] 7点(2003-11-22 13:21:11)
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