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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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621.  アウトレイジ(2010) 《ネタバレ》 
監督の処女作『その男、凶暴につき』への原点回帰とも言える超バイオレンス映画を想像していたのですが、予想は大きく外れました。ブラックユーモアなんて生易しいものではなく、完全なるコメディでした。THE・ヤクザコント。口を開けば「バカヤローこのヤロー」って、お前ら荒井注か!って、何度ツッコんだことやら。今どき居るはずもないステレオタイプな旧式ヤクザを、オールスターキャストがノリノリで演じています。よくもこれだけ味わい深い顔の役者を揃えたものだと感心します。(何故寺島進ちゃんがいない?きっと出たかったでしょうに。)殺したり殺されたり(椎名の殺され方のみちょっとエグいので×ですが)みんな本当に楽しそう。大いに笑わせてもらいました。『みんな~やってるか!』より遥かに完成度の高い“笑い”があったと考えます。キャッチコピー『全員悪人』は勿論ブラフ。本当は『全員馬鹿』が正しい(あるいは『全員荒井注』)。これほどまでに、ヤクザを格好悪く描いた映画を自分は知りません。何なら、教育映画として不良高校生たちに見せたらいいと思います。自分達がいかに滑稽か気付く事でしょう。こんな変化球を投げてくるとは、さすが北野監督。素晴らし過ぎます。続編を作る気になったのも頷ける快作でありました。この出来なら大御所から人気俳優まで続編のキャスティングに困る事は無さそうですが、個人的には死んだはずのキャストを再度起用して欲しいです。それがコントの流儀。石橋蓮司のヘンテコマスクと國村隼のベロチョンパは天丼でお願いしたい。以上、皮肉でも冗談でもない、マジ感想でした。
[DVD(邦画)] 8点(2012-02-09 19:28:22)(良:5票)
622.  失恋殺人 《ネタバレ》 
映画で女優が脱ぐ必然性とは何でしょう。娼婦やストリッパー等、役柄に必然性が内包されている場合(例:MIE主演『コールガール』)、あるいは物語の展開上脱ぐ必然性が生じる場合(例:綾瀬はるか主演『おっぱいバレー』注:本当におっぱいを出しているかどうかは各自ご確認を)があると考えます。本作はどちらも当てはまりません。宮地が脱ぐ必然性などありませんでした。ただし、脱ぐことでリアリティが増すのであれば、裸になる価値はあります。女がシーツぐるぐる巻きの濡れ場なんて、ウソ臭くって興醒めしますから。でもリアリティのために脱ぐのであれば、それ以外のシーンにもリアリティが求められます。少なくとも、近くに人が居るのが分かっているのに鍵もかからぬ診察室でおっ始めてしまったり、カーテンも閉めずに人を殺したりするのは論外です。「NHKの朝ドラ主演まで務めたこのワシが、せっかくひと肌脱いどんのに、この本じゃ台無しじゃいかいボケ!ワシの乳首を返さんかいワレ!!」宮地の心の叫びが聞こえるような。かなりのガッカリサスペンスでありました。宮地が脱がなくても物語は成立しますが、宮地が脱がないと商業映画としては成立しない。そんな作品であったと思います。それにしても宮地真緒。決して上手い女優だとは思いませんが、癒し系のエロ可愛さにおっさんメロメロです。日本一美しいロバ顔女優の極上のお胸に敬意を込めて、常識はずれの高得点を進呈させていただきたい。
[DVD(邦画)] 7点(2012-02-06 20:26:46)
623.  アベックパンチ 《ネタバレ》 
特殊なルールを持つ架空格闘技を通じて、人と人が繋がる意味を描きたかったものと推測しますが、肝心のドラマがドラマの体裁を成してしない気がしました。イサキとメバルは何時の間に心を通わせたの?ヒラマサはゴルビーナとエツをどう考えている?よく分かりません。彼らはアベックを通じて何を学んだのでしょう。もう一つのお楽しみ、格闘アクションの方も低調でした。原作漫画の表現がどんなものか存じませんが、正直面白みがありません。アベックならではの攻防やテクニックが見たかったし、せめて試合中に看板技の“アベックパンチ”だけは披露しないと。バスケットボールのユニフォームみたいな格好も頂けません。体のラインを見せられないのか、見せたくないのか。決してエロ目当てという訳ではなく(ホントですよ!)女性はプロ格闘家らしくセパレートタイプの水着を着用して観客を魅了して欲しかったと思います。このレベルのアクションでお茶を濁すならば、武田梨奈を起用した甲斐がありません。
[DVD(邦画)] 3点(2012-02-03 18:59:37)
624.  ピラニア(2010) 《ネタバレ》 
三角関係の1点が崩れて、残った2人が一緒になるというパターンは、フィクションでも現実でもよくある話。しかしながら第三者が客観的にみて2人を祝福できるかどうかは、意外とハードルが高いと考えます。本作はその点、よく配慮されていたと感じました。まず晴男について。ブラジャー事件、ピラニア復讐計画。確実に馬鹿ですが、不器用であるが故のこと。根が悪い奴でない事は伝わってきます。奈津にお金を貸す場面で、一度は見返りを求めてしまう情けなさも憎めない。彼は応援できます。一方奈津はどうでしょう。曽根にフラれた傷心から晴男を求めたのだとしたら、共感し難いところ。でも彼女は最初から晴男に心を開いていました。吃音の症状も少なかったし、彼に体を触られても嫌がったりしなかった。晴男に金の無心に行ったのも甘えがあったから。そもそも2人には最初から妙な信頼関係がありました。ハル(春)とナツ(夏)は惹かれあう存在。素直に2人を祝福できました。ピラニアとは凶暴な魚。それは晴男の持って行き場の無い感情。人は立ち直るために、無駄と思われる時間や不合理な行動が必要だったりもします。そんな情けなくて格好悪い人間が愛おしい。晴男よ、おめでとう。でも今度喧嘩をする時は、負ける覚悟で行ったりしないように。せめて水鉄砲にタバスコくらいは仕込んでいきなさい。本作はエロをコンセプトの一つにしているため、結構な絡みが用意されています。男性としては歓迎すべき部分ですが、最後の性交は蛇足でした。艶のあるシーンで艶消しとはこれ如何に。キス一つで2人の心の繋がりは、十分伝えられたと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-31 18:57:16)
625.  それいけ!アンパンマン ブラックノーズと魔法の歌 《ネタバレ》 
丘で佇むカーナのもとに寄り添うアンパンマン。2人は心の内を語り合います。アンパンマン胸元の笑顔マークのアップ。夕日が映しだす2人の影。この情緒表現、もはや幼児向けアニメとは思えぬクオリティです。アクションのカメラワークもキレていましたし、近年の劇場版アンパンマンは“幼児向け”の一言で片付けられないレベルにあると感じます。ただ、難点があるとすれば脚本部分。設定や展開に注文を付けてはいけないのがアンパンマンワールドのお約束ですが、もう一歩踏み込んで描いて欲しい箇所がありました。それはカーナの気持ち。悲しみと戸惑いは伝わってきましたが、偽りの母に対する情だって残っているはず。この処理を丁寧に行ったならば、もうワンランク完成度を上げる事が出来たと思います。劇場版プリキュアで成功を収めた観客参加型の演出プランが本作でも採用されていましたが、アンパンマンでは遠慮して欲しいというのが本音です。優れたアイデアである事は否定しませんが、乱発してしまうと子供映画がどれも同じテイストになってしまいます。アンパンマンにはぜひとも独自の進化を目指してもらいたいですし、それが可能な素材であると考えます。出来ることなら、北朝鮮の子供達に観てもらいたい作品でした。
[DVD(邦画)] 7点(2012-01-28 19:28:32)
626.  必死剣 鳥刺し 《ネタバレ》 
兼見と別家の対決、及び多数の家臣たちとの中庭での戦い。剣捌きの良し悪しは素人には判別できませんが、兼見の気迫は伝わってきました。執念が、兼見を家老の下まで辿り着かせたのだと思います。下げ尾を切り落とし、口に咥える演出も冴えていました。必死を表現し、かつ鞘も必要無いという覚悟の表れ。“鳥刺し”とは相手の柄に切先を差し込む技術をさし、“必死剣”とは自らの命と引き換えに相手を絶命せしめる剣と理解しました。兼見という捨て駒を上手く利用しようとした家老。キレ者です。思惑通りに兼見は別家を退けました。しかし家老は人間の心を軽んじ過ぎました。組織にとっては駒であろうと、一人の人間。その矜持の高を見誤ったが故に、家老自らも命を落すハメに。保科は言います。連子が居なくなっても藩政に改善はみられないと。連子を殺めた時点で兼見は命を捨てる覚悟だったのですから、最期に藩最大の癌を取り除く事が出来たと考えれば、救われるというものです。あとは無能な君主が早期に隠居することを祈るのみ。人の命を奪うという事は、自らも同じ事をされても構わないということ。その覚悟は必死剣の理念にも通じます。道理を無視した連子と家老は報いを受け、兼見は道理に従ったという結末でありました。気がかりは里尾。傍からみれば縁談を進めていた方が幸せだったように思えますが、果たしてそうでしょうか。幸せの価値は本人が決めることです。少なくとも里尾はその意思を持っている女。兼見が迎えに来るとの約束を果たせぬであろう事は、最初から分かっていたはずです。でもその思いが嬉しくて、でも切なくて、彼女は泣いたのだと思いました。兼見の忘れ形見と共に、彼女は生きていく。ただ願わくば、思い出の中を生きるのではなく、今を、これからを、生きて欲しい。兼見もそう願っているはずです。正直トヨエツがこれほどやるとは思っていませんでした。殺陣もさることながら、実直な侍役がよく似合っていたと思います。トヨエツは現代劇よりも時代劇の方が向いているのでは。鑑賞済みの藤沢周平原作映画の中では『たそがれ』以来久々に満足できた作品でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-01-25 18:59:04)
627.  冷たい熱帯魚 《ネタバレ》 
『自殺サークル』『エクステ』『気球クラブ、その後』で、自分は園監督から脱落しました。今回久々の鑑賞に至ったのは『愛のむき出し』(開始から1時間程度しか観ていませんが)を思いのほか楽しめたから。これなら、今の自分なら、園映画を理解できるかなと。信頼できるレビュワー様が軒並み高評価であった事も鑑賞を後押ししました。確かに傑作と呼ばれるのも頷ける出来ばえ。画作り、脚本、演出。全てにおいて躊躇なく振り切れていました。でんでんの顔は当分忘れられそうもないですし、「透明にしちゃおう」はホラー映画史に残る名台詞でしょう。観客を惹き付ける力は抜群です。映画監督としてのセンスが傑出している事は、映画オンチの自分でも理解できました。凄かった。凄過ぎました。そう、自分には“過ぎた”のです。過ぎたるは及ばざるが如し。極上の料理も食べ過ぎれば苦痛であるように、本作の毒を自分は処理仕切れませんでした。美味しいが故に、毒と知りつつも取り込み続けてしまうのが恐ろしい。ついに自分の心は、動きを止めてしまいました。茫然自失のエンドロール。それは、村田の毒に犯された主人公の姿に重なります。この影響力をもってして賞賛の評価を与えることは可能です。むしろその方が妥当でしょう。しかし、主人公が村田に感謝などしていないように、自分も監督を褒め称える気になれないのです。もしこの映画を受け入れてしまったら、自分が監督の奴隷になってしまうような気がするのです。『冷たい熱帯魚』は完璧なる観客調教映画であったと考えます。以下余談。某入浴剤のCMにでんでんが出演しているのですが、もう怖くて仕方が無いです。生田斗真、透明にされちゃわなきゃいいけど…。
[DVD(邦画)] 7点(2012-01-22 19:26:46)(良:2票)
628.  逆襲!スケ番☆ハンターズ ~地獄の決闘~ 《ネタバレ》 
『総括殴り込み作戦』よりも本作の方が、劇場公開が1週間早いとのこと。2作品のうちコチラから観る方が正解だったようですが、自分は『総括』の方を先に鑑賞しました。とはいえ両作品に物語上の連続性がある訳ではなく、アサミを中心とした緩いキャラクター設定と世界観を共有しているだけのようです。『総括』で不満だった超スキルにまつわるパワーバランスが調整されている点、またアサミVSアキラの対決を主軸に据えた分かり易い展開等、2作品を比較した場合、完成度は本作の方が上と感じました。オープニング&エンドクレジットのセンスも悪くなかったです。ただ、特訓シーンやクライマックスを観ても分かるように、ギャグで観客を笑わせたい意図があるならば、無用な殺生は避けるべきでした。いかにバイオレンス映画であったとしても、です。特に○○を殺したこと。文章にするのも憚られるので詳細は省きますが、これはいけません。アメリカ映画で犬は死なないというWEB記事を見かけましたが、同様に日本映画では(というかどの国の映画であっても)○○を殺してはいけないのです。暗黙の了解事項。戦争映画等、相当の必然性があれば納得も出来ますが、自分には単に悪趣味なだけに思えました。そもそも立ち退きに反対している者を殺して構わないのであれば、地上げの苦労は無い訳で、作話の考え方に問題があったと言わざるを得ません。馬鹿コメディという免罪符があれば、どんな展開でも容認されると思ったら間違いです。馬鹿映画ほど、周到な計算が必要なのかもしれません。前述のとおり長所もありましたが、致命的な短所が足を引っ張った印象です。禁忌を犯していなければ7点を進呈していました。
[DVD(邦画)] 3点(2012-01-16 18:57:14)
629.  爆発!スケ番☆ハンターズ ~総括殴り込み作戦~ 《ネタバレ》 
『片腕マシンガール』と何処が違うの?と問われると、正直答えに窮します。何も違わない。どちらも正気の沙汰とは思えぬ映画です。『片腕~』に7点を進呈した自分ですが、本作にも同程度の点数をという気にはなれません。悪フザケが過ぎました。必然性のない指の詰め合いにも呆れましたが、一番の問題はピストルの弾を素手でキャッチする件。バカアクションというより完全にコメディの範疇。コレをやられると、全てのアクションが茶番と化してしまいます。バカでもアホでも構いませんが、茶番はいけません。何となくね。このおふざけを成立させるためには、言い訳が必要と考えます。本作の前身となる『やくざハンター』の予告編を観たところ、ピストルキャッチの特訓らしきシーンはありました。これも一つの言い訳。また『巨人の星』の大リーグボールだって打ち返されたように、必殺技は無敵ではいけないのです。致命的なウィークポイントなり、敵のボスキャラ(本作でいえば小嶺麗奈)にも同程度の秘儀がないとパワーバランスが取れません。それほどまでに、ピストルキャッチは法外でした。最後に主演の亜紗美嬢について。美形というワケでも、スタイルが良いワケでもありません。特別アクションが切れるワケでもない。でもワイルドな雰囲気は絶品でした。目つきと声がいい。殴り込みをかけるシーンでの啖呵「やくざハンターズ参上!」に痺れました。流石にこの手のアクション映画の場数を踏んでいるだけの事はあります。彼女に+2点の価値はあるかと。『やくざハンター』を鑑賞済みだと、また印象は違うのかもしれませんが、一見の客としての感想はこんなところです。
[DVD(邦画)] 5点(2012-01-13 19:56:10)
630.  マイマイ新子と千年の魔法 《ネタバレ》 
新子のマイマイは想像力と感受性のアンテナ。千年前の人々の暮らしに思いを馳せ、友の痛みを自分の痛みとして感じ取る事ができます。新子の父親は研究者であることから、もともと好奇心旺盛な家系なのでしょう。しかしマイマイは新子の専売特許ではありません。貴伊子も新子と同じ千年の夢へ飛び込めたように、マイマイはどの子どもだって持っています。いや、我々大人にだって。ただ、新子のように「明日の約束を返せ!」と叫ぶのが“しんどい”事や、空想に割ける時間が限られている事を大人は知っています。だから、普段は仕舞っているだけ。でも使わなければ、どんなお宝も錆びてしまいます。自分のマイマイを久しぶりに出してみたくなる本作のような映画は、大人にとって貴重な存在だと思いました。類似作品として真っ先に思い出されるのが『となりのトトロ』。“ススワタリ(真っ黒くろ助)が見えるのは子どもだけ”と、空想と現実世界に明確な線引きがされていたトトロに対し、本作の境界はやや曖昧です。マイマイが有る限り、人はいつでも千年の魔法に酔う事が出来るのですから。そういう意味では、ファンタジー色の強いトトロの方が厳しい世界観だと感じました。トトロは成熟した大人が作ったアニメ。マイマイ新子は子ども心を忘れない大人が作ったアニメ。
[DVD(邦画)] 6点(2012-01-04 22:53:23)(良:1票)
631.  鈍獣 《ネタバレ》 
凸やんは何者なのか?凸やんは何故死なないのか?作中の謎に明確な回答が得られぬまま、物語は幕を閉じます。本作の楽しみ方は、解釈を求めぬスタンスで正しいと思います。不思議な余韻を楽しむ映画。これから記載する内容は、私個人の勝手解釈。裏付けはありません。それを承知でお読みいただければ幸いです。 凸やんの正体について。浅野の胸に第3の乳首が在った事から、彼は凸やんで間違いありません。『鈍獣』の作者も鉄橋で本人が認めたとおり。しかし浅野は当初、小説家ではないと言い張りました。数々の思い出も忘れたといいます。嘘でしょうか?なら、何故嘘をつく必要があったのでしょう。彼は、本当に何も知らなかったのだと感じました。あの時の凸やんは、凸やんではなかった。別の人格。江田の指摘どおり、鉄橋で亡くなった凸川君(子供相撲の西の横綱)ではないかと。江田と岡本の証言によれば、凸やんと凸川君はよく似ていたといいます。浅野が凸やんの人格でも、凸川君の人格でも、江田らに区別はつかないでしょう。そしておそらく凸やん自身も、自覚をしていません。小説家としてのペンネームも凸川。凸川君を死なせてしまった後悔の念が、小説『鈍獣』を生み、凸やんの中に凸川君という別人格を作り出した。凸の反対は凹です。両方合わさって正方形。凸やんにとって凸川君という人格は、正気を保つための凹だったのではないか。鈍獣のキャラクター(角のある獣)も図案化すれば“凹”。凸やんが死ななかったのは、凸川君が既に死んでいるから。人は二度死ねません。あるいは“凸川君を死なせたくない”という思いが、浅野を不死身にしていたのかもしれません。「もうお終い?」そう問い続ける凸やん。「まだ終わってないよ、ウルフ」と江田。この会話に隠された本当の意味に、心が沁みました。 いろんな想像や解釈が出来る映画は自分にとって良い映画です。ただ、コメディ要素が豊富なワリには、笑うに笑えぬもどかしさを覚えました。凸やんと江田、岡本の友情を示すエピソードがイジメに思えてしまったのが、乗り切れぬ原因だったかと。役者陣はみなお見事でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-01 00:00:01)(良:1票)
632.  DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?
アイドル映画とは、ファン向けのプレゼントであると考えます。喩えるなら、父兄に送る園児・小学生の学芸会。仮にそれが稚拙なものだったとしても、文句を言う親はいません。大切なのは子供が一生懸命やっているかどうか。あと、いい役をもらっているかどうか(苦笑)。我が子を映したホームビデオを見返して、つくづく思います。これは親以外にとっては、全く興味の無い代物だろうと。アイドル映画の本質とは、こういうことかと。ファン以外が楽しもうとする事に無理がある。ただし商業映画でもある訳ですから、一般観客からの批評を回避する術はありません。学芸会だとしても、最低限のクオリティは必要です。そこで本作。ドラマではなく、ドキュメンタリー。いやインタビュー集でしょうか。親にとっては、普段の様子が窺え子の本音が聞ける分、学芸会より興味深いかもしれません。でもだからといって、アイドル映画の主流がドキュメンタリーになったら寂しい気がします。製作はドラマよりコスト安。それでいてファンのニーズは高い。イイコトずくめです。しかし、効率を追い求めると文化は廃れてしまいます。オモシロ・トンデモなアイドル映画の火を消さないで欲しいのです。『青春グラフティ スニーカーぶるーす』『プルメリアの伝説 天国のキッス』『CHECKERS IN TAN TAN たぬき』。どうです?これら錚々たるアイドル映画が世に出なかったらと思うと…別に構いませんか。先代の国民的女性アイドルグループの映画はサッパリでしたが、その志は本作よりも高いと考えます。今やAKB48は押しも押されもせぬ国民的アイドルグループ。是非とも王道のアイドル映画にも挑戦して欲しいと思います。何なら『ピンチランナー』のリメイクでも。点数は映画の出来というより、大島優子の可愛いさに対して。
[DVD(邦画)] 5点(2011-12-30 17:57:00)(良:1票)
633.  マン・ハンティング リデンプション(OV) 《ネタバレ》 
(前作『マン・ハンティング』の感想からの続きです)前作で“マン・ハンティングとはライダーマン・ハンティングのことである”との仮説を提示しましたが、本作でも引き続き検証を試みたいと思います。その1。捕獲者について。彼には痛覚が無い事が発覚しました。しかも銃で撃たれても不死身。これはもう完全に改造人間で間違いないでしょう。ライダーマンである可能性は更に高まったと考えます。その2。獲物について。本作の次期ライダーマン候補も、なかなかのタフガール。前作の彼女には(ルックス的にも)及ばぬものの、トラバサミをものともせぬ強靭さを見せ付けました。しかし意外な事に、初代ライダーマンの御眼鏡にかなったのは、社長秘書(愛葉るび)の方。片手の欠損はまさしくライダーマン継承者の証。彼女こそが本命だったのです。おそらく次作ではアタッチメントを装着した正統後継二代目ライダーマンの勇姿が見られることでしょう。さしずめ主人公の方は二代目電波人間タックルか。そういえば初代タックルとバストサイズが酷似しているような。さて、最後に本作最大の謎についても触れておきましょう。終盤に主人公が口にした白い液体のこと。明らかに変なのです。脈絡が無さ過ぎる。これは、とあるタイアップ商品で説明がつくと考えます。『仮面サ○ダー』という商品をご存知でしょうか。缶にライダーが模様された人気清涼飲料。彼女が口にした謎の白い液体は、おそらくカ○ピスです。見たまんま。そう、次回は『仮面カルピ○』で一儲けしましょうというアピール。どうです?もう『ライダーマン・ハンティング』としか思えないでしょ。自分でもそんな気がしてきました。オレ、疲れてるのかな。ちょっとお薬もらってきます。
[DVD(邦画)] 1点(2011-12-27 19:58:15)
634.  怪談新耳袋 怪奇 《ネタバレ》 
【ツキモノ】怨念主は周囲の人間に対して強い不信感を抱いて死んでいったものと思われます。“見殺しにされた”。だから「ミザル・イワザル・キカザル…」という恨み言を繰り返します。見る意思のない目なら要らないだろうと。取り憑いた相手も主と同じ孤独な女を選んでいるのでしょう。呪いの背景はおそらくこんなところ。少なくとも主人公は、この女の思いを汲み取る必要があったと考えます。でないと、気味の悪い女に襲われたという表層的な恐怖しか観客に伝わりません。死に様がギャルも真っ青のパンダメイクっていうのも、あんまり怖くない…。【ノゾミ】母の友人は主人公に向って「このままだとあなた死ぬよ」と言いました。霊障によって命を落とすという意味。でも仮に霊が憑いていなくても、彼女は危うかったと思います。自殺に至らずとも、前に進めないのであれば死んだも同じ。本当に助けてもらったのは、主人公の方だったのかもしれません。静かなオカルトホラーという狙いは悪くないですが、一本調子は困りものです。震え上がる恐怖を乗り越えて、切なくも心温まる余韻に浸りたいと思いました。ツキモノ3点、ノゾミ5点の採点です。
[DVD(邦画)] 4点(2011-12-21 19:58:01)(良:1票)
635.  END CALL エンドコール 《ネタバレ》 
(いきなりネタバレあります。未見の方はご注意ください)     ラストで事件の黒幕が明かされます。その正体はバッティングセンターで死んだ犠牲者の姉で、10年前に起きた同類事件唯一の生き残り。名は「リツコ」。10年前彼女は、自分自身を悪魔にして欲しいと願ったといいます。つまり今回の事件は、悪魔となったリツコの魔力によって引き起こされたという意味です。でも額面通りに受け取ってよいのでしょうか。どうして10年前、彼女だけが死なずに済んだのでしょう。一度死んで悪魔として生まれ変わったのなら、尖った尻尾の一つも見せて欲しいところ。そこで自分は次のような仮説を立ててみました。10年前も、今回も、彼女は特殊技能を使って事件に関与したのではないかと。もちろん人間として、です。命を落とした人々は確かに不可解な死に方をしています。でも悪魔でなければ不可能な仕業とも思えません。例えば催眠術。強力な暗示で自殺を誘発できるとしたら。もっとも、そんな事が出来る人間は、もはや悪魔と呼んで差し支えないかもしれません。高額な電話料金について。携帯の電池を抜いても、契約を解除しても無駄だといいます。もし『着信アリ』に出てくるような携帯ならば、人外の業で間違いないでしょうが(※『着信アリ』の方で【玉葱】さんがエンジニアの視点から面白いレビューを書いておられるのでご一読を)、電話会社に取り合ってもらえないという意味ならばどうでしょう。課金は正当という事です。海外へ接続されてしまったか、あるいはクローン携帯か。これはもうポリスか消費生活センターへGOな案件。詐欺をする族(やから)も悪魔と言えるかもしれませんが…。我ながら強引にも程がある仮説ですが、受身では楽しめない場合は勝手に楽しむのもひとつの手。自分にとって本作はそういう類の映画でした。お許しください。
[DVD(邦画)] 5点(2011-12-18 17:57:14)
636.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 
(以下は私個人の勝手解釈です。未見の方はご注意ください。)“火蜥蜴島に越してきた心臓病の娘、イリオモテヤマコのひと夏の経験”は、“名も知らぬ少女が病院のベッドで今際の際にみた夢”でありました。虚実入り混じった物語でしたが、そのほとんどが空想だったと理解します。唯一の現実は、病床の少女に青年がキスする場面のみ。この事実は火祭りの夜、ヤマコが発した言葉により示唆されています。「ヤマコなんて名前の子がいますか?」観客が抱いていた疑問を劇中の人物が口にすることの意味とは何でしょう。火蜥蜴島なんて島があるか?武道・球技以外がマット運動部って?その他同級生の描写が一切無いのは何故?たこ焼き機が本格的過ぎないか?これらの疑問が正当であった事の裏付けです。全てが現実にあらず。天然記念物のような名前の女子高生は存在しなかったのです。ヒトカゲとは“人影”の意。ヤマネコは飼い猫とは違い、懐きません。病床の少女もまた病気を理由に、人との交流を避けてきたのではないでしょうか。そんな彼女を励まし、支え続けてきたのが“先輩”だったのでは。少女にとっては、疎ましい存在かもしれません。その情熱は、現実を見たくない少女には眩しすぎます。しかし先輩の思いは、最後の最後で少女に届きました。その言葉が胸を突きます。「人生、思い出をいっぱい作った奴の勝ちなんだよ!」それは面倒な事から逃げていては叶わぬこと。臭くて、ウザくて、暑苦しい思いをして、思い出は勝ち取るのです。「お前の感じた事全てが真実だ」もう戦う事すら叶わぬ彼女への、精一杯の肯定。少女のでんぐり返しは、空想を“本当”に変えることです。彼女がみた最後の夢を、先輩は優しい口づけで真実に変えてくれました…。ヤマコが存在しないと知ったとき、自分は物語に引き込まれた気がします。実在しないという事は、誰もがヤマコなのかもしれないのだから。本作は全ての観客に問いかけます。今、あなたは“感じていますか?”と。エンドクレジット。単なるオマケであれば、どんなに見事な技術を労しようとも、自分は心を奪われなかったと思います。高田延彦と小川菜摘が、最後までヤマコの父と母であり続けてくれたこと。これが何より嬉しかったです。美しく、そして優しい人生の最終回でした。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2011-12-09 20:29:43)(良:2票)
637.  クロサワ映画 《ネタバレ》 
森三中の黒沢をはじめとする登場人物は、基本的に現実世界と同じキャラクターを配されています。フェイクドキュメンタリー+ラブコメディ。このような設定ですから、彼女たちの台詞やライフスタイルは、現実のそれに近いのかなと想像してしまいます。もはや言いたいだけの「たんたかたん」も、大久保にはぜひ愛飲していて欲しい(笑)。ベタが多いコメディ部分は、結構自分好みでした。自転車に轢かれる80年代アイドルとか、物干し竿ブラックジャックとか(一番笑えたのはフランケン村上でしたけど)。笑いが恋の切なさを引き立てます。でも結果的に本作に“ラブストーリー”は存在しなかったのですね。黒沢の独り相撲。それがまた切ない。一度奈落に突き落とされ、這い上がったところでまた突き落とされる黒沢。まるでダチョウ倶楽部の熱湯風呂芸を見ているような。二度目のハートブレイクでは満面の笑みを湛えてみせます。ラストの「マジっスか~」には傷心の欠片さえ見えません。凄い。これぞ芸人魂。苦しみも悲しみも全て笑いに換えて、女芸人は生きていく。いじらしくて、胸が締め付けられました。クレジットのみのエンドロールだったなら、多分自分は泣いたと思います。ですから最後のネタばらしシーンの羅列は、ラブストーリーに対する拒絶であったと考えます。しんみり不要。笑ってもらってナンボよ、という主張。その心意気は理解できます。でもエンターテイメントは笑いだけにあらず。観客を上手く泣かせて、終わらせても良かったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2011-12-06 19:44:58)(良:2票)
638.  マン・ハンティング(OV) 《ネタバレ》 
(本作を楽しむ上で…楽しめればですが…影響は無いと思われますが、未見の方は一応ご注意ください。)謎で溢れている本作。とても全容解明は叶いませんが、不可解な点を整理し、想像力を働かせることで真相に近づく事を試みてみます。疑問1。「ハンティングゲームについて」。役名“ハンター”1人で、獲物を追い詰める事は可能でしょうか?獲物が自由に逃げられる状況を考慮すれば、狩る側には頭数が必要です。最低でも3人、いや5人は欲しいところ。追跡装置を活用している形跡はありませんでした。にもかかわらず、人里から大して離れていないあの場所で、ハンターは一人でミッションをやり遂げました。信じられない。疑問2。「脅威の肉体を持つ主人公」。実に4日間、彼女は飲まず食わずで過ごしました。腕を矢で射られ、朽木に足の甲を貫かれる重傷を負っても、逃走し続けるタフネス。そんな女子高生が存在するのでしょうか。これらの疑問は、彼らを“普通の人”と想定するから発生することに気づきます。もし彼らが常人でなかったなら…。思い起こされるのは手術を匂わせるシーン。勝手にある手術だと決め付けていましたが、違ったのではないか。例えば改造手術とか。某特撮ヒーローもので、似たような場面を見た気がします。ズバリ言いましょう。本作の正式名称は『マン・ハンティング』ではなく、『ライダーマン・ハンティング』が正しいと!彼女は2代目ライダーマン候補だったのです。となると、ハンターは初代ライダーマン。ハンターが仮面を被っていた事も、安物のボウガンが脅威の殺傷力を発揮した事も説明がつきます。このハンティングは、彼女にヒーローとしての覚醒を促す為のものだった。エンディング、暗転する画面の向こうで鎖を引きちぎり雄叫びをあげる主人公の姿が目に浮かぶようです。続編では2代目ライダーマンの勇姿が見られることでしょう。これが本作の真相。え?ライダーマンが人を殺すかって?続編はそんなんじゃないって?知らん知らん。 (『マン・ハンティング リデンプション』に続きます)
[DVD(邦画)] 1点(2011-12-03 18:58:17)(笑:1票)
639.  呪怨 黒い少女 《ネタバレ》 
『呪怨』10周年記念2作品のうち、『白い老女』の方はオリジナルの系譜を継ぐものでしたが、本作『黒い少女』はだいぶテイストが違いました。メインとなる登場人物の名前を冠して小節を区切るスタイルはオリジナルを踏襲しているものの、あくまで形式を採用しているだけ。小節ごとに律儀にオチを付けていた『白い老女』と比べると、その違いは歴然です。本来であれば、毎回黒い少女が姿を露にして驚かせてこその呪怨。ところが芳賀ゆい並に、姿を客前に現そうとしません。本作は『呪怨』であって、『呪怨』にあらず。はてさて、コレはどういう意味なのか。それでは“空手”を例に考えてみましょう。日本怪談の原点は、出るぞ出るぞと観客を煽る部分に意味がある、言うならば“寸止め式の伝統空手”。一方『呪怨』は出し惜しみせず、直接お化けが脅かしに来るフルコンタクト制。素人でも分かり易いのは、後者の方でしょう。呪怨式ホラーがウケたのも、考えてみれば納得なのです。では何故本作で下手な寸止め空手を見せたのか。伝統空手の凄みに気付き始めた観客への牽制なのか、はたまたフルコンタクトの進化形を提示しようとして失敗したのか。自分には分かりませんが、下手な寸止めより、派手なフルコンタクトの方が観ていて面白いのは間違いないです。というワケで2作品を比較した場合、自分のジャッジでは『白い老女』に軍配が上がります。
[DVD(邦画)] 5点(2011-11-30 18:29:58)
640.  呪怨 白い老女 《ネタバレ》 
驚きに感情が付帯するメカニズムを考えた場合、「笑い」と「恐怖」は実は近い関係にあることが分かります。ご指摘のレビュワー様もおられるように、物語の体裁はギャグ・コメディと酷似しています。例えば老女が手にするアイテムが“包丁”“蝋燭”“日本人形”であれば、判り易く「恐怖」サイドに寄りますし、“へちま”“カツ丼”“週刊大衆”ならば「笑い」で問題ないでしょう。匙加減一つで、ホラーにもコメディにも化ける。そういう意味では、“バスケットボール”を選択したセンスは悪く無いと感じました。とりあえず観客は戸惑います。純粋に意図が分からない。いわゆる、不条理です。『呪怨』は、この不条理を恐怖に転化することを基本様式とした作品だったと考えます。第1エピソード、「は~い。今手が放せないの。すぐ行きますから」は、条理が次第に不条理へと変化していくパターン。上手いし、怖い。ただし不条理描写に特化した結果、奥行きの無い恐怖しか生まなくなったのが『呪怨』の弱点でもありました。本作では“白い老女”の役割についてあまり考慮されていないのが難点です。単なる驚かし要員に見えてしまう。本当は違うのに。老女は孫を気に掛けていました。一度ロリコン男から少女を救っています。その思いをちゃんと観客に届けられれば、老女の登場場面に付加価値が出ます。痴呆による徘徊と見紛うのは、あまりに不憫な話。バスケットボールにしても、ロリコン男の所有物、切断した頭部のメタファー以外に、もう一つ観客の心動かす意味づけが欲しいところ。ワンランク上のホラー目指すなら、物語で観客を魅了する必要があると考えます。
[DVD(邦画)] 6点(2011-11-27 19:25:02)(良:3票)
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