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エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 644
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自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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61.  ピンポン
おお、とっすぃさんと意見が合いましたな。 アクマが大好きだったので、あそこまでキチンとやってくれると他の人物が霞みます(笑)。 で、次にオババがいい。原作のキャラ造形を超える演技を見せてくれました。 原作と、ちょっとだけキャラを変えてある孔文革。彼の、クライマックスでの飄々とした解説者っぷりが素敵すぎる。 監督が、原作の中に溶け込んで、まるで空気のような存在になっているのも意外でした。ここまで映像について主張を控えた撮り方も珍しいんじゃないでしょうか(まあ『ジャッカルの日』とかもあるんで唯一無二じゃないですが)。「松本大洋の実写化なんて無理だろ」っていう先入観が最初の数分で消えて行きました。この、関わる人全てに通じる「素直さ」が最高に気持ちいい。 久々に遠くまで飛べました…。
[DVD(字幕)] 9点(2006-08-22 16:38:55)
62.  天使のたまご(1985)
なんか寝れんのでレビュー。 ビデオ出た時に借りて観ました。ゴシックな太陽のデザインにすっかりヤラレた。DVDも出てすぐに買った。 他に観た押井作品は評価しないけど、これは評価できる(職人度は低いが…そこは問題じゃない)。 押井作品を評する時、よく(原作の)再構築という言葉が使われる(ゴダール張りに脱構築とも)。けど、実際は再定義という言葉の方が似合っていると思う。彼は自分の視点で世界を定義し直す。そういう行為にはある種の暴力が伴うんだけど、本作はいろいろ商業的な制約を完全に取っ払って製作したせいで、限度ないまでに暴力的になっている。被害者はもちろん観客だ。 創作には多かれ少なかれそういう面がある。木の葉の一枚までクリエイターの手になるアニメーションの場合は、特にそうなりがちだ(ぶっちゃけノルシュテインなんて一種のノスタルジー暴力だよ)。その上映リスクを承知でこういう絵を作る態度は、観ていてすがすがしくもなる。  彼の原作つきの作品の場合、ここまでの世界再定義は望めない。 少なくともこんな太陽は…。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-08-21 04:38:37)
63.  丹下左膳餘話 百萬兩の壺 《ネタバレ》 
コメディとはいえ自分的にはちょっと笑えず、泣けるシーンばかりが光っていた気がします。 ちょび安に親の死を告げようとする左膳。縁側に座って、 「おい安坊…(すんごい間)…なんだい、それ金魚かい?」 「うん」 「小さい金魚だねえ!」 もう、ここで泣かないわけにはいかないっすね。 いい映画でした。時代を超えたテーマ性があって、これからきっと何世紀が過ぎても古びない作品であり続けるでしょう。  でもオイラは心を鬼にして低評価にします。林不忘の原作の方が面白かった(まだ『乾雲坤竜』の巻しか読んでないですが…)し、ぶっちゃけオリジナル左膳も時代を超えたテーマ性が強い。本作を見た不忘が、自分の名をクレジットを外させた思いは何となく想像できました。 『ターミネーター』は最初ランス・ヘンリクセンがロボット役としてキャスティングされていたそうですが、そのまま作られていたら丹下左膳のイメージにかなり肉薄してたんじゃないかな。それくらい、残忍で猟奇的でアウトローな剣豪像。 青空文庫でタダで読めます。順序としては本作を楽しんだ後で、オリジナルに触れる方がいいでしょう(逆だとオイラのような評価になるかも)。オススメ。
[DVD(邦画)] 2点(2006-08-19 08:14:55)
64.  血と骨 《ネタバレ》 
なんだこのイヤな太陽族(笑)。 本作で特徴的なのは、戦後史特有の記号がほとんど排されている事。確かに軍歌も歌えばダッコちゃんも出てくるが、必要最小限以下に抑えられているため恐ろしいほど時代感覚に欠けている。逆に言うと超時代的な記号の比率が高い(昭和の長屋の原風景?)。さらには民族的な記号も抑えに抑えられ、たまに出てくる字幕で「あ、これ日本人の話じゃなかったんだっけ」と思い出す次第。つまりガルシア・マルケスの『百年の孤独』が大阪の裏路地に出現してしまったワケだ。この映画、古臭い話に見えながら実はポストモダンなのではと推測。 このマジックが、マルケスがやったのと同じように「極限の父性」を描き出すのも偶然じゃないだろう。崔洋一は明らかに同じ手法・同じ路線を狙っている。異なるのは「画」だけだ。 そう、画。時たま「ここを観てくれ~っ!」という監督の叫びが聞こえそうなシーンが出てくる(豚の解体場面や、俊平宅での行水や、首吊りのシーンなど)。確かに凄い。重い。こんな映像ばっか観たくねえ(笑)…と思ったかどうかは知らないが、思いっきり弱気のシーンもある。オダギリジョーは明らかに演技が立ち過ぎていて、笑えるくらい意味を成していない。 崔洋一、映画の集客力を気にして「《たけし映画》ってだけじゃ客を呼べないかも」と弱気だったのかもしれない。いや、監督は気にしなくてもプロデューサーは気にするだろう。その結果の駆け引きがオダギリジョーになり、ラストの北朝鮮(あれは語り手の想像外の領域だから、明らかに不要)での回想になり、違和感ありまくりの要素を紛れ込ませる結果になったんじゃないだろうか。全体に散らばる記号のアンバランスさは、そういう製作の裏側を想像させるくらい「不快感」と「受け狙い」の両極に散っている。 実はオイラは、その弱気さが何となく愛らしくて好きだ。崔洋一も金俊平には負けちゃったのだ。ぶち壊れた映画全体のフォルムの中から、金という男のとてつもなさが、そして監督の普通な人間らしさが浮かび上がってくる。スタイルが不格好なのは、ポストモダンでは「アリ」ですよ。  注:原作読んでません。いずれ読んでから書き直すかも。
[DVD(邦画)] 7点(2006-08-14 15:39:41)(良:2票)
65.  カクレンボ
Gyao の放映で観たので映像の明るさとかイマイチなんですが…これは凄かった! 子供の世界には、大人に伝わらずに独自進化していく文化があります。遊び歌とか、近年では『北斗の拳遊び』なんかの進化もそうなんだけど、大人が介在しない、言葉に置き換え難い、それでいて太古からの歴史を思い出させる遊びが息づいている。 本作はそういう世界に焦点を当てたおかげで、シナリオが説明過多に陥るのを免れている。また、圧倒的な異形の描写が、現実を見失わせるのに十分な効果を発揮。ラストまで息をつかせぬ傑作になっています。 アニメは80年代から「動」を描くジャンルに切り替わった(ここでの宮崎駿の功績を否定する気はないっす)。実はアニメというのはセリフが少なければ少ないほどいい分野。 だから、本作は現段階の日本アニメの『最高』にして『最上』のアニメだ、と評しておきます。  ネタ的には『バトルロワイヤル』とか『リアル鬼ごっこ』を想像させるので万人向きじゃないかもしれません。ここが減点ポイントかな。でも、アニメとしての価値はかなり高いと思っています。観るべし。
[インターネット(字幕)] 8点(2006-08-09 22:01:20)(良:1票)
66.  人間魚雷回天
これ観るためにギャオに入会しちまいました。今月一杯配信されるみたいなんで、興味ある人にはゼヒゼヒ見て欲しいにゃあ。 オイラ的評価としては、潜水艦映画として『Uボート』とタイか、ちょい上です。イ号潜水艦の内部があんなに広々してたかっていうと少し疑問ですけど…。 『眼下の敵』で「潜水艦映画は戦争映画ではなく、スポ根モノの枠組みの中にある」と書きましたけど、本作はそれに対する揺るがぬアンチテーゼ(というかコッチが本道)でした。ここまで胸に詰まった戦争映画は初めて。閉塞感バリバリの「回天」という存在が、主人公たちの置かれた状況にマッチしているためでしょう。 兵器としての回天は、いわゆる自殺兵器ですから搭乗員のスキルが向上せず、存在意義は限りなくゼロに近いダメ兵器です。ドイツの自殺ミサイル・ナッテルも、まさにその理由で実戦では使われなかったし(ナチスの方がまだ理性を残してたって事か…)。ところが昨今の「自爆テロ」では、まさにこの手法が戦果を上げてしまったワケです。時代が巡ってしまったのか…いや、中東でこの映画を上映したら、ちょっとは状況変わらんかなァ。いやもう、そういう状況を超えちゃってるよなあ…とかマジで思ったりします、観てて。  宇津井健の鬼気迫る眼力も良かったですが、学徒の身の回りの世話をする兵卒の殿山泰司・加藤嘉の2人がいい味を出しまくりでした。出撃前、殿山に向かって言う「寿司、美味かったぞ」のセリフでなんか涙が出ちゃってねェ…他にも胸に迫るセリフはいっぱいありましたけどね。 実は同時期のイタリアの戦争映画で『人間魚雷』ってのがあると聞いて、この作品に出会いました(コレも凄いらしい)。そっちも切に観てみたいんですが、ギャオでやってくんねーかなー。
[インターネット(字幕)] 9点(2006-08-07 00:40:31)(良:1票)
67.  NOTHING ナッシング
なんかもう猛烈に『CUBE』頭わるい版。 最後までのあらすじを聞いてたから驚かなかったけど、本当にこいつら頭悪い。けど画面も単純・キャラも単純で、めっちゃ爽快感があったよ。特にあのエンディング(エンドクレジット前)は突き抜けた頭の悪さで凄かった! あの終わり方は高く評価します。 …とはいえ、途中で何度もベント・ハーメルの『卵の番人』を思い浮かべたんだよな。似たような仕掛け(受け要素ゼロ映画?)なのに、向こうは現実世界を舞台にして、とても味のある話になっている。ナタリはもっともっと肩の力を抜いて、「観客を波乱の展開で面白がらせよう」というつまらん姿勢を捨てるべきだったと思う(亀を軸にした不毛な三角関係が生まれるものと期待してたんだけどなあ…)。少なくともハーメルはそういうスタンスで映画を作って、逆説的に猛烈に面白くなったぞ。 まあ、あの状況下でもエキサイティングに生きちゃう二人を描くのが目的だったんだろうから、仕方ないのかもしれないけど。この映画の主役は「ねじくれた老人二人(しかも頭悪い)」って設定でやった方が最終的に面白かったと思う。  ネタ的には、高速道路の間にある家のポジションがモロにJ・G・バラード作『コンクリートの島』を意識してるワケで、ナタリ監督はこの頃から次回作『ハイライズ』のアイデアを練ってた事がうかがえますナ。てなこってオイラ的ナタリの本命・試金石は次回作『ハイライズ』なのれす。ここはちょっと低目の点数で(とは言っても『CUBE』よりはずっと高得点ですが)。
[DVD(吹替)] 6点(2006-07-22 03:14:39)
68.  快盗ルビイ
かつて、頭脳明晰怜悧酷薄悪逆非道なルビイ・マーチンスンを、よりによって小泉今日子がやると聞いた時…ある、非常に恥ずかしい悪党像が脳裏に思い浮かんだ。それは10年後に『踊る大捜査線 the MOVIE』の殺人鬼の姿として現実のモノになってしまうのだが…こっちはこっちで、当時映画館で頭を抱えたんだよなあ。和田誠監督、思いっきり換骨奪胎したもんです。監督ぅ、最初からこの路線なら、人情モノのクライムノベル『地下鉄サム』とか『赤ちゃんはプロフェッショナル!』とかを原作に使った方がよかったんちゃいますか。 最後の最後で全てを〆る名古屋章の演技に7点。ほんの短い出番なのにもの凄い画面掌握力だと思う。実際、彼のシーンで泣いちゃったもんなあ…初見の一回目だけね(笑)。 ●追記:こないだ『カンパニー・マン』の冒頭を見た時、明らかに日常モードのルビイ・マーチンスンに似たジェレミー・ノーザムの風貌を見て「ふんふん、こいつが一番悪賢い奴ね」と、ラストシーンを見抜いてしまったのはネタバレになるのでアッチでは秘密だ。
[映画館(邦画)] 7点(2006-07-19 04:56:22)
69.  帰って来たヨッパライ
狙いは断然、60年代映画のセックスシンボル緑魔子(異論はおありでしょうが)だったんですがね…ちょっとだけ世代がズレてるせいで、彼女の映画観たことなかったんすよ…そんな想いを吹き飛ばすくらいに北山修が若~ッ!! …いやオイラは彼のコトをまず“自切俳人”として認識する、ごく限られた世代なのですが…。 とまあ、あの時代の雰囲気をムンムンに感じながら、そして昔韓国・今北朝鮮、と完全に回帰してしまった世相(かつての韓国大統領朴ちゃんも今の将軍様並みに言われてたんよ)におののき、胸が一瞬映るだけの緑魔子のヌードにヘナヘナと脱力しつつ、シュールなようでいて辛気臭い展開に日本映画独自の湿気を感じてムシムシした上、教科書的な異化効果&予想外に骨太で安定感ありまくりのシナリオに萎え、来るべきカタストロフの普通さにキョトンとしちゃったワケです。 でも! 最後まで画面にかじりつくように見続けることができたのは、クルセイダーズ3人のとてつもなくヘボい演技力のおかげでした(口パク完全に合ってないし~ (^o^;)。いっやあ、あそこまで下手だと監督が狙った以上のシュールな映画になってしまうっすよ。表情ゼロで、あの棒読みのセリフが醸し出すトボケた雰囲気は、一度でも演劇の訓練を受けた人間ではやれないんじゃないかな。演技ではない天然のノホホンぶりが、作品が追う痛烈なテーマと絶妙なコントラストを作っていました。こぉれはレアだよ~。 緑魔子を堪能できたとは言い難い作品なので、また別の60年代映画にチャレンジするか…。 
[DVD(邦画)] 6点(2006-07-19 01:26:26)
70.  恋するトマト
期間限定10点(サービス期間終了のため9点に変更)。 序盤の農村の、気の抜けた息苦しいカメラワークにすっかり騙されました。ラストシーンでは雲に霞んだ茨城の山の遠景がキレイに画面に納まってるから、これは確信犯ですね? 大地康雄&南部英夫、あんたら大詐欺師だ(笑)。中盤の圧し掛かるようなフィリピンのスラムな情景。ただ一回のキスシーンに至るまでの、黄金色の海辺の長回し。そして、とことん台詞を省いて動きで涙させる稲刈りシーン。あ~んな場面が出てくるなんて、予測不可能ですよ。絶対、絶対に前半で「つまらん」と失望させるように計算してるでしょ~! やられたっすよ全く…。 あまりにアタリマエ的に描かれているけど、これはとてつもない告発映画なんじゃないのか…と、中盤以降は悲しさ混じりで鑑賞してました。日本人の、否定しようのない嫌な面が露骨に出てくる映画でもあります。大地康雄はこういうのを演じさせると神業級ですね。見てる間はそれほど気にならなかったのに、いまごろ重た~く効いてきてます。少なくともオイラはもう、以前と同じ気持ちで外人パブには行けなくなりましたよ(いやシャレじゃなく本当に)。 ストーリー展開自体の物凄さで点が上昇した気が強いですから、内容については詳しくコメントしない事にします。多くの人に予備知識なしで見てひっくり返ってほしい映画です。  最後に…『深呼吸の必要』の影響を受けなかったとは言わせませんぜ(ニヤリ)。「無言農作業映画」という妙なジャンルが生まれるかもしれない、という予感を孕んだ作品でもありました。あっちより語り口の誠実さが増してるしね。 ●追記:あ、あと藤岡弘のキャスティングはサスガに濃すぎました…画面の端に立ってるだけで主役を食っちゃうのはどうかと思うっすぉ。富田靖子、ルビー・モレノはドはまり役でした。おかげで、アリス・ティクソンが登場するまでの流れがスムーズに受け入れられました。
[映画館(邦画)] 9点(2006-06-26 01:10:06)(笑:1票)
71.  王立宇宙軍 オネアミスの翼
思うんだけどコレ、そんなにいい映画か~? ラストのサプライズを含めてSFとしては極めて普通だし、そもそもこのレベルで世界を作り込んでくれていないとレベルの低いツッコミで世界が崩壊してしまう。 オイラはこの映画をSF標準作と見ています。「人を愛する」ように訓練された映画人には脳の使い慣れていない部分の筋肉を酷使する事になる映画。人よりも「世界」を愛する観客に向くでしょう。  あと、ネタバレになりますが…。 初見の時、クライマックスで交わされる各国の言葉がヨーロッパ諸語の語素を基にしてい(るように聞こえ)て、その情報吸収力に感動したのですが、ゼネラルプロダクツにいた友人の話では“オタキング”で有名だった某社長が「こーゆー適当なのは俺に任せろォ!」とノリノリで買って出て、意味不明の外国語をスクリプティングしたんだそうな…このエピソードはちょっとショックだったっす…異世界構築に全てを賭けた作品だと思ってたんだけどねー。 完全に構築された異世界が見たいなら、本作よりOVAの「オーガス2」がオススメ。敵国の言語体系までが全て「設計」されています。あっちはちょっとビビるな。 ●追記:あ、でもクライマックスの「ここでやめたらオレたちただのバカじゃねーか」はいろんな場面でよく口にしますね。我が身の血となり肉となっている映画なのは間違いない。愛してはいますよ。
[映画館(邦画)] 6点(2006-06-24 01:58:52)
72.  ALWAYS 三丁目の夕日
何しろすごい人気でしたからねえ。一館だけですが、札幌ではいまだに上映されてます。早目に見ておきたかったんだけど…ちっくしょォ~。 さて、チケットを買うために並んでいた時のコト。朝一番の上映だってのに、二組前が50代くらいのおばちゃん一人なんですよ。「あーこりゃリピーターだなあ」と思って眺めてたら、おばちゃん半券落としちゃったんです。すかさず後ろにいた親子連れが気付いて、男の子が拾いました。立ち去りかけるおばちゃんに向かって、チケットを持つ手を90度に上げ、直立不動で「おばさん、落としました!」…今どきそんなガキがいるかよ…こっちの方が確実にリピーターだなあ…。親父さんの手が坊やの頭へ軽くポンと乗ったのも、見逃しませんでしたとも。 上映中のコト。シネコンではありますが、久々に「前から三列目」というかぶりつきの位置で鑑賞しました。同じ列には年配の上品な叔母様がひとり。未来小説、宅間先生の帰宅、お守り、サンタ…泣き所に来るといちいち身をググッと乗り出します。確実にリピーターです。だもんで、何も言われなくても展開が読めすぎ(笑)。いやブームに乗り遅れたオイラが悪いんです、自戒自戒。 上映が終わった時のコト。照明がついても観客が全然立つ気配がない。映画館のおじさんが入口を開けて、「ありがとうございましたァ」と声をかけると、やっと腰をあげるという有様の推定15名…おじさんわかってんじゃん。もしかしてここの館、リピーターだけのために今でも上映続けてるとか? 喫煙コーナーで一服して外に出た時のコト。札幌白石区の国道沿いの光景に一瞬、目が眩みました。街の中心から地下鉄で4駅ほど離れたギリギリ「郊外」のあたりなんですが、それでも風景が違いすぎた。木造二階建ての古臭い軒並みもなく、路面電車も三輪オートもなく、駄菓子屋もない、妙によそよそしい町並み。しばらくの間、本物の風景には見えませんでした。 オイラは先に『力道山』を観て「昭和30年代の仕掛け人の側」を知ってしまっている手前、リピーターにはならないでしょう。でも順序が違えば明日もここに来ていたかも知れない。この映画の力に騙される事はなかったけど、それが残念でもあり、寂しくもあり…。 ●6/4追記:リピーターになっちゃいました…しかも前から2列目…この館、もはや知った仲同士の楽しい空間と化しております。●DVD発売になったのにまだ上映してる…。
[映画館(邦画)] 7点(2006-05-21 15:03:55)(良:1票)
73.  丹下左膳(2004)<TVM>
面白かったっす。面白すぎて、いま原作を読み始めたところです。ふむふむ、左膳の赤い襦袢は、原作から既に女物を着用してるんですな~。 …どうでもいいんですがコレ映画の豊川悦司版と間違って借りてました(レビューまでしっかり入れてた)。TVMだと知って内容的にも納得だし、展開の軽さに愛着が湧きます。かなり面白かったと言えます。  ●追記:名作の誉れ高い戦前の大河内傳次郎版を観ました…コッチの中村獅童版が活劇講談なら向こうは人情落語。それくらい天と地の差がありました。原作の左膳のアウトローっぷりがよく出てるのはコッチの方です…アウトローを強調するためか政治性が強くなっていて、観る人を選びそうですが。 それでも獅童版には傳次郎版を凌駕する魅力を感じます。それが一番巧く出ているのは《殺陣》。隻腕の左膳が主人公の物語なのに話が「壷の争奪戦」ですから、斬り合い時に壷を持つ左膳がどう剣を捌くかが非情に興味深い。獅童の殺陣はそのあたりを考え尽くした、片腕ならではの荒っぽさや美学がありました。  こりゃ、他の左膳映画も観たくなってくるなあ。
[DVD(邦画)] 7点(2006-05-05 23:05:46)
74.  力道山
なんか信じられないモノを見ちゃいましたよぉ。プロレスシーン、どう見てもダブルじゃない。ソル・ギョング本人の顔が歪み、マットに叩きつけられ、流血してボロボロになっていく。かと思えば迫真の空手チョップ反撃(マジ怖いよこれ)。足技も投げ技もかかるかかる。絶対プロのレスラーがダブルで撮ってると思ってたオイラは「いやぁ最近のCG技術は凄いよなあ、あんな激しい動きでも顔を書き換えちゃうんだ~」などと見当違いの感心をして映画館を後にしたのでした…いま公式サイトを見て愕然としましたね。ソル・ギョング本人がリングで演技してたって~? こりゃ『レイジング・ブル』以上の恐ろしい映画ですよ。本家も真っ青のデ・ニーロ・アプローチですよ。ヘルツォークも裸足で逃げ出すリアリズムですよ。こんな凄い役者が韓国にいたんだ。いま『フィツカラルド』を見た時と同じ驚愕に打ちのめされています。『イーオン・フラックス』でシャリーズ・セロンの肢体に鼻の下を伸ばす予定だったのを変更して正解でした。本作をレビューした方々に感謝します。 ●2008/1/1 8点に変更。
[映画館(字幕)] 8点(2006-03-12 21:07:13)
75.  のど自慢
井筒に、監督として誉められるべき部分をまったく見出せないでいるオイラでも、この映画にだけは10点をつける。これこそ映画として作るべき映画。庶民の娯楽であり芸術でもあり、大人数で感動を共有できる「映画」というメディアでこそ、最もポテンシャルを引き出せる素材だろう。これは「のど自慢」という素材の妙であり、企画の妙なんだと思う。この素材からどんな味が引き出せるかは監督次第で全然違うだろうし、実際オイラも映画館に足を運ぶ前はあーでもねえこーでもねえと勝手にストーリーや演出を考え続けていた…オイラが想像したのはもっとコテコテな歌謡ショー/ミュージカル風だったんだけど、井筒監督のこういう処理法でもかなり泣けたし、120%満足できた(竹中直人はいらんかったと思うんだけど…)。普通の暮らしをしている普通の人々が、歌によって一瞬の幸福を得られる魔法のステージ「のど自慢」。この素材に着目したプロデューサーは偉い。素直にシャッポを脱いで、ヒネクレずに10点献上。
[映画館(邦画)] 10点(2006-02-27 19:43:55)(良:2票)
76.  THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に 《ネタバレ》 
今は昔、レーザーディスクで鑑賞。押井はただの職人だと思ってるオイラですが、本作の庵野はシュールレアリスト。本人に自覚はないと思うけど(自覚があったら『キューティー・ハニー』なんか受けないでしょー)。シュールレアリストだから観客の感情を逆撫でするのは当然仕事の内だし、悩ませ、困らせ、引きずり回すのも仕事のうち。TV放映以前からヤン・シュワンクマイエル慣れしてるコッチとしては、コレが大変心地よい不協和音なんですな。ラストは気持ちよくブチ壊してくれるのを期待してたんだけど、TV最終話ほどの大仕掛けは打てなかったようで、割と小ぢんまりした締め方になっちゃった。劇場版がTV版に負けてどーするよ…え? 劇場は観客を動員できないといけないって? あっそう…。庵野氏には、いつかシュールレアリストとして目覚めて、自由度の高い短編アニメのジャンルに踏み入って欲しいもんです。この映画のポテンシャルが30分に圧縮されたとしたら、かなりの悪夢が生み出せるぞぉ…「そういう輩はTV版で満足しとけ」って? まあそうだね…失礼しましたァ。
[ビデオ(邦画)] 7点(2006-02-19 10:24:18)
77.  ゴジラ対メガロ
冒頭から、何気に怪しげな香気を放っているジェットジャガーなんすけど、どうして顔のデザインを般若ベースにしちゃったんすかねー。テーマソングまで作って、それ以降のゴジラシリーズで片翼を担うヒーローロボットとして生み出されたんだと思うんだけど、あれじゃ子供泣いちゃうよー! だがしかーし、この怪奇なデザインのインパクトが幼少期のサム・ライミに与えた影響は果てしなく大きかったと言わざるを得まい。本作から下ってはるか数十年後、スパイダーマンの好敵手となるグリーンゴブリンの姿にジェットジャガーの残像を(嘘
[ビデオ(字幕)] 1点(2006-01-07 13:11:08)(笑:1票)
78.  ジャッカル 《ネタバレ》 
ぎゃっははははあぁん~っ!o(>▽<)o" いま goo 映画情報で、この映画の解説(http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD30864/story.html)を読んでたんですが、お、お、おかしすぎるぅ~! 腹がよじれる~! 『はたしてジャッカルの究極兵器が演壇を襲うが、夫人は間一髪で無事』とか、なんじゃその究極兵器って! あの目立ちまくりマシンガンがキューキョクだったんかよ! 凡作のあらすじを何とかして読めるものにしようというライターさんの苦闘の跡が笑いにまで昇華されてしまって、もはや手のつけようのない駄作であるコトの逆証明みたいになっちゃってます。でも、製作者の意図はわかんなくもないんですよね。『ジャッカルの日』がリアルな展開、抑えた演技・演出の傑作だとすれば、これをハリウッド流儀でバリンバリンに改造してゴージャスな展開、派手な演技と演出にしてやれば「もっと素晴らしくなる(…と製作の誰かが言ったに違いない!)ではないかーッ!」。んなわきゃないのは皆さんご存知の通り。ハリボテの展開と男臭い(=頭悪い)演技・演出で、滅多に見られない勘違い企画に…その象徴があの『究極兵器』なんだとすれば、確かにあれって本作の全てをあらわしたバカアイテムなのかもしれないですねえ(確かに試射のシーンだけはオリジナルとのギャップに笑ったけどさ)。やるなら、ブラッカイマー製作の映画くらいもっと男臭く(=頭悪く)、もっと豪快に(=大風呂敷に)、徹底してやったらんかい! 世界一の暗殺者が日本車に乗っても全然ゴージャスじゃないぞ! その昔から、暗殺者はアルファロメオに乗って潜入すると相場が決まっとるんぢゃあ。…なお goo 映画情報によれば、本作は『ジャッカルの日』との関係を一切明示していない(クレジットしていない)とのコト。まあアレじゃ、「リスペクトです」とタランティーノみたく胸を張る事すらできんわなああぁぁ(苦笑)。
[映画館(字幕)] 2点(2005-12-29 06:43:36)(笑:1票) (良:1票)
79.  フランケンシュタイン(1994) 《ネタバレ》 
本当は9点でも10点でも構わない完成度なんだけど、あえて7点です。原作を読んだ事がある人なら、本作が一番オリジナルに近い事を知ってるはず(急ぎすぎのきらいはあるけどね)。でも、映画で採用されたエピソードのチョイス基準が完全にオイラの好みを外してしまってるんです。オイラとしては雪山での対話を頂点にした、アクション満載のアドベンチャー巨編にして欲しかったんだよねー。原作で描かれてるモンスターの身体能力はスパイダーマン並みですから、そこを強調して欲しかったかな(ホント、奴が「ウガー!」なんて唸ってヨタヨタ歩いてるのは最初だけなんよ)。正直、今のCG全盛時代に作って欲しかったなー。あと、映画の《フランケンシュタイン》と言えばまずイメージされるのがあの絶壁頭なんですが、本作ではデ・ニーロの単なる丸刈り頭。あの頭だけはやってほしかったかな…別人の頭蓋骨を無理やり継ぎ合わせた感じがしなくってねー。せっかく「ノーメイクでもフランケン頭」のジョン・クリーズを死体の一部に使ったんだからさー。惜しい。惜しすぎっす! でもロケやセットはコッポラ映画だけあって、本物感バッチリで見応え十分でした。ホエール版の名場面も(マリーとの川遊びのシーンを覗き)全て外さずに再現してあるし、マニアへのサービスは満点。これでクライマックスが《花嫁》のエピソードでさえなきゃなあ…ただの三角関係に終わらせてどーすんだよ、ったく…。まあ、原作ファンとして一番見たかった、「雪山を越えてジュネーブ入りするモンスター」をちゃんと空撮で撮ってくれてるので、帳消しにしといてやるよ(笑)。あと隊長、あんたキャラ立ち過ぎだってば。隊長役はジョン・クリーズの一人二役でキャスティングしてもらえれば、物語にもっと深みが出たように思うです。はい。
[DVD(字幕)] 7点(2005-12-10 18:46:33)
80.  CASSHERN
最高である。よって10点。これほど真摯なバカ映画がこれまであったろうか。これほどアングラな大作映画がほかにあるだろうか。これほどファン層をコケにした確信犯がいるだろうか。「もー世の中やってらんねーよ俺たち今こんぐらいぶっ壊れてんのよ」的、2004年時点の日本人の心の病巣を心地よく抉った勇気に、その止まる事を知らないパッションに、傍若無人な態度に乾杯だ。キャシャーンの実写化の演出に、誰が新劇×太宰治で行こうなんて考える? しかもシャレんならんほどガッポリ予算かけて? セットは『未来世紀ブラジル』のリスペクトで? 「ブライキング・ボスは唐沢寿明で行こう」なんて言ったのはどこのどいつだ? このスタッフは世紀のバカヤロウどもだよ。ここまで徹底してバカなら最高だよ。本作は、日本映画界に久々に咲いた大輪のあだ花だと思いますですだ。こんなのがあるから、低評価作品のチェックは手が抜けないのだ。
[DVD(字幕)] 10点(2005-09-08 09:37:22)(笑:2票) (良:2票)
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