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エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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101.  なまくら刀 《ネタバレ》 
「日本最古」の風格がまったくないアニメーション。劇場で開いた口がふさがらない状態になりまして。 おそらく、間違いないと思ってますが、幕末時代から切り絵を使った影絵ベースの「ライブアニメ」はあったし、興行師もいたわけで、そういう文化の延長線でアニメを作ったんだと思うんです。なので、まるでメリエス作品のように背景が固定された舞台のイメージを脱するコトができないで、古いソフトウェアを新しいハードウェアに移植したような、そんな違和感に満ちています(同時代の影絵舞台が伝承されていればまた、見る目も変わるかもしれないんですが…(追記:てか、ペープサート紙芝居の存在を忘れてたわ))。  「◯◯初」、という立場にあったクリエイターが全員そんな風に新技術の可能性に気づかなかったかというとそうではなくて、『月世界旅行』はちゃんとカットを割って月のどアップを挿入したわけですし(少なくとも画面の切り替えが素早くできる、という映画のメリットを知っていた)、『大列車強盗』のオチのアレはシネマスコープではなくキネトスコープ独特の「ひとりで孤独に体験する」という特徴を考えて撮影したんだと思いますし。 『なまくら刀』には、それに相当する何かが足りない。新しい技術に出会ってクリエイターがワクワクしている、あの感覚が伝わってこない。どこまでも読本や絵草紙の延長線の上にある、遠い過去からの職人的な技術を使って実現した、言ってみればアニメではなくカラクリ滑稽本。 残念ではないが、ありがたがるものでは絶対ない、というのが正直な印象です。
[映画館(邦画)] 4点(2015-06-20 17:18:24)
102.  どっちにする?
邦題『どっちにする?』。 英語タイトル『What your chice?』。 「象は鼻が長い」を挙げるまでもなく、日本語は主語を省略するのではなく元々が無人称の論理を許す言語である。時として漢詩にも無人称構造があるのだが、日本語の方が先鋭的。全く似て非なる英語俳句がもてはやされるのも、日本語が持つこのあたりの、ヨーロッパ言語の息苦しさを自然体で否定した「軽さ」の魅力によるものじゃないかと思っている。イタロ・カルヴィーノがヨダレを流して喜びそうな言語環境に、我々は住んでいる(世界中から「このバカが」と冷笑されてるような、パラノイア的妄想が生まれないでもないが…)。  さて、その意味からすると邦題と英題は人称のあり/なしによって意味する所が違うのだが、日米の子供たちの絵から産まれた本作は両方が正しい。この微妙な矛盾をはらんだコンセプトが、ちょっとした魅力のアニメだ。 様々な選択を迫られるキャラクターたち。果物を選ばずに電球をうまそうに食べる虫もいれば、床屋も歯医者もキライという子供もいる。選択肢はあるのだが、選択肢自身から自由である人々の、何だかおかしな暮らしぶりは楽しく、人生はポジティブに軽い。 「I/You」の存在する世界では、どっちにするかは非常に重い。ひとつひとつの選択が積み重なって、やがては自己を形成して行く。選択には責任が伴っているのだ。日本語はそれを無視する。「誰が」選択をしているのか、そこにはっきりした主体はない。この軽い無責任感が、日本語の信条なのかもな。 この短編は、各言語文化圏の、映画における人称の特質に触れてしまっているかもしれない。意識しない領域で。  本作に続く山村監督の代表作『頭山』は、純日本ネタであると共に意識して描かれた無人称作品であり、無人称の罪深さ・幼児性を告発した作品だ。本作の製作時点で、そういう表現方法へ目が向いていたのかもしれない。
[DVD(邦画)] 4点(2007-04-30 18:56:41)
103.  秒速5センチメートル
いい。 絵のセンスは素晴らしい(あの空の描き方は、世界のアニメ監督の誰も、一人たりと気付いていないんじゃないか?)。モンタージュの乱舞するエンディングには拳を握った。そこまでは心をうごかされたという事だ。 何はともあれ、一度きりの、空の表情の映画。日本は広い。『エル・スール』じゃないが、人は自分の住む土地の風景によって、空と雲によって、「思考させられている」と感じる瞬間がある。本作では南島独特の多層で多彩な雲、北関東特有のノッペリした無辺の青、東京ならではの息苦しい明るさが、人物なんかそっちのけで力を込めて描出されている。故に、これは「空の話」だったと断言したい。 だから極端に言えば人物が描かれなくてもいいんだが、そこはそれ、監督はまだ若い。話を進めるためにも人間は必要だ。 監督。10年後にもうひとつ、20年後にまたもうひとつエピソードを作りたくなるだろうよ。心にそのスペースを用意して、しっかり待ってるぞ(挑戦状)。  他方、ストーリーテラーとしては新人にありがちな背伸びが目立つのが致命的な欠点。点描によって大きなモノをスケッチするのは、緻密に描かれる部分があってこそ対比の力で受け手に迫るもの。1話目の電車・2話目のサーフィンを、あの程度の描写で終らせたのは罪が深い。というかインパクトが成立する以前に、映像が網膜から逃げて行った。せいいっぱいの限界点でやってる青い部分がたまらない芳香を漂わせているのも確かだが、一箇所でもいい、描きたい絵をとことんまでゴリゴリ描く事から逃げている現状は、決してアートとして成立しているわけじゃない。 ここは冷淡に突き放し4点にする。「悪い」「駄作」という意味ではない。物語世界に大化けする可能性を見出せないが故の低得点だ。このアニメはおそらく、もともとが5点満点の作品世界なのだ。バラバラの点描ゆえ、そこも突き抜けはしなかったが、素晴らしいモノがいっぱい詰まっている。それは間違いない。 DVDが出たら誰にも言わずにコッソリ買ってきて、毎夜コソッと一話づつ観ては泣き濡れる…オイラ案外そんな事をしそうな感じで、今から不安だすよ(笑)。  ●追記: いやしっかし、2話目のあそこで『ヴェルクマイスター・ハーモニー』の「アレ」登場シーンをパクるとは思わなかったけどな(客席で声を上げて密かにのけぞった (^^;)。その記号的な意味や、使い方まで「アレ」だし。
[DVD(字幕)] 4点(2007-04-23 00:46:12)(良:2票)
104.  緋牡丹博徒 花札勝負 《ネタバレ》 
人が死ぬ時、寒そうに白い息を吐く。血糊から湯気が立つ。その寒気は凄かった。 それ以外はですね、ダメなんですよ。仮面ライダー世代だから。こういう作品で映像の文法が確立された後、どんどん省略&ウケ狙いに走っていった東映の映像にドップリ浸かってしまった世代だから。半面メイクのバケ安が出てきた時も、「あー怪傑ズバットでこんな親分もいたよなあ」とか想像しちゃって、完全に事象の因果関係が倒立していました。 もちろん藤純子の義侠心も、健さんの忍耐も、嵐寛寿郎の貫禄も、若山富三郎の覇気も、みんな素晴らしい。でも頭の中では各キャラをいちいち「レッド」「ブラック」「ブルー」「イエロー」…と色付けで呼びたくなるくらいの東映特撮キャラ大集合…いや違うこれはプロトタイプなんだプロトタイプ…。 あと、映像まわりも確かに名作の誉れを感じさせる場面は多いけど、冒頭の列車アクションの場面はどうか。あまりに典型的な「仮面ライダー」過ぎないか。オイラがこの場面を誉められるかというと…まず無理だな。 本作のように後年ステレオタイプになってしまう作品の場合、若輩者が真の評価を下すのは難しいというのを学習した。子供時代の刷り込みだろうが、NHKの少年ドラマシリーズには美学を感じても、東映特撮には感じねえんだオイラは。いやホント申し訳ない。
[映画館(邦画)] 4点(2007-01-15 01:27:29)(良:1票)
105.  つげ義春ワールド ゲンセンカン主人
石井輝男信者なんで点数甘いです。でもこんなもんです。つげ+石井って、実は非常に食い合わせ悪いと思うんだけどなあ…。
[ビデオ(字幕)] 4点(2005-04-30 13:55:19)
106.  網走番外地(1965)
ごめん。点低いす。やっぱしオイラの愛する石井輝男はコレじゃないんだよなあ…この映画なんかカット割りが練られすぎちゃってもう(苦笑)。予算や期間がなくて幼稚園児の粘土工作みたいに不細工な作品の方が、彼の作家性が出てしまうのは悲しい事かもしれないが。やはり『スーパージャイアンツ』で展開する石井節の洗礼を受けている以上、普通な名作を撮る彼は受け入れられん。でも、最後の最後、丹波の台詞ではドッと涙が溢れました。脱獄物なのに、本当の意味での悪い奴がいないんだよなあ、この映画(それがテーマみたいだし)。
4点(2004-10-17 21:24:15)
107.  机のなかみ 《ネタバレ》 
評価低くて申し訳ない。以下はネタバレ愚痴オンリーで。  (詳細はブログにて)
[映画館(邦画)] 3点(2008-02-13 01:03:29)
108.  死者の書 《ネタバレ》 
喜八郎に酷い点はつけたくないが、やはりここは…。 何しろやたらセルアニメやらブルーバックやらの技法が使われすぎで、「天下の喜八郎師匠がなんて事を~」と涙なしには観られない無統一な画面。音楽も安易に西洋楽器に頼りすぎ。旋法には風情があるけれど…。  問題の根は「作り込みすぎ」にあると思う。都の大路を行き交う群集、垣根を造る男たち、かしましい南家の女官たち…こんなモノをコマ撮りで全部アニメートしてたらどれだけ手があっても足りなくなる。そのしわ寄せが肝心の如来や大津皇子に集まってしまったんじゃないのか。最初に構想した画が壮大で、緻密すぎたんじゃないか…と思う。 その無残にもバラバラになった手法や、無駄に細部まで表現されたモブシーンは、それでもなお本作には必要な物だった。ラストカットでそれがわかる。この話はそもそも原作者・折口信夫が見た曼陀羅から着想され、最終的にいつらめの描いた曼陀羅を映して終わるからだ。喜八郎は映画全体も曼陀羅として、「奈良の都」という形で彼の宇宙像を完成させたかったのではないか。いや、そうする必要があったのだろう。  悲運の大津皇子が怨霊となって藤原南家のいつらめの前に現れる。学才ある彼女は経文を唱えてその邪心を押し留め、そして心に観えたものを具現化しようとして糸を紡ぎ機を織り、そこに成仏の姿を描く。即ちこれ曼陀羅…。 古代日本の土着信仰と仏教がせめぎ合う物語であり、同時に芸術の根源を描く物語。折口はどう意図したか知らんけど、川本喜八郎は万葉的で大らかな主人公に自分の創作姿勢を重ねたかったろう。 それが伝わる画面だったから、無茶を承知で作ったのがわかるから、点は低くなるがオイラはこの作品に愛情を注がざるを得なくなる。3点のマンダラだけど、10点の姿は何となく見える。その10点の画を愛するが故に、ここでは正直に、3点を献じたい。  余談だが、全体の語り口は遠い世界の物事を語るように引きに引いていて、これは上田秋成晩年の作『春雨物語』の世界に似ている。1~2話の「天津処女」「血かたびら」は薬子の乱の話で、時代も精神的な背景も本作に近い。喜八郎はきっと意識していると思うし、何より秋成と同じ場所に立って古代を眺めてこその光景じゃないのか。 できればもう一作、春雨の一編を映像化してもらえれば…と願ってしまう、我侭な自分がいた。
[映画館(邦画)] 3点(2006-10-15 21:14:35)
109.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 
故あって鎌倉の映画館で見ました。「武士道は今の時代には不要になった」「違う。いま最も必要なものなんだ」…途端に「ズルッ」と鼻をすする音が。しかも四方八方から…流石は開幕の地の観客です。そっから後はもう涙をこらえる観客たちの嗚咽のウルサいこと(決してバカにしてるワケじゃないんだけど、あまりにストレートな反応なもんだから)。オイラの評価は低いです。彰義隊をイメージさせる戦場の絵造りは素晴らしかったし、敢えて歴史に背いて官軍をアメリカ式に教練させる事で「戦後の日本」までシンボリックに絵の中へ封じ込めてますね。ハリウッドならではの含蓄を持つ力技でした。けど、戦場と戦法がまるで運動会(もっと言えばたけし城)なみ。予算の少なさも響いてて、日本の国力自体、現実の1/20くらいに描かれてるし(あんなヘナチョコ官軍じゃ、半世紀後にアジアを席捲するなんて無理無理)。《イラク戦争》という外部要因で、シナリオやコンテを練るヒマもないまま急造しなければならなかったんじゃないかと疑ってます。結果、強烈なメッセージだけが浮き上がってしまった感じ。あー最後に。渡辺謙を使ったのはきっと『独眼竜伊達正宗』と『炎立つ』のイメージからだと思うんですが…これで生涯「天下を取れなかった田舎反逆者」というテーマを背負って行く事になってしまうんですかぁ…? 本作のイメージに押し潰されない事を切に祈っています。 (追記:小心な宰相・大村の扱いについて批判噴出してるけど、オイラは仕方ないと思うなあ。だって大村益次郎を悪者としたのはGHQなワケだし、過去の敵国の軍神を偉人扱いするような企画には、ハリウッドがお金出してくれないですよきっと…と、オイラは我慢して見ましたです)
[映画館(字幕)] 3点(2004-03-21 18:01:40)
110.  丹下左膳餘話 百萬兩の壺 《ネタバレ》 
コメディとはいえ自分的にはちょっと笑えず、泣けるシーンばかりが光っていた気がします。 ちょび安に親の死を告げようとする左膳。縁側に座って、 「おい安坊…(すんごい間)…なんだい、それ金魚かい?」 「うん」 「小さい金魚だねえ!」 もう、ここで泣かないわけにはいかないっすね。 いい映画でした。時代を超えたテーマ性があって、これからきっと何世紀が過ぎても古びない作品であり続けるでしょう。  でもオイラは心を鬼にして低評価にします。林不忘の原作の方が面白かった(まだ『乾雲坤竜』の巻しか読んでないですが…)し、ぶっちゃけオリジナル左膳も時代を超えたテーマ性が強い。本作を見た不忘が、自分の名をクレジットを外させた思いは何となく想像できました。 『ターミネーター』は最初ランス・ヘンリクセンがロボット役としてキャスティングされていたそうですが、そのまま作られていたら丹下左膳のイメージにかなり肉薄してたんじゃないかな。それくらい、残忍で猟奇的でアウトローな剣豪像。 青空文庫でタダで読めます。順序としては本作を楽しんだ後で、オリジナルに触れる方がいいでしょう(逆だとオイラのような評価になるかも)。オススメ。
[DVD(邦画)] 2点(2006-08-19 08:14:55)
111.  ジャッカル 《ネタバレ》 
ぎゃっははははあぁん~っ!o(>▽<)o" いま goo 映画情報で、この映画の解説(http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD30864/story.html)を読んでたんですが、お、お、おかしすぎるぅ~! 腹がよじれる~! 『はたしてジャッカルの究極兵器が演壇を襲うが、夫人は間一髪で無事』とか、なんじゃその究極兵器って! あの目立ちまくりマシンガンがキューキョクだったんかよ! 凡作のあらすじを何とかして読めるものにしようというライターさんの苦闘の跡が笑いにまで昇華されてしまって、もはや手のつけようのない駄作であるコトの逆証明みたいになっちゃってます。でも、製作者の意図はわかんなくもないんですよね。『ジャッカルの日』がリアルな展開、抑えた演技・演出の傑作だとすれば、これをハリウッド流儀でバリンバリンに改造してゴージャスな展開、派手な演技と演出にしてやれば「もっと素晴らしくなる(…と製作の誰かが言ったに違いない!)ではないかーッ!」。んなわきゃないのは皆さんご存知の通り。ハリボテの展開と男臭い(=頭悪い)演技・演出で、滅多に見られない勘違い企画に…その象徴があの『究極兵器』なんだとすれば、確かにあれって本作の全てをあらわしたバカアイテムなのかもしれないですねえ(確かに試射のシーンだけはオリジナルとのギャップに笑ったけどさ)。やるなら、ブラッカイマー製作の映画くらいもっと男臭く(=頭悪く)、もっと豪快に(=大風呂敷に)、徹底してやったらんかい! 世界一の暗殺者が日本車に乗っても全然ゴージャスじゃないぞ! その昔から、暗殺者はアルファロメオに乗って潜入すると相場が決まっとるんぢゃあ。…なお goo 映画情報によれば、本作は『ジャッカルの日』との関係を一切明示していない(クレジットしていない)とのコト。まあアレじゃ、「リスペクトです」とタランティーノみたく胸を張る事すらできんわなああぁぁ(苦笑)。
[映画館(字幕)] 2点(2005-12-29 06:43:36)(笑:1票) (良:1票)
112.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー 《ネタバレ》 
押井を語るならこの作品が適当かな(天卵という手もあるが…あれは容易に点数つけれんしなー)。自分の中では、常に0点と3点の間を揺れ動く監督。地べたに這ってピョンピョン飛び跳ねながら天界を目指すのだが、跳躍力が足りず落ちてきちゃうって感じ。だが職人アニメーターとしては最低でも7点以上だ。おそらく常人の域を超える集中力を武器にした完成度至上主義(あくまで想像)も、職人アニメーターとして誇るべきもの。それが後の『アヴァロン』の驚異的なポストプロダクション(死ぬほど面倒くさい作業だっただろう)をやり遂げさせるわけだが…この人、才能の使い方を絶対間違えてると思う。世界がカメの背に乗ってるだなんていう明快な図式をやるなら、あそこまで書き込む必要ないじゃん。書き込みすぎたから、カメ自体が作り物っぽくなっちゃったよ。素人目で見たって、あの構図が活きるのはもっとラフで、パワーのあるマンガっぽいタッチでこそだと思うよ。「全世界を明快なカリカチュアに放り込む」事ができる、欧州の歴代アニメーターに匹敵する才能(この部分では絶対手塚治虫を超えてる)に恵まれたのに、大友克洋・士郎正宗と同じ路線にしがみついてる妄執の人にしか見えない。惜しい。惜しすぎる。ちなみに当時から『うる星』ファンじゃなかったので、点のオマケはないす。あしからず。
2点(2004-08-15 16:26:16)(笑:1票)
113.  マタンゴ
SFには辛いオイラ。特にこれは「この原作を無宗教の日本人が演じるのは無理だろ!」って面があって…スタッフが神級なのはわかるんすけどね…容赦なくこの点数にさせて頂きます。原作『夜の声』は、キリスト教(の持つピューリタン的な潔癖さ)ならではの恐怖があったので、信仰の力でさえも「マタンゴ化」を止められない、という点が恐ろしかったワケで(これは『エクソシスト』の行き着く先にある恐怖と同じ)。極限状況だけじゃあの怖さは出ないなあ。ラストシーンでビシッと落としてくれたので、そこだけポイント高いです。
2点(2004-03-15 04:19:16)
114.  ゴジラ対メガロ
冒頭から、何気に怪しげな香気を放っているジェットジャガーなんすけど、どうして顔のデザインを般若ベースにしちゃったんすかねー。テーマソングまで作って、それ以降のゴジラシリーズで片翼を担うヒーローロボットとして生み出されたんだと思うんだけど、あれじゃ子供泣いちゃうよー! だがしかーし、この怪奇なデザインのインパクトが幼少期のサム・ライミに与えた影響は果てしなく大きかったと言わざるを得まい。本作から下ってはるか数十年後、スパイダーマンの好敵手となるグリーンゴブリンの姿にジェットジャガーの残像を(嘘
[ビデオ(字幕)] 1点(2006-01-07 13:11:08)(笑:1票)
115.  APPLESEED アップルシード
見ている間中、悩んでいました。10点でけなしまくっておくか、1点でほめておくか。今はけなしておく事にします(2006/1/25、キャンペーン終了)。最初にいい点。戦闘シーン「だけ」は素晴らしかった。イラク戦争の先行きが見えない、2004年春という時点でその数十年先に登場するはずの戦闘を肌で感じられるように描いたのは、どんな凡百のニュース映像よりも価値があります。ここで描かれる市街戦は今の市街戦の3倍速い。戦士が自動車並みのスピードで移動して来るし、それを想定して大量の弾幕を張る(あんまり当たってませんが)。この怖さをリアルに実感できるのはいい事です。「被害者○人」なんて数のゲームにうつつ抜かしてる場合じゃない、次の大戦では戦士に体当たりされたら人はペシャンコです。3Dアニメにアレルギーがなければ是非そこを感じて頂きたい。 …あれ、けなすスペースがなくなったけど…とりあえず最悪だと思った劇伴について(集中攻撃になるが、同じような強い不満が製作・脚本・演出にも等しくあると思っていただきたい)。画面で描かれている場面でのキャラクターの感情を補助するタイプの演出は、子供向けアニメの技法だ。アップルシードは子供向けアニメか? あほか。初めてオリンポスを画面に登場させる時、(戦闘シーンの覚めやらない状態の)観客は、まだこの都市を受け入れる準備はできていない。RPGタイプで観客と一体化したキャラであるデュナンも、観客と同じだと思っていい。あそこで醸し出すべき音は「不安・疑念」であるはず。ちなみにこの「人を疑う」という概念にあたるテーマは本作のBGMでは見当たらなかった(原作『アップルシード』で重要なのはここだと信じる。常に疑いを持って思考し続けるという姿勢だ)。バーでヒトミとデュナンが言葉を交わすシーンはどうか。現実のバーで、隣の席の人間とあんな会話を交わす事があるか。バイオロイドの異常性・不条理を浮き出しにする音楽か、作品を通して登場する『バイオロイドのテーマ』でなければならなかったのではないか(一度見た限りではそんなものはなかったと思うが)。総じて「幼稚だ」という印象が残った。これは文字通り「子供向け作品の論法で作られている」という事だ。ドラマの劇伴は「こんなイメージ」で済むもんじゃないのだ。ここは素直に「客を侮辱しないで頂きたい」と言っておく。ファンとしては本当は目をつむりたい想いだ。
[DVD(字幕)] 1点(2005-01-03 01:07:37)(良:2票)
116.  トゥモロー・ワールド
映像は凄い。凄い映像にちゃんと意味を持たせてるのも凄い。だが、鼻息で飛んでしまうほどに世界が薄い。オイラは映画の観客である以前にSF者なんであって、そこから評価しなければ自分というモノが崩れてしまうのだ。 残念ながらP.D.ジェイムズはミステリ畑の作家なので原作はノーチェック。とはいえ、翻訳が出た時は意図的にスルーしているので、今回観た時も「しまった」という気はしなかった。この話なら『タイムスケープ』を原作にしたって似たような作品を作れるだろう。いやそもそも『緑色遺伝子』や『子供の消えた惑星』という、そのものズバリのブリティッシュSFがあるじゃんかよ…。 結局、現在の世界を舞台にするとヤバ過ぎるのでSFという枠組みを使ったんだろうけど、設定の割には思いのほか世界観が狭い。英国SFの味といえば確かにそうだが、設定から醸し出されなければならない、この世界ならではの「絶望」がどこにもないのだ…スタッフが頭の中で常に「現代世界」を意識していたための、悪く言えば「二枚舌」「手抜き」という事なんだと思う。他のSFのように曖昧に逃げを打てばいい部分でも、堂々と思索不足をぶちまけてくる。まあ仕方ない、これが映画業界の驕りという奴だろう。彼らは大資本を動かす勝ち組みだ。 この(未来への希望がない)世界で、どうして大量の労働者が必要な鉄鋼・銃器・弾薬・ガソリンが豊富に供給される? 科学と人道と民主主義は見直しを食らってないか? もっと大っぴらに植民地制度が復活してないか? …要するに、社会がこれまでやってきた事の、全体的な見直しがかかっているはずなのだ(『緑色遺伝子』を映画化していたら、もっとこういうポリティカルな面も入った複眼的な視野になったと思うんだけどネ)。 「子供を産むのは大変かもしれないが、世界を産むのは簡単だ」とか思ってたんじゃないかね、このスタッフたちは。『ブレードランナー』と同様に、この作品は認めません。  ●追記: 半日かけて頭の中で整理した。今は本作の評価を、もっと短く言える。 オイラが推すSFは、たとえ平和主義の強い理想に裏打ちされたモノであっても、優れた表現を駆使していても、間違いなく、こんな「画面がただひとつの思想に覆い尽くされたプロパガンダ作品」じゃない。 スタート地点が同じ『CODE 46』の方が、47倍くらい素晴らしい。
[映画館(字幕)] 0点(2007-02-04 00:20:57)(良:1票)
117.  ルパン三世 カリオストロの城
人生の長きに渡って、その価値を全く見出す瞬間のなかった映画がある。『ブレードランナー』『マトリックス』がそうだったし、邦画ではこの作品がそれだ。三世よ、爺さんのリスペクトはカッコ悪いからやめとけ。宮崎、あんたはトトロやるまでポール・グリモーとフライシャーのリスペクトばっかだったな。だからあんたの作品は見なくなったし、多分、もう一生見ない。リスペクトの観せ方はモンキー・パンチの原作の方が大人だったし、宮崎監督が前半生でやってきた事より、ずっと大胆な踏み込みをしていた。あんたは自分のコントロールできなかった何かを、コントロールできないというそれだけの理由で殺してしまった。この作品以後、オリジナルのルパン三世は壊れて、跡形もなく消え去ったね…見事な巨大ヒットブランドにはなったがな。観客としてそれを許すほどの度量は、年食って少しは丸くなった今でも、ないだろう。だから、自分の中の宮崎駿は未来少年コナンで停止したままだ。悪いと責める気はないが、やはり0点は0点だ。
0点(2004-07-19 06:43:32)(良:4票)
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