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サムサッカー・サムさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 211
性別 男性
年齢 34歳
自己紹介 日本は公開日が世界的に遅い傾向があるので、最近の大作系は海外で鑑賞しています。
福岡在住ですが、終業後に出国して海外(主に韓国)で映画を観て、翌日の朝イチで帰国して出社したりしています。ちょっとキツイけど。

Filmarksというアプリでも感想を投稿していますので、内容が被ることがあるかもしれません。ご了承ください。

これからも素晴らしい映画に沢山出会えたらいいなと思います。よろしくお願いします。

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1.  メアリと魔女の花 《ネタバレ》 
スタジオジブリの後継に当たるというスタジオポノックの第一作目。 上映時間は短めで、アニメーションにおける「動」の部分、つまり活劇に注力したことが見て取れる。イギリスの児童文学を原作としており、よく言えば子供にもとても見やすいライトな作風である。 まぁそれは良く言えばの話で、率直に言えば、薄味で食い足りないが既視感だけは腹いっぱいな作品だった。  映像や役者の演技を観れば、まじめに作っていることが伺える。しかしこの内容の薄さは大人にはキツいか。家と魔法学校のお使いを繰り返すこじんまりとした展開が、希薄さに拍車をかける。  目玉となる魔法学校も、モブ生徒と先生数人という地味さ。別にダンブルドア校長とグリフィンドール生を出せというわけではないが、魔法学校となれば、そこはドキドキワクワク胸躍る場所であってしかるべきだろう。  ではキャラクターの描写がしっかり処理されているかというとそれも違う。 メアリについては「冒険を通して成長する女の子」という鉄板テンプレに、「自分に自信を持つこと」というメッセージをかろうじて落とし込めている。しかしメアリ以外のキャラの添え物感は否めない。 まぁ敵役の処理にしてみても「あいつらなら大丈夫っしょ」くらいの軽さなので、そもそもキャラ造形の深さを求めるのが間違いなのかもしれないが。もともと展開の速い作品なので、見る側としては心が乗り切れずに置いていかれてしまう。映像を眺めるだけになってしまう。  なんというか、ただ眺めているだけになってしまうのだが、そこに気になる点もあり…。 やはり過去「ジブリ」からの既視感を感じてしまう。  日本においては多くの人がジブリ作品に慣れ親しんでいるのは事実だと思う。僕もそうだし、「メアリ」を見に来るお客さんにもそういう人は多いと思う。 「なんか見たことあるな」と感じるのは避けられないだろう。  今回、あえて「魔女、再び。」というコピーを採用しているように、製作者側としてもそのあたりは意識しているはずである。しかしふたを開けてみれば、魔女再びどころか、いろんな奴らが再びではないか。  魔女再び。ならば、それでもなお新たな魅力を持った魔女の冒険を、成長を、アニメを見せてほしかった。
[試写会(邦画)] 4点(2017-07-06 12:55:31)(良:1票)
2.  スプリット 《ネタバレ》 
なんだかんだで目が離せないシャマラン監督。しばらく雇われ監督的なポジションをこなしていたが、自ら企画した「ヴィジット」に続き、本作もシャマ節全開の作品になっている。  まず普通に面白い。 クラシックな監禁スリラーに、興味深い多重人格者の設定や、24人目にまつわるミステリなど、様々な要素を加味しているのが良い。 女子高生のキャラ付をさっさと済ませた後は、するりと日常が地獄に変わっていくテンポの良さもなかなか。これらをまとめあげるシャマランのストーリーテリングに狂いは無い。マカヴォイのパフォーマンスも素晴らしい。  題材となっている多重人格。これはスポット制度、3人の女性被害者、24人目の人格などから察するに、同じく23(+1)の人格を持つビリー・ミリガンに着想を得ているのだろう。彼の場合は最後の人格が「教師」だそうだが、本作では24人目に「ビースト」を創り出すことで、「人格次第で身体能力も変わる」という設定が、映画的な面白さに昇華している。 (ちなみに本家ミリガンに関しては、ディカプリオ主演で映画化が予定されている。ディカプリオはJ・ベルフォート、J・エドガー、H・グラスなど実在の人物を多く演じているが、さらに24人プラスとはとんだスプリット野郎である)  個人的に一番面白かった点は、ユーモアと悪意が織りなすなんとも言えないあの空気感か。 怖い・不気味・絶望的だが、どこか滑稽。最悪の状況で踊り狂うヘドウィグの狂気じみたユーモアなど、このさじ加減はシャマランの上手い所である。  また時折あらわれるシャマランの悪意も面白い。 なんせ主役以外の2人は何の武器もない普通の高校生。 「リア充?ビーストに喰われちまえ!!」と言わんばかりの設定だが、この部分こそ本作のキモでもある。  SNSでの評判ばかり気にかけて、車を待つ主人公には「彼女はUber(配車アプリ)で帰るんじゃん?」と言うような今時のリアル(を拡張した)高校生。(※Uberの下りは字幕では省略されている) 誘拐事件は架空の場所ではなくKOP(※キングオブプルシア、アメリカ最大級の実在するショッピングモール。誘拐後、ニュースで名指しで登場するがこちらも字幕では省略されている)で発生する。 青島刑事ではないが、事件はSNSのタイムラインではなく彼女たちのリアルで起きているのだ  しかしながらネット上で生きている彼女たちにとっては、拉致監禁など半年習ったケンポーカラテで打開すればいいだけ。3人力を合わせればどうにかなるでしょという戦略だ。 当然そんな精神ではこの世界を生き抜けまい。 傷つくことなく眠ったまま生きてきたからこその価値観・世界観。そういうものはシャマランおじさんが全部まとめてぶっ壊す。 自分はフーターズ大好き野郎で出演しておきながら、なかなか毒のある鋭い展開で魅せてくれるではないか。  最後に唐突な続編発表をしたときは「何勝手にシャマラン・ユニバース始めてるんすか」とも思ったが、やはりそういう部分も含めて個人的に気になるシャマラン監督なのである。金髪は胸、黒髪はケツというチョイスも個人的には支持している。
[映画館(字幕)] 7点(2017-05-18 15:21:53)
3.  ジェイソン・ボーン 《ネタバレ》 
これは難しい。そもそもこの映画の立ち位置が難関なのである。 前ボーンのいい所は、そのシンプルさにあった。無駄をそぎ落とした脚本の中に、極限の諜報世界が息づいていた。  しかしリニューアルを図った「レガシー」が頓挫してしまった以上、やはり集客力のあるマット・デイモンのボーンを作らなければならず、さらに過去の焼き直しにならぬように、大幅なアップデートも必要になるのだ。  いやいやこれは難しい。シリーズの良さと、製作側の希望が最初から全くかみ合っていない。それでもこの難題に対してグリーングラスは善戦したと思う。高難易度の撮影や編集テクニックが伺える他、アクションも派手な見せ場が並ぶ凄い映画になっている。 というかスターと巨匠の黄金コンビに巨額の予算を投じることで、高水準な作品を作ったというのが正解か。 それなりにいい映画になっているのが個人的にはある種、タチの悪さを感じるところ。「これ、凄いけどボーンの必要あるのかな」というのが正直な感想である。  ボーンが戦う理由から弱い。まだまだ出生の秘密あるよと言われて、自分探しの旅へ出発である。物語的にボーンの動く理由としては良いのかもしれないが、観客としてはこの付け足し設定には雑さを払拭できない。終盤には復讐にシフトしていき、彼の人間的な感情を際立たせるのかと思いきや、敵もがっつり復讐で動くヤツが用意されおり、この路線変更もやはり空回り気味か。  そもそも私怨で動くようなヤツもこの作品には向かないのではないだろうか。この手の映画ではたまに「Not personal.(これはビジネスだ)」という台詞を耳にするが、ボーンの世界観はまさにそんな感じだ。指令を受けた工作員が問答無用で標的を殺す、または殺されるか。それだけの世界だ。 トミー・リー・ジョーンズが復讐心を操っていたにしろ、結果的に2人の工作員が復讐合戦でカジノに突っ込むとは何事か。  また、昨今のCIA絡みのインシデントを扱っているのも、食い合わせが悪かったか。バックドアに端を発するアップル対CIAを模した陰謀から始まり、スノーデンやらSNSやらを通じて、アメリカの抱えるプライバシーや監視への問題提起が展開する。グリーングラスにとってはこの手の話は得意分野であり、故に新要素として時事ネタを取り込んだのだろうが、途中からこの問題にシフトしていくようなプロットでは駄目だろう。 こんなのはマクガフィンでいい。ボーンとCIAが最後に出会うためのお膳立てであり、ただの記号で良い。 この問題を扱いたいなら、これを軸とした脚本にボーンを絡ませていかないと問題提起にもならないだろう。  もちろんいい所もいっぱいある。一貫した激しいカット割りの連続も相変わらず臨場感がある。世界規模のロケーションも007のそれとはまったく異なる趣があっていい。他のスパイ映画ならパルテノン神殿をフィーチャーしそうな所、それを空撮にとどめて国会前のシンタグマからオモニアまでの範囲でアクションを撮っちゃう所なんて渋いなぁと思う。 マット・デイモンとグリーングラスのタッグは、やはり素晴らしいシーンを生み出しているのだ。  しかしながら物語は詰め込みすぎ、アクションはラストのカーチェイスで一気に娯楽寄りになってしまい、映画内でのバランスはかなり悪い。このコンビでこの脚本なら、「グリーン・ゾーン」のような選択肢を提示した方が良かったのではないか。 本当に良くできたスパイアクションだが、「ボーン」のアイデンティティはあまり感じられないといったところか。
[映画館(字幕)] 7点(2016-10-09 02:41:22)(良:1票)
4.  ワイルド・スピード/SKY MISSION 《ネタバレ》 
走り屋をフィーチャーしたカーアクションからスタートし、いまやハリウッドを代表するビッグバジェットムービーへと成長したファースト・アンド・フューリアーズ。トーキョードリフト失敗(?)の後、シリーズは途方もない大作路線へとシフトチェンジ。見事に息を吹き返したわけだが、ポール・ウォーカーとの熱い走りは本作をもって一旦幕を下ろすようだ。 自身も車に興味がある方なので、このシリーズは毎回楽しみにしている。ポールがいなくなったことは本当に寂しいが、ここまでの大作として仕上げてくれたことに感謝である。  作品の方は正常に進化しており、スーパーアクションに強引にクルマを絡めてくる安定の出来。なんでもかんでもクルマでアプローチしてくる潔さ、それが見せ場として機能することの素晴らしさ。 イサムだけかと思ったら、トニー・ジャーにロンダ・ラウジー、カート・ラッセルまで登場するのもまたスゴイ。ガチファイトのカッコよさも忘れちゃいないのだ。 色々ツッコみまくりなんだが、そういうところもこの映画の楽しいところだ。  ポールの死によって一時は制作が断念されたが、弟コディとCGIの投入で完成にこぎつけたという本作。ブライアンは引退という方向で企画が組みなおされ、彼のフェードアウトのためにテーマにも変更があった。シリーズの根幹をなす家族というテーマに加え、家族との別れを描くときが来たのだ。  エンディングの「see you again」の言葉を借りれば、小さな出会いは友情になり、友情はやがて強い絆になる。それが彼らのいう家族だ。それでも別れはやってくる。ブライアンは家族を守るべく、絆で繋がった家族を離れることを選ぶのである。 でもアイツがいなくなったとして…絆はそこで切れるのか? この映画は彼らなりの答えをしっかりと描いていく。 ダッジチャージャーに乗り込んだドムは、1作目で口にした言葉を振り返り、変化を受け入れようとする。スピードの中に生きてきた兄弟たちも多くの変化を体験した。そうして辿り着いた場所でも、ずっと一緒にやって来た兄弟を思い出せば、今もスープラに乗ったブライアンが横にいてくれる。 400メートル先のほんの10秒の間に答えを探していた彼らが、ずっと変わることないもう一つの答えを見つけたのかもしれない。これから違う道を進んだとしても、絆や愛は失われない。いつかまたあった時はたくさん話そうぜと。
[映画館(字幕)] 9点(2015-04-23 20:26:33)(良:4票)
5.  思い出のマーニー 《ネタバレ》 
ディズニーのWヒロインがレリゴーで世を席巻する中、ジブリもWヒロインを採用。ミステリー調のストーリーテリングと、スーパーネガティブな主人公が、異色さを醸し出す一方、「不思議な経験を通して、ちょっぴり成長する女の子」という、ジブリの鉄板プロットに沿った良作となっている。  仕上がりに関して率直に言えば、物足りないと感じた部分はある。  例えば、マーニーにまつわる真相については、最後は語りで大部分をまとめてしまい、拍子抜け感は否めない。 主軸となる安奈の成長についても、やや記号的な描かれ方なので、もしくは時間をかけた方がよかったのかもしれない。  それでも個人的には、不思議な味わい深さを感じる、とても満足できる一作だった。  面白いと感じたのは、杏奈の成長の着地点、「自分は外側の人間」と決め込んでいた彼女が、どのように成長したのかという点だ。 普通、映画で描かれるような成長をすれば、外側だった人間が、内側に入り、みんなと仲良くハッピーエンドという終点が用意されると思う。しかし本作では、正当な成長過程を描きながらも、異なった終点に辿り着くのが興味深い。   マーニーとは、杏奈の人形に自分の憧れを投影したような存在であるとともに、似ているようで違う、水辺に映りこんだ自分のような面もあった。 マーニーと杏奈の立場が入れ替わリ始めたのは、マーニーとの交流で杏奈の考えが変化し、自分が愛されていることを受け入れ始めたからだろう。それ故に、人を許すことのできなかった杏奈は、マーニーを許すことが出来たし、「外側の自分が嫌い」だったことについても、「外側でも大丈夫なの」と思えるようになった。  結局、ふとっちょぶた(本名忘れてスマン)と大親友になるとか、そんな大きな変化は起きていない。とりあえず仲直りが出来ただけ。でもそれぐらいのちょっぴりの変化でいい。杏奈の心は大きく成長したのだから。 杏奈は「外側」のまま。でもそんな私が嫌いとは、もう思っていまい。   「ありのーままのー」ではないが、自分を受け入れること、そんな気負うことのない優しいメッセージが、美しい風景や空気感とともに、すっと心に沁みこんでくる。この不思議で優しい感じ、そしてテーマ曲の心地よさ。 理由もなくプリシラ・アーンを起用したわけではない。映画が終わってもすぐには席を立たず、音楽に身を委ねて、爽やかな余韻を楽しみたい。 
[映画館(邦画)] 8点(2014-08-04 01:42:40)
6.  借りぐらしのアリエッティ 《ネタバレ》 
例えば、田舎から出てきた意地っ張りで、でも傷つきやすい魔女の少女が海のみえる街で出会った少年と二人で彼の作った自転車に乗って、ようやく心を開いて打ち解けることができたのに、彼の都会的でお洒落な女性の友達を見ると、それは当然のことだって分かってるのに、彼は絶対に悪くないって理解してるんだけど、悲しいような悔しいような言いようもない思いに気持ちはうつむいてしまう。そんな少女の繊細な心の機微をみずみずしく切り取った演出を観たとき、人間描写の細かさにただただ関心し、男ながらにその少女と気持ちを共有した思い出がある。今回「アリエッティ」を鑑賞してそんなことを思い出した。自分はもう一人前で父さんと一緒に借りだって出来るし、立派なマチ針の剣もあるから怖いものなのなんてない。そう思っていたのに借りの失敗はおろか、存在を気づかれ家族を危険にさらしてしまう。そんなときに角砂糖の下の「わすれもの」。これを見たときの翔の善意に対しての自分の無力さや小人の掟の間で揺れるアリエッティの心の機微を僕は共有していたと思う。監督は違うといえど、ジブリらしさを感じた瞬間。嬉しいものだ。ただ、尺の短さ故に薄味なのも事実。人間と小人の互いの長所と信頼で活路を見出せるし、ハルさんは「絶対捕まえてやるぅっ!」って言っている。危険な森という場も立っていることだし、もうひとつ物語にヤマを入れても良かったのではと感じる。しかし小人の生活のアイデアや、借りのユニークさに見られる美しい映像や抜かりないディテールはやっぱりジブリクオリティ。個人的には大満足。必死に生きる小人との交流で翔に芽生えた感情も良く描けている。物語に未消化の部分もあるが、ジブリらしい芯が強く美しい女性像の流れを汲むヒロインを僕は好きになった。
[映画館(邦画)] 8点(2010-07-21 13:03:27)(良:1票)
7.  劇場版TRICK トリック 霊能力者バトルロイヤル 《ネタバレ》 
回を増すごとにいい加減になっていくクオリティ。非常に出来の悪い大味な脚本にマンネリと化した種明かし。そういったもの全て「TRICKってこーゆーものだから」で乗り切るところが本シリーズのすごいところかな。映画化の度にいつも思うが、はたして映画館でやる必要あるのだろうか。でもまた忘れた頃にやるのかな。楽しみにしとこう。
[映画館(邦画)] 4点(2010-06-09 23:25:28)
8.  20世紀少年 -第2章- 最後の希望 《ネタバレ》 
まず、この映画で(唯一)非常に良かったところは小泉役の女の子かな。原作のイメージそのまま、表情が豊かでコミカル、漫画から抜け出たようだ!以上。率直にいうとこの映画はクソだ。正直言って第一章については期待外れだったが、三部作構成の映画は一作目を世界観や人物の説明に時間を費やし、二作目からはどんどん見せ場とドラマを展開できるので、おもしろくなる可能性も十分あり得る。しかし本作は第一章と同様、何もおもしろくない苦痛ともいえる20世紀少年だった。監督が良くないとここまでツマランかと痛感した。「完コピ目指します。」とか言っていたが、本作を見る限り早くも断念したようで、つぎはぎだらけの展開が目立つ。それを補うためのオリジナリティも完全に方向性を失っており、こちらが恥ずかしくなってしまうような演出すらある。ともだちランドなどは,もはや完全にドラマTRICKのような状態だ。TRICKの新作を撮るなら監督には帰っていただきたい。やはり堤監督の演出や構成は明らかに力不足で訴えるものが何もない。「信念」とか「友情」を感じさせるエピソード(サダキヨと先生のくだりとか、脱獄の際の赤帽白帽のエピソードとか)は大幅に削り、画的に面白そうなところを過剰に演出している。原作を読んでる人なら、この作品がドラマ部分をカットして展開をなぞっただけの中身のない予告編映画だと気付くはずだ。「こんなのロックじゃねぇ。」とか言いながら、有名人を集めただけの完璧な商業目的の映画であり、監督は原作のメッセージを全く理解できていないようだ。本気でやらなきゃ人は動かせない、本気でやれば何かが決壊する。僕が観たい20世紀少年はこんな上辺だけの物語ではない。地球を救う男のドラマが観たいのだ。
[映画館(邦画)] 1点(2009-03-05 22:35:20)(良:3票)
9.  K-20 怪人二十面相・伝 《ネタバレ》 
全くといっていいほど深みはないが、娯楽作として楽しむのに関しては、日本映画の中でもクオリティは高いと感じる。主要三人の立ち位置も明確で話も単純、何も考えずに楽しめる。どこかレトロな町並みや小道具も雰囲気を醸し出しており、映像も見応えがある。音楽や映像面の他にも、二十面相のアクションにフリーランニングを取り入れるところからも作り手のセンスの良さが伺える。迫力不足や端役の魅力不足、演技力不足などは否めないが、総合的には高評価が出来る。
[映画館(字幕)] 6点(2009-01-03 18:01:46)
10.  デトロイト・メタル・シティ 《ネタバレ》 
素直に面白いと感じた作品。松山ケンイチくんを俳優として評価したい。複雑な展開など全くないが、直球勝負と勢いの物語の中で「クラウザー=根岸くん」というギャップからくる笑いもツボを押さえている。またライブシーンも製作側の意欲や熱意が伝わるほどの出来で余念がない。ド派手なライブパフォーマンスや汚い言葉の洪水に過激なトコロが話題になるかもしれないが、作品自体やその根底には根岸くんのような優しさや丁寧さが感じられる一作。
[映画館(邦画)] 7点(2008-09-12 22:52:23)
11.  20世紀少年 《ネタバレ》 
初めに原作未読の方に伝えておきたいことがある。「20世紀少年」の実力はあんなモンじゃない!!原作の面白さのお陰である程度のクオリティを保っているのでこの点数をつけようと思うが(あくまで原作のお陰)。たしかに唐沢さんや悦司、貴子ちゃんの好演もあり、ある程度の満足感は得られる。が、もしメインキャストをそのままに、堤監督のような三流以下の演出家ではなくリドリー・スコットが監督し、脚本を原作者とポール・ハギスが書いて、音楽をハンス・ジマーが担当したら。要するにスゴイ奴らを集めて「20世紀少年」を作るとどうなるだろうか。それはもう第一章だけで涙ちょちょぎれの傑作になるだろう。こんなことを考えることは変かもしれない。だがあの複雑な構成の原作からストーリーを抽出しメッセージを込めて、映像で表現するには世界的な才能が必要ではないか。「20世紀少年」だけはそのぐらいの情熱を注いで映画化しなければ傑作にはならないだろう。海外の監督も視野に入れた結果、堤監督に決定したらしいが疑わしいものだ。もし僕がダメ監督の横綱・巨匠マイケル・ベイよりダメな監督を挙げろと言われれば迷わず堤幸彦、もしくは三池崇史を挙げるだろう。唐突かつ幼稚、連続ドラマのような安っぽさの漂う演出には辟易した。音楽もちゃちぃんだよね。(T-REXとかボブ・ディランはいいんだけど、それは彼らがすごいのであって。)唐突にお笑い芸人だして気を引いて「ミッチーがせっかく歌ってるから」ってともだちコンサートに結構な時間費やし、その結果ケンヂ、オッチョ、ユキジなどメインキャストの造形が浅すぎるなど愚の骨頂だ。入念なリサーチのもと、彼らの関係をしっかり掘り下げることができたなら、ケンヂが地球を救うことを決意しギターをかき鳴らすあのシーンはとても感慨深い一幕になっただろう。他にも印象に残り得る場面もあるのだが演出の稚拙さに隠れてしまっている。ファンとしては残念だ。
[映画館(邦画)] 3点(2008-08-31 18:32:52)
12.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 
実は映画館でジブリの作品を鑑賞したのは初めて。観に行ってよかった、素晴らしい映画だと思う。絵本みたいなかわいい絵の中で絵本みたいな分かりやすいストーリー。暗喩やメタファーがあるみたいな感じかもしれないけど、なんにも疑わずに、素直に楽しめればそれでいいんじゃないかな。生まれてくる、生きているって、やっぱりいいことだなって思った。ぼくもスキ、ポニョ。
[映画館(邦画)] 8点(2008-08-16 21:57:54)(良:1票)
13.  スピード・レーサー 《ネタバレ》 
あの「マトリックス」の監督の最新作は日本のアニメの映画化!極彩色の奇抜な視覚効果に主演は若手青春スターのエミール・ハーシュ!!それに加えてぶっ飛んだトレーラー映像からいろいろ期待して鑑賞。そしてその期待をはるかに超える体験になった。話はベタベタシンプルだけどメッセージがストレートに伝わってくるし、むしろ狙いすましたベタベタ感が心地よい程。疾走するマシンやサーキットには目を見張る個性と演出に興奮させられ視覚的な面白さも十分!気が付けば観客やレーサー一家と一緒にスピード君を応援している自分が!ほんと映画ってオモシロイ!素晴らしい!!
[映画館(字幕)] 9点(2008-07-09 04:06:58)
14.  シルク(2007) 《ネタバレ》 
雰囲気や世界観は良かった。危険でミステリアスな日本に蚕を求め旅をするという展開は美しい景色も見ることができ魅了される。がしかしこのジャンルの映画にしては上映時間が短いと感じた。エルヴェが日本で何故あの女性に惹かれたのかが説明不足な気がしたし、その女性の行動も腑に落ちない。きっと深い理由や心情が隠されていたんだと思うが、僕にはまだ理解できなかった。またじっくりと鑑賞したい。それでも楽しめたのは美しい景色と雰囲気、役者の演技のお陰と思う。マイケル・ピットは今までにも印象的な演技をみせてきたが今回もよかった。
[映画館(字幕)] 6点(2008-01-20 00:21:12)
15.  蟲師 《ネタバレ》 
まさに紛れも無い唯一無二の、785万点満点なら23点くらいを付けざるを得ない奇跡の駄作。原作の方は一応全巻揃えているし(っていうか一番好きなマンガの一つ)、アニメーションの方も全話鑑賞した、要するに蟲師大好きっ子だったので普段邦画は観ない派なんだけど劇場に足を運んでみた。が、この出来は酷い。製作者とか監督は多分原作を読んだことないんだと感じた。個人的に原作の一番の魅力は蟲の起こす妖しい現象を通して綴られていく温かな、そして時には悲しい人間ドラマだと思っている。それは友情であったり愛や恋であったり。そして蟲というヤツは命そのもので、害を与えるヤツもいるが人を繋ぐ鍵となるヤツもいる。「影響をうけ、初めてその存在を知る」みたいな感じのキャラクターだと思っている。だがこれはどうだ、全編通してティッシュみたいに薄っぺらく観る価値なしの人間ドラマ!軽い、軽い。ギンコのとってつけたような淡い恋心などいらんだろ、考えなさすぎ。原作のエピソードを何話も扱って端折って端折ってしたための失敗で許されるのか? 「俺は虹郎てんだ、変な名前だろ?」「俺なんてカタカナだぁ。」 っておかしいでしょ。虹郎という名前にはそれにまつわる感動的なエピソードがあったはずだ。真火にしても原作にあるような親子愛を描く気配もない、蟲師という存在の説明用パフォーマンスに成り下がっている。要するに原作の素晴らしさを1秒たりとも描写してないのだ。そして蟲だ。原作のドラマ性がないためにダークサイドしかみせていない。蟲ってヤツは人間に害を及ぼしてくるだけの「百害あって一理なし」な存在になっている。流石に酷いぜ。そういう風に描写するのなら主演はオダギリジョーじゃなくて豊川悦司で、殺虫スプレーでアミドの蚊を蹴散らすムービーでもいいわ!
[映画館(邦画)] 0点(2008-01-12 23:27:21)(良:2票)
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