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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2101
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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1.  ハイネケン誘拐の代償 《ネタバレ》 
面白くなる可能性はあったと思うけど、残念な作品でした。 実話モノだけに難しい面はあったかと思いますが、 せっかくアンソニー・ホプキンスを起用しているのに勿体ない使い方に終わっている。 犯行グループとの心理戦などがもう少し挿入されていると見応えも増したかと思いますが、 別にホプキンスのような名優を起用する必要も無かったですね。 この手の映画の見どころの1つでもある犯行グループと捜査当局の攻防戦もほとんど無し。 有名な犯罪を取り上げるTV番組でよくある、犯行グループの動きを追う実録再現映像に近い感覚です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-01-06 15:19:15)
2.  サイレント・ウォーター
近年では「海底47m」シリーズと同じく女子2人組、本作は姉妹ですが、 海底で身動きが取れない、減っていくエアの残量、その焦燥感というお話。 まあ、イライラしました。姉の方に。見ている僕だけじゃなく、ワンちゃんもかなりイライラしていました。 トランクの開け方くらい、運転席回りを見れば何とか分かるでしょうに。 助けを求めに行った近くの民家と、その家の飼い犬の扱いなどは全く不要です。 いくら焦ってるとはいえボンベ落としすぎですが、常に時間との戦いと焦燥感があり、 尺も短いのであっという間にエンディングの作品です。まあ、姉の方にはイライラしましたけどね。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-03-06 11:10:24)
3.  家族を想うとき
反骨の巨匠、ケン・ローチの最新作。 もう80歳をゆうに超えている。映画監督からの引退を宣言したこともあった。 60年代からの長いキャリアの中で一貫して描き続けてきた労働者階級の人々の暮らしとそこのある社会の歪みや理不尽。 雇い主からは都合のいい時だけ「個人事業主」を持ち出され、働くほどに搾取されていくイギリスの宅配ドライバーの厳しい現実。 引退などしていられない。黙っていられるか!本作もそんなケン・ローチの衰えることの無い反骨心が垣間見える作品です。 中盤に一度は崩壊しかけた家族ですが、反抗期の息子が本気で父を心配し、仕事に行かせまいとする。 現実の厳しさの一方で、それでも再び絆を取り戻そうとする家族の姿に庶民の強さを感じさせる。 ケン・ローチらしさが感じられるラストでした。
[DVD(字幕)] 8点(2021-06-16 21:01:47)
4.  スターリンの葬送狂騒曲
スターリンの死後巻き起こったフルシチョフとベリヤの権力抗争とソビエトの権力中枢の混乱を茶化して見せるブラックコメディ。 スターリンの死の直前。コンサートとその録音を巡る冒頭からよく出来ています。 その恐怖政治がいかに市民生活の隅々にまで踏み込んでいたかがよく分かります。 当然、その話自体にコメディ的要素は無いのですが、当時の権力中枢にいた人物を演じる主要キャストの演技が素晴らしく、 全編を通して浮足立ったような軽さと、こういう政治ドラマに必須の重みや凄味を全員が見事に両立させてみせる。 終盤、ベリヤが失脚し処刑されるくだりでは、それまでの軽い空気は一変していきますが、 失脚から処刑までを一気に見せる、非常に嫌な空気が漂うその時間帯もまた見応えがある。 本作はロシアでは上映禁止になったという。 製作サイドの意図がどこにあったのかは分かりませんが、それも織り込み済みだったのでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-03 20:12:44)
5.  告白小説、その結末
作品の中の日常に漂うミステリアスで不安定な空気。不安定な立ち位置にいる主人公。 本作もポランスキーらしい空気が立ちこめるサイコサスペンスです。 ポランスキーの奥様が主演ですが、そんな作品の空気を支配したのは 美しさの中に凄味すら感じさせるエヴァ・グリーンでした。 彼女はいったい何者なのか・・・?  彼女は本当にそこに存在していたのか?その結末がすっきりとはしませんでしたが、 全くぶれないポランスキーらしい作品の空気、その世界観は十分楽しめた作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-05 00:07:18)
6.  陰謀のスプレマシー
かつてはCIAエージェントであったという過去があるが、訳あってCIAを去り今は一般企業で働き、 目の中に入れても痛くない1人娘がいる。しかし平穏な日々は続かず陰謀に巻き込まれ、愛娘に危害が及ぶ。 既視感満載の設定ですが展開は早くストーリーは分かりやすく、健闘している作品だと思います。 親子が危険にさらされますが、この手の映画はそこに関しては良くも悪くも安心して見ていられます。 終盤に殺すべきではなかった人をあっさり死なせてしまったのは残念でしたが・・・。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-11-21 20:37:12)
7.  マーガレットと素敵な何か
10代半ばの頃「ラ・ブーム」で人気に火がつき世界のアイドルになって以降、出演作が途切れることなく映画に出続けている。 ソフィー・マルソーは女優として本当にいい年齢の重ね方をしている人だと思います。 本作では、大きなプロジェクトを抱えバリバリ仕事をこなし、人生をひた走ってきたアラフォー女性を演じています。 そんな女性が40歳の誕生日をきっかけに自分の人生を見つめなおすストーリー。 と言ってしまうと新鮮味はあまりありませんが、そのきっかけが7歳の自分から届いた手紙、というのが面白いところ。 まあ、その手紙の内容が結構大人びていて7歳の子どもが書く内容ではないのですけどね。 ソフィー演じるアラフォー女性が生きる今の現実の世界と、その一方でファンタジックな作品の世界観。 その両方を自然に演じるソフィー・マルソー。本作でもやはり素敵なのでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-07-18 21:09:23)
8.  ノー・マンズ・ランド(2001) 《ネタバレ》 
セルビア軍とボスニア軍。両軍が睨み合う、ちょうど両軍がいない中間地点の狭い塹壕に取り残された両軍の兵士3人。 互いに憎悪をむき出しにし、どちらが悪いか言い争い、殺し合う一歩手前にまで憎悪がエスカレートする一瞬もあれば、 同じ言葉を話し分裂するまでは同じ国に住んでいた彼ら。共通の知人がいることが分かり笑顔を見せ打ち解ける一瞬もある。 ユーモアを感じさせる描写を含みながらも、この内戦の虚しさ、悲しさを感じずにいられません。 ある事情があり身動きが取れず塹壕にとどまるしかない兵士たちと、彼らと関わることになる国連軍と、TV局の取材クルーの一行。 結局何もできなかった国連軍はTV局のクルーと共に塹壕から立ち去る。そして3人の兵士達には悲劇的な結末が。 狭い塹壕の極めて限られた登場人物たちの言動を、そのままこの紛争の縮図にする独特の語り口が素晴らしい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-02-26 21:37:56)
9.  午後8時の訪問者 《ネタバレ》 
貧しいアフリカ諸国からやって来る移民と、そこにある問題。 近年、このテーマのフランス映画を見かける機会が増えてきているように思います。 去年に映画館でみた「サンバ」という映画もそうでした。 主人公の女医。診療所のベルが鳴るが、もうとっくに診察時間が終わっているからと応じなかった。 ベルを鳴らしていたのは、アフリカ系移民の少女。翌日、遺体で発見される。 「あの時、ドアを開けていれば・・・。」 危険を冒しても貧しい祖国を捨て海を渡らざるを得ない人々がいる。そんな人々に対しドアを閉じてしまうのか。どうするのか。 ドアを開けておけばいいという単純な問題ではないだけに難しい。非常に重い問いかけを含むドラマ。 彼女は誰なのか?女医は彼女の画像を町の人々に見せながら聞き込みを続ける。 そこで出会うフランス人たちの様々な反応は、今のフランスのこの問題に対する反応を反映しているのか。 優秀な医師である主人公の女医と、研修医の青年の価値観の違いからくるすれ違いも印象的。 ことの真相を追及していく過程で、医師としての価値観に変化が生じ成長していく様も丁寧に描かれています。 音楽が全く使われておらず徹底的に地味な作風になっていますが、なかなか見ごたえのある人間ドラマでした。
[DVD(字幕)] 7点(2017-12-22 21:16:33)
10.  わたしは、ダニエル・ブレイク 《ネタバレ》 
社会派の巨匠ケン・ローチが2度目のパルムドールを受賞した作品。 一度は映画界からの引退を表明した彼が、それを撤回してまでどうしても投げかけたかった問題提起。 心臓の病気で働けなくなってしまった主人公の男、ダニエル・ブレイクは40年間大工で食ってきた熟練の職人。 真面目に働き、真面目に税金を払ってきた。彼のような人を助けるべく存在する公的機関から見放されてようとしている。 もう1人、2人の幼い子どもを抱えるシングルマザーのケイティ。生活費のためにたどりついた仕事は・・・。 街の片隅で支え合い、励まし合って生きる彼らに寄り添うケン・ローチの視線は優しくも、その一方でどうしようもない現実の厳しさがある。 主人公の男の怒りの声のような役所の壁への落書きは、そのままケン・ローチの怒りの声のように思える。 そしてラストのケイティの弔辞は、引退を撤回して本作を撮ったケン・ローチのラストメッセージになるのか。 一貫してぶれることの無い労働者階級への思いと、80歳を過ぎて一度は引退を考えてもなお、 社会の理不尽に対し黙っていることはできない、そんな彼の衰えることの無い反骨精神をひしひしと感じます。
[DVD(字幕)] 9点(2017-11-17 23:19:25)(良:1票)
11.  ブルックリン 《ネタバレ》 
アイルランドからニューヨークのブルックリンへの移民、 ブルックリンでの出会いと帰郷後の出会い、2つの国のはざまで揺れ動く、まだ若い1人の女性のドラマ。 序盤の不安に包まれながらのアメリカへの船出と、ラストの確信に満ちた2度目のアメリカへの船出。 「入国管理局ではアメリカ人のように毅然とふるまうのよ。」最初の船出とは立場が入れ替わったかのよう。 アメリカでの暮らしと、最愛の姉の死や帰郷後の出来事を通して、そこには強く成長した彼女の姿がありました。 1950年代、その時代を感じさせる作品の色と空気感が素晴らしく、 何気無い日常を静かに淡々と綴っていきながらも彼女のドラマから目が離せなくなる見事な物語の構成に、 挿入される寮での食卓や、結婚することになるイタリア系移民の男の家族との食卓でのユーモアのある人間描写もいい。 短い言葉を交わし抱き合う母との別れと、何も言葉は要らないラストの夫と抱き合う彼女の姿。 凛として芯の強さを感じさせるシアーシャ・ローナンの目と、その表情がすごく印象的。 彼女が「ラブリーボーン」の女の子であったことは鑑賞後に分りました。
[DVD(字幕)] 9点(2017-02-05 00:00:15)(良:1票)
12.  神様メール 《ネタバレ》 
パソコンが必須アイテムになってしまった現代社会。そのあたりの事情は神様と言えども同じのようで・・・。 何となく可愛い感じの邦題にDVDのパッケージ。新感覚の宗教映画といったところですが、 この映画、結構挑戦的。ブラックユーモアではあるのですが、 主人公の女の子は神の子ども。ということは父は何と神様。その神様が一番病んでいるように見える。 この娘が父のパソコンにイタズラして、下界の人間にあるメールを一斉送信してしまったから、さあ大変! まず娘が下界にやってきて、次に神様である父もやってきての騒動が描かれるのかと思っていたら、 娘が出会う人間達とのエピソードは予想に反し真面目に作られています。 もっと娘が地上の人間社会を冒険するアドベンチャー的要素があっても面白かったかとは思いますが、 親父が地上で散々な目に会う笑いドコロがいいアクセントになっています。 地上にやって来た神様と人間の交流を通して描かれる一風変わった現代社会への皮肉が面白い。
[DVD(字幕)] 6点(2016-12-03 21:29:23)(良:1票)
13.  少年と自転車 《ネタバレ》 
父親に捨てられ施設に預けられたシリル少年。彼が負った心の傷、その深さ。 そんな彼の心の内を思うと、途中は見ているのがとても辛い作品。 里親のサマンサについては謎も多い。冒頭で少年の自転車を買い戻し、少年から頼まれ里親になることを引き受けます。 その決断には彼女のこれまでの人生とも無関係ではないと思いますが、彼女の人生についてはほとんど語られません。 この部分についても少し言及があっても良かったのではないかと思います。 自ら里親になって欲しいと希望したサマンサに対するシリル少年の態度にイラッとくる部分があるのも事実。 しかし子供心にそう簡単に現実を受け入れ、割り切れるものではない。そんな少年のやるせない思いが終始伝わってくるし、 少年の全てを受け入れ、彼と接する彼女の描写の1つ1つがとても良かった。  子どもが主人公の映画や青春映画と自転車はやはりよく似合います。 クルマやバイクと違って、自分の足でペダルを漕いで走る。子どもや若者の力強さを感じる。 本作で最も温かみを感じさせる、サマンサとシリルがお弁当のサンドイッチを持って出掛けるサイクリング。 それに続く、突然訪れるラストシーン。少年は倒れた自転車を起こし、再び自転車を漕ぎ出していく。作品は彼のその姿が見えなくなるまで見送る。 シリル少年には力強くペダルを漕いでこれからの人生を進んでいって欲しい。サマンサと共に。そう願わずにいられないラストでした。
[DVD(字幕)] 7点(2015-10-03 15:57:37)
14.  グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札
今では伝説となったプリンセスを演じる。誰もが知っている人物だけに、容姿も含め難しい面があると思います。 近年では「ダイアナ」で主演したナオミ・ワッツを少し思い出しました。 グレース・ケリーとニコール・キッドマン。やはり似てはいませんが、 ニコールの醸し出すオーラやゴージャスさはさすがに演じる役にはまっていたと思います。  「上流社会」を最後に映画の世界を去りモナコに渡り大公と結婚し、モナコ公妃への華麗なる転身。 女優引退後の彼女に関してはそんなイメージがありましたが、 やはり国を守っていく立場になるということは大変なことです。 隣接する、というか周りを囲まれた大国フランスとの駆け引きを描きながらも家族を中心としたドラマでもある。 ラストの彼女の演説が意外に盛り上がらないのは惜しいところ。 モナコという小国と大国との駆け引きと、その駆け引きの中にいる、 ハリウッドからやってきた公妃を巡るサスペンス的要素がもう少しあっても良かったと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-20 19:58:27)
15.  戦場カメラマン 真実の証明
見る前はこの邦題から、紛争地域で何が起こっているのか?その真実に迫る、例えば「サルバドル」のような作品をイメージしていました。 そのイメージとは異なりましたが、地味ながらも戦争と人間を描いた見応えのある作品でした。 戦場で一体何があったのか?なぜ親友のデヴィッドは帰って来ないのか? それは心に体に傷を負ったコリン・ファレルが演じる戦場カメラマンとクリストファー・リー演じる医師の対話を通して明らかになっていく。 その過程を描く後半は淡々とした中にもズシリと考えさせられる重みがありました。 そして戦場で何があったのか、果たしてデヴィッドはどうなったのか・・・?明らかにされる真実もまたあまりにも重い。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-04-20 20:50:20)
16.  クロワッサンで朝食を
大女優ジャンヌ・モロー。本当に久しぶりに彼女の新作映画を見ました。 もう80代も半ばに差し掛かる2012年の作品ですが、大女優の貫録と、その年齢を感じさせない力強い演技に圧倒されます。  序盤のエストニアの冬の寒々しい風景。パリに舞台が移ってからも晴天よりも曇天の空模様が印象的。 そして2人の寂しげなパリのエストニア人女性。しかしラストの偏屈な老婦人を演じるジャンヌの、微笑みを浮かべながらの一言「ここはあなたの家よ」に心が温まる。  さて、この邦題でどんな作品が思い浮かぶでしょうか?「ティファニーで朝食を」、あるいは「プルートで朝食を」という映画もありました。 この2作品が思い浮かんだ僕は軽妙なコメディを期待しての鑑賞でしたが、少し重さやホロ苦さのある、どこかすきま風を感じる人間模様が印象的。 確かに何度かクロワッサンは出てくるのですが、邦題としては微妙なところです。
[DVD(字幕)] 7点(2014-04-16 20:10:32)(良:1票)
17.  変態島
主演エマニュエル・ベアールに孤島にエロ。なんか面白そう…。と思って見てみたら全然変態映画じゃないし、どこをどう見れば「5分に1回の変態」が出てくるんだ??  子供の営利目的誘拐や人身売買という社会派のテーマを取り上げているようにも見えるけど、中途半端です。サスペンスとしても中途半端です。サイコスリラーのようでもありますが中途半端です。エロティック系としても中途半端です。邦題は全然ダメです。でも、僕も邦題につられて見てしまいましたから、邦題の付け方としては成功です。
[DVD(字幕)] 2点(2013-07-08 21:05:34)
18.  天使の分け前
暴力に明け暮れ荒んだ毎日を生きていた主人公の青年ロビー。恋人と生まれくる子どものために、今度こそはと更生を決意する。  裁判で社会奉仕活動を言い渡されたちょっとトホホな仲間たちと、旨いスコッチウイスキーには目がない愛すべき社会奉仕活動の指導者の姿をコメディタッチで描きますが、そんな中にいかに更生を決意しようともそれが容易ではない社会や雇用の厳しい情勢を挿入する。コメディとは言え、このあたりはいかにもケン・ローチらしいところです。  主人公ロビーに関しては必ずしも共感出来ることばかりではありませんが、この愛すべき社会奉仕活動の指導者が彼らを見守る視線こそケン・ローチの視線であり、そんな人間を見つめるローチの視線は本作でもやはり優しい。  スコッチウイスキーの香り漂うスコットランドの美しい風景描写も見どころです。ウィスキーの製造過程で生じる「天使の分け前」の意味の説明は作中でなされますが、ラストに登場する、もう1つの「天使の分け前」が何とも素敵。これが鑑賞後にとてもいい余韻を与えてくれます。
[映画館(字幕)] 7点(2013-04-15 22:25:10)(良:2票)
19.  戦場のアリア
戦場の最前線で敵味方に分かれて戦う兵士達。彼ら兵士達に一体何の違いがあるというのか。故郷に家族が待つことも、死者を弔う気持ちも、信仰も同じ。  違いは彼らが別の国に生まれてきたこと。そして本作に登場するのはその国同士が戦争になったがためにそこに駆り出された普通の人々。そんな兵士達の一夜限りの休戦を通して、戦争の愚かさと平和の尊さを見事に描いた作品です。ほんの少しだけ挿入されるユーモアも良かったです。  微妙なのがダイアン・クルーガーの存在。本作は男だけの映画になっても良かったのではないか?という気がしました。しかし美しい歌声に癒される両軍の兵士達の表情を見た時には、このシーンのためだけでも良かったのかなと思うとともに、彼女の歌が吹き替えでもいいと思えました。  この休戦がクリスマスの一夜限りと考えると虚しさも感じますが、キリスト教を信仰する人々にとってのクリスマスが持つ意味の全ては僕には分からないのかなと、そんな気がしました。  その一方で終盤での戦場の神父さんと司教の会話と、その後の司教の説法からは宗教とは一体何なのかと考えさせられます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-01-22 21:12:15)
20.  ルート・アイリッシュ
ルート・アイリッシュ。それはバグダッドのグリーン・ゾーンとバグダッド空港を結ぶ世界一危険な道。  ここで起きた主人公の男の親友が殺された事件の解明を通して、イラク戦争の裏にある問題をミステリー・サスペンスタッチで社会派ケン・ローチが怒りを込めて告発する。  何の罪もない子ども達が戦争の犠牲になっていくのに対し、何度か登場する関係者の台詞。「そんなことはイラクじゃ日常茶飯事じゃないか」が腹立たしい。  イラク戦争の背景にある、戦争を民営化・派遣化してしまう派兵の民間企業への委託と、そんな企業に高額報酬で雇われていく民間兵の存在とそこにある問題を告発しながら、一番の犠牲者は戦争とは何の関係も無いイラクに暮らす普通の人々じゃないか。そんなケン・ローチの怒りの声が聞こえてくるかのようでした。
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-14 13:50:57)
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