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1.  暴走機関車
ハラハラシーンは、シナリオ製作時よりたぶん目新しさはなくなってしまったが、かえって人間造形の古さに出会えるのが嬉しい。マニーが人生観を述べるくだり。「地道な暮らしてえのがどんなもんだか。小さなシミをきれいに拭き取らなきゃならねえんだぜ」とか言って、若造が「ふん、馬鹿らしい」とか言ったのを受けて「俺はそれがやりたかった」とガンと言うあたり。そもそもこのコンビは、志村‐三船あるいは三船‐加山なんだけど、ここなんか特にそうでしたなあ。あとやたら若造が「パートナーだろ」とこだわるあたり、そしてラストでは尊敬の目で見送っていくの。黒澤映画の「師弟」が、こうして生まれ変わって生き続けてゆく、って単純に嬉しかった。所長との憎悪による結びつき、好敵手の関係、これも男の心理ですなあ。相手のことしか頭になくなっちゃうの。こういった「男と男」の世界が黒澤の世界なんだなあ、と改めて思わされた映画でした。サスペンス演出の盛り上げが下手なのも、師匠に対し弟子が一歩下がっているようで、礼儀をわきまえている。
[映画館(字幕)] 6点(2011-03-07 10:01:48)
2.  戦場でワルツを
アニメ技術のことはよく分からないんだけど、不思議な動きをする。東南アジアの影絵のような、関節だけ留めてある人体パーツを動かしているような、でも滑らかという動き。口の動きも変にリアルで、全体新鮮な世界だった。その影絵的な感じが、記憶を探るストーリーとうまくマッチしている。話としては、ベトナム後のアメリカ映画のあのトーン。生き残ったものの後ろめたさと、心の傷。戦車の中にいるときの万能感と外に出たときの無力感、とか、カメラ越しでなくなったときの戦場の生々しさ、など兵士の証言が痛々しい。悪い映画ではなく、こういう兵士個人の心の記録が積み重なって大きな証言になればいいと、心から思う。でもかつてのアメリカもあれだけ「心の傷映画」が作られながら、ひとたび同時テロが起こると「やっつけろ」の大合唱に呑み込まれていった。個人の「私」の証言は、ひとたび「われわれ」の怒号が起こると、あっという間に掻き消されてしまう。正直、あんまり希望は持てなくなっている。もひとつこの作品が弱いのは、虐殺の本体をファランヘ党という極右組織だけに押しつけている感じがあって、もちろん黙認したイスラエル軍も非難はしているが、ちょっと逃げ腰。でも常時戦時下のあの国でこれだけ言うのも、大変だったろうとは思う。ワルシャワ・ゲットーの記憶を、イスラエルの免罪符としてでなく持ち出したのだから、そこからもひとつ、人間集団が狂う普遍的な分析にまでいってほしかった。
[DVD(吹替)] 7点(2010-12-10 10:42:31)(良:1票)
3.  シリアの花嫁 《ネタバレ》 
遠く極東に暮らすものにとっては、イスラエル占領地域からは出てシリアには入っていけない花嫁の歩むラストを、寓意ととっていいのかリアリズムととっていいのか、そこらへんからして曖昧で、ただ、占領地の住人は「無国籍」ってことになるのか、ってことは分かった。ニュースではパレスチナとの摩擦はよく出るが、北でもこすれてるんだよな、この国は。映画そのものより、この作品がどういう環境で製作されたのか、イスラエル内でどういう反応を得たのか、ってほうに興味がいった。なんか最近この国の映画はちょっと元気がいいようなのだ。軍のガザ侵攻に90%の国民が賛同している、なんてニュースを聞くと溜め息が出ていたものだが、一方でこういう映画も作られている。「我々」を歌うのではなく、「我々」によって疎外されているものに目を向け出している。かつてラビン首相を暗殺したような極右によって、「売国映画」と騒がれたりスクリーンを切られたりはしなかったのか。こういうフィルムが存在していること自体が、希望である。あの「修正液」に、まず正すべきはイスラエルの占領政策だ、とまで読み込んでいいのか。あちらの花婿をコメディアンに設定したのは、テレビでしか会えないということ以上の意味はあるのか。といろいろ湧き起こる疑問に遠い地の観客は戸惑いっぱなしだが、そういう疑点を得たことが私にとっては収穫である。
[DVD(字幕)] 6点(2010-01-30 11:56:51)
4.  ジェリーフィッシュ(2007) 《ネタバレ》 
漂う者たちの物語。それを象徴するのが浮き輪の少女で、両生類のような水圧に強そうな目をしている。ヒロイン1は職を失い漂いだす。ヒロイン2は結婚式のトイレで挫いて文字通り「地に脚がつかない」状態、新婚の亭主も上の階の女性に漂いかけている。ヒロイン3は遠くフィリピンから漂い流れてきた、船のおもちゃを子どもに買って帰るために。この三者が交錯するという展開は最近では珍しくなく、なあにラストはチャリティの場か何かで皆が一堂に揃うんだろう、と思ってたら、なんか話が深刻になってしまった。漂わないビンの中の船の模型が不吉だなあとは思ってたんだ。ドラマ作りの作法としては最後に三者が揃って締めるほうが正しいだろうが、きれいに終わらせるよりドラマを開いて終わらせるほうを作者は選び、若い監督ならこっちを選んだことを褒めたい。うまく語るより、まず語りたいことを語ることだ。
[DVD(字幕)] 6点(2009-06-17 11:59:16)
5.  迷子の警察音楽隊 《ネタバレ》 
真正面からおさえるキッチリした構図、ときどき入る無人の街の光景も幾何学的、そうした中で描かれるのが“人と人との気まずさ”なので、その対照が生きてくる。気まずさ、ってのは否定的なものではないんだな、と思う。思いやり、の変形なんだ。気まずい食卓の場、みんなで陰気に歌うセントルイス・ブルース、あのあともっと暗くなったかもしれないけど、でもみんなで歌ったという記憶はけっして陰気には残らないだろう。それでいいんじゃないか。無理にはしゃいで作られるワキアイアイより。恋の伝授の長回しの場、あれだって“気まずさ”の克服のモチーフだ。エジプト側からすれば迷子だが、イスラエル側からすれば一種のマレビト、恋を成就してくれた神々。ムッツリとごろごろ楽器を引っぱっている神々。イスラエル側からエジプト側に与えたプレゼントは、クラリネット協奏曲のエンディングの示唆だ。赤ちゃんが眠る小さな部屋のような終わり方なんて、うまいことを言う。
[DVD(字幕)] 7点(2008-11-18 12:17:43)(良:1票)
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