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エスねこさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
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ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/23593/
ホームページ http://kine.matrix.jp/
自己紹介 [2010年8月23日]
か…かわも…

(゚Д゚;)ノ

…映画界は今日終わった…。


[2017年7月16日]
猛暑の夜、amazonで映画ではなく『幼女戦記』を寝ないで通し鑑賞。
大局的な戦略から入って行くという、かつてない架空戦記アニメでありながら、その悪夢性を出し切った感がすごかった。
最終話はテーマ的にポエニ戦争から対テロ戦争まで、膨大な戦争のイメージを深く広く全面爆撃して吹っ切れる展開に。
スピルバーグの『宇宙戦争』はバクテリアに仮託してその地獄自体を救いと説いたわけだけど、このアニメはそんな所まで引いて俯瞰する気がサラサラないってのがスゴイです。

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1.  パフューム/ある人殺しの物語
こりゃオイラにゃ書きようがないよ(泣)! まいりました。 一応、原作持ってます。出版された時は大評判でしたからねー。途中でやめちゃった(まだ、なめし皮職人にもなってない時点でやめた)のが悔やまれます。家に帰ったら探して読もうっと!
[映画館(字幕)] 10点(2007-03-27 22:09:55)
2.  ジャッカルの日
最近、レビューで自分の原点を見失いつつあるので書いてみます。小学生の時にTVで見た。以来、最高にかっこいいオトコ像は常にジャッカルであり、エドワードフォックスだった。映画としてより原作の素晴らしさ、演技の素晴らしさに負う所が多いのだが、DVDで見直してみて…狙撃当日の早朝、お祭の準備の様子を長々とドキュメンタリー風(つうかモノホンのお祭映像だと思うけど)に描いた点が、クライマックスの盛り上げに絶対必要だった事を思い知った。これはフォーサイスの才能ではなく明らかにジンネマンの撮る映像のパワーなんだろうな。これが群集の力か。観客の胸元までのしかかるような圧迫感を与えるシーンは他にあまりない。
10点(2004-02-12 04:21:39)(良:1票)
3.  ファニーとアレクサンデル
孤島に持っていくべき、ただひとつの映画(笑)。絵がカンペキ。構成がカンペキ。長く楽しめる(苦しめる?)。ファニーが可愛くないのを除けば、文句のつけようがない。
10点(2002-09-01 23:57:29)(笑:1票) (良:1票)
4.  ダフト・パンク エレクトロマ
70年代のSF臭が見事なまでに再現されていて、むせ返りそうなほどにクラクラする。  (詳細はブログにて)
[DVD(字幕)] 9点(2008-11-02 23:01:35)
5.  キス・オブ・ザ・ドラゴン 《ネタバレ》 
「凄い」作品じゃないけれど、非常に考えさせられる、示唆に富んだ映画。ぶっちゃけ、画面を観ながら文明について、人類について想いを馳せた。西洋/東洋、欧州/米国、男/女、自由/隷属、孤独/組織…様々な対立 (詳細はブログにて)
[DVD(吹替)] 9点(2007-12-25 23:23:09)
6.  サブウェイ
いま、部屋の掃除をしています。大量に抱えていたDVDはほとんど全部売って、手元にはアートアニメのDVDと本とクラッシックのCDだけ…と思ったら出て来ましたよ『サブウェイ』のビデオが。しかも未開封。レン (詳細はブログにて)
[ビデオ(字幕)] 9点(2007-06-15 15:43:49)
7.  酔っぱらった馬の時間 《ネタバレ》 
古来から南米の山岳民族は、土地の生産性が低い割にピラミッドなんか作ったりしちゃって重労働を課せられて来た民族だ。重い荷物を背負って山を越えるシェルパは、出発の前にコカの葉を一枚、口に含むんだそうだ。麻痺した肉体は、耐えられないような辛い仕事にも耐えてくれる。そうして麻薬大国コロンビアは誕生した…以上は枕でした。  本作では、イラクに向けて出発する密輸キャラバンが、厳寒の山越えに耐えられるようロバに酒を飲ませる。キャラバンが進み始めると、そこで映画開始後30分にして始めての劇伴が入る。このルールは全編に渡って適用され、馬が酔っ払っている時間にしか音楽はかからない。まさに南米を舞台にした『アギーレ/神の怒り』の冒頭と同じ音楽原理。 長い人類の歴史で、とても耐えられないような辛い仕事を耐えられるようにしてきたのが音楽の力だから。音楽は人間の営みのエッセンスだから。無限の繰り返しによる「麻痺」という快楽が、音楽の原理であり、オシゴトの原理でもあり、そもそも人生の原理でもあるだろう。BGMではないけれど、序盤に子供たちが唱う歌が、それを率直に表している。 人生は辛い。人生は酷い。人生に希望はない…それを言い続けて、言い続けて、みんな麻痺して行く。感じなくなって行く。 そんな中で、決して良心を捨てようとしない主人公たち兄弟。弱者を見捨てようとせず、その態度に疑問すら持っていない、偉い事とか良い事とかも感じていない、とてもストレートな主人公たち。劇中、彼らだけは麻痺を拒絶して醒めて続けている。彼らだけが現実を直視している。ポスターを買ってくる兄の姿に、麻痺の兆候が見えてはいるが。まだ彼らは大事な何かを失わずにいる。  …もしこれがテーマだとすると、エンディングのカットタイミング、そこへエンドロールと共に流れてくる音楽は絶妙で、恐ろしい。音楽は、人の中の何かを奮い立たせ、同時に何かを失わせる。本作の劇伴ルールの厳密さから考えて、エンディングに流れる音楽は悲劇の暗示だと推測した。 地雷にやられたのかもしれない。兄を見捨てたのかもしれない。ロバが売れなかったのかもしれない。手術が失敗したのかもしれない…その全ての可能性と、結果として訪れる心の境地を、あの音楽が癒してくれている。 この映画自体も、観客の心へ失った何かを取り戻させてくれて、また奪い去って行く。映画もある種の麻薬だと思う。
[DVD(字幕)] 9点(2007-04-14 09:15:41)(良:1票)
8.  ショーガール
『ブラックブック』鑑賞の前哨戦として鑑賞。なにしろ主人公があの性格ですから、最後まで観終れずに挫折する事20回以上。オイラ映画鑑賞史の中で最多チャレンジ数を誇る雄峰の難路でした。いや〜今回ついに登頂できましたよ。感動ですよもう!  結果として、9点か10点かで非常に迷いましたがとりあえず9点にしておきます(満点にしたら、今まで見通せなかった自分が悲しすぎらァ)。 全体構成が巧みなのはバーホーベン監督の得意技ですが、この作品は本当に構成上の欠点が見当たらない。あえて挙げれば、ドレッドヘアのレゲエあんちゃんが前半出番が多くてバランス悪いかな、ってトコくらい。あと不必要感の高いチンパンジーは、ステージで滑べっちゃうネタの伏線の名残りと見ました(結局踊ってるシーンなかったし)。 ノエミという一個の無垢な、しかもいつ折れてもおかしくないくらいテンパってる精神が、ショービズ界の中で汚れるか汚れないか。物語はそれだけと言っても過言じゃないので、彼女の前に現れては去って行く人物たちの、整理のされ方が本当に心地いい。かつてのストリップ小屋の支配人が尋ねて来るシーンの挿入場所なんか完璧すぎです。過去の自分をふっ切る、後半戦突入の直前。あそこは泣けます。  まさにラジーを取るために生まれてきたような、ピュアでハレンチな大傑作。 なんか「わざとウンコの中にダイヤを隠しました」みたいな趣もないではないですが(笑)。
[DVD(吹替)] 9点(2007-03-25 21:19:11)
9.  太陽(2005)
うっわ、ノルシュテイン実写化(笑)。 いやホント、あの幻想的な空襲シーンを見れただけでも「ロシア映画観たァ~」って気になります。もう美術に関しては文句のつけようがない。 スタニスラフスキー・システムをわかってる者としては、各人の役作りは役者本人の投影であるのがわかるため、安心して見る事ができました。もちろんオイラも桃井かおりの役の作り込みには首を傾げたんですが、もう少し考えてからでなければ結論は出せないような気がします(少なくとも、この映画独特の時間経過表現と、人間宣言後に皇后が登場する事を考慮すべき)。 そして音楽! バッハのチェロ独奏曲を世界で一番、重たく悩ましく弾いちゃうロストロポービッチ爺さんの演奏っすから、腹に響かないわけがない(CD持ってますけど、体力消耗するのでそうそう聴けません)。ちなみに音楽評論家・吉田秀和はバッハのチェロ独奏曲を「奏者と神のみが聴く、最も孤独な音楽」と評しました。まさにこの映画のモチーフです。他のBGM全体は基本的に無調音楽で、緊張感あふれる使われ方をしていました。こういう素晴らしい劇伴は今後も増えていって欲しい。というか、やれ(命令形)。  本作はレビューが大変だというのが予想できたので、事前にチェホフの『かもめ』『ワーニャ伯父さん』をセッセと読んでロシア演劇を予習してから劇場に向かいました。でも付け焼刃はダメですね。それぞれの演技が意味するものが、まだ観えてこない状態です。そもそもスタニスラフスキー方式で昭和天皇なんていう奇っ怪な人間像(いや人間以上ですらある)を演れんのか? …ってな根本的な疑問もあります。ここで表象される天皇=太陽像は、読み解くのがとてつもなく難しい。 オイラには、まだまだハードルが高かった「演劇作品」でした。ただ、美術・音楽・演出の力で何度も観れるモノに仕上がってますから、今後しつこくチャレンジする事になるでしょう。 今は、とりあえず目の前に展開されるモノのみを評価して、この点数で。
[映画館(字幕)] 9点(2006-10-07 01:33:47)
10.  ジャンヌ・ダルク裁判
気にも留めてなかったメルギブの『パッション』だけど、内容を聞いてからは猛烈にレビューしてみたい。してみたいが、サスガにソノ内容では見る勇気が…というワケで、代わりに同じ宗教映画でも対極の演出方法であるブレッソンの『ジャンヌ・ダルク裁判』をレビューしときます(笑)。  『スリ』では演技だけを否定していたブレッソンですが、本作では演出までも否定。監督としての仕事を放棄してるようにすら見えてしまう恐ろしい作品。動かないカメラ、棒読みのセリフ、平板な照明、ノーメイクで腫れぼったい目の主役、ちっともモンタージュしてないカット割、さらには音楽なし、演技経験者なし、カラーなし…。カタログスペックだけなら『死霊の盆踊り』級ですよもう(あ! 盆踊りはカラー作品だぞ (^^;)。「観客をなめとんのかーっ!!」という声が聞こえてきそうだけど、ブレッソン監督による強烈な作為の否定が全編を貫いております。恐ろしいまでの徹底ぶりです。攻撃対象はもちろん、「映画の教科書」と言われる、カール・ドライヤー監督の名作『裁かるゝジャンヌ』。真っ向から、全力で、かの名品にツバを吐きかけウンコまみれにして踏んづけてポイしてしまったブレッソン監督の冷厳な怒りが、映画を見終わる頃にはさすがに腹に沁みてオナカいっぱいになってしまいます。「創作しちゃダメなんだ。色付けせずに、素材をそのまま提供しなければ、ただの見世物になっちまうんだ」という監督の声が聞こえてきそう。彼と前後して活動を始めるアンディ・ウォーホルが同じ手法で、もっと過激な撮り方をしたのを思えば、ブレッソンの歩んだ道は彼一人のモノではないはずです。近年では同じ視点に立って『ブレアウィッチ・プロジェクト』が作られてますし。観客の目を意識した、エンターテインメント/ショービジネスに立脚する創作活動を徹底して否定したこの映画の潔さは、かえって観客の脳を働かせて、ジャンヌが持っていた「信仰」に対して冷静に想いを巡らす事ができるようになります(そう、映画の中では彼女の信仰もとことん裸にされて行く)。これは、「野にあるように活けるべし」と華道の極意を語った千利休に似た、全てを削ぎ落とした究極の「作品」なのです。日々の暮らしの中で立ち止まって、創作の何たるかを考えてみたい人には絶対のオススメ品(確かにシロウト向けじゃないですが)。 ●2006/7/23:ムシェットと同一点に下げ
[DVD(字幕)] 9点(2006-02-25 18:58:10)
11.  アンナ・オズ 《ネタバレ》 
なんて美味しい物語なんだ。3回繰り返して観てもまだまだ発見があるぞ。フランス版の『マルホランド・ドライブ』って言えばいいんですかねー。物語の真相が終わりの方になってやっと明かされる(これも「夢」のフィルタがかかってるんでそのまま受け入れるのは危険ですが)構成や、最後のパーティーの場面で隠されていた人物関係が明らかになる(ここにも現実を侵食した「夢」のフィルタが…)造り、眼球への執着のネタを明かすのも後半…本当に底意地の悪い映画です(笑)。そして、自分の存在意義を夢に明け渡していくごとに現実世界で安堵の表情を見せ始め、夢の世界では不安や恐怖を覚え始めるアンナ。現実世界では頼りにならない男たち(父・兄・恋人…)を夢の中で改変し、「敵」に対して鉄壁の防衛網を張り、迷うことなく一直線に夢へ逃避していくアンナ。この難解な役どころを、ただ表情や指先の演技だけで演れてしまうシャルロット・ゲーンズブールって、まさに『なまいきシャルロット』の頃からの、ダメダメオンナを演らせたら世界ナンバー1女優。彼女の本領発揮作品と言えるでしょう。ただし、彼女の演技の凄さがわかってきたのは、アンナの心の機微が把握できた2巡目以降の鑑賞で、ですけどもね…良くも悪しくも時間を必要とする映画。レンタルで見るなかれ~。
[DVD(字幕)] 9点(2006-01-22 16:38:36)
12.  眼には眼を
うわー登録されてたんだコレ! 観ましたよ観ましたとも子供の頃! あの壮絶なエンディング! 太陽、荒野、そして腕から滴る真赤な血! 30年以上前に一度観ただけなのに、いまだ忘れられません。子供時代にこれと『激突!』と『悪魔のいけにえ』を一緒に観れば、「運転免許なんていらないいぃ! ドライブなんて一生しなくていいいぃ!」と決意できます。かく言うオイラがその一人(苦笑)。
[地上波(吹替)] 9点(2006-01-16 01:38:22)(良:1票)
13.  ゴッド・ディーバ
お久しぶりのエンキ・ビラルだっ! もーオイラ嬉しくて嬉しくて青い涙を流しちゃったっすよ(嘘)。出来栄えも相変わらずでビラルっぷり満載! 謎の言語、活躍度イマイチなレジスタンスの男、常識ではありえない色使い、散りばめられたミステリアスなジャーゴン、ピラミッドにエッフェル塔、豪華だけど薄汚れたホテル…。しかし何つっても今回の目玉はポリゴンCG! コレの使い方(金かけたバイテク手術をして、ビラル基準での「人間らしさ」を失ってるキャラほどボリゴン数が減ってゲームキャラっぽくなってる (^^;)に彼らしい反骨精神を味わえますなー。前作『ティコ・ムーン』の《青い血》に当たるアイテムがゲームっぽい人形キャラなワケですね。その意味では今回のNY、ズバリ前作の月面独裁国家の発展型です。希望ゼロ、救いゼロの世界観は、いつの時代にも、ジュネ/ベッソンの行き着いた所から始まってるというアナーキーさ。何も言いません、迷わずこの道を突き進んで下さい。減点は、DVD英語版だったのと、ホルスが活躍しすぎてるから(だもんで希望ありすぎ)。でもま、ビラルの新作を見られただけで嬉しいから、あんまり気にしな~い!
[DVD(吹替)] 9点(2005-02-03 03:10:43)(笑:1票)
14.  ニュー・シネマ・パラダイス
下の度数分布見てビックリでしたよ。こんな曲線見たことないよ。映画館には友人に誘われて見に行きました(ちなみに大宮の映画館)。見る前は冷やかし半分でした。「何でも凄く泣ける映画だって話だぞ。ハッピーエンディングなんだけど、観客全員が泣くらしいんだ」「まっさかなあ」という会話を交わしながら席へ…。2時間後、下を向きながら劇場を出て行く観客たちの列がありました。みんな、泣いてるようですが顔が見えません。そういうオイラも下を向いて列に並んでました。もちろん誘ってくれた友人も。完敗です(笑)。 (372 のちーほさんへ:観たのは完全版の方じゃないですか? 劇場公開版の方は青年時代のほとんどがカットされてますよー)
9点(2004-03-14 00:06:07)
15.  少女ムシェット 《ネタバレ》 
オイラ的にはブレッソン映画の最高峰。あのラストにはア然とし、かつ泣きましたね。何をやっても救われない少女ムシェット。健気、って感じじゃなく、カンシャクも起こせば生まれを恨みもするし、性格のネジケた悪戯もするし…そうであればあるほど愛しく、可愛く見えてきます。オイラ的にはロリータでもシベールでもアナでもキャンディでもなく、やっぱムシェットが映画史上最強の少女ですわ。ラスト、あまりの幸薄さに泣くけどね。
9点(2004-03-04 23:51:49)(良:2票)
16.  地下鉄のザジ
なんか昨日からロリ物のレビューまとめてやってる…まあいいか。何はともあれザジ。最高ですね。展開は飽きないし、フィルムは手が込んでるし、ザジは元気で可愛いし。でもしかし! ザジの叔母さんの清楚な美貌もイイのであります。いやドイツ娘もなかなか…なんて言ってると怪しい警官になってしまうのでありますが。見よ! 我がトレール・スケイヨンの力を~! …ごめん、ちと壊れてマス。
9点(2004-02-20 03:03:44)
17.  ヴェルクマイスター・ハーモニー
また至宝の映画が増えてしまいました。最高でした。キャスト全員に走っている凛気は、まるで黒澤映画を見てるみたい。失敗の許されない長回しだからこその緊張感。舞台とは違い、自由自在に動き回るカメラ。「映画って、こんな事もやれるんだ」という素直な驚きを覚えた作品です。でもまあクジラはチャチだったすね(笑)。(2005/6/11 1点下げ…何度も見ると感動が薄れてきて…(^-^;)
[映画館(字幕)] 9点(2004-02-04 23:14:57)
18.  ファンタスティック・プラネット
セルを使わずに、切った紙を背景に置いて動かす。余計な色は塗らない。こうやって4年かけて作った映像は、博物誌の挿絵が動き出すようなすごい効果を生んだ(マネする長編アニメも二度と現われなかったが…)。黄ばんだ紙の感触を重視した空、生物たちの奇怪なカラーリング、ノロノロとしたドラーグ人の動き。この世にない百科事典を読んでお話を空想するような、不思議なのめり込み方ができる映画。
9点(2002-08-31 20:21:55)(良:1票)
19.  太陽はひとりぼっち 《ネタバレ》 
極めてシステマチック。極めて論理的。この映画は見事なほどソナタ形式の音楽として「聴ける」。この、全体を統一する伽藍のような美を心行くまで堪能しました。 普段はアート系映画を観る際、自分の「画を観る能力のなさ」に悲しくうなだれてしまうワケなんですが、今回ばかりは「まだオイラにゃ構成を聞く能力があらァね」って自信持っちゃったよ。  というワケでいきなりネタバレ解説ですが、全体はソナタに倣って3部構成+プロローグ&コーダになっています。序盤(序奏)/1日目(提示部)/2日目(展開部)/それ以降(再現部)/最後の夜(コーダ)、という分かれ方ですね。 主題は自然的・非論理的・女性的な世界観と、都会的・合理的・男性的な世界観に分離されてます。それぞれを背負ったキャラクターとして、ヴィットリア(モニカ・ヴェッティ)とピエロ(アラン・ドロン)が配置される、と。 第一主題と第二主題が交互に現れては呼応しあって、互いの距離を近づけて行く。これはまさにクラッシックでのソナタの構築法であって、一番盛り上がるお約束になっている展開部が「株大暴落とその後」に当たっているあたりニクいニクい! 二つの主題は共にビシッと立ちすぎていて、両者が変奏を重ねてひとつのメロディに繰り込まれても多分楽しくないだろうな…と大体予想がつきます。 このあたりはセリフを聞く必要もストーリーを追う必要も全然なし! なぜなら画面いっぱいに広がる、雲や、路上の雑踏や、犬たちの群れこそが重要な劇伴となって主題を装飾し、流れをサポートしているからです。 一番判りやすい雑踏を例に挙げると、最後の方で「また会おうね~」と言って別れた二人。ヴィットリアが屋外へ出ると、息の詰まりそうな雑踏に呑まれてしまう。彼女がいる世界の路上は、提示部では常に無人でした。「無人」という、言い換えれば「ゆとり」という伴奏が、画面で彼女をサポートしていた。第二主題との掛け合いによって「彼女の画面」の装飾はどんどん崩れていく。路上にはチラホラと人が登場し始め、いつのまにか息も詰まるほどの雑踏になって彼女を圧倒し…これと同時に、電話でリズムを律せられていたピエロが電話を受けなくなるのを描き、彼の主題世界も崩れた事を現します。  画面そのものが伴奏であり、主題であり、それが古典的な美しい構成をもって、決められた手順通りに反復され、予定の結末(この映画の場合は和声崩壊)に至る。この、病的なくらいのクラッシックな完全性は、何というかラストに訪れるメランコリーな演出を帳消しにしてしまうほどに美しい。わくわくと胸躍らされるモノがあるのですわ。 予想通りの場所で「FIN」が出た時、初めてサン=サーンスの『オルガン』を聞き終わった時のようなため息が漏れました。話は60年代の終末観にあふれてたかもしれないが、監督の意図とは別に天国へ行かせていただきましたよ。 まったくもう見事な演奏。名盤でした。
[ビデオ(字幕)] 8点(2008-03-02 23:14:18)(良:1票)
20.  エコール
いつの間にやらR&Aさんのレビューが入ってたので、ちょっと反論的に補足をば。 まあ本作については以前ここにも書いてはありますが、今回は原作との差異に軸足を置きます。 監督の前作『ミミ』の方は観てな (詳細はブログにて)
[映画館(字幕)] 8点(2006-12-10 20:38:35)
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