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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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【製作国 : イタリア 抽出】 >> 製作国別レビュー統計
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101.  戒厳令(1972)
南米のとある国におけるアメリカ人誘拐、その裏には・・・。という筋書きはコスタ=ガヴラスの作品では「ミッシング」を思い出す。しかしこちらは誘拐犯と誘拐された者との会話、政府や議会などの見解や主張が繰り返され、冒頭はどういう組織の何が目的の行動なのか分かりづらいですが、これらを通してアメリカの他国の政治への介入や、体制の問題点を浮かび上がらせていく。原題の意味は分かりませんが、戒厳令が敷かれた動乱の街の描写などはあまり登場せず、勿論エンターテイメント性もありません。長く感じる作品ではありますが、作品を覆う緊張感、力強さには特有のものを感じます。 
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-12-25 23:43:33)
102.  セルピコ 《ネタバレ》 
顔中ヒゲだらけでヒッピーのような格好のセルピコ。これでもかという程周りとは異質なイメージです。格好だけは小奇麗だが、何処へ行っても汚職がチラつく警察と、全く警察に見えないむさ苦しい格好のセルピコの対比がいい。  これがもう少し後のパチーノなら、もっと権力に悪態をつき怒鳴り散らし、どこかの場面で大演説が始まるのでしょうが、本作は熱演の中にまだ若さを感じさせるパチーノが、孤立無援の状態で正義を貫くセルピコのキャラクターに見事にはまっていました。一人の小さな力で、力のある大きな何かと闘う男。他の作品でも見られますが、パチーノにはこんな男の役がよく似合います。  冒頭の銃弾に傷つき息も絶え絶えのパチーノの姿は「カリートの道」の冒頭を思い出し、嫌な予感の中見ていたのですが、最後は少しだけほっとした気分になりました・・・。
[DVD(字幕)] 7点(2011-10-28 21:30:00)
103.  人生、ここにあり!
イタリアで精神病院が閉鎖されていくきっかけとなる実話をベースにした作品。難しいテーマですが、登場人物の個性のバランス、程よいシリアスさとユーモアの配分がよく、イタリアらしい陽気さが時には重くなりがちな空気を巧く和らげています。精神病院の入院患者達一人一人の名前を聞き、対等に付き合い、語り合い、投薬に頼る治療だけではなく個性を尊重し、喜びも悲しみも共有する。本作の主役のネッロさんは素晴らしい指導者であり彼らのパートナーでした。この作品が日本では話題になったり多くの人に観られることが無いのが残念ですが、イタリア映画らしい泣き笑いがある人生賛歌であり人間賛歌でした。 
[映画館(字幕)] 7点(2011-09-30 23:58:35)
104.  女性上位時代
衣装に髪型、リボンや帽子に眼鏡など、凝りに凝ったカトリーヌ・スパークの着せ替えが楽しくて、とにかくカトリーヌがかわいい映画です。脱ぎっぷりの良さもお見事ですが、真っ昼間のドライブの助手席であまり裸にはならない方がよろしいかと・・・。  お洒落なお部屋のインテリアに、軽い感じの巨匠トロヴァヨーリのBGMと、美術や音楽もいい感じの作品。お話の方は・・・最後の方はもうどうでもいいわ、という感じでカトリーヌの魅力だけで映画1本作っちゃいました!という作品でした。 
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-08-21 01:49:25)
105.  微笑みに出逢う街角
ソフィア・ローレンの100本目の出演作と言う事で話題になった作品。監督はエドアルド・ポンティ。名前からも分かりますが、イタリア映画界の超大物カルロ・ポンティとソフィア夫妻の息子さんです。100本目に息子の初監督作を選んだソフィアにとっても、監督デビュー作で母の区切りの作品を監督した息子にとっても記念の作品。それだけに年は取りましたがソフィアがとても綺麗な作品です。  同じ町で暮らしているが全く重なり合う事の無い3人の女性それぞれが抱える心の闇と、それでも立ち上がり新たな人生のスタートをきるまでを3人のストーリーを平行して淡々と見せていきますが、散漫にならず3つのストーリーを巧く切り替えながら3人の心の声が確かに伝わってくる作品でした。その中でもやはりソフィアの存在感が際立っています。  ソフィアの夫役など3人の周りにいる男たちにも名優を揃え、その中にはドパルデューまでが登場するのですが、せっかくドパルデューまでキャスティングした割には扱い方がちょっと勿体無かったか。ただ、重さのある作品の中で彼の登場シーンにはほっとさせられました。  ラストはようやく顔を揃えた3人が笑い合う。3人の問題はまだ全く解決していませんが、人生の新たな一歩を踏み出した3人の笑い声に希望が感じられるラストでした。この息子さん、この後も映画を撮っているんでしょうか?もしあれば他の作品もぜひ見てみたいと思える作品でした。
[映画館(字幕)] 8点(2011-07-24 15:47:13)
106.  太陽が知っている 《ネタバレ》 
登場人物はほとんど4人のみ。無名の作品もしれませんが、この4人に何とも豪華な顔触れを揃えた。登場する複数の男と女、それぞれの今の関係と過去の関係が交錯する愛憎劇はよく見られる話ですが、過去に事情がある男と女に、一人異質な「娘」が挿入されており、特に娘を演じるジェーン・バーキンが見せる大人っぽさ、危うさがいいし、その衣装に水着に彼女の見せ方が巧い。  そんな彼女とアラン・ドロンの最初の接点。上半身裸のアラン・ドロンとミニスカ姿のジェーン。互いに興味を持ち合うのも当然と思える。以降終盤まで本当に大した出来事は起こりません。しかし、人間関係が深まるのも壊れるのも始まりは案外些細なことであったりする。そんな些細な出来事を見せる中盤まではあまりテンポがいいとは言えませんが、それぞれが自分以外の3人を見つめる目が印象に残る作品です。  音楽はあまり使われませんが、あのミシェル・ルグランが音楽を担当している事だし、もう少しルグランの音楽を聞かせて欲しかったかな・・・。「太陽がいっぱい」にあやかった邦題にアラン・ドロンとモーリス・ロネ・・・。まさか「太陽がいっぱい」と同じ状況になるんじゃなかろうな・・・。と思って見ていたら、やっぱり。という作品でありました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-07-20 23:45:43)
107.  アラン・ドロンのゾロ 《ネタバレ》 
アラン・ドロンの映画ではかなり好きな作品です。その一方で、TVで以前にも見ているのですが、その初めて見る前にはアラン・ドロンらしくない映画であるという思いもありました。他のアラン・ドロンの映画のコメントにも書きましたが、アラン・ドロンと言えば犯罪の香りが漂う映画が似合うと思うし、マスクから覗く目はいつものドロンとは違って見える気もする。  しかし、そんな思いは映画の前半で完全に無くなってしまう。文句ナシにカッコいい。まずは最初に民衆を苦しめる軍曹一味を気持ちよくやっつけてくれる。全く汗もかかず軽口を叩きながら実にカッコよく鮮やかに民衆の敵をやっつける。そしてやられる方は実にカッコ悪くやっつけられる。ドロン=ゾロのカッコよさが更に際立つ。  この立ち回りや総督を演じているシーンに見られるように挿入されるユーモアも、軽快でユーモラスなテーマ曲もいい。カッコいい正義の味方が貧しくも正しく生きる善人や女性や子供を助け、正しく生きる人々を苦しめる悪をやっつける。実に分かりやすい正義の味方ゾロを魅力いっぱいにみせてくれたアラン・ドロン。何をやっても絵になりカッコいい人だと思う。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-15 01:06:26)(良:3票)
108.  理想の女
序盤から繰り返される陰口や噂話の中にまずは主要登場人物の人物像を巧く織り交ぜる。それぞれがその中で語る恋愛観、結婚観などの台詞がいちいち凝っていて、特に前半から中盤はこの噂話が物語を引っ張っていく面白い脚本でした。アマルフィで夏の休暇を過ごす当時のセレブの暮らしの一端を再現する美術や衣装も見所の1つです。話の方はヨハンソンのご主人とヘレン・ハント演じるアーリン夫人の関係が釈然としないのがずっと気になってしまうのですが、本作は前半から噂話の中心になり、ウィンダミア夫妻とタピイとのドラマをその局面ごとに醸し出す雰囲気を変えながら見事に演じた、ヘレン・ハントの映画でした。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-06-05 16:05:40)
109.  ミス・アリゾナ
後に人生を共にする男と女がクラブに出演する歌手や芸人のオーディションで初めて出会うのが1920年。そこから戦争の時代まで、ヨーロッパ全土を覆う戦争の暗い影、特にユダヤ系の人々にとっての受難の時代を、2人を中心にしたステージと人間模様を描く事で見せるドラマ。この2人の周りに登場する友人や平和な暮らしを乱す者たちとのドラマとしては弱いものの、この頃のマストロヤンニが見せる円熟味のある演技は本作でも素晴らしく、シンガーとしての側面も持つシグラのステージと、主演2人の持ち味は十分味わえる作品。前半の”アリゾナ・トリオ”としての売れない時代のドサ周りの楽しいステージに、後半に開業し成功を収めたクラブ”アリゾナ”の華やかなステージは音楽の素晴らしさもあり、いずれももっとじっくりと見せて欲しいと思わされるものでした。
[ビデオ(字幕)] 6点(2011-05-31 23:57:57)
110.  やさしくキスをして 《ネタバレ》 
宗教とは一体何なのか。人を苦しみから救い心に安らぎを与えるものでありながら、それで苦しむ人々もいるし、違う信仰の者や国が互いを憎み合う原因にすらなってしまう。本作で描かれる家族と愛し合う2人も互いに平行線をたどるばかりで理解し合えることは難しかった。しかし誰も責める気にはなれなかった。本作に出てくるような家族や小さなコミュニティも、国際社会も、本当に難しい問題です。タイトルだけ見ればやさしいラブストーリーのようですが、他のケン・ローチ監督作品にも見られるように、描く対象への愛おしさが感じられながらもズシリと見る者の心に訴えかける力を持った、強く愛し合う2人を描いたラブストーリーであり家族のドラマでした。 
[DVD(吹替)] 7点(2011-05-05 20:59:39)
111.  華麗なる対決
BBvsCC、何とも豪華な2人のセクシー女優の共演で邦題通りの何とも華麗なる対決でした。(終盤の大ゲンカは華麗なんて言ってられない迫力ですが)ひたすら軽~くてご陽気な、ヨーロピアン・ウエスタン・コメディ。巨匠フランシス・レイの軽快な音楽もいい感じで作品を盛り上げます。美しさと強さを兼ね備えた女たちに圧倒されまくる頼りない男たちも可笑しく、中でもちょっとはしっかりしろよ、と言いたくなるほどマヌケな保安官がお笑い担当でいい味を出していました。お色気の方は控え目ながらも彼女たちの衣装も見所の1つです。 
[CS・衛星(字幕)] 6点(2011-04-30 17:06:00)
112.  ソウル・キッチン
ソウルキッチンという食堂を営む主人公の男と、店に関わる人々をコミカルに描いた作品。主人公の男は不器用ながらもまともなのですが、あとがおかしな奴らばかり。ムショ帰りの兄貴と得体の知れない兄貴の悪友に、キレると包丁を投げつけてくるちょっとイカれた、しかし腕は確かな孤高の料理人に、ソウルキッチンに住んでいる?謎のジイさんに、同級生の最後はマヌケな悪徳不動産屋など、見事にヘンな連中揃いなのですが、それぞれに憎めないものがある。結構強引な展開もあるし、途中は一体何の店なんだ?なんてツッコミを入れたくなる時間帯もあったのですが、作品自体にも何か憎めないものがあるし退屈させない勢いもありました。店を取り戻す競売もかなり強引でしたが、人生、上手くいかない時期もあるけれど生きがいを失わず頑張っていればまたいいことがあるさ。最後はそんなことを感じさせてくれました。
[映画館(字幕)] 5点(2011-03-25 22:49:00)
113.  殿方ご免遊ばせ
これはもう完全にブリジット・バルドーを見るための映画であり、完全にその為に作られたような映画ですね。それは彼女の名前がそのまま役名になっていることを見ても明らかではないか。さらにバスタオル1枚の姿、鏡の前で踊る姿などは彼女を魅せるために用意されたシーンであります。本作でも彼女は勿論セクシーなのですが、同時に可愛いんですよ。お話の方はありがちな、おバカラブコメといったところですが、ブリジットがいい具合に弾けていて見事なコメディエンヌぶりです。ブリジットと殿下、2人が交互にくしゃみをして、ブリジットのアップで締めるラストも楽しくて粋だ。という訳でこれでもかと言うほど詰め込まれたブリジットの魅力を存分に堪能させていただきました。ありがとう、BB!
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-03-24 00:42:39)
114.  暗黒街のふたり 《ネタバレ》 
ジャン・ギャバン演じる老いた保護司とアラン・ドロン演じる本気で更正を目指しもがき続けるムショ帰りの男のドラマ。しかし冒頭のジャン・ギャバンの語りが・・・。特に今もフランスに2つ存在する、”ある物”についてまで語ってしまうので、一旦犯罪組織に関わってしまった者の更正の困難さや後味の悪い結末を確実に予感させるし実際にその通りに話が進んでいきます。あまりにもひどい警察と裁判の描写も気になるところですが、監督・脚本のジョゼ・ジョヴァンニはかつては実際にギャングに加わり、死刑判決を受け、その後恩赦になったというあまりにも波乱万丈な過去を持つ人だけに、ジョバンニの他の作品もそうですが、本作でもそんな彼の特異な過去が色濃く現われています。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-03-17 21:53:59)
115.  地下室のメロディー
アラン・ドロン生誕75周年記念特集で劇場にての初鑑賞となりました。(と、言うものの実は僕はジャン・ギャバンがお目当てだったのですが…)クールという言葉がピッタリくる音楽に演出。ルイ・マルの「死刑台のエレベーター」を思い出します。  アラン・ドロンが現場に先に乗り込み、ジャン・ギャバンが後で合流するまでの間はちょっと中だるみ気味に感じられますが、作戦決行と、ラストの緊迫感は見事です。  考えてみれば犯行現場のすぐ横のプールで盗んだ金の引渡しなんて有り得ないとは思いますが、このプールサイドのラストはやはり本作の一番の見せ場だったと思います。聞こえてくる刑事と被害者の会話(被害者がチラリと見たジャン・ギャバンの特徴とアラン・ドロンが持っていた鞄の特徴の話)とその時の新聞で顔を隠すジャン・ギャバンと鞄を隠し持つアラン・ドロンと刑事を交互に見せる、その見せ方が見事でした。  常に冷静沈着で大物感を漂わせるジャン・ギャバンの圧倒的存在感、それと比較すると小物感を出しながらもやはりカッコいいアラン・ドロンの二大スターの見事な共演でした。あとは犯行チームの最後の一人、基本的には犯罪に縁が無い善人の義兄にもう少しアクシデント誘発要員として役割を与えても良かったんじゃないかとも思いました。
[映画館(字幕)] 7点(2011-02-26 22:30:18)
116.  オーケストラ・リハーサル 《ネタバレ》 
特にストーリーは存在せず、オーケストラと指揮者のリハーサル風景を見せるだけ。と言ってしまえば何と退屈そうな映画なんだ、ということになりますが、これが実に面白い。指揮者やスタッフ、所属する音楽家が口々に語る自分の楽器自慢、自己陶酔、他者批判、仕事の契約内容や組合を盾にした権利主張、指揮者とオーケストラの対立、等々を通して描き方は少し極端な感じもありますが、このオーケストラと指揮者はどこにでもある会社の管理職と部下の人間関係の構図のようでもあり、社会の縮図のようでもある。1から新たなものを創造する際に生じる、個性や立場が異なる人間と人間のぶつかり合いを時には熱く、時にはコミカルに見せるフェリーニの人間考察が楽しい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-02-14 20:18:56)
117.  エリックを探して 《ネタバレ》 
予告編を観て以来ずっと気になっていた作品。予告編を見る限りでは何だか普通のコメディ。ここまでなら気にならないのですが、監督がケン・ローチであることに凄く興味が沸いたのです。  やっと見る事ができたのですが、最後の四の五の言わせない勢いで突っ走ってしまうカントナ作戦まで、自らの人生を「クソ人生」と表現した主人公のおじさんの家族の再生、自らの人生の再生を周りの愛べき仲間達と共にあたたかく描いた作品です。  主人公のおじさんも息子達もそれぞれの事情で少し人生の道に迷っている。そんな困っている友人のために仲間が一致団結して助け合い、悪い連中をこれでもかとコテンパンにやっつける。実に単純で分かりやすい。友情とか人情とか、こういう映画に弱い自分を再認識。  それにしても主人公にしか姿が見えないエリック・カントナは何だったのか。(本作で初めて知ったのですがエリック・カントナ自体は実在するイギリスのサッカーの英雄なんですね。)誰の心の中にも必ず自分にとってのヒーローがいるはず。そんな自分のヒーローを見るたびに励まされ、勇気や元気を貰う。人それぞれの心の中にいる自分だけのヒーローであり勇気の源の象徴だったのかな。  本作も主人公を初めサッカーの事となるとやたらと熱くなる仲間達も、これまでもケン・ローチが見つめてきた自らの祖国イギリスの庶民、労働者階級の人々が主人公の作品でした。いつもとはガラリと味付けが変わっていますが、イギリスへの愛情を一杯感じる(ローチさんもサッカーのこととなると熱くなるのかな)本作もやはりケン・ローチの映画なんだなと感じました。
[映画館(字幕)] 8点(2011-02-08 01:02:33)
118.  永遠<とわ>の語らい
前半の人間の文明の歴史を巡る旅と、後半の多国籍の人々による多言語が飛び交うディナーという2部構成のようになっており、まずは前半のポルトガル人女性が小さな娘を連れての人間の文明史を巡る旅。寄港地ごとに母が娘にその土地で過去に何があったかをわかりやすく教えていく。本作に登場するれポルトガル人はこの母と娘だけであり、オリヴェイラ監督が観る者に人間とは、文明の歴史とは何かを訴えかけているようです。この旅に込められたオリヴェイラ監督のメッセージが全て理解できたとは思いませんが、この旅を通して古代から中世、現代に至るまで、文明の歴史は争いを抜きには語ない事に気付かされます。後半のディナーの中でカトリーヌ・ドヌーヴの、文明とは悲しき人間の歴史だ、という台詞があった。そして悲しき人間の歴史は繰り返され続け、いつ誰がどこで突然テロに巻き込まれてもおかしくない現代に至る。その衝撃のラストが鑑賞後もずっと心に突き刺さっています。 
[DVD(字幕)] 8点(2011-01-23 20:21:18)
119.  みんな元気(2009)
ジュゼッペ・トルナトーレ監督作「みんな元気」のハリウッド・リメイクです。 主演はオリジナルはマルチェロ・マストロヤンニ、リメイクはデ・ニーロと超大物を配し、子ども達を訪ねる旅に出るきっかけも、少しずつ垣間見える大人になった子ども達が抱える事情も、父が子を思う気持ちも、大人になってもいつまでも幼い頃の子ども達の姿を見るのも、子ども達は家を出て行き妻に先立たれた男の哀しさも、父に内緒で裏で子ども達が連絡を取り合う事情も、口笛も、多少異なる部分はあるものの設定はかなりオリジナルに通りに作られています。ただ、オリジナルより30分近く短い事もあり子ども達や孫との旅先での触れ合いはあっさり目。  マストロヤンニ、デ・ニーロという名優の持ち味が作品の雰囲気に大きな影響をもたらしており、それがそれぞれの作品の味でもあります。旅から帰郷後はオリジナルとはまた違った良さがあります。オリジナルとはちょっと異なる妻の墓前での報告も「みんな元気」の使い方も、息子デヴィッドの絵も良かった。クリスマスのラストもアメリカ映画らしい良さが感じられました。
[DVD(字幕)] 7点(2011-01-20 09:04:59)(良:1票)
120.  道(1954) 《ネタバレ》 
最も印象に残るのはザンパノがジェルソミーナを1人残して去っていくシーンです。毛布を掛けてやり、幾らかのお金を握らせ、彼女が好きだったトランペットを置いて去っていく。その表情にはそれまでに見せてきた粗暴さは無く、彼女の方を振り返りながら立ち去るザンパノが印象的でした。あそこが彼の人生という道の分岐点だったんですね。それだけに海岸で号泣するラストシーンのザンパノの姿が悲しい。その時の自分の行動や判断が正しかったのか、それはその時には分からない。答は後になって道の途中で気付く時がある。そしてその道はいくら後悔しても決して引き返してその地点まで戻る事が出来ない。しかしこれから進む道は自分しだいで変えていけるはず。それが人生という道なんですね…。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-10 15:08:22)
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