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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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1.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
エンニオ・モリコーネの音楽と共に思い出すだけで思わず微笑んでしまう、ホロリとさせられてしまう素晴らしいシーンの宝庫のような、まさに珠玉の名作ですね。映画が村人の共通の娯楽で、満員の観客が映画館で素晴らしいシーンには一同に拍手を贈り、悪役がのさばる場面では皆が一斉に悪役に罵声を浴びせる。全ての場面を目に焼き付けて目一杯楽しんでやろうという古き良き時代のパラダイス座の雰囲気が本当に良かったですね。ラストシーンの素晴らしさは皆さん書かれている通りです。大人になったトトがキスシーンを見つめる表情は童心に帰って、神父さんやアルフレードの目を盗んでこっそり観ていたトト少年の表情のようでした。自分の大好きな、思い出深い映画を再び見ると初めてその映画に出会った当時の頃の事を思い出す。そんな思い出と共にゆっくりとその映画を心から楽しむ。そんな映画の素晴らしさと、映画ファンの思いが詰まった本当に感動的なラストシーンだったと思います。
[映画館(字幕)] 10点(2008-12-30 02:17:36)
2.  ロザンナのために
久しぶりにいい泣き笑いのある映画を見ました。ジャン・レノ主演の隠れた傑作です。 人の死がテーマにあり、本来なら笑えるお話ではないのですが、 死体をめぐり少々ブラックな笑いを含みつつも夫婦愛という下地がしっかりとしており、 これが素晴らしきハートウォーミング・コメディとなっています。 余命僅かの最愛の妻の最後の願いを叶えるために右往左往するジャン・レノ。 ドタバタもするしその姿はかなり滑稽ですが、それでいて最高にいかしている。ジャン・レノ見事な名演。 その間に挿入される、夫婦が互いを思いやる短いシーンの1つ1つがいい。 落としドコロをどうするのかと思っていたら、このラストには参りました。 その直前の展開があっただけに、感動的なのですが涙よりもほっと笑顔になれる。素晴らしい結末でした。
[DVD(字幕)] 9点(2021-01-23 20:18:01)
3.  穴(1960)
ジャック・ベッケル監督、原作と脚本はジョゼ・ジョバンニ。 問題はジョゼ・ジョバンニという人です。 映画監督、脚本家、小説家として才能あふれる人なのですがこの人、 それ以前は相当な悪で死刑判決を受けた後、恩赦で辛うじて死刑を免れたという経歴を持つ人です。 で、本作で描かれる脱獄作戦のメンバーの1人でもあったという。どうりでリアルな訳です。 音楽が全く使われていない。徹底してエンターテイメント性を排した作りとなっていますが、 緊張感が一本の線で繋がっているかの如く最初から最後まで全く途切れない。 音楽が使われていないかわりに、無音の中に響くトンネルを掘る音、鉄格子を切るノコギリの音。 これがサスペンスを盛り上げるどんな音楽よりも効果的に作用しています。 冒頭に追加で脱獄メンバーに加わる若者以外は、他のメンバーに関しては名前以外何も明かさない。 しかしこの若者だけは全ての事情が冒頭で明らかにされます。 これが最後の最後になって効いてくる終盤のドラマの展開の見事さにも唸らされる作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-09-08 21:12:40)
4.  ノー・マンズ・ランド(2001) 《ネタバレ》 
セルビア軍とボスニア軍。両軍が睨み合う、ちょうど両軍がいない中間地点の狭い塹壕に取り残された両軍の兵士3人。 互いに憎悪をむき出しにし、どちらが悪いか言い争い、殺し合う一歩手前にまで憎悪がエスカレートする一瞬もあれば、 同じ言葉を話し分裂するまでは同じ国に住んでいた彼ら。共通の知人がいることが分かり笑顔を見せ打ち解ける一瞬もある。 ユーモアを感じさせる描写を含みながらも、この内戦の虚しさ、悲しさを感じずにいられません。 ある事情があり身動きが取れず塹壕にとどまるしかない兵士たちと、彼らと関わることになる国連軍と、TV局の取材クルーの一行。 結局何もできなかった国連軍はTV局のクルーと共に塹壕から立ち去る。そして3人の兵士達には悲劇的な結末が。 狭い塹壕の極めて限られた登場人物たちの言動を、そのままこの紛争の縮図にする独特の語り口が素晴らしい作品です。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-02-26 21:37:56)
5.  夕陽のガンマン
巨匠レオーネとモリコーネに、リー・ヴァン・クリーフとイーストウッド。 皆がこれだけ見事な仕事をすれば面白い映画になるに決まっている。 命を懸けた男たちが繰り広げるガンアクション、そして心理戦。節目節目に挿入される緊張感あふれるシーンの数々に痺れまくりです。 クリーフとイーストウッド、銃を持った2人の所作の1つ1つがたまらなくカッコいい。 特に2人が中盤で対峙するシーン。互いの銃の腕前を披露しあう、その時のハットの使い方! どちらが勝つかは分かっているのですが、交互に挿入される3人の表情と過去と、小道具と。ラストの決闘まで見ごたえ十分です。 ポンチョをまとったまだ若さを感じさせるイーストウッドと、夕陽に消えゆくラストまでとにかく渋い、スマートな装いのクリーフ。 今に見ても何もかもがカッコいい映画。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2017-04-29 21:47:59)
6.  ウエスタン 《ネタバレ》 
冒頭、駅に現れたいかにも西部のならず者といった面々。その中にはジャック・イーラムの姿も。 口元に止まったハエを何とか追い払おうとするシーンが可笑しかったりもしますが、 この男たち、全く言葉を発しない。音楽も全く使われない。しかし彼らがかもし出す張り詰めた空気がたまらない。 そこに現れたブロンソン。この男たちをあっという間に撃ち殺す。 それに続く農場一家の皆殺し事件。悪役ヘンリーフォンダが登場する。 ジェイソン・ロバーズが登場する。ユーモアさえ感じさせる余裕しゃくしゃくの本作のロバーズ、かなりいい味出しています。 そしてCCが登場する。西部の荒野に凛として咲く一輪の花といったところか。 登場する誰もがベラベラ喋らない。とにかく寡黙な作品。 ゆったりとしたテンポの長尺ですが、1つ1つのシーンの裏に常に緊張感が張り付いている。おかげでその長さを全く感じさせません。 モリコーネの音楽も相変わらずの素晴らしさ。 ゆっくりと登場人物の事情を明かしていく作品のテンポと合わせるように馬がゆっくり歩を進めるかのような音楽。 そしてもう1つ。これぞモリコーネ、と言うような甘美なスコア。 CCが農場へ向かう馬車の車中に流れるこの音楽。 果てしなく続く荒野と巨大な奇岩の群れ。一般的な西部劇の音楽とは趣が異なるこのこの音楽がこの風景にピタリとはまる。 前半は登場人物の相関図に分かり辛さはありますが、中盤以降は実に分かりやすいストーリーとなっています。 誰と誰が最後に対峙し、その結末がどうなるかも分かっているようなものですが、 その最後の決闘に至るまでの過程をゆったりと、じっくりと堪能する。 僕が愛してやまないブロンソン。ラスト近く、CCの元へ帰ってくるシーン。何なんだ!この時のブロンソンのカッコ良さは!! この時のブロンソンは、今まで見た中で一番カッコいいブロンソンかもしれません。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2015-09-23 00:11:59)
7.  フェリーニのアマルコルド
とても楽しい映画でした。イタリアの小さな港町の早春から始まる1年の様々なエピソードと町の人間模様が主人公の少年の目を通してノスタルジックに描かれるのですが、この雰囲気がたまらない作品です。僕の記憶の中にも少年時代のお祭りの楽しい記憶が確かに残っていますが、冒頭の春の訪れを告げる綿毛がふわふわと漂う町の風景に続くお祭りから映画は始まって、港にやって来た幻想的な豪華客船も大雪に見舞われた町も賑やかな人間模様も全編を通して描かれる小さな港町の風景はずっとお祭りのようです。タイトルからも分かりますが、フェリーニの記憶の中にある少年時代を映像化したフェリーニの自伝的作品なのでしょうが、どこかファンタジーの香りもします。特に一面雪景色の町に孔雀が舞い降りるシーンの美しさは忘れられないものとなりました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-11-28 19:45:09)
8.  セントアンナの奇跡 《ネタバレ》 
非常に長い作品ですが、鑑賞後は冒頭の殺人事件の謎の解明と感動のラストに至る為に全て必要だったのだと納得させられました。  冒頭で描かれる謎に戦争中のイタリア、トスカーナ地方。辛い描写も多いですが、イタリア人少年を助けた黒人のアメリカ兵、少年を逃がしたドイツ兵に、一人生き残ることになる黒人兵士の命を救ったドイツ軍将校。戦場で敵味方に分かれ殺し合う人間。その同じ人間の根底にある優しさが心に残る。  両国の兵士・パルチザン・戦禍に巻き込まれる人々それぞれの信仰、戦争や祖国に対する複雑な思いや心の葛藤などが見事に描かれ、そこにミステリーやファンタジー的要素と史実を織り交ぜながら、これら過去と今の人の思いが感動のラストの奇跡へとつながっていく構成が素晴らしく非常に見応えがある映画です。 戦争が終わってもそれを経験した人の心の中からその戦争が消え去ることは何十年経っても無い。そのラストシーンには心から感動しました。
[DVD(吹替)] 9点(2010-06-14 00:10:07)(良:1票)
9.  愛と宿命の泉 PART II/泉のマノン
第1部と比べると第2部は激しく、そして様々な事実が明らかになります。この2作を通じて作品のタイトルには3人の名前が登場する。ジャンとマノンの第1部でも描かれた父と娘。そしてもう一人、第1部からずっと気になっていたフロレット。ジャンとマノン、そしてフロレット。更に隣人と泉と。第1部で張られた伏線が第2部に効いていて、悲しき結末と過去が明らかになります。フロレット家と隣人の3代にわたる2つの家族の物語は決して後味のいい話ではなかった。しかし長丁場を全く長く感じさせることのない、登場人物が絞られているので分かりやすくて非常によく構成が練られていて、見応えのある映画でした。主要キャストそれぞれの素晴らしい演技、中でもダニエル・オートゥイユの好演と、第2部に登場したエマニュエル・べアールの美しさが強烈に印象に残っています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2010-03-03 21:17:21)(良:2票)
10.  ル・バル 《ネタバレ》 
映画はパリのとあるダンスホールから一歩も出ない。更にこの映画には台詞が一切無い。ダンスと音楽に衣装、俳優の仕草や表情だけで戦前から80年代までの流行、世相、パリに生きる人々の喜びや悲しみを見事に表現した作品です。  ダンスと音楽の間にさりげなく見せる笑いドコロ、ホロリとさせられるシーンを挿入するその見せ方、各時代が移り変わる際の見せ方も見事です。1つの狭いダンスホールの中のみで展開されているのが嘘のような壮大さすら感じさせる。  物語は戦前から始まりナチスの時代の暗い影が忍び寄り戦争の時代、そして終戦。ホールは歓喜の舞に包まれる。そこに戦場から傷ついて帰還した兵士が妻と再会し喜びのダンスを舞うシーンが感動的。戦後もフレッド・アステアとジンジャー・ロジャースに扮した二人が登場しての華やかなミュージカルにロックンロールにビートルズにディスコブームと本作が作られた80年代に至る。  監督・脚本のエットーレ・スコラは過ぎ去った時代とその時代を生きた人々の記憶を作品ごとに様々な語り口で我々に見せてくれる。そんな中でも本作はパリのダンスホールが見つめてきた記憶を台詞を排した語り口で、世相や流行だけでなく人々の感情までもが生き生きと伝わってくる見事な映画です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2010-01-16 20:20:20)(良:1票)
11.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
同じ男として人間としてこうも違うものか・・・という気すら起こさせない程のアラン・ドロンの美しさ。観る度にもうこんな人は出てこないのではないかと思わされます。上流階級への憧れが殺意に変わる、その動機となる出来事が短い間に丁寧に積み重ねらていく。その後も常に緊張感を持続しながら、あの悲しくも驚きのラストまで決して急がず、ドタバタもせず、作品の雰囲気や魅力の全てをゆったりと楽しみ、堪能できるとても丁寧に作られたサスペンスです。そして今更言うまでもなく作品と見事に調和するニーノ・ロータの控え目ながらも甘く切ない音楽もいつまでも心に残る。そんなアラン・ドロンの魅力とニーノ・ロータの旋律に青い海、真夏の太陽の日差しをいっぱいに受けた映像は50年の時が経過した今に見ても全てが美しい。
[DVD(字幕)] 9点(2009-09-13 15:35:55)
12.  ニュー・シネマ・パラダイス/3時間完全オリジナル版 《ネタバレ》 
何度も観た劇場版。その度に何度観ても感動した。そしてずっと気になっていた完全版を初めて観ました。劇場版と比較すると確かに3時間は長いです。しかしトトはエレナへの思いや故郷への思いを断ち切って成功を収めますが、故郷に帰ってきた彼が成功と引き換えにした青春時代の思い出を振り返りながら彼の胸に去来するものをじっくりと丁寧に見せてくれます。知らないままの方が良かったかな?と思えることもあったのですが、少年時代から現在までを見せるトトの人生の壮大なドラマとなっている完全版を観た事によって、あの名ラストシーンがより感慨深いものになり、ニュー・シネマ・パラダイスに新たな感動をもたらせてくれました。
[DVD(字幕)] 9点(2009-06-21 13:18:58)
13.  あんなに愛しあったのに 《ネタバレ》 
戦争中はレジスタンスとして戦った3人の男と彼らのその後の人生に深く関係する事になる1人の女。この4人それぞれの戦後の人生―その出会い、別れ、そして再会―を淡々と描き、戦後のイアリア社会や価値観と彼らの人生を重ね合わせる語り口が素晴らしかったです。作品全体がどこか物悲しくもコミカル、そして何ともいい味の人間臭さが漂います。スコラ監督は「スプレンドール」という映画館をテーマにした素晴らしい映画を作っていますが、本作でもスコラ監督の映画への深い愛情や熱い思いを感じずにいられません。デ・シーカ、フェリーニ、マストロヤンニらを本作の中にさりげなく登場させ、特に仲間の1人、ニコラが映画の知識を問うクイズ番組に出る。その時にニコラが熱く語るデ・シーカへの思い。デ・シーカ監督を尊敬してやまないというスコラ監督。このクイズ番組でデ・シーカを熱く語るニコラの姿はひょっとしたらスコラ監督ご自身だったのではないでしょうか。もう一度観たいけどなかなか観るチャンスが無い映画です。(タダ同然で買った中古ビデオ。でも一度観て2度目の再生の途中でビデオテープがクラッシュ…涙。でもよくぞ1度目、最後までもってくれたとも思う…)ぞふぃさんも書かれている通り、僕もDVD化して欲しい映画なんですけど無理かなあ。ホント、もう一度観たい!
[ビデオ(字幕)] 9点(2009-03-31 19:20:55)(良:1票)
14.  グッドモーニング・バビロン! 《ネタバレ》 
イタリアからアメリカにやってきて、言葉の壁や数々の苦難をいつも二人の力で乗り越えてきた兄弟の物語です。親子愛、兄弟愛、映画への愛に溢れた素晴らしい作品だと思います。ハリウッド草創期の描写がとても楽しく、兄弟が作った象の美しさ、人工の光ではなく、スタジオに降り注ぐ陽の光の美しさに感動しました。また、オメロ・アントヌッティ演じる父とグリフィスが対面するシーンも良かったです。ラストはちょっと無理やり感がありますが、それでもやはり、兄弟がカメラに向かって子供達に最後の姿を納め合う姿には感動しました。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-12-25 23:55:53)
15.  特別な一日 《ネタバレ》 
住民は皆イタリアにやって来たナチスを歓迎する式典に出掛け、それを実況しナチスを賛美する、隣人が大音量で垂れ流すラジオ放送以外はひっそり静まり返ったアパートの一室。そこで繰り広げられるマストロヤンニとローレン演じる中年の男と女のたった一日の情事に至るまでを描いた作品です。決して喋りすぎない2人が実にいいです。家事をする姿、お互いを見つめる目、室内を歩く姿、鏡に映る自分を見つめる表情、そして後姿さえも。何気ない一つ一つの動作で表現する2人の心情、心の揺れが痛いほど伝わってきます。この2人の名優が創り上げる室内の空気が見事でした。2人の会話から男は反ファシズムの為職場から追放されたアナウンサーであることが分かる。そして最後には当局に連行されていく男。それを窓越しに見つめる女。男が彼女に残した一冊の本と彼が修理した電球。マストロヤンニ、ローレン、絶妙に配置された小道具が三位一体となって織りなすラストシーンは物悲しくも、僕にとっては忘れられない名シーンの一つとなりました。
[DVD(字幕)] 9点(2008-12-13 17:22:34)(良:2票)
16.  記憶の扉 《ネタバレ》 
これは見事な映画でした。登場人物はドパルデュー演じる容疑者とロマン・ポランスキー演じる警察署長のほとんど2人のみ。しかも映画の大部分は警察署の取調室で机を挟んで対峙する2人の会話で成立している傑作サスペンスです。この2人のやり取りが物凄い迫力です。雷が鳴る嵐の夜に薄暗い取調室という設定がそれに拍車をかける。かなり最後の方まで謎は解けませんが、最後には大どんでん返しが待っています。夜が明けて全てが明らかになった後、警察署を立ち去り、旅立つドパルデューとポランスキーのやり取りは穏やかなものに変わり、実に深い味わいがあった。そしてそこには静かな感動があります。ドパルデューのこの映画の一番最後の台詞「ありがとう、署長。お見事でした。こんな難しい仕事を・・・。」が深く印象に残る。トルナトーレ監督と言えば誰もが思い浮かべるあの傑作と比べるとレビュー数も少なく極めて地味な作品ですが、この作品も決して負けてはいない!
[DVD(字幕)] 9点(2008-11-30 20:20:30)
17.  マカロニ 《ネタバレ》 
エリート街道をひた走り、富と地位を手に入れたが人生に疲れ果て、家庭も崩壊してしまったアメリカ人(ジャック・レモン)が極めて平凡だが家庭や友人に恵まれ、仕事はそこそこに余暇も十分に満喫している陽気なナポリの友人(マストロヤンニ)と再会し、友情を暖め、次第にマストロヤンニの生き方に惹かれていくという、とても分かりやすいストーリーですが、二人の名優の共演が物語を非常に味わい深いものにしてくれています。二人が夕方の海岸で腰を下ろし、マストロヤンニが「時間を無駄にするのはいい・・・。」とつぶやき、レモンがそれを聞き微笑む。このシーンがとても好きだ。鐘の音のラストもスコラ監督の常連、アルマンド・トロヴァヨーリの音楽が重なり、とても感動的でした。
[映画館(字幕)] 9点(2008-11-19 22:48:17)
18.  黒い瞳
マストロヤンニの名演を堪能しました。とびきり明るいけどちょっといい加減、でも決して悪い人間ではない愛すべき男。この頃のマストロヤンニはこんな男をコミカルに演じさせると天下一品です。ロシア人のミハルコフ監督が放った会心のイタリア風のコメディだと思います。ミハルコフ監督がマストロヤンニを起用し、イタリア映画風の展開の中にさりげなく挿入されるつむじ風や雨、そして旅先で出会うジプシーや霧の立ち込める美しい風景などの中にミハルコフ監督のロシアの大地と自然と、そこにたくましく生きる人間への敬意が感じられます。
[映画館(字幕)] 9点(2008-11-19 22:35:54)
19.  夕陽のギャングたち 《ネタバレ》 
時は文化大革命の真っ只中。毛沢東の言葉の引用から始まる本作、 そのストーリーのベースにあるのはやはり「革命」。 元IRAの活動家で、その首に賞金を懸けられアイルランドからメキシコに流れ着いてきた男と、メキシコの山賊のお頭。 確信的に行動をとる革命家と、彼にそそのかされるまま革命に身を投じることになる山賊。 レオーネの西部劇としては異色のテーマを持った作品ですが、 レオーネが好んだむさ苦しく脂ぎった男たちの顔のクローズアップ、頻繁に挿入されるフラッシュバック、 大きな出来事が起こる前にこれでもかとゆったりとした間を取る時間の使い方など 本作も2時間半越えの作品でレオーネらしい作品の質感、距離感、時間がある作品です。 やはりレオーネの西部劇特有のこうした間の取り方やこってり感はいい。 ”ション、ション、ション♪”のテーマ曲が耳に残るモリコーネの音楽も相変わらずいい。 やがて訪れる悲劇的な結末。革命家の死と、「俺はどうすりゃいい?」と茫然とする残された男のラストの姿が印象的。 時代に向けたレオーネのメッセージも感じられる結末です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-21 21:42:31)
20.  イタリア式離婚狂想曲 《ネタバレ》 
カトリックの教えのもと、離婚が厳しく制限されていた当時のイタリア。 これもイタリア映画お得意の艶笑喜劇に含められる作品だと思いますが、 没落貴族を主人公に、名誉のための殺人、こうまでしなければ離婚は許されないものかと、 コメディの形で時代を皮肉る秀作です。 何といっても全編を通じコソコソと妄想と陰謀を膨らませていく名優マストロヤンニが素晴らしい。 やっていることはサスペンス的ですが、この人特有の憎めない感が絶妙。 それにしても、こんなにまんまとこの男の思い通り事を運ばせていいのか?と思える終盤の展開ですが、 そんな彼もひょっとしたら・・・?と思わせる足と足を絡めるラストカットもまた皮肉が効いています。
[DVD(字幕)] 8点(2020-04-20 12:10:08)
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