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コメント数 2517
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ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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841.  ベルファスト 《ネタバレ》 
 少年が生きるごくごく狭い範囲の視点から描かれる複雑な世界の物語。   小さな街のコミュニティの中に宗教の対立があって破壊と暴力があって、家族の葛藤があって、でももちろん少年の等身大の、恋や楽しみや勉強や悪さ等々、様々な事柄があって。少年なりに捉えた社会と個人との関わり、成り立ちが楽しかったり切なかったり悲しかったりするわ。少年の、周囲の状況に流されやすいカンジがコミカルで愛らしいの。   画作りはちょっと作為的に過ぎる気もするの。モノクロとカラーの使い分け、余白をたっぷり取った、被写体を偏らせた構図、フレームの中に更にフレームを作った画、ぐーっと仰瞰でひとびとを捉えた画。それらは少年の視点とはちょっと違う、多分にゲージュツを意識した感があって、もう少し抑えた方が良かったかも、と思ったわ。  でも『宇宙大作戦』や『真昼の決闘』『恐竜100万年』『チキチキバンバン』といった作品が散りばめられていて、少年が生きた時代を示すと共に少年の生きる現実と対比された夢のカタチとしてノスタルジックに機能してたわね。   ベルファストという土地に縛られた一家が状況に追われるカタチで呪縛から解き放たれてゆく、でもそこに希望が垣間見えるのが救いね。
[映画館(字幕)] 7点(2022-04-10 19:37:42)(良:1票)
842.  ギブリーズ episode 2
アニメーターの習作テストフィルムを金取って見せるなよ、って思っちゃいました。どうも私はジブリの良い子ぶった、優等生ぶった絵作りというのが苦手です(銀行やカレーのCFなんかも、うへぇ、って感じ)。そりゃあ、ジブリアニメに人の心の闇を見せろ、とか、セックスの匂いを感じさせろ、とか言うのはムチャなハナシですけど、今のジブリの表現って、私がちびっこだった頃の東映動画の絵から基本はなーんにも進歩してないんじゃない?なんて思ってしまうんですよね。確かに基本は大事。でも、そこでずっと停滞する事が良心である、と思われてしまってもねぇ。「アニマトリックス」なんかを見ると、アニメ表現の道はまだまだあるんじゃないかと思うんですけど。
[映画館(字幕)] 4点(2004-01-11 00:03:11)(良:1票)
843.  魔女の宅急便(2014) 《ネタバレ》 
 飛行シーンのデジタル合成映像が軒並みダメで、今時こんなモンしか作れないのか?ってくらいに酷いのですが、それ以外のビジュアルは良好です。特にロケーションを活かした美術デザインがとても雰囲気良くて。ああ、こういう和と洋とがキレイに混じった世界っていいなぁ、って。   問題は物語の方。そんなステキな世界でかなりギスギスとした、暗い話が多くを占めていて。ドラマを「作る」ために嫌な性格の人間を散りばめてあるんですね。  嫌がらせにキキを利用する女の子や、キキに延々と怒鳴り散らす動物園の職員、荷物を届ける先の人間等、ひたすらキキにとって負の作用をもたらす存在として設定してあって。トンボですら、延々とキキに冷たい状態ですし。   で、その連中が改心する、態度を改める、優しくなる、そういう「大きな振れ幅」を与える事で「ドラマを作る」「感動させる」って、それ、簡単なんですよ。安易なの。その振れ幅が大きい連中ばかりでストーリーライン埋めてるの。  一人の女の子の成長物語であるならば、もう少し繊細に、丁寧にエピソードを重ねるべきなんじゃないかな、って思うんですよね。  あと、ジジの扱いが後半雑になったまま、っていうのが個人的にイヤ。   せっかく美術設定も役者もいいのに、なんか素材を大切にしていない脚本だと思いました。   あと、タイトルバックの画がアニメ版とほぼ一緒(飛んでる方向が逆ですが)、エンディングの構成もアニメ版に準拠と、なんかココ!ってところでアニメ版に寄っちゃってるのが疑問でした。私だったら意地でも全く別のモノにしちゃうのに。
[映画館(邦画)] 5点(2014-03-09 15:07:01)(良:1票)
844.  アキラとあきら 《ネタバレ》 
 三木孝浩監督の「記録と記憶の三部作」3本目。   大手銀行で東大卒エリート銀行員としてのし上がってゆく二人のあきら。町工場の息子、山崎瑛と大手海運企業の御曹司、階堂彬。情に厚い瑛とクールな彬、正反対な性格の二人が銀行のシステムに翻弄されながら成長してゆく物語ね。銀行の融資を決めるのは業績の数字、記録が全て、そこに情を持ち込むことで苦境に立ってしまう瑛なのだけれど、その情こそが困難を打開することになるのね。  彬の親が死に、弟が後継者となるものの、系列会社を経営する叔父たちの策略によって赤字経営のリゾートホテルの連帯保証をして窮地に陥る、そこから二人のあきらが活路を見出してゆく展開がスリリングに描かれるわ。  父が窮地に陥った時に見放した銀行員、手を差し伸べた銀行員、子供の頃の記憶から銀行員を目指した瑛は数字の記録だけでは突き破れない、人の過去の記憶を拠り所に突破口を開いてゆくの。   池井戸潤さんの作品らしい社会派サスペンスとカタルシスの世界で、三木孝浩監督作品らしさは抑え気味な感じはするのだけど、光と影を駆使した演出は変わらないし、それになんと言っても爽やかだわ。もう竹内涼真さんの爽やかっぷりが全編を貫いていて、ドロドロした物語のハズなのに妙に清々しいっていう。  そしてこれは爽やかキレイな三木孝浩監督作品に共通する意外な特徴なのだけれど、悪役が本当にイヤ~な空気を漂わせてるのよね。ヤクザとか出てくるとハンパなくて時に映画のカラーをおかしくしちゃうくらいで。この映画のユースケ・サンタマリアさんと大島さん(児嶋だよ!)が本当にイヤ~なヤツでタレントとしてのイメージに影響出ちゃわない?って心配になっちゃうわ。だからこそのクライマックスではあるのだけど。この映画では木島さん(児嶋だよ!)と塚地さんがお笑い畑の人なワケだけど『TANG』のかまいたちの二人とは全く次元が違う恐ろしい存在感で同じ監督であっちはなんでああなっちゃったかなぁ?って思ったわ。   無駄なく2時間ちょっとにまとまった映画はちょっと甘い印象もあるけれどそこに描かれた希望を肯定的に捉えたいわ。   平日昼間の渋谷のシネコンはアタシみたいな年寄りと10~20代前半の若いコ達に二分されていて、でもその若いコ達がみんなとっても静かに真剣に映画を見ていて、ああ、このコ達がこの映画を真面目に受け止めているってもしかしたら未来も少しは明るいのかもしれないわ、とか思っちゃった。
[映画館(邦画)] 7点(2022-09-08 20:51:43)(良:1票)
845.  秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE3 ~http://鷹の爪.jp は永遠に~ 《ネタバレ》 
夜中にやっているのをたまに見たり、あとTOHOシネマズのマナー広告ではお馴染みな「鷹の爪団」ではありますが、ほとんど動かないフラッシュアニメを、わざわざ劇場で見る価値はあるのかいなと、ずーっと思っておりました。いやいやいやいや、これがどうしてなかなか、いや、ハッキリ言えばかなりのもので。登場人物の基本的な知識があるのが大前提ではあるのですが、ほとんど動かないソレが描き出す世界の面白さと意外な感動に、すっかり満足させて頂きました。映画内に広告が挿入されたり、画面右側の予算ゲージが映像の質と連動していたり、もちろん基本バカなのですが、バカがきっちり突き抜けて感動領域にまで到達しちゃうのですから凄いです。時事ネタも色々と散りばめてあり、時代性と言うよりももう少し細かい、即時性が出ているあたり、この動かなさゆえの優位点だなぁと感心しました(一方で大々的に予算を消費してしまう山崎貴@白組のハデなCGも挿入されますが)。物語面では、博士は最初から全部計算していたならば、なんで兵器を行使した時点で無効化するシステムを組み込まなかったの?みたいな疑問は湧きますが、有効である事が大前提であるという科学者としての意地があったと理解しておきましょう。さして動かないフラッシュアニメもまた「CG」、『アバター』がナンボのもんじゃい、日本には『鷹の爪団』がいるわ!とすら思ってしまった六本木の夕方。
[映画館(邦画)] 8点(2010-01-18 17:48:00)(良:1票)
846.  スーサイド・ショップ 《ネタバレ》 
 自殺グッズ専門店を営む一家の物語。冒頭から幾つもの死にっぷりを見せてくれるブラックなアニメ。  陰鬱な世界の中でも際立って陰鬱な一家の中に生まれた次男が変革をもたらしてゆく、というのが主軸になっています。   その中で長女が全裸で踊るシーンがありまして。陰鬱な家庭に生まれて当然の如く陰鬱な少女に育った彼女が、弟の贈り物に胸を躍らせ裸で踊り、その光景を覗き見た少年と友人達もまた性(生)の目覚めに心ときめかせてゆくという。   こう書くと随分と即物的な表現のようにも思えますが、ポイントは長女の姿がかなり醜く描かれているという事。目つきが悪く目の下はくすみ、紫色の唇は突き出していて、体型は樽型。  そんな彼女が生気を取り戻してゆく映像は醜から美へと至るエロティシズムに溢れていて、死の匂いが立ち込める世界から生へと目覚めてゆく流れを見事に表現していると思います。  モノトーンの世界からカラフルでオプティミスティックなラストシーンへと至る映画の中にあって、その長女のダンスシーンはインパクトのあるアクセントとなって大きな存在感を与えています。   表現の多様性において、アニメという分野はまだまだ伸び代があると思うのですが、その可能性は現在、海外のアニメ作品から強く感じられるように思います。こういう様々なカタチがあるからこそ、アニメって楽しいと思うんですよね。
[映画館(字幕)] 8点(2014-02-19 22:20:29)(良:1票)
847.  ブロークン・アロー 《ネタバレ》 
えーと、サマンサ・マシスが華奢で色白過ぎて、とても国立公園の監視員には見えません。どう見てもインドア派なお嬢さん。さて、この頃大量に作られたこのタイプの映画、どうしてもどうせ最後は主役が悪いヤツやっつけてヒロインとめでたしめでたしなんでしょ?と思っちゃうワケなんですけど、実際その通りなので、意外性なし。しかも、仕掛けが大きくなると、どうも「たまたま、運良く」という展開が多くなってしまうのが厳しいです。元祖ジョン・マクレーンは世界一運が悪い男だったのに、その後登場する英雄達はみんな運が良すぎ。
[映画館(字幕)] 5点(2003-12-24 13:43:35)(笑:1票)
848.  6才のボクが、大人になるまで。 《ネタバレ》 
12年かけて撮られたそれはフィクションでありながら、一方で少年と姉の成長と周囲の人々の変化がリアルに刻まれ、観客は虚構とリアリスティックの狭間で不思議な感覚を抱きながら、一人の人間の生に寄り添ってゆきます。   少年が大人になってゆくまでの道のりは波瀾万丈ですが、それは主に大人達の言動の影響によるもの。別れた父親に新しい父親、新しい兄弟、そしてまた離婚。そのたびに環境が変化し、少年と姉は波風にさらされます。  子供はただ大人の都合によって翻弄される、それがとても痛く、創作なのに本気で心配しちゃったりして。特に2人目のダンナの連れ子が可哀想で。あそこまでで描写は終わってしまいますからね。   大きくなるにつれて自分の意思から物事が動くようになって、それが自我が芽生える、大人になるという事、だけどそれが必ずしも上手くいくものではない、親という人間も、その失敗の理由も見えてくる、と。   『ハリー・ポッター』やiPhoneといった時代を映す要素を盛り込んでその生を身近に感じさせてゆく、彼の人生のひとときに触れる映画でした。   ただ、そりゃ12年もかければ当たり前に撮れるモノってのがあるわけで、それは映画のマジックとは別のものですから、映画ってモノの力を意外と信じてなかったりする側面があったりするのかなぁ?という気もしました。その有無を言わさない姿勢に天邪鬼な私としてはちとケチを付けたくなったり。
[映画館(字幕)] 7点(2015-02-12 22:36:07)(良:1票)
849.  ザッツ・エンタテインメントPART2
「がんばれ!ベアーズ」を母と見に行った時に予告で流れていて、母にはかなり刺激されるものがあったようで、私は母に着いてゆくような感じでこの映画を見ました(今考えると私って随分とお母さんっ子だったのかな)。私にとっては、まだ映画ファンになりたての頃に見た映画なので、次々と流れてゆく映像に何らかの感慨がある筈もなく、むしろ細切れ状態な映像よりも本編が見たいよ!って思ったものでした。そこに登場する人々がどれだけ偉大な、ステキな人々なのかを理解するには、20年早かった、というところですね。母はその5年後にこの世を去ってしまいましたが、母が愛していた世界を今は気軽にDVDで触れる事ができます。もう少しだけ当時の映画を見たら、もう一度この映画を見直してみたいですね。きっとこの映画を見た時の母の気持ちに少し近付けるような気がします。
6点(2004-04-09 11:23:22)(良:1票)
850.  大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス 《ネタバレ》 
私が映画館で見た映画の中で記憶に残る最も古い映画。映画館の暗がりの中の、暗い画面に輝くガメラのジェット噴射とギャオスの超音波メス。かなり怖かった印象があるのですが、今見るとワリとヌルい感じです。『バルゴン』で大きく進歩したと思ったら、またちょっと一作目のノリに戻りましたって感じの作品。トンデモ博士の怪獣退治作戦映画ノリが戻ってきましたよって状態で。まあ、少年は一作目の少年に比べたら結果的にタナボタ式とは言え役に立ってますし、ドラマも強欲爺さんが改心する話って事で、なーんにもなかった一作目よりは楽しめます。ギャオスの超音波メスによるヘリコプター真っ二つ、タクシー真っ二つは実寸でのライブの見せ場(ドリフっぽいですが)。でも、大がかりなミニチュアセットは怪獣映画でお馴染みな山中以外は名古屋のみと淋しく、ガメラシリーズの宿命と言えるスケール感のなさがここで決定付けられているようで。怪獣同士がモタモタと、闘っているんだかもつれてるんだかって状態もガメラの負の伝統芸みたいな感じで表れてますし。だけど、こんなガメラでもゴジラよりずっと好きだったんですよね。ガメラはもしかすると予算の関係で弱かったのかもしれないけれど、弱さを見せ、血を流し、ボロボロになりつつ、ギリギリのところで奮闘する姿は応援のしがいがあったのでしょう。ガメラって目に力がないの。どこ見てるかよく判らないような目で。その曖昧な視線が自信のなさみたいに見えて、とてもじゃないけれど強そうには見えなくて(子供を背中に乗せてる時だって目が泳いでるし)、そんなぼやーっとした弱さこそがガメラの魅力、って言ったら言い過ぎかしら? 言い過ぎです。はい。
[ブルーレイ(邦画)] 6点(2010-10-26 22:10:17)(良:1票)
851.  ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 《ネタバレ》 
 予告編の印象から、もっとバカっぽい映画かと思ってたらとても熱く燃える映画でした。   まるで統一感のない魑魅魍魎状態のキャラ達が支離滅裂、ドタバタなところから銀河を守るって共通の目的でぐわーっとまとまってゆく、その熱さ。  アライグマとか木人間とか、ネタにしか思えないじゃないですか。だけどこれがちゃんと熱いの、感動させるの。  主人公にしても、冒頭の母に対する想いがちゃんとクライマックスからラストで回収されて、カセットテープに収録された全編を彩る懐メロの意味にも感動して。   VFXを駆使した燃えるシチュエーションの戦闘シーンもたっぷり、飽きさせるようなヘタな脇道もなく、混ざり物だらけのように見えながらとても純度の高い娯楽映画なのでした。  こういう、作ってる人間が「こういうのがやりたいんだ!」っていうのがハッキリ見えてくる映画はいいなあ。   【追記】4DX版見てきました。やっぱりドッグファイトとの馴染みは最高です。画面に合わせて前後左右にガンガン揺さぶられる状態は臨場感抜群で突入シーンでの盛り上がりがこれ以上無いってくらいな高揚感。一方で格闘シーンなんかは微妙かも。三人称視点のもの1つ1つに衝撃を与えてる状態ってワリと不自然。水や風はそこそこ、光や煙の演出は蛇足っぽく、シャボン玉は上手く画面に合って。でも、何と言っても「泣かせる揺らし」があるのがこの映画での4DXの最大の特徴かも。『スター・ツアーズ』にだって「泣かせる揺らし」ありませんものね。
[映画館(吹替)] 10点(2014-09-14 19:46:45)(良:1票)
852.  ロビン・フッド(2010) 《ネタバレ》 
頭の上のリンゴは?・・・って、そりゃウイリアム・テルだ。ラッセル・クロウの演技がずーっと一本調子でキャラに面白味が欠けているのが大きな難点なのですが、予想していたよりはシンプルな娯楽映画として楽しませて頂きました。リドリーとラッセルで時代モノですよ、って言ったら、それだけでもうヘヴィだ・・・ってカンジですけど、そんなには歴史的背景を語る政治シーンとか続いたりしなくて(あるにはありますが)、物語がどんどんと転がっていって。クライマックスを迎える前のタメがクドい感じはあるものの、悪いヤツをやっつける痛快活劇ってカンジで。CGもそーんなに目立つような使い方はなくて、自然の中で展開するダイナミズム溢れる映像で魅せます。ブランシェット姐様は相変わらずステキだしね。ただ、前世紀の終わり頃に発病したリドリーの『プライベート・ライアン』好き好き病は治らないどころか悪化しちゃってますねぇ。今回は笑っちゃうくらいにロコツで、どれだけ影響を受けてるんだ?っていう。それまでの彼のセンスだけで十分通用すると思うんですけどねぇ。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-26 14:20:21)(笑:1票)
853.  黒い家(1999)
多分、フツーの人が実は恐い、っていう映画だと思うんですけど、全然フツーの人じゃない(暴走演技全開の大竹しのぶと西村雅彦じゃあねぇ)ので、そりゃそうでしょうよ、と納得してしまったり。無名のおばさんが演じた方が恐くなったんじゃないかなぁ。森田監督の作りモノめいた感じが、かなりハズレ気味だと思いました。それでも、「模倣犯」よりは数段マシですが。
[試写会(字幕)] 4点(2003-12-03 12:22:50)(笑:1票)
854.  バイオハザードV リトリビューション 《ネタバレ》 
巻き戻しによって前作のラストシーンに直結してゆく冒頭、前作のファーストシーンを繰り返す偽の渋谷のシミュレーションシーン。アリスが巡ってきた旅が、果たして本当だったのか幻覚であったのか(創作であったのか)、そしてその現実あるいは幻はアリスが見たのか、それとも他の誰か(たとえば観客自身)が見たものなのか。これまでの作品世界を不確実で曖昧な意識下に広がるものとして捉えた視点はとても刺激的で良かったと思います。『バイオハザード』という映画作品を、元のゲーム作品まで含めてメタ化してみせたような感じで。だけど、肝心の映画そのものは最早ネタも尽きて袋小路に向ってダラダラと進行しているようで。『エイリアン2』及び『4』からの安直な流用を軸として、限定されたキャラクターのみで展開する状態は、ひたすら内向きに矮小化してゆくばかりに思えてしまいます。この作品における世界はもはや両手の指に足りる程度の数のキャラクターのみで動いている訳で、そこには文明の終焉の恐怖や哀惜もなく、尽きる事の無き遊びが繰り返されるばかりのようで。その不確実で曖昧な世界において、ただ肉体の運動が実存を想起させる、みたいなアクション映画であるならば良かったんですけどねぇ、それにはもうちょっとアクションをキチンと見せてくれなくちゃねぇ。フェティズムが絶対的に足らんのかなぁ。この監督じゃあ仕方ない、って言わなくちゃならないのはツラいのよ。
[映画館(字幕)] 5点(2012-09-19 20:31:25)(良:1票)
855.  関ヶ原 《ネタバレ》 
 例えるなら豪華な素材をいっぱい使ったフルコースを5mm長に刻んでまとめてかき混ぜてスプーンでかっ込むような映画。風情も味わいも何もあったもんじゃない、っていう。   テンポのいい会話劇というのは原田監督の真骨頂な訳ですが、これはテンポいいとかいうレベルじゃなくて、もう役者さん達が必死に大量のセリフを消化しているような状態で。『シン・ゴジラ』が上手くやってたんで、じゃあコレも、って感じ? だけど方言やら発声法やら時代の違いやらで聞き取りづらいったらありゃしない。  その上、エピソードがひたすら点で描かれ、大勢の登場人物の言動がコマ切れになって散りばめられて、だけどそれが1つの作品として大きなうねりになってゆかない、バラバラな印象のままに終わってしまうような感じで。登場人物ごとの流れがちっとも存在していなくて、唐突に変化してゆくものばかり。  それは主人公なハズの石田三成にまで及びます。三成がどのように考え、思い、戦いに臨み、敗北していったのか、その流れがちゃんとしてない訳で、そこくらいはちゃんとすべきだったんじゃないかと思うんですけどねぇ。信念に従って行動した上で、みたいには見えなくて、イライラした上でバタバタして負けちゃった、みたいな。  唯一、役所広司の家康だけは面白味のあるキャラで、そこだけはある程度余裕を持って描いていたような感じで。でも、あの体型であの顔はアンバランスよね。   合戦シーンはひたすら混沌としていて、戦況がどのように動いてゆくのかが判るようなものではなくて。主要人物の誰がどうなった、それだけ。あとはどっちがどっちの軍勢やら、って混戦があっちこっちでバタバタしていて(三成の軍だけは旗で明確ですが)、6時間で決したという、その戦いの流れが見えず、いちばんキモの部分が肩透かし状態。   天下分け目の関ヶ原、それが日本という国においてどれだけ意味のある戦いであったのか、そういうところにはあまり興味のない映画だったみたい。原田監督作の常でキャスト&スタッフが日本語と英語で併記されますが、海外の人に見せる以前に、日本人が見て、コレ、どうなのよ?って感じがします。
[映画館(邦画)] 4点(2017-08-30 15:05:40)(良:1票)
856.  blue
長回しが多く総カット数は200カットほど、だけどカメラがめまぐるしく動きを追うとかではなくて、あくまで固定ショットとゆったりとした移動ショット。自然光が主体のライティング、音楽も殆ど流れない、静かな静かな映画。リアクションがヒジョーに薄くて、でも心はいっぱい揺れ動いているという難しい役を、市川実日子嬢がとってもいい感じに演じています。高校3年の夏の時間、同性への恋や、猜疑心、満たされない心、孤独感、自分に代わって自己を表現してくれるもの。とても繊細なひとときを、映画はじっくり、そして美しく描いてゆきます。何もかも全てが最小限に抑えられた表現の中から浮かび上がってくるのは、とっても今の日本的な存在感。どこの国のものでもない、日本の映画の感覚。日本の娯楽作品が旧態依然としたものか、ハリウッドを意識し過ぎたもの、そしてテレビドラマの延長のようなものが主流となっている中、ミニシアター系の日本映画の中からは、着実に新しい、今の日本映画が生み出されています。数多の映画の中から自分にとって輝く一編を探し出すのは容易ではありませんが、この映画にはそんな映画に出会えた悦び(決して劇的ではなくて、じんわりとした)がありました。
[DVD(邦画)] 8点(2006-09-03 01:13:58)(良:1票)
857.  私たちの幸せな時間 《ネタバレ》 
カン・ドンウォンとイ・ナヨンという、私が韓流スターの中でも最もキレイだと思う男女スターを並べたこの映画、なんとなく顔立ちが似てる二人(目に力があるところが特に)を起用した理由というのが、映画を見てると「ああ、なるほど」と。境遇こそ違えど内に秘めた部分は似ている二人がお互いに自己の姿を重ねてゆくところがカギで、ガラス越しに二人の顔が重なるという判り易いショットが繰り返されるので、似ていてこそですね。シリアスで暗い映画です。笑いどころはほんの少し。死刑囚に面会にゆく物語ですから、結末は最初から判っているようなもの。自殺未遂を繰り返すヒロインと死刑囚とが互いに徐々に心を開き、それによって明らかになってゆく、二人がそれぞれに持つ心の中の闇、その重いこと。それゆえに一緒の時間を過ごす間のほのかなやさしさが心に沁みます。ただ、チラリと色気を出して死刑制度に反対するような政治色を織り込んでしまった点がひっかかります。その場合、死刑囚ユンスの設定はそれを問うのにとてもではありませんがフェアではありません。創作である上、物語上の真実が彼にひたすら同情を抱かせるように設定されているのですから。そういう映画の成り立ち様に少々醒めてしまったのは残念ですが、陰影を駆使した照明に落ち着いた構図のシネスコ画面、そしてなんと言ってもメイン二人の演技にすっかり魅せられました。アイドルのような存在だった二人がこれだけの深みを見せる韓国映画は今、かなり成熟してきているのかもしれません。
[試写会(字幕)] 7点(2007-04-28 00:07:15)(良:1票)
858.  無限の住人 《ネタバレ》 
 ひたすら杉咲花の映画って感じで、彼女の表情を捉え続けるカメラが良かったです。彼女の真っ直ぐな瞳と周囲から異彩を放つ佇まいが目に焼き付きます。   キムタクは彼女と対比させるために、なんだか汚らしく血みどろで、損な役回りではありますが、それはそれで趣があって。  福士蒼汰はどうしても演技がつまらないのですが、アクションは頑張っていました。戸田恵梨香は設定ほどには弾んでなくて、いい時と悪い時で言うと残念ながら今回は悪い時の戸田恵梨香だったかなぁ。彼女はスタッフのウデに因るのか、作品によって印象が極端にころころ変わっちゃう。   そして今回は丁寧な方の三池崇史。なので良い画がいっぱいあって、特に光と影のコントラストを強調した画作りに、これはなかなか、って。でも、その丁寧さが仇になったのか、会話部分の尺が長くて、会話→アクション→会話→アクションのサイクルが延々と繰り返され、最初は情感を味わえたものの、段々と苦痛になっていって、もう少しテンポアップしてくんないかなぁ、と。  また、アクションシーンにしても、敵の圧倒的な数を相手にする、っていうのがやり過ぎ状態で、ただひたすら敵を倒すだけの状態に尺を取られ過ぎ。物語に結び付いてゆかないアクションのインフレ状態が映画の進行を停滞させちゃってます。  物語は後半になるに従って、単純な仇討ちだけではない複雑な構造になっていって、明快さを欠く感じになって。市原隼人など、映画の流れの中にはジャマな存在なんじゃないかとすら思いました。   もう少しキャラクターとエピソードが整理されて尺も15分くらい短くなっていたら、もっともっと楽しめたんじゃないかと思います。
[映画館(邦画)] 6点(2017-05-04 21:39:44)(良:1票)
859.  しんぼる 《ネタバレ》 
白い部屋の方はベタで面白かったですが、ルチャはネタフリ長過ぎだなぁ。中国やロシアももう少し先に振っておくべきだったかも。思考による行動が結果をもたらし、更なる思考を生み、やがて他者への影響を生んでゆく。これが相互に影響しあう状態がこの世界であって、もしも神が存在するとすれば、それらの作用を理解した上でただ俯瞰している存在なんではないの?みたいな事を考えました。でも、ここでその作用を生むものとしてシンボライズされているものはモノリスではなくってチンコ。んー、チンコだけでは物事は始まらないでしょ。チンコいじってるだけで世界は変わらんのでないの?と思ったところで気付きました。そうか、だからこれは松本人志の究極の「オナニー映画」なんだ、と。お粗末様でした。
[映画館(邦画)] 7点(2009-09-17 17:49:21)(良:1票)
860.  グリーン・ホーネット 《ネタバレ》 
古い古い原作ながら、お金持ちの社長がヒーローとか、偉大だった父親との確執とか、ヒーローものとしてのネタ的にはかなり出遅れてやってきたシロモノのようにも感じます。だけど、社長がバカと言うか単細胞的な人間であるがゆえに、グダグダとつまらない苦悩をしたりせず、「悪」と「正義」という単純なワードに突き動かされてゆくような感じで。最近の、嗜虐趣味を露悪的に披露しながら絶対的な正義も英雄もないと叫んでみせる、却って幼稚(中二病的?)じゃない?ってアメコミヒーローものが幅を効かせてウンザリしている中で、久しぶりにヒーローにスッキリさせて頂きました。「悪いヤツは悪い!正義は勝つ!」それがヒーローにはなれない現実の中でヒーローものに求められるごくごく当たり前のカタチじゃないかなぁ。「正義」に目覚めるエピソードが足らない、動機が弱い気はしましたが、金持ちだけどダサい主人公が、強いけどちょっとオタクな中国人の力を借りてヒーローとなってゆく姿は、様々なヒーローものの主人公の中でも親しみをもって見られました。ラストのキャメロン・ディアズとのドタバタもヒーローものとしてカッコ良くオチてないあたりがイイ感じで。映像的には3Dの効果はアクションシーンの一部とエンドクレジット以外はイマイチでしたが、マルチ画面になって、次々増えるフレームの3D感がバラバラになってゆくって趣向は挑発的でワクワクしました。それにしてもカトーはかつてブルース・リーが演じた『グリーン・ホーネット』のカトーに、『ピンクパンサー』シリーズのカトー(ケイトー)が激しく混じっちゃってる状態でしたが、あれ、絶対ワザとですよね。ご主人様と部屋の中で大乱闘って。
[映画館(字幕)] 7点(2011-01-23 16:00:08)(良:1票)

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