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161.  奇跡の人(1962)
 かの有名なケラー女史の幼少時を戯曲化したウィリアム・ギブスンの原作を、舞台版でも監督だったアーサー・ペンが映画化し、ギブスン自身が脚色したのが本作。アニー・サリヴァンに扮したアン・バンクロフト、ヘレンに扮したパティ・デュークは舞台版からそのまんまキャスティング。だから当然二人の呼吸はピッタリ合っており絶妙。何と言っても勝因は間違いなくコノ御両人だろう。オスカーW受賞も納得!!舞台が限定され、展開も舞台劇っぽいのは先述の理由からも無理からぬトコロではあるが、そんな不満も二人の凄まじい存在感漲る演技のぶつかり合いの前には吹き飛んでしまう。パティの16歳でのオスカー助演女優賞は1973年に9歳のテイタム・オニール(「ペーパー・ムーン」)に破られるまでの最年少記録だった。因みに1979年にパティはリメイク版にも出演し、何とアニー・サリヴァンを演じている。何か「奇跡の人」に女優生命の全てを吸い取られたかのようなパティ・デュークに敬意を表し…8点。
8点(2003-02-21 06:01:04)(良:1票)
162.  明日に向って撃て!
 何と言ってもロイ・ヒル監督の洒脱で小粋な演出が圧倒的に光る!この当時の他の西部劇ときたら、マカロニ・ウェスタンの影響を逆に受けたような残酷で暗いヤツばっかりで閉口していたんだから…!ウィリアム・ゴールドマンの練り込まれた脚本、コンラッド・ホールの鮮やかなカメラワーク、バート・バカラックの流麗な音楽、ニューマンとレッドフォードのユーモラスな遣り取り、どれを取っても一級品!!まぁ、史実のブッチとサンダンスは確かにケチな小悪党だったかもしれないけど、リアルにそのまま描けば良いってもんじゃあないだろ?悪党の末路が惨めなのは言わば自業自得なんだが、敢えて一斉射撃で蜂の巣にされる寸前でストップ・モーションにしたことで最後まで殺伐とせず、ペーソス溢れる青春ウェスタンの傑作へ昇華したと言える。こういうのを”センス”って言うんだよね~♪
9点(2003-01-19 00:52:04)(良:1票)
163.  戦艦バウンティ号の叛乱 《ネタバレ》 
1787年に起こった英海軍史上に名高い実話を基にMGM(アーヴィング・サルバーグ)が最初の映画化を果たした海洋劇の佳作。原題は「バウンティ号の叛乱」だが、戦前の本邦初公開時には御法度だった”叛乱”部分を大幅にカット、邦題も「南海征服」とされて単なるタヒチ冒険モノの如くにされてしまった。本サイト登録時には一応この公開邦題に従ったが、私が観たのは勿論ノーカット版なので誤解なきように。さて、後に二回もリメイクされるだけあって筋立てだけでも充分に面白い内容なのだが、今回のフランク・ロイド版が最優秀なのは出航前の船員徴集から船荷の積み込み、マストに登って出帆の手順などといったディテールを実にテンポ良く提示している点にある。そうしたディテールの積み重ねが、ブライ船長による過剰に残酷な船員への処罰やそれを行き過ぎと嫌悪するクリスチャンの心情を絵空事にしない説得力を生む。タヒチまでの道中、冷酷無残なブライの性格が徐々に暴かれてゆくと共に船内の空気が一触即発となっていく過程も実にスリリングである。何と言っても怪優チャールズ・ロートンの凄まじい存在感溢れるブライ役の演技が物語全体を牽引しており正に圧巻。リメイク作でのブライ役(トレヴァー・ハワード、アンソニー・ホプキンス)にはロートンの持つネチっこさ、漲るパワーが絶望的に不足していた。惜しむらくはタヒチに着いてからテンポが急落し、クリスチャン&バイアムが現地の娘とダラダラ恋する辺りの退屈さ。こんな安っぽい大甘メロドラマみたいなシーンはとっとと端折って叛乱場面に行けばグッと締まったと思うが。しかし叛乱が起こってからはキビキビと凄まじい馬力であり、当時の日本軍が慌てて検閲カットしたのも無理はないと思わせるインパクト。ブライが悪運強く生き延びて執念深く追跡に戻るくだりや軍事法廷でバイアムらが裁かれる場面などは明らかに欲張り過ぎて蛇足の印象が強いので評価も若干割り引き。よって8点。(ヒゲなし)ゲイブルはそう悪くないが、バイアム役フランチョット・トーンはオイシイ役の割にもう一つ。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-06-28 00:55:59)(良:1票)
164.  ゴースト/ニューヨークの幻
 ライチャスブラザーズの「アンチェインドメロディー」と霊媒師オダ・メイ役のウーピーの好演がなかったら、たぶん…つまらなかったんじゃ?何かと「オールウェイズ」と比較されがちだけど、個人的にはマァ、「五十歩を以て百歩を笑うが如し」て感じ。
5点(2002-12-24 02:29:46)(良:1票)
165.  アスファルト・ジャングル 《ネタバレ》 
ジョン・ヒューストンによる犯罪映画の佳作。周到に練られたハズの強盗計画が様々な思惑が絡み合った末に呆気なく水泡に帰す、というヒューストン十八番のストーリーがモノクロ画面の中、実に快調なテンポでスリリングに展開する。冒頭の面通し場面などは間違いなく「ユージュアル・サスペクツ」辺りに影響を与えていると思う。この手の作品は(仏のフィルム・ノワールも含め)枚挙に暇がないくらいに量産されて今日に至るが、詰まるトコロ名画のステイタスを獲得できた僅かな作品群に共通するのは描写の緻密さとキャラクターの活写である。本作を例に採れば、並みのカントクなら多彩な登場人物全員を捌くのは到底無理で精々ディックスとドク辺り止まりだっただろう。しかし流石はヒューストンだけあって弁護士エメリックや運転手ガス、金庫破りルイに競馬ノミ屋コビー、ハーディ署長に汚職警部補ディトリックに至るまで徹底的に人物像を掘り下げて物語に深みと厚みを加えることに成功している。ただ…漢(おとこ)を描くことには天下一品のヒューストンだが、女性を描くのは余り得意ではないようでドールとアンジェラは(役者のせいもあろうが)凡演。さしものモンローもこの時点では単なる添え物だ。ココが弱点と云えば弱点だが、元来が女性メインのストーリーではないので或る意味仕方が無いかも。場面的には宝石店襲撃シーンも勿論イイが、矢張りディックスがドクと交錯しつつボブを射殺する場面の鮮やかなショットが見事。原作はW・R・バーネットの同名小説だが、人物造形から何から映画の方が圧倒的に優秀。よって9点。
9点(2004-04-16 03:37:16)(良:1票)
166.  マジック 《ネタバレ》 
この得点は全てアン・マーグレットの豊満な*@§♀に捧げます…。いやぁ~ええもん見せてもらいましたわ、ヘッヘッヘッヘ目の保養。他にも腹話術師と人形の葛藤やら何やらテンコ盛りでお腹一杯になれまっせ。朝吉さま、折角の新規登録なのにイキナリ下品な中年オヤジ風コメントでゴメンナサイw。
7点(2004-11-04 02:12:43)(笑:1票)
167.  愛という名の疑惑
 ハッハッハッハ~!!何だコリャ?ヒッチ先生の傑作「めまい」にあやかろうとでもしたのかい??上っ面だけ真似てもヒッチ先生の足下にも及ばぬわ!しっかし、余りにも酔っぱらいに好都合過ぎるヒロインの病気ってぶっちゃけコノ映画の捏造だろ?R・ギアの主人公もフロイトの「夢判断」くらい精神分析医なら基本中の基本だろうに…(絶句)。てかヴァカ??妹ジュリアとクッキリ明暗を分けた哀れなエリック・ロバーツに…4点。
4点(2003-08-28 02:18:42)(良:1票)
168.  レイジング・ブル
 低評価の方々は恐らくデ・ニーロ演じるジェイクに感情移入できなかったのが原因と思われる。確かに共感を抱くには余りに品性下劣でどうしようもない俗物に思える。が、「タクシードライバー」を踏まえて観れば、スコセッシ&デ・ニーロの確信犯ぶりも理解できようと言うものだ。つまり、ハナっからジェイクに共感を抱かせる積もりなど無かった、という訳。驚異的なウェイト・コントロールで作品を引っ張るデ・ニーロのオスカー(主演男優賞)演技は正にカメレオン・アクターの面目躍如!!これだけ反感を抱かせる彼の演技力にはただただ敬服あるのみ。チャンピオンの光と影を実話ネタでコレほど鮮やかに描いた映画はチョット無いと思う。モノクロームの持つ一種独特の艶を活かした拳闘場面の迫力も圧巻。
8点(2003-01-30 03:57:54)(良:1票)
169.  エクソシスト 《ネタバレ》 
どなたも指摘してない様なので、敢えて一言…。何故古代バビロニア(現イラク)の悪魔が遥々USAまで出張するのか?キリスト教(カトリック)の神父が派遣されても、そりゃ悪魔払いに失敗するわけだ、テンで管轄外だし。既に今日を見越したフセインの呪いが?ナ訳ないか…。カラスは兎も角、メリンはリーガンに憑いているのがパズスだと気付いたハズなんだがナァ~。そういやマイク・オールドフィールドって今何してんだろ?「チューブラー・ベルズ」に6点。
6点(2002-12-17 01:29:36)(笑:1票)
170.  無法松の一生(1958)
 このセルフ・リメイク版も名作なんだけど…矢張り1943年のオリジナル版には残念ながら遠く及ばない。阪東妻三郎の豪快で奔放な松五郎を観た後では如何に三船が熱演しようと所詮二番煎じの域に止まる。ただ、オリジナル版は戦時中の検閲カットに加え、GHQからのカットも加わってズタボロにされたものなので、コレ(58年版)なくしてはカットされた箇所も分からない有様なのも又事実。どちらも名匠・稲垣浩が同じカット割りで監督しているのが大きかった。監督も二度の検閲カットが余程無念だったのだろう。小津安二郎監督の悪口を言うつもりはないが、彼の戦前・戦中の監督作が殆ど無事だったのは、ぶっちゃけた話フィルムが擦り切れるまでロングランされる程の人気作ではなかったため、松竹大船の倉庫に保管されて埃を被っていたお陰。これも又皮肉な事実。「名作」って何だろう?
8点(2003-01-19 22:52:44)(良:1票)
171.  マジンガーZ対暗黒大将軍 《ネタバレ》 
公開から30余年が経過しようとしているが、今も尚コレを超えるインパクトを有したロボットアニメは(まぁつぶさに全てのアニメを検証した訳ではないけどサ)他にあるまい。それほどまでに本作におけるマジンガーZとグレートマジンガーの交代劇は当時の児童にとって筆舌に尽くし難い衝撃的なイベントであったのだ!まずもって主役たるロボットをよくぞここまで容赦なくサディスティックに痛めつけ満身創痍にしたものだ、とスタッフの英断には感心させられる。TV放映中にも多少のピンチは幾度かあったものの、敗北や死を予感させるような危機に甲児が見舞われたことなどほぼ皆無だっただけに観る者の不安・焦燥はいかばかりかご想像いただけるかと思う。だからこそ雷鳴と共に颯爽と登場し、絶体絶命のZを救援するグレートの勇姿と縦横無尽・快刀乱麻の大活躍にも尋常ではないカタルシスが生まれる。TV版最終回のようにZが戦闘獣にやられっ放しのまま終わるのではなく、反撃に転じつつグレートに借りた剣で敵の司令官にとどめを刺すラストも配慮が見られ嬉しい。惜しむらくはグレートの操縦者・剣鉄也のCVがニヒルな低音ボイス野田圭一ではなくチョット甲高い声の田中(デビルマン)亮一だったことと、タイトルロールたる暗黒大将軍が対決など一切せず、単なる顔見せに過ぎないばかりか「余の機械獣を云々」とチョンボ発言まで犯していたこと。併せて2点マイナス。でも、理屈が先走りロボットの活躍そっちのけで小難しい鬱な人間ドラマに傾倒しがちな昨今の妙なロボットアニメなんかよりゃ、遥かに血沸き肉踊らせる”熱い”傑作であり、後代に与えたその影響は甚大であるコトは疑う余地のない事実。
[ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-30 02:48:51)(良:1票)
172.  ゴジラの逆襲
 前作のヒットで気を良くした東宝が無理矢理続編制作を決定した出発点がそもそもの間違い。テーマよりもビジネス優先で面白くなるハズがないだろう。シリーズ化なんて考えなかったからこそ、オキシジェン・デストロイヤーなんて裏技使ってゴジラを殺したってのに…。前作ラストの山根博士のモノローグはシリーズ化の布石などでは断じてなく、核兵器開発に狂奔する米ソへの警鐘だったのだが。何の脈絡もなく唐突に登場するゴジラ(とアンギラス)には失望。登場人物とゴジラのストーリーも水と油の如く遊離している。特に氷に埋めるシーンのクドさは「大概にせんかい!」と言いたくなる程。最も致命的なのは「伊福部サウンド」の欠如。円谷英二氏もさぞや不本意だったことだろう。
5点(2002-12-27 12:08:27)(良:1票)
173.  ファイナルファンタジー
現時点ではオールCGで一本の映画を作るのにコストパフォーマンスが余りに高過ぎてリスクの割に見返りが少ない、というコトなんだろう。かなり酷評されているようだが、ストーリー等は兎も角、本作が提示した方法論まで斬って捨てるには惜しい気もする。要はCGグラフィッカーの裾野が広がりを見せ製作が低コストになりさえすれば、映画製作に新たな一分野を形成するだけのポテンシャルを秘めているのでは、と個人的には感じる。役者のコンディション・スケジュール・ギャラ等々の問題にあれこれ煩わされずに自由にイメージに沿ったキャスティングが出来れば…というのは映画製作に携わった者なら一度ならず思うコトだろうから。何ともあざといタイトルでファンをコケにしたスクウェアを擁護する気は微塵も無いが、映画の一つの方法論を逸早く提示したチャレンジャー精神は一応評価したいと思う。5点。
5点(2003-12-04 18:29:37)(良:1票)
174.  少林サッカー
 ま、一言で言えば「コテコテの香港CG大洪水コメディ」…かな。CGの炸裂しまくったサッカー描写の下らない大袈裟さはハッタリ臭いものの、ハリウッド製CG映画よりは遙かに好感が持てる。ただ、かなりテンポが悪いので抱腹絶倒って程じゃないし、確かにエグイ暴力シーンも多いしで相当損している。特に前半部のもたつきはクドイ割りに笑えないギャグが多過ぎて辟易した。サッカーの試合に入ってからは結構持ち直したと思うが、兄弟弟子一人一人に見せ場を用意して意外にキャラが立っていたのが勝因。しかし…サッカーって少なくとも試合開始時には11人いなきゃダメじゃないのか?香港ではそういうルールなのか知らないけど、作品の根幹に関わるだけに大いに疑問が残った。
6点(2003-01-23 02:12:31)(良:1票)
175.  パンダ・コパンダ
確か…「地球攻撃命令ゴジラ対ガイガン」の同時上映だったと記憶している。お目当ての「ー対ガイガン」が余りにサムい出来だったのに対し、本作の優れた出来映えに幼心にも感心したような気が…。今思えば、東映動画をやめて独立した直後の高畑勲・宮崎駿・大塚康生ら精鋭によるフレッシュ極まりない作品であったコトに気付かされる。特に熊倉一郎演じるパパンダのキャラ造形は秀逸で、間違いなく後年のトトロのプロトタイプだろう。コレだけの面子が揃いながら当時のパンダブームに迎合した安易さは当然の如く減点対象だが、水森亜土の”パンダコパンダ、コパンダ♪”の主題歌に幼少時のノスタルジーを掻き立てられつつ…オマケして7点かな。
7点(2003-08-01 00:34:05)(良:1票)
176.  肉体の悪魔(1947)
トリュフォーが「カイエ・デュ・シネマ」で本作を酷評した具体的内容は寡聞にして知らない。が、個人的には充分に名作たる風格を備えていると思う。キャスティングにあたり、オータン=ララは作者ラディゲを投影させた主人公に当時25歳の貴公子ジェラール・フィリップを選んだ。早熟の天才レイモン・ラディゲが原作を執筆した当時の年齢は18歳(!)と言われており、明らかに老け過ぎている。が、ソレは飽くまで外見上の問題だ。先述した通り、ラディゲは天才、間違いなく正真正銘の天才である。あのコクトーが生涯彼の影響を受け続けた、と告白した程の!リアリズムを重視してそんじょそこらのニキビ面の高校生に演じさせようとしても到底演じきれるハズがない。私がオータン=ララだったとしても当時最高の美男俳優を以てしか映画化できなかったであろう。加えてマルト役のミシュリーヌ・プレールに必要なのは”年下の青年を誘惑する美貌やお色気”などでは断じてなかった。例え若気の至りと分かっていても男性が思わず守りたくなる儚さを滲ませた気品ある女性である。キャスティングは完璧だったのだ。…当時としては。しかし、如何に稀代の美男子フィリップを以てしても原作の驚異的な(20歳頃に読み、世に天才はいるのだ!と絶望的に打ちのめされた)インパクトには及ばなかった。もうコレは監督や俳優をあれこれ非難するレベルではない。夭逝の天才の手に成る原作が余りにも高踏に過ぎたのであろう。仏映画最高のスタッフ&キャストで臨んだ本作でも無理だったのだ。最早この原作を映画が凌駕する可能性は未来永劫ないと個人的には思う。心理描写にCGやSFXは一切通用しないのだから…。
8点(2003-12-22 23:23:57)(良:1票)
177.  フック
ジェームズ・バリーへの冒涜としか言い様が無い。酷評されて当然!
4点(2003-12-31 18:19:28)(良:1票)
178.  タクシードライバー(1976)
 1976年カンヌ映画祭グランプリに輝いたことでスコセッシとデ・ニーロの名を一躍世界に轟かせた異色の問題作。確かにコレは細かなストーリーを追う映画じゃあナイ。その真価はベトナムの傷跡を終結(1975年)直後に活写したタイムリーな見事さにあると思う。しかもベトナムの戦争描写一切ナシに!その一点だけ取ってもオリバー・ストーンの「プラトーン」なんかよりゃ遙かに秀抜。所謂「ニューシネマ」群とも決定的に違うのは「ジリ貧のまま無様な死を迎える」という70年代不景気映画の通過儀礼みたいなワンパターンな幕切れをいとも軽々と飛び超えている点だろう。コレも或る意味痛快。トラヴィスに共感出来ようと出来まいとコノ作品の持つ価値には何ら関係無い。トラヴィスを通して「コイツは…この男は何かヤバイっていうかヤバ過ぎ!!」というメッセージを受け取るごく普通の感性さえあれば充分だ。デ・ニーロの演技と狂気の境を行き来する存在感は(デートでポルノ映画に誘おうが、モヒカン刈りになろうが、売春宿でドンパチやろうが)彼への好悪の感情を超えて、ただひたすら観る者を圧倒する。晦渋に陥る愚を犯さず、テーマを貫徹させたスコセッシの鮮やかな手腕にも拍手を贈りたい。ただ…余りにも重苦しい作風にエンターテインメントとして考えると「王道」から外れ過ぎており、個人的にマイナス1点。
9点(2003-01-25 04:25:22)(良:1票)
179.  波止場(1954)
 …皆さんエラク手厳しいですな。ブランドは確かに若いですが、それ以上に自然体の演技にも注目して欲しいと思います。60~70年代から現在に至るまで役に凝り過ぎて作品をスポイルし続けるコトになるとは夢にも感じさせない繊細な演技。特に鳩舎の前で見せる優しさに満ちた表情は絶品。ま、仮にオーヴァーアクトしようとしてもエリア・カザンが絶対に許さなかったでしょうが。脇を固めるリー・J・コッブ、カール・マルデン、ロッド・スタイガーも実に上手いと唸らされます。ボリス・カウフマンのカメラワークも素晴らしいモノクローム映像です。ストーリーは組合の腐敗を暴露するモノで当時の背景を念頭に入れた上で観ないと日本人には分かり辛いかもしれません。私はカザン演出の力強さが好きなので…8点。
8点(2003-03-07 11:44:59)(良:1票)
180.  フル・モンティ
 チトお下劣なれど着想の奇抜さでは近作中でもズバ抜けていると感心させられた。新人離れしたカッタネオ監督&サイモン・ボーフォイのシナリオは実に天晴れ!マッチョな若い男がナルシー入ってストリップやるだけなら悪趣味過ぎて絶対に受け付けないトコロだが、しがないプーのオッサンたちが妙に前向きなのが、えも言われぬペーソスを醸し出して秀逸。オッサンたち一人一人の情けなくも愛すべきキャラ造形が上手く、下品にエスカレートし過ぎない節度をギリギリ保っていたと思う。カーライルも上手いが、個人的にはジェラルド役のトム・ウィルキンソン、太っちょデイブ役のマーク・アディの方がイイ味出しまくって好印象。ヤなコトがあった時に観たい優しさに癒される本作には、そのオリジナリティを買って…8点。
8点(2003-08-16 21:31:43)(良:1票)

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