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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1246
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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1.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [後編] 永遠の物語 《ネタバレ》 
前編では「人助け」という目的意識の持ち方がいったん否定されたようだったが、この後編で魔女退治が魔獣退治に変化した時点ではそれが復活し、やっと魔法少女が本来の「正義の味方」として働ける時が来たように見えている。敗北(死)の恐れもあるのは依然としてシビアな世界であり、また前編で提示されていた問題も解決されたようには見えないが、少なくとも彼女らが希望を持って前向きに、正しいことを求める姿勢でいられることは保証されている。さらに杏子が望んだような「最後に愛と勇気が勝つストーリー」も期待できなくはないのであり、これはこれで極めて現実的なハッピーエンドと受け取れる。  ところで解説本で、まどか役の声優が“まどかが救ったのは魔法少女だけ”と言っていたのを見て少し驚いた。そもそも魔法少女を救うこと自体が人助けに専念させるためだろうし、また本来この手のお話は視聴者を主人公に同一化させ、“自分もこうありたい”と願うよう仕向けるものだったはずで、このアニメも魔法少女ではなく普通の人間が見るのだから、ここは普通の人間向けに拡大解釈すべきところだろう。 劇中では「(まどかは)いつだって正しくあろうとして頑張ってる。子どもとしてはもう合格だ」という台詞があったが、正しくあろうとしないのが大人というわけでもない。たとえ現実に裏切られても希望を捨てず、生きている限り正しくあろうとするのが人の道であり、それが決して絶望で報われることのないよう、まどかはこの宇宙に遍在して人々を見守ってくれている。その恩恵を受けるのは、劇中世界では魔法少女限定なのかも知れないが、われわれのいる現実世界では魔法少女が存在しない代わりに、希望を捨てず正しいものを志向する全ての人にその資格があると解される。この映画からは“まどかがいつもお前らを見ている、恥ずかしくないように生きろ”というメッセージが感じられ、そう思ってこそ一介の少女が人であることを棄てて神になったことの意味が心に染みるというものである。  なおこの前後編の範囲では、「希望」の求める内容が主に「人助け」だったように見えているが、それは魔法少女というものが本質的に「正義の味方」であるとの前提だからと思われる。しかし同じく「希望」でも「自分自身の(ための)祈り」は必ずしも満たされていないところがあったようで、これが次回に持ち越しになったのかも知れない。
[DVD(邦画)] 9点(2014-04-21 21:55:39)
2.  ケアニン ~あなたでよかった~ 《ネタバレ》 
水野久美さんがヒロイン役?の映画が上映されるというので見たが、FINAL WARSなどよりよほどいい出演作だった。この人を主人公が彼女扱い(今カノ)していたのは相手が誰でも同じではなく、やはりそもそもが美形の人だからこそそういう発想が出て来るのだと思われる。劇中では施設利用者の若い頃の写真を並べてその人の人生を思う場面があったが、水野さんの昔の写真を出せば皆さん恐れ入るのではないか。舞台挨拶の写真で見る限り、背筋も伸びてお元気そうで他人事ながら嬉しくなる。今後一層のご活躍を期待申し上げたい。  ところで自分としてはこの方面の仕事に関わったことがなく、この映画が実態をどの程度反映しているのかはわからないが、結果として現職の介護職員にエールを送り、またこの道を目指す若者を励まそうとする映画には見える。虐待はないのか、という友人からの問いを主人公が軽く受け流したのは若者らしい反応とも見えたが、あるいは他はどうでも自分は違う、というプライドを込めた対応とも取れる。 また自分には要介護の身内がおらず、こういう施設が理想なのかもわからないが、家庭的な対応の施設を見せることで家族に訴えかける部分もあったようである。ヒロイン?の息子のエピソードはかなり作為的に感じたが、この映画としてはぜひとも必要な登場人物だったのだろうし、終盤に至ればその息子も認知症との向き合い方を体得したということらしい。目の前にいるのが誰だかわからないだけで、人そのものの存在を忘れてしまったわけではないということである。 ほか全ての人にそれぞれの人生があり、最後まで人間として生きているのだといったことは、人間への敬意を忘れるなという意味で、介護の分野にとどまらない一般向けのメッセージにもなっているように思われる。  個別の場面では、個人的には序盤でオレンジの皮をむく場面に和まされたが、人物の動きを止めて観客の意識を集中させる場面も複数あり、軽薄に見えた登場人物の発言が重たく響くところもある。最後に用意されていた落ちも少々わざとらしいが悪くなく、この人らしいきれいな字で書いてあったのが泣けた。どうせ関係者が内輪で盛り上がるだけの映画だろうと思っていたらそういうことでもなく、役者のおかげもあって広く人々に訴える力のある映画になっている。自分としては水野久美さんに引かれて見た形だが、主演俳優の今後にも期待したい。
[映画館(邦画)] 8点(2018-03-17 18:49:25)
3.  拳銃と目玉焼 《ネタバレ》 
ビデオ撮影業を本業としている監督(安田淳一)が徒手空拳で作ったような自主製作映画で、題名からすると格調高い文芸映画のようだが全くそうではない。効率性度外視でこだわって作っただけあって非常にまともなエンターテインメントになっており、素人映画だからと割り引いて見る必要は特に感じない。 内容としては触れ込みどおりの正統派のヒーロー物で、かなり昔の仮面ライダーを意識しているらしい(口が出ているのでライダーマンだが)。正義の味方をオトナの世界でやるとこうなる、というのをまともに見せた感じになっており、結末は文句なしに感動的である。純粋な正義の味方など現実には存在しえず、真の動機は別にある、といった話になっているのも大人向け仕様だが、決して見返りを求めないことだけはヒーローとして外してならない条件である。 ただ一つ苦情をいえば、ラストの後日談はやりすぎである。今回のことは今回の条件のもとでたまたま成り立った奇跡のような話であって、このまま続けてしまえばボロが出るだろうし(すでに出かけている)、また性犯罪対策専門のヒーローになってしまうのも変だろうが、まあ後で恥ずかしい思いをすることにならないよう、ほどほどにやってもらいたい。  ところで出演者はちゃんとした役者に依頼したらしく安心して見ていられる。主人公は完璧な中年男だが黙っていればそれなりに見え、シャイで口下手なところは健さんのようでもある。またこの映画の最大の見どころになっているのがヒロイン【演・沙倉ゆうの】であって、つらい境遇に耐えながらも真心と優しさを失わない女性像がたまらない。外見的にも可憐で可愛らしく、やはりヒーロー物はこういうところで手を抜いてはならないと思わせるものがある。このヒロインと彼氏の若い男(演・矢口恭平)がベッドでキスする場面があったのは憎たらしいが(編集で落ちた)、まあ悪い奴ではなかったようなので許してやる。 なおこの監督が立ち上げた「未来映画社」は次回作となる劇場公開映画「ごはん」を制作中であり、今回のヒロイン役【再掲:沙倉ゆうの】が一転して米づくり農家の主人公を演じるとのことで期待している。現時点での公開予定はよくわからないが、少なくとも予告編はできているので完成するものと信じて待ちたい。
[DVD(邦画)] 8点(2016-01-10 15:17:17)
4.  検事の死命<TVM> 《ネタバレ》 
柚月裕子という作家の同名小説をもとにしたドラマである。地方検察庁が舞台になっており、原作では東北のようだが(作家の現住所が山形市)、このドラマでは周囲の山が群馬県のように見えた(少なくとも高崎市での撮影はあったらしい)。 前半では主人公の検事が刑事部に所属して捜査に当たり、後半では公判部に異動した上で裁判劇になるという構成である。当初は伏せられていた背景事情を、終盤になってからまとめて説明した場面は盛り込み過ぎのようでもあったが、まあそういう意外な展開もあって退屈しない話になっている。主人公が喫煙場所を常に探しているとか、居酒屋の場面など和ませるところもある。  問題の性犯罪(痴漢行為)は映像的にはソフトイメージだが、何度も出る「たかが(迷惑防止)条例違反」という発言によって、逆にもみ消しなど絶対に許されないという方向性が明示されている。一方で、その程度の「たかが条例違反」で犯人の家庭を壊すことまですべきなのか、という問題意識も見えており、これはその点だけみれば確かにそのようにも思われる。しかし逆に、それなら最初からそういうことをしなければいいだけのことで、犯人の償うべき道義的な罪はその分だけ重いということである。 また、犯人が県レベルの地域ボス(名家)の縁者だったことから、地元代議士を動かして地検のトップに圧力をかけるという展開になっている。「たかが条例違反」くらいで上層部に逆らってまで意思を通す動機など主人公にあるのかという気もするが、しかし「たかが条例違反」なのに話を大きくしたのは名家の側の勝手な都合であり、それとは関係なく「たかが条例違反」なりの償い(懲役6か月、ただし実刑)をさせるのが検事の役目ということらしい。 「たかが条例違反」でも、罪は罪として裁かせるという点で一貫しているのはかなり共感できる。被害者が主人公に伝えた最後の一言を聞けば、たとえ少しだけでもそのように思える社会を作ることが本来の目的だろうと思わされる。  なおキャストとしては、志田未来という人は本当に可愛い人だと改めて思い知らされた(先日電撃結婚してしまったが)。また被害者役の竹富聖花さん(当時)が、本来の持ち味を生かしたいい役だったのは他人事ながら嬉しい(感動的だった)。同級生(演・荒井萌)も含めて真の悪人でなかったのは安心した。
[インターネット(邦画)] 7点(2018-10-20 09:46:02)
5.  劇場版 零~ゼロ~ 《ネタバレ》 
ゲームが「原案」、小説版が「原作」であり、この映画は小説の方をもとにしている。原作小説の内容はゲームとかなり違っているようだが、これについては原作者が「あとがき」でちゃんと言い訳している(誰も読まないだろうが)。  映画化に当たっては小説の内容を若干簡略化し、結果として超自然的要素が減少してサスペンス風味が目立つ形になっている。それにしても、あまり長くない映画の割に謎解き部分が込み入りすぎに感じる。全体としては恐らく“呪いをといて、大人になる”というような感じのことが重要なのだろうから(正直よくわからないが)、そこに集中してほかはシンプルにしてもよかったのではないか(個人的には男の登場人物は不要)。 しかし個別の映像表現とか背景音楽の合わせ方は好印象で、問題の美少女が教室内に現れた場面や、聖堂での降臨場面は特に見どころだったかと思う。また映画のために作ったという劇中歌も非常に印象深く、最初の独唱と最後の合唱で曲の印象が違って聞こえるのもいいが、最後の歌がメリーさんの祈りに重なって、その後の巣立ちの場面につながっていくのは少し感動的だった。 この映画を見たのは基本的に男が多かったのだろうが、監督としては普段ホラーを見ないような女の子にも見てもらえるようにしたかったとのことで、ホラーながらもほとんど怖くはなく男目線のエロチックな場面もほぼ皆無であるから、ぜひ女子の皆さんにも見ていただければと思う。  ところで、男子の立場としてはどうしても美少女が多数出演という点を評価してしまうわけだが、文字通りの美少女なのは主演の人くらいで、ほかは単純な美少女という言葉で括れない個性的な面々が揃っている。ミチ役の独特の存在感は当然として、キャスト配列順では下の方にいるカスミ役が意外に目立っていたのも個人的には嬉しい。地味な服装で引き立てられた形の劇中少女の表情には目を引かれるものがあった。 ほかにメリーさんのすっぴん顔(すっぴんに見えるメイク?)は、暗闇の中に美少女の顔が浮かぶ場面と同じくらい衝撃的だった。美形女優といえども美少女にはかなわないという意味?かも知れないが、この女優本人はメリーさんの扮装を喜々としてやっていたとのことで他人事ながら喜ばしい。ほか美保純という人が意外な役柄で、あらかじめ知っていても本人には見えなかった。
[DVD(邦画)] 7点(2016-04-29 08:34:08)
6.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語 《ネタバレ》 
いたいけな少女をシビアな環境に置くという趣向自体は珍しくないのだろうが、このアニメでは劇中世界そのものの苛酷さが半端でない。エンディングでは不安をかき立てるテーマ曲をバックに女の子走りをする少女の姿が痛々しく、劇場版ではこれが前編の最後に1回だけだが、TV版では3話以降これが何度も繰り返されるので心の痛みが次第に増していき、続けて次回を見なければ済まない気にさせられた(劇場版の話ではないが)。  ところで劇場版ではマミさんが魔法少女になった経緯が出ていないのはなぜか不明だが、彼女としてはとりあえず現状を肯定するため「人助け」を当面の目的扱いしていたように見えている。しかし、まどか・さやかがこの点に共鳴したのは入口として明らかに間違っていたらしく、これはマミさんのかなり意図的なミスリードに思われる。その後の展開は、広い意味でのヒーロー物が前提としていた古典的で素朴な「正義の味方」像に対し、現実的で冷淡な認識を容赦なく執拗に突きつけていたように見える。 またこのアニメ独自の問題提起になっているのが希望と絶望の問題である。現実に裏切られたことで当初の希望が反転し、現に希望をもって何かを目指す者を冷笑する人物に変わってしまうのは実社会でも起こりうることだが、さらに劇中では希望が必ず絶望で報われるとまで言い切ることで、登場人物をとりまく世界の救いのなさを印象づけていた。希望と絶望の総和がゼロというのが正しいかはわからないが、これはこれでわれわれのいる現実世界の実態を端的に表現したものと感じられる。 以上、この前編の範囲で見ていると、かつての子どもが現世への失望を経てオトナになり、一度は憧れた「正義の味方」を貶めて格好つけて見せただけのようにも取れる。しかし一方では世評の高い「結界」の表現など、やはりただならぬアニメと感じさせるものはあり、途中経過としてもある程度の点数は付けておかなければならない気になる。  なお後編が字数制限にかかるのでここに書いておくが、個別の魔女退治の場面で特に強烈な印象を残したのは、何といっても青空にひるがえるセーラー服だった。ここでは得体の知れないものへの警戒感と爆笑の衝動が一緒に襲って来る。
[DVD(邦画)] 7点(2014-04-21 21:55:35)
7.  劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命- 《ネタバレ》 
日頃TVを見ないので知らなかったが、3シーズン10年にわたるTVドラマの劇場版ということである。 一見の客として見たところでは、TVドラマっぽい出演者が忙しく立ち回って飽きさせない作りになっている。本筋に関わる話としては主に医師と看護師の結婚話、及び外国へ派遣されるのが誰かの2つで、あとはゲスト出演者や出動場面に起因するエピソードが5個くらい入っている。本筋ドラマが個別エピソードに影響を及ぼしたり、個別エピソードが主要人物の心を変えたりして関連付けができており、またTVドラマ風ではあるが各種の感動場面もある。最後はこの場を去っていった人々も、救急医療で経験を積んだことが別の場所(外科、産婦人科)で生かされたということらしい。 個別エピソードのうち、序盤から衝撃的だったのががん患者の話で、肌は結構若々しく見えるのに突然大吐血したりするのが非常に痛々しい。また11歳で家出した男のエピソードは、小さくまとまりすぎて小噺のようでもあるが、なかなかうまくできた話ではあったと思う。  登場人物では、レギュラーで感じがよかったのは緋山という医師で、本質的なことを真っすぐに言うので人に信頼されるということかと思った。また、すらりと背の高い冴島という看護師(公称169cm)も有能そうで好印象だ(好きだ)が、この人の相手が身長162cm(公称)の男だというのは不満である(役者に恨みはない)。まあその辺は本編ですでに確定していたのだろうから仕方ない。ちなみにキスシーンはなかった。 ほか出演者としては、今回ゲスト出演の山谷花純という人は前から知っていたが、地が可愛いのに普通に可愛い役をやることがあまりない人で、これは本人の役者志向が強いからだろうと思っている(今回は本当に丸坊主にしたらしい)。また馬場ふみかという人は、以前にろくでもない映画でろくでもない役をやっていたのしか見たことがなかったが、最近はこういうまともな役で頑張っていたのだなと少し感心した。ちなみに新木優子さんは今回それほど活躍がなかった感じである。 なお気に入らない点としては主役の男が格好つけ過ぎだということと、重傷者が多数いる中で私的事情でしゃべり始める奴がいることである。脇で黙々と仕事しながらそういうしょうもない話を聞かされている木更津市の消防隊員などはご苦労様なことで、こういう人々が救助活動を地味に支えているのだなという感慨があった。
[映画館(邦画)] 6点(2018-07-28 17:28:19)
8.  劇場版 仮面ライダーウィザード in Magic Land 《ネタバレ》 
TVシリーズは当然見ていない。特にこの映画を見る義理があったわけでもなく、同時上映の戦隊モノを以前に見たのでその関連でということだが、メインキャストのうち3人(白石隼也・奥仲麻琴・戸塚純貴)をこのサイトで人名登録したのが自分だということもあって若干の思い入れはなくもない。うち白石隼也は、映画初出演の「制服サバイガールⅡ」(2008)では最悪の印象を残していたわけだが、さすがにこの段階に至るともう違和感もなく、基本的にはイケメン役者だろうがとぼけた感じも出していて、かなり好感度の高いキャラクターになっていた。ほか凛子ちゃんというのもきりっとして感じのいい人である。 この劇場版では日常を離れた異世界で物語が展開し、単純なTVの拡大版でないのは「劇場版 仮面ライダー555 パラダイス・ロスト」(2003)のようでもある。世界が「マジックランド」になってしまったために主人公の強さが相対的に低落し、TVシリーズを見ていなかった自分としてはもっと普通に格好いいところを見せてもらいたいと当初は思ったが、中盤以降は当然ながら本領発揮していたようで結構だ。ちなみに黒が基調で透明感のある赤という姿は嫌いでない。 ストーリーとしては何だかよくわからないところもあるが、今回の劇中世界では浮いた存在に見えた「ファントム」というものが終盤でちゃんと意味を持つことがわかったのは感心した(感心するまでもなく当然だろうが)。また自分としては、特にエンディング後のしあわせ感のある場面が非常に嬉しかった。登場人物の役名で「マヤの妻」というのがあったのでどこに出たのかと思っていたら、最後になってそういうことだったのか、という意外感がある。「世界を一つ、ブッ壊した甲斐があったな」という台詞が感動的だったといえなくもない。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-19 20:54:32)
9.  劇場版 仮面ライダーW ビギンズ・ナイト 《ネタバレ》 
事情がよくわからないが、もともと「仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010」という一本の映画だったものが、ここでは「仮面ライダーディケイド 完結篇」と「劇場版 仮面ライダーW ビギンズ・ナイト」の2つに分けて登録されているらしい。そうすると最後の「MOVIE大戦2010」はどう扱えばいいのかわからなくなるが、とりあえず両方に属するものとして考えておく(そうしないと話がつながらない)。 「仮面ライダーW」に関しては、TV版を見たことはないが雰囲気はだいたいわかっている。本来は園咲若菜という人物に関心があったのだがこの映画ではほとんど出ておらず、代わりにヒロインが面白カワイイので満足である。また今回の依頼者は「デビルマン」(2004)で強い印象を残す少女役(渋谷飛鳥)だったが、まあしばらく見ない間にすっかりきれいになって、という感じで大変結構だった。 そのほか主人公の男2人も意外に好人物であり、ストーリーもまともなお話ができていて面白い。「ビギンズナイト」で主人公(年長)は悔恨の思いをまっすぐに受け止める決心をしたのだったが、「MOVIE大戦2010」ではそのご褒美のように再会の場面が設定されており、ここでの帽子のエピソードは泣かせるものがある。この出会いはディケイド側から並行世界の観念が導入されたことで可能になったのだろうから、少なくともW側にとっては、このわけのわからない第3部の存在意義は大きいものと思われる(勘違いならすいません)。 劇場版としてのグレードアップがどの程度あったのかはわからないが、これならTV版もけっこう面白かっただろうと思わせる映画だった。
[DVD(邦画)] 6点(2014-07-24 20:24:54)
10.  劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語 《ネタバレ》 
前作(前後編)を支持した人々のうち、劇中世界の苛酷さを含めて受け入れた人々と、実はゆるい魔法少女世界の方を望む人々の割合がどの程度だったかはわからないが、しかし自分も一応のファンであるから、序盤でマミさんが入浴後の姿で登場し、鼻歌で「マミさんのテーマ」(Credens justitiam)を歌うところや、その後の5人勢ぞろいを見ているとやはり心なごむものがある。 当然そういうノリのまま最後まで行くはずもなく、やがて徐々に日常空間が異化していく過程も評価できるが、終盤の戦いではまたマミさんが超豪華版「ティロ・フィナーレ」を披露したり、さやかと杏子の友情が強調されたりするのが感動を誘う。まどかも含めこの場面ではみんな本当にかっこいい。ほか何気に「委員長の魔女」(の使い魔)が来援していたのも嬉しく感じられた。  ところで台詞を聞く限り、ほむらが改編した世界はそれなりに合理的に運営されているようで(呪いは全部インキュベーターに押し付けたらしい)、それでみんなが幸せなら何が悪いのか、というのも間違いない。しかし問題は、この都合の良すぎる世界が外の世界、つまりわれわれのいる現実世界と全くつながっていないことである。前作(前後編)では、悪も絶望も現世から絶対に除去できないことを当然の前提(いわば摂理)とし、これとあくまで戦うことの尊さを説いていたためアニメファンでなくとも共感を寄せられたわけだが、しかし新編では架空の理想世界として完成されたためこのアニメ限定で閉じてしまい、現世に生きるわれわれからはかえって遠ざかってしまっている。 これは個人的には歓迎できない結末だが、劇中でもこういう世界への疑問が最後まで残されていたことはわずかな望みなのかも知れない。前半ではほむらでさえも偽りの世界に反発していたが、終盤になるとまどかの存在が現実世界のわれわれとつながる最後のよすがになっていたように思われる。この新編が誰に奉仕しようとするものだったか現時点では判断できないが、まどか本来の姿に対する共感を失うべきではない、というのは制作側の残しておいたエクスキューズと取れなくもない。  なお自分としては、この新編で終わりになるのは納得できないが、際限なく続編を作り続けることも望まない。かえって初めから新編などなかった方がよかったのではという気もするが、評点はとりあえず“普通に面白い大作アニメ”の標準点としておく。
[DVD(邦画)] 6点(2014-04-21 21:55:43)
11.  劇場版 フランダースの犬 《ネタバレ》 
そもそもこの話が本国で知られていなかった理由として、要は外国人作家がアントウェルペンの街を悪く書いていることに反発があり、地元で翻訳が出なかったからだとする論考を読んだことがある。それはわかるが、だからといってそれだけで無情なベルギー社会のイメージが好転するわけでもない。こんな情けない奴は死んで当然、というのが向こうの常識だそうだが、その割に観光客が多ければ客寄せの銅像だの記念碑だの建てるというのではますます現地の印象が悪化する。金を持っていれば異教徒でも絵を見せるのだろうし。 そのように嫌味を書きたくなるのも、このお話を見た後のやり切れなさを何かへの攻撃に転化しなければ気が済まないからだが、そういう者がいると知ってか知らずか、この映画ではエンディングで地元の政府・行政機関の名前が目立つようにクレジットされているので渋い顔にならざるを得ない。  ところで内容の方は皆さんご存知のとおりであり、自分としては初めから先が見えているので、前半部分で今は春と言っているのを聞けばクリスマスの悲劇を思って心に痛みを感じるし、また中盤で隣家の婦人が転居する場面では寒々とした風景も相まって、主人公の周囲から暖かさが失われていく予感がひしひしと寄せて来る。結局はマリア様も全ての人を救えるわけではなく、せめて死ぬ時になって祝福が得られただけでも幸せに思えということなのだろう。どうせ世の中そんなものだということだ(泣)。 それからこのお話では、少年に対する少女の思いの中に絵の才能への敬意も含まれているように感じられる。原作を読むと、コンクールへの応募は貧富の差をなくするために鉛筆画か木炭画が条件になっていて、この映画のように資産家の子弟が有利に決まっているというわけでもなかったらしい。今の目であらためて見れば少女の父親がどういう立場なのかもある程度わかり、芸術家としての才能が認められさえすれば越えられない身分差があったわけでもないと思われるのが悔しい。  なお最初と最後の修道女に関して、DVDのチャプター12の名前が「そして20年後」と書いてあったのは驚いた。もうそんな歳(9+20)になってしまって、一生そのままでいるつもりなのか。いつもそばにいる、とか思い込んでいたようだが、ネロもパトラッシュもおじいさんも、彼女の世間並みのしあわせを望んでいるのではないのか。本当にそれでいいのか。
[DVD(邦画)] 6点(2013-10-15 22:52:59)(良:1票)
12.  劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season2 輪廻 《ネタバレ》 
シーズン1に続くその2である。前回と同じく2017年4~6月の13話からなるシーズン2を1/5弱に短縮した再編集版で、シーズン1の公開(2018/5/5)一週間後の5/12に劇場公開されている。 単純な続きではなくいきなり5年後になっており、冒頭に少しだけつなぎの部分があるが超ダイジェストのため、かろうじて子ができたことがわかっただけである。その後も何をやっているのか不明な場面が多く、さすがに総集編だけで見るのは厳しい気がした。例えば赤いのが人間を守る方針だった理由は、つなぎの部分でも説明があったようだが、結局Wikipediaの記事を読むまでわからなかった。  物語的には前回に続いて「東京喰種 トーキョーグール」路線に見えるが、登場人物の間で劇中世界への対応姿勢に違いがあることは明瞭になっている。対立する立場のうち、赤いのが「人間は守る」と言っていたのは人類にとっての共通認識であるから、視聴者の立場としてもモグラに死んでもらう必要があったのは間違いない。一方の緑は当事者として自分なりの判断基準を持っていたようで(よくわからなかったが)、目的に応じて赤とも人とも共闘する姿勢だったらしい。 今回少し注目したのは「楽をした分誰かにつけが回る」で終わる一連の会話だった。前回の駆除班がなぜかいつまでも5円玉の御縁にこだわるのは呆れたが、そういう情に流されてどっちつかずの態度を取るのでなく、まずは自分の立場をはっきりさせる(旗色を鮮明にする)ことが大事ということかと思った。劇中でいう「ちゃんと向き合う」というのも、その上でのことだったようである。  キャストについて、武田玲奈さんはやっと前面に出るようになったが、今回はどうもヒロイン役を別人に取られてしまった印象もある。そもそも可愛く見せようという気がないのではと思ったが、しかし劇中人物としては自分の方針をしっかり持っていたのがいい役柄に見えた。また東亜優さんはいきなりお母さんになったあげくにクラゲというのも困った展開だが、上半身裸になって(!) 胸は見せない場面もあったりした(特にエロくはない)。子が父母のそれぞれに似ているというのは泣かせどころだったかも知れない。 そのほか、この手の番組でウニが出て来たのは初めて見たと思ったが、実は昔の仮面ライダーシリーズでも結構出ていたらしい。今回は殻の中身まで見せたようなデザインが秀逸だった。
[インターネット(邦画)] 5点(2019-12-27 23:25:45)
13.  劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season1 覚醒 《ネタバレ》 
仮面ライダーシリーズの劇場版である。今どき「アマゾン」である理由に関して、劇中でも開き直ったような説明は一応あったが、それよりこれ自体がAmazonプライム・ビデオで公開されたオリジナルコンテンツだそうなので、そのこととの関連で捉えた方が素直に納得できる。 この映画は、2016年4~6月の13話からなるシーズン1を1/5以下に短縮した再編集版とのことで、総まとめとなる劇場版の公開(2018/5/19)に先立ち5/5に劇場公開されている。総集編のため細かいところは飛ばしているのだろうが、大まかな話としてはわからなくはない。ちなみにもとの13話も追加料金なしで見られるがそこまでの熱意はない。  まずアクション部分はかなりハードな印象があり、力任せの生体破断など残酷というより豪快で、自己の存続をかけた容赦ない闘争の表現に見える。ただし自称が「ボク」の男が2人もいるのは気色悪く、そんなことで同情を買おうとするなと言いたくなったが、そういう甘ったれも最初のうちだけだったらしい。 一応は子どもを含む広い世代が見る想定のようだが、ただし製作側が意図したように「30~40代の男」にとって「見応えのあるもの」かどうかは何ともいえない。特に、ちょっと恥ずかしいほど「東京喰種 トーキョーグール」と似たようなことを言っている(2017年の映画しか見ていないが)のでまたこの話かと思わされるが、しかし最後になると赤いのがあくまで「人間を守る」と宣言する一方、駆除班までが反対側に味方したりして、それほど単純な図式でもなかったらしい。これを見た限り緑の立場は微妙なようで、そのうちどこかで無理が出るのではという気はしたが、とりあえず今後の動向を見るしかない。  キャストに関しては、個人的に最大の見どころになるはずだった武田玲奈さんが、この再編集版ではほとんど出番がないので落胆させられる。こんなことならかえって変に危ない場所に出て来ないで別のところで可愛く女子高生でもやっていればいいのではと思ったが、キャスト配列順を見るとヒロイン役(緑の方)の位置付けのようで、次回以降は活躍の場があるのかも知れない。また東亜優さんも素性不明の役だが、同じく大人のヒロイン役(赤の方)ということになるので、そういうことも含めて期待感を高めておくことにする。
[インターネット(邦画)] 5点(2019-12-27 23:25:41)
14.  K-19 《ネタバレ》 
最初に見たのはTV放送で、とにかく放射線障害が悲惨だったことだけ憶えていた。医学的にどうかはわからないがわずか10分でこの状態になり、それでも次々に人員が投入されていくのが恐ろしい。日本でいえば1999年に東海村臨界事故があったので、何かと雑なソビエト連邦の出来事だからとも言い切れなかった。  今回は無料公開の終了間際ということで見たが、上記以外の部分はそれほど感心しなかった。一応は実際にあった事件をもとにしているので、先の見えない展開のようでも自由度は狭まっており、例えば総員退艦して自沈する選択はありえなかったことになる。事故の話だけでは不足と思ったのか、前半では艦長が無理してスリリングな見せ場を作っていたが、その理由の説明には納得できなかったので落胆させられた。終盤で再度300mをやったのは、前にもやったので気分的には怖くないという意味だろうが、物理的には1回が限度で2回は無理ということもあり得たのではないか。 人間ドラマとしても、前艦長が一番いい人かと思っていたら艦長も感化されていい人になって、最後は仲間が一番大事で終わるのは極めて普通というしかない。少し意外な点として、艦長の父親も息子に似て野心家だったが「ツキの落ちる日」が来て収容所に行ったのかと思っていたところ、終盤でその想定をひっくり返す展開になっていたらしいが、それもそれほど印象的なものにはなっていなかった。 最後の集合写真で大感動もできなかったが、もうアメリカでもかつての敵への偏見などはなく、ロシア人の乗員に素直に心を寄せる余裕があったのだなという感慨はあった。ロシア風の背景音楽も耳に残る。  以下些細なことだが、字幕で近くの島の名前が「ヤン・マヤン」だったのは何語か見当がつかず南洋の島かと思ったが、これはノルウェー語でJan Mayen、ロシア語でもЯн-Майенで、カタカナでは「ヤン・マイエン」と書くのが妥当と思われる。こういうところにも気を使ってもらわないと北極海の雰囲気が損なわれるわけだが、そもそもその前の段階でバレンツ海を「ベーリング海域」と訳すようではどこの話かわからなくなる。劇中の地図を見ればいいにしても杜撰な翻訳だ。
[インターネット(字幕)] 5点(2019-10-27 19:28:28)
15.  劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!! 《ネタバレ》 
2017年の特撮TVドラマ「ウルトラマンジード」の劇場版である。ウルトラシリーズというのはここ十数年間ほとんど見ていないのでまるきり部外者の立場になる。 世界観としては、昭和のいわゆる第2期ウルトラシリーズ以降に定着した兄弟設定を基盤にしているようで、「光の国」をあからさまに映像化していたのは個人的には物珍しい。昔の宇宙人が多く出ているのも見ればわかるが、そういう旧作から継承されたものとは別に、キャラクターの多さや軽さなどに何となく東映特撮風の印象があり、昭和も遠くなったものだという感慨がある。 ストーリーの面では本編を見ていないので何とも言えないが、TVシリーズが一通り終わっているはずなのに主人公がまだ「ウルトラマン失格だ」などといじけているのはこれでいいのかという感じで、よほどこれから期待される成長幅が大きい若者なのだろうなと思った(一生こうなのか)。ほかのキャストに関して、沖縄在住の宇宙人役の本仮屋ユイカという人は、これまで年齢なりの可愛い役をやってきていると勝手に思っていたが(全部は見てないが)、今回は主人公が幼く見えることとの対比ということなのか、変にオバサンっぽく見せていたようなのが非常に残念だ。これはまことに心外だ。  なお今回は主に沖縄が舞台で、沖縄風の木造建築物のミニチュアを作って赤瓦が崩れるなど結構細かく作っている。普通の特撮番組なら、どこだかわからない(恐らく首都圏)の街が壊されるのを普通に見ているだけだが、この映画では現地の実景を見せて、「沖縄市街地」(沖縄市の市街地という意味)といった具体的な地名も出しているので、いかにも沖縄の街が大被害を受けている感じが痛々しい。 ちなみに劇中の設定では、太古の昔から「大地を守ってる」怪獣が沖縄にいたことになっていたが、こういう強力な守り神がいたのなら島の平和のために一切の武力行使を許さず、沖縄一円を非武装地域にするくらいの強権発動をしてもらえば、周囲のどこからも自由で平和な沖縄ができたろうにと思った。しかし太古の昔から武力行使が許されないとなると、琉球王国も成立しないことになってしまうといった問題はある。
[DVD(邦画)] 5点(2018-12-04 18:56:26)
16.  劇場版 私立バカレア高校 《ネタバレ》 
まりやぎという人が出ているので見たが、そもそもAKBというものに全く関心がなかったので(1回だけ総選挙でチーム8の人に投票したことがあるが)、ヒロイン役を含めてほとんど誰の顔も知らない。かろうじてみおりんという人は外見が特徴的(小顔)なのでわかったのと、見ているうちに高身長なのが光宗薫という人だというのも薄々わかって来た(同年の「女子カメラ」というのを見たことがある)。 しかし今になってみると、ここに出ているAKBのメンバーは既にほとんど卒業してしまっているようで、世の変転は激しいともいえるがそれでもAKB自体は不滅だともいえる。そういう面で一定の感慨を覚える映画ではあった。 ちなみに石井杏奈という人の顔も見えたがこれが映画初出演とのことで、その後はE-girlsに所属して各種映画にも出ているので知らない人でもない。  中身に関しては、意外にもというか当然だろうがストーリーはちゃんとできており、男連中の話の方が主軸になって、そこに女子の物語がからんで来る感じに見えた。男女それぞれのファンが見に行く前提だったはずだが、どうせ数的には女子中高生が多いのだろうから、男の友情とかアクション(暴力沙汰)でとにかく盛り上げるように作ったのかも知れない。女子の方はお嬢様というだけでなく知能程度も高かったようで、ヒロインに関していえば、こういうしょうもないお話からも一定の人生訓を学び取る賢明さを備えた人物のようだった。最後の「自分でみつける」というあたりはうまく感動的にまとめてある。 TVシリーズは見ていなかったが(当然だが)それでも劇中の回想場面から、それなりの積み重ねがあった上に今があることがわかり、また「大嫌い」というのがいわば(2人限定の?)キーワードだったらしいのも知られる。この手の企画を毛嫌いせず、大らかに受け入れようとする気にさえなれば、娯楽として見る分には支障がない映画だった。 ちなみにヒロイン役の人は、周囲が全員アイドルであるのにその中でちゃんと特別の美少女として目立っていたのに感心したので、そのうち「劇場霊」(2015)でも見るかという気にはなった(特に期待はしない)。
[DVD(邦画)] 5点(2018-07-20 19:59:09)
17.  劇場版 仮面ライダーオーズ/OOO WONDERFUL 将軍と21のコアメダル 《ネタバレ》 
冒頭から「ドイツ・テューリンゲン州」とのことで大きく出たなと思ったが、その後はさらにわけのわからない展開になってせっかくの海外進出もどうでもよくなる。どうせ東映太秦映画村だろうなどと言わずに享保年間の江戸だと思わなければならない。 江戸市中に出現した妙な風体の連中が敵ではないと知らせるために、非常にわかりやすい場面が設定されていたのは大変結構だったが、徳田新之助なる人物の正体を最後まで明かさなかったのは過剰説明を避けた感じになっている。本人が「徳川家に献上されたもの」と言っていたのに劇中人物が反応しなかったのは、まあ取り込み中だったからその時は気づかなかっただけと思われる。 自分としてはこのシリーズの基本設定がよくわかっていないので、手だけが飛んで行った場面で何だこれはと江戸の町衆同様の気分だった。しかし何となく家族というものがテーマになっていたらしいことはわかり、疑似的な父母と子が手をつないだあたりは心和むものがあった。みんな家族などというのは綺麗事だと言われて、綺麗事でも欲望本位だからいいのだ、と開き直ったところは大笑いした。ここは見ていた側より制作側が一枚上手である。 またこの手の企画の通例どおり、終盤で次期ライダーが加勢する場面もある。個人的事情としては、平成に入って初めて見た仮面ライダーがフォーゼだったのでこれまで何とも思っていなかったが、別のライダーの劇中に並べてみるとフォーゼが変なライダーだったことがよくわかる。そういえば高校生という設定も初めてだったのかも知れず、「若いっていいな」という劇中人物の台詞が可笑しい。顔出ししていた福士蒼汰もいかにも若い。
[DVD(邦画)] 5点(2017-11-09 19:39:38)
18.  携帯彼氏 《ネタバレ》 
携帯サイト「魔法のiらんど」で公開されたケータイ小説を原作とした映画で、同サイト発のものとしては「恋空」(2007)、「赤い糸」(2008)に続く映画化ということらしい。それを聞くととても成人男子がまともに見るものではないということになるが(「赤い糸」は見ていないが「恋空」で想像はつく)、しかし別に非常識で不道徳な過激描写が連続するわけでもなく、おおむね一般常識の範囲に収まっているので特に問題はない。 ストーリーとしては若年者向けのため他愛ないところもあるが、謎を解明していく要素もあったりしてあまり退屈しない作りになっている。自分としては続編の「携帯彼女」(2011)を先に見てしまったが、それよりはまだしも面白く見ていられる感じだった。特に主人公が小柄で可愛らしいので和むものがあり、「言ったらチョー寒いって絶対引くよ」とかいう今風の台詞が微笑ましい。 公開時には女子高生限定試写会などというものも開催されたようだが、そもそもの携帯サイトが「ガールズエンタテインメントサイト」とのことで、初めから女子が主な対象層だったらしい。この映画でも次の「携帯彼女」でも若手の女性監督を起用したのはそのせいだったのかも知れないが、しかしこれだけの各種美少女満載映画を男子に見せないつもりだったとは考えられない。自分としては前田希美さんという人が出ていたので見たわけだが、この映画では軽薄で可愛気がなく台詞が上滑りするような人物で、いかにも真っ先に死にそうな感じだったのが残念である。まあもともと死体になる役が多い人とのことで、この映画はその最初の例ということらしい。 なお興味本位で原作も読んだが(上記サイトで無料で読める)、主人公の女子(高校生ではなく卒業後の社会人)の考えがその時々の感情で簡単に左右されて不合理な行動に走る様子が見えたりして、そういうところが共感を呼ぶのかと興味深かった。 [2018-6-30追記]主人公の友人役で朝倉あきという人が出ているので再見。当時17~18歳くらいで可愛らしい感じで、若干のお色気担当で熱演している。またお話全体としても「言ったらチョー寒い」言葉がちゃんと生かされていて悪くないと思ったので、この機会に+1点としておく。
[DVD(邦画)] 5点(2016-10-09 22:56:10)
19.  ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状 《ネタバレ》 
4人姉妹のうち長女は出ていないが、3人だけでも十分に超豪華キャストという感じである。3人並んでみると、この時点で夏帆が一番背が高いことがわかる。だから何だというわけでもないが、3人並んだことで初めて目に見える事実ということだ。 ○夏帆がひたすら可憐である。「レレレ?」の表情もいいが「Q.E.D.」の時の口つきなどは見事だった。銭形零はカメが好き、という設定があったのかどうかわからないが、「もっとおっきな空飛ぶカメが好き」という台詞があったのは、この映画の公開と同年の「小さき勇者たち/ガメラ」(2006)のPRだったものか。 ○堀北真希は何といっても「世界のダンス」が見どころである。難度としては後になるほど高いのだろうが、個人的印象では最初のアイリッシュダンスが非常に可愛らしい。これには参りました。 ○黒川芽以はそういう意味での見どころが少ないが、「謎は解けたよワトソン君」のところで可愛くアピールしているのはよかった。この頃は顔がふっくらして愛らしい。 およそ以上のような映画だった。これで5点つける。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-09 23:26:52)
20.  ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣 《ネタバレ》 
ゴジラ系列に属しない正統派の昭和怪獣特撮である。地味だが真面目に見ればそれなりの味わいがある。 題名の怪獣3匹が同時に大暴れするわけではなく、最初にイカ、次にカニを人間が退治して、最後にカニ(二代目)とカメをまとめて現地在住のコウモリが撃退したので計4匹が出ていたことになる。最後が火山ネタというのは日本特撮伝統の安易なクライマックスだが、南洋の火山島には噴火が付き物だといえなくはない。 出ていた怪獣は全て現地の生物が巨大化しただけのものらしく、これを普通の人間が銃や爆発物などで攻撃していたのは新鮮な印象だった。これなら旧日本軍が組織的に当たれば対抗できた感じである。最初の攻撃のとき、現地住民が旧日本軍の武器を持って来て日本人に渡していたのは、こういう場合は日本人が率先して戦うはず、と思い込んでいたようで可笑しかったが、その後は現地住民もその気になって一緒に戦っていたようである。 なお現地住民によればイカ怪獣は人の心がわかるとのことで、実際に島から逃げようとした者を目がけて襲ったような場面もある。これはその後の逃げられない恐怖感を予想させなくもなかったが、実際はそういう展開でもなかったのは残念だった。また元凶になった宇宙生物の設定は、個人的に嫌いな映画「吸××ゴ××××」(名前を書きたくない)を思わせるので好きになれない。  ところでキャストに関して、特撮ファンとしては現地住民役の小林夕岐子さんが見どころなのかも知れないが、実際はただいるだけのようであまり活躍していない。しかしこの人が突然現れて「わたし、結婚します」と宣言したところは驚愕の展開だった。また今回ヒロイン役の高橋厚子さんは特撮関係ではあまり見ない人で、明らかに美形とはいえないが昭和的に可愛らしいので和む。この人の“乙女の涙”が悪人の心を動かすのは感動的だったといえなくもない。 ほかにも東宝特撮おなじみのキャストが多いので安心する。もう佐原健二氏の悪人役も定着してきた感がある。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-14 20:08:34)
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