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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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1.  いまを生きる
「プリチャードはアホだ、そのページを破れ!」自分の好きなシーンの一つで、キーティングの性格や詩に対する想い、自分の力で学び表現を味わうことの姿勢の尊さを上手く表したシーンだと思う。 キャプテンと呼ばないと立ち止まらないのも、もう最高、何とも言えず良いよなあ。 死ぬ運命にある我々がその最期の瞬間に悔いのなく、この素晴らしい人生をつかみとるには何が大切なのか、何が大事なのかを色々と学び考えることが出来る本当にイイ映画、出来ることならアイツラと同じ頃に観たかったなあ。 あの頃は勉強、勉強で余計なことを考える余裕なんてないし、大学行ってもその反動で遊ぶことしか考えてなかったからな。自分が自分のやりたいことや夢を追えなかった分、夢を追う姿は本当に美しいと感じる。 ニールだけでなく、皆それぞれに才能があり可能性があり情熱があった、まさにいまを生きていることが伝わってくるあの姿には胸が熱くなる。 恋愛でも夢でも何でも失敗すること恐れずに、想いを伝える重要さと自分の信念を貫き通す勇気を持つことの大切さ、難しさも感じる。 若さと若さゆえの苦しみ、愚かしさ、畏れ…正しい方向へ人を導くことの大人の責務、間違った愛情も描かれている。 ニールには家を出て欲しかった、キーティングはあんなこと教えてなかったぞ。 ずっとビクビクしていた、どん臭いイーサンのあのラストのたくましさに少年たちの成長を感じる。
10点(2004-08-08 20:31:06)
2.  インテリア
他の人も言っているように、本当に繊細な映画だと思う。ジョーイ、レナータだけでなく、イヴやアーサー、パール、フリン、彼女らの旦那たちも含めてそれぞれの心境が痛いほど伝わってくる。 特にラストで海辺を見つめる三姉妹は何を想っているのだろうかと考えてしまう。恐らく三人とも母親イヴを想っているのだろう。 完璧なまでに秩序を求めた母親、想い通りにならないと許せない人間だった母親に振り回され続けていたと思う。しかし、それぞれ母に対する想いはだいぶ違うと感じる。特にそれは葬式の際に花を置く仕草で分かるような気がする。 レナータは母イヴに反発し続け、憎しみを拭い切れていない。 ジョーイは母イヴを自分の理想と捉え、母からも期待を受けるも、才能がない自分は母親を裏切ったと思い、母からは軽蔑されていると感じている。そんな母親を憎しみながらも人一倍愛している。 特に母親が買ったと思われる花瓶をパールが壊したときの激怒にイヴへの愛が感じられる。パールとのダンスを断り、最後まで父の再婚を許せなかったのもそうだろう。 フリンは幸か不幸か本当の母親のことを知らないで育つことができ、母からは表面的な愛情を受け、母親に対しては普通に愛情を持っていると感じた。 たぶんイヴはレナータ、ジョーイで思い通りにならない子育てを諦めて、表面的にしかフリンとは付き合っていなかったのではないかと思っている。 それぞれが母親に対して抱えるのは憎しみ、愛憎、愛情ではないか。 彼女らの生き様もそんな母親に対する感情の影響が感じられる。 レナータは才能があるも自分の感情を素直に出すことが出来なくなっている。 母親の反発心からか、母親ほどではないものの心が歪んでいる気がする。 だから旦那のフレドリックの心も離れていったのではないか、病気の影響もあるかもしれないが。 ジョーイは母親に認められたい、何かを成し遂げたいと思いながらも、何もできずにもがいている姿が見受けられる。 フリンは本当の愛情を受けていないので、どこか軽く薄い印象を受ける。だからクスリなんてやっているのではないか。 それだけ母親の存在は大きかったのだろう。あの母親を演じたジェラルディン・ペイジは凄すぎる。夫が自分とは真逆の感情を表に出す女性を選び、自分を否定され、自分の思い通りにはならなかった人生の果てに完全に心が狂ってしまっていた。海に突き進む姿は印象的だった。
9点(2005-02-22 00:08:01)(良:1票)
3.  インファナル・アフェア 無間序曲 《ネタバレ》 
ゴッドファーザーを意識している創りにはなっているが、決して劣化コピーではなかった。 それぞれが、それぞれ複雑な想いを抱きながら、引き返すことが出来ない場所に辿り着く。戻ることが出来ない場所が地獄の一歩とも言えようか。 それぞれの悲痛で複雑な想いが互いに絡み合い、実に見事としか言いようがないストーリーに仕上がっている。 他の人とは感想は違うが、個人的に1では足りないと感じた緊張感が、1で結果が分かっているとはいえ、2では2時間保たれていると感じた。 ウォン警部は警察官としてあるまじきことをした所で、ラウはマリーが自分のところを離れた時に電話をした所で、マリーはサムを愛した所で、サムは警察と協力して証言台に立つ事よりもハウと刺し違えることを選んだ所で戻れなくなっている。 それぞれが戻れない場所に来ているのに一人、戻ることを夢見て、「自分は警官だ」と(自分に)言い聞かせるヤンが痛々しくも熱い。 もう何が善で、何が悪なのか分からなくなる世界、それだけに善悪が一義的に定まらない所に面白さを感じる。 個人的に好きだったのがサム、マリーの写真を見て、その後何かを吹っ切ったように歩くシーンには、複雑な想いを感じずにはいられない。 1と2の繋がりの粗さは気になるけど、封筒を持ちながら歩くラウの仕草や、ヤンの子どもを結局オロさなかったメイや、ラウとメリーとの出会いも描かれているのも嬉しい限り。 エンディング後に流れた3の予告編を見て、3もまたかなり楽しみになってきた。
9点(2004-09-20 21:28:50)(良:2票)
4.  インセプション 《ネタバレ》 
夢に入り込むというアイディアは単純に面白い。さらに二層・三層へと重なる複雑さはストーリーを豊かにさせており、それらが一体となっているため緊張感も増大されている。複雑さはあるものの、構造は極めてシンプルでもある。 「下層に進むたびに時間が倍増される」「虚無に落ちる」というような分かるようで分からないルールも、ストーリー上必要不可欠のルールであり、許容するしかない。 「全てが夢」「ラストだけが夢」「全てが現実」と観た者がそれぞれの感想を抱くこともできる点も面白いところだ。個人的には、「夢の中でしか生きることができなかった男が夢と決別して、現実の世界に戻る」というシンプルな感想を抱いた。たとえそれが夢の中であっても、本作にはハッピーエンドという形がしっくりとくる。会長の息子同様に、夢の中でも幸せになれば、どこか救いがあるのではないか。妻を死なせてしまったという罪悪感に囚われて逃れることができなかった男が開放されるシーンには明るい希望を感じられる。 ただ、夢に囚われた男が夢と決別するにしては、やや盛り上がりを欠くラストだった気もする。夢の中の妻の姿は、リアルな妻の姿ではなくて、自分が過去に知っている姿・自分の理想の姿の投影・虚像でしかないという“現実”を痛感させて欲しい。 パソコンやゲームといったように二次元の中でしか生きられない世代が育っている中で、本作を観ることで“現実”に向き合えるような作品に仕上がれば、もうちょっと変わった作品になったかもしれない。 また、「インセプション」という使命のためには仕方がないにしても、夢の中にしては極めて現実的で常識的な世界が繰り広げられている。二層においての重力を無視した戦い、四層においての幻想的な世界が構築されていたが、相手にバレない程度には夢の特性をもうちょっと活かして欲しかった。二層での階段のようなトリック辺りではやや弱いか。重層構造ではあるが、夢の下層は夢でしかなく、観客の想像を超えるサプライズを与えるまでには至らない。 夢と現実、現実に見える夢、夢の中での夢、各キャラクターの夢が微妙にズレているといったように、もうちょっとグチャグチャにしても良かったかもしれない。 コブと奥さんが過去に自殺に使用した際のイメージだろうか、一層での列車の突然の出現など、コブのイメージと夢の中の世界はゴチャついているが、ハマっている感じがしない。
[映画館(字幕)] 8点(2010-08-09 22:58:10)
5.  イエスマン "YES"は人生のパスワード 《ネタバレ》 
あまり期待はしていなかったが、なかなか爽快なコメディに仕上がっている。 本作を見たくらいでは大きな影響はないが、見終わった後は、ちょっと“前向き”になれる作品であり、こういう作品は貴重だ。 全ての事象に“YES”という必要はないが、“YES”と“NO”で悩む場合には“YES”と言ってみようかなと思わせるパワーがある。 アメリカのコメディは、たいてい下品でクダらない作品が多く、笑えないモノが溢れているが、本作は全体的に意外とセンスが良くて(特に音楽)、ただ笑えるばかりではなくてキレイにまとめられている(衝撃的なエロネタもあるが笑えるものとなっている)。 アメリカのコメディもだいぶ進化していると感じられる一本だ。 ジム・キャリーはもともと嫌いではないが、本作でもまったく嫌味やうざったさは感じられなかった。 多彩な顔の表情や、身振り手振りなど、彼の演技を真似することはできないはずであり、真の意味でのコメディ俳優だと思う。 コメディ俳優と名乗る者は多いが、彼はやはり超一流だと再認識できる作品だ。 多くのキャラクターも映画用にデフォルメされたものばかりではなくて(隣人のおばちゃんや自殺オトコなどは例外)、どことなく自然でリアルに感じられた。全体的に親近感が沸くような血が通った者が多かった点も好印象だった。 特に、ズーイー・デシャネルのナチュラルなキュートさも魅力的だった。 序盤のホームレスの存在、序盤の謎の夢シーン(この夢をみたおかげでセミナーに参加することとなるが)、終盤の交通事故(バイクシーンやケツ見せシーンが撮れるという効果はあるが)など、意味ありげのシーンに対して、投げっぱなしも多く、特にラストのオチを含めて「?」という展開もあるが、コメディなので細かいことは気にする必要もないだろう。 コメディに完璧さを求める必要はない。
[映画館(字幕)] 8点(2009-04-12 01:22:05)(良:2票)
6.  イースタン・プロミス 《ネタバレ》 
男の理想ともいえる世界が構築されている。 男性ならば、この世界に酔うことができるはずだ。 善と悪の世界の狭間に生きる男の、美しくも不器用な生き様に引き込まれるだろう。 悪の世界にどっぷりと浸っているために、もう善の世界に引き返すことの出来ない辛さを抱えるとともに、悪の世界の汚れた美しさの魅力にも惹かれてしまっている。 ヴィゴだけではなく、ワッツも危険なものに手を出さざるを得ない状況に陥っている。 男性におススメの映画だが、本作に描かれているのは性別を問わない美学かもしれない。 絶対的に悪でもなければ、絶対的に善でもない。 好きな女に好きといえなければ、放っておくこともできない。 好かれた男に応えるわけでもなければ、放っておくこともできない。 組織にハメられたと知りながら、認められたことを喜ばずにもいられない。 何もかもニュートラルな状態が本作の魅力かもしれない。 ニュートラルにすることによって、優しさと残忍さを併せ持つ男の相反する二面性のようなものがきちんと描かれていたと思う。 ナオミとのラストのキスシーンで善の世界を捨て切れていない感情を表し、ラストのレストランでのシーンで悪の世界も捨て切れない感情を表している。 この二つのシーンが、非常に良い対比となっているのではないか。 また、ヴィゴとナオミとヴァンサンの隠れ三角関係がいいスパイスとなっている。 ヴァンサンのナオミに対する攻撃的な姿勢がいい伏線となっているのかもしれない。 父親に対して頭が上がらないはずなのに、ヴィゴをハメた父親と喧嘩するということは、ヴィゴに対して相当ホレ込んでいたのだろう。 ヴィゴとナオミも良かったが、ヴァンサンもなかなかいい仕事をした。 好きな男がゲイかどうかを調べるために、彼にヤラせて、その最中をずっと見続けるというところに彼の倒錯した感情が上手く表れている。 注目のサウナでのバトルシーンはバトルに夢中になって、さすがにあっちには全然目がいかなかった。
[映画館(字幕)] 8点(2008-07-04 23:25:49)(良:1票)
7.  怒りの葡萄 《ネタバレ》 
ジョン・フォード作品はほとんど観ていないが、彼が只者ではないことは本作を見れば分かる。 ドキュメンタリーといってもいいほどのリアリティを帯びており、大恐慌時代のアメリカの混乱した状況が窺われる。 こういう辛い時代を経て、今のアメリカは成り立っていることを知ることができるのも非常に勉強になる。 特別なイベントがなくても、じいさんとばあさんが死んでしまう展開には驚かされた。 それだけ、このアメリカ横断の旅が過酷を極めたということが分かる仕組みとなっている。 大きなドラマは描かれおらず、各キャラクターの内面をクローズアップしているわけでもないが、様々な感情が伝わってくる良作だ。 いつぶっ壊れて止まるか分からないトラックを走らせるだけでも、絶望的な悲鳴、救いを求めるような叫びが聞こえてくる。 あのトラックが非常にいい味を発揮している。 壊れかけのトラック自体、民衆や家族を言い表しているのかもしれないと感じられた。 壊れそうで壊れないトラックは、倒れそうで倒れない民衆、バラバラになりそうでならない家族の絆そのものかもしれない。 10点を付けたいところだが、本作の良さを完全に理解するには、自分の経験や知識がまだ浅いのかもしれない。 また、個人的に少々気になったのは、ラスト付近の描き方だ。 母とジョードの関係を通して家族の絆を描き、母親・女性の強さを強調するラストシーンには文句をつけようもないが、終盤はやや忙しすぎたり、ジョードの変化などは唐突なイメージも感じた。 ドラマはきちんと盛り込まれているが、どこか中途半端な部分もあるのではないか。 きちんと描きこむか、ほとんど描かないかのどちらかになると思うが、ドキュメンタリータッチであることを踏まえると、難しい判断だが、本作よりもむしろ描かないという方向性ても言いたいことはちゃんと伝わったのかなとも思われる。 勉強をしていないので、あまり難しいことは分からないが、本作は資本主義を否定し、社会主義的な思想が強いのも特徴だろうか。 赤狩りが本格化するのは1950年前後であり、1940年においてはアメリカにおいても社会主義を肯定するような意見があったのかもしれないと窺われる。 そういう時代背景を想像できるというのも面白い。
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-31 23:21:57)
8.  硫黄島からの手紙 《ネタバレ》 
「父親たちの星条旗」同様に極力エモーショナルに描くことは避け、「真実」を炙り出そうとしている。本作を観て、硫黄島で「何があったのか」を知って、観たそれぞれに何かを感じ取ってもらいたいという強い意図が感じられる。何かを押し付けるということはほとんどしていない。 「家族からの手紙又は家族への手紙」を有効に利用することや、大げさに演技させることによってエモーショナルに描くことは簡単である。本作の題材ならば、ストレートに観客を感動させることなど容易いだろう。だが、あえてそうしないのがイーストウッドの味であり、「わび」と「さび」ではないか。もちろん「戦争」をエンターテイメントに利用する気など微塵もない。栗林の知略をこと細やかに説明することも、壮絶な穴掘りの苦痛を描くこともしない。「戦争」を美化するつもりはないからだ。 イーストウッドの映画は昨今のハリウッド映画とは異なり、ただ映像を垂れ流すだけの「一方向」の映画ではない。映画を通しての「問いかけ」があり、観客は映画から何かを感じて考えるという「双方向」の映画なのだと思う。誰でも撮れる普通の映画ではなく、イーストウッドでしか撮れないから評価されるのだろう。 自分が一つ強く感じたのは、中将という司令官であっても、ただの一兵卒であっても、そして敵の兵士であっても、皆愛すべき家族がおり、愛される家族の一員でいたということだ。この点に関しては、身分も国籍も関係ない。それぞれの想いは、日常的な生活を綴った手紙や千人針に静かに託されているのが印象的だ。アメリカ側から本作を観た場合、「敵」であっても、バロン西のような人間的な痛みを知るものと戦っていたことを知らしめるだろう(伝説となっているバロン西投降勧告(真偽は不明)も当然描かない)。 また、「星条旗」同様に「戦争」には正義も悪も、英雄もいないということを強く描いている。「戦場」にあるのは醜さだけだ。 アメリカ側としては、日本人捕虜を抹殺する姿や、戦利品を強奪する姿や、「星条旗」では誤射によるアメリカ兵の死ですら描いていた。 日本側としても、アメリカ兵をリンチする姿、敵側に投降しようとする者を撃ち殺したり、戦場から後退しようとする者の首を刎ねようとしている姿が描かれている。 「万歳」といって自決する姿にも、玉砕しようとする姿(伊藤中尉)にも、「美しさ」はない。あるのは、「虚しさ」だけだ。
[映画館(字幕)] 8点(2006-12-11 21:20:21)(良:1票)
9.  インサイダー
科学者とジャーナリスト、二人の巨大な力に立ち向かう戦いには見応えがあった。 自分の行動が世界を変える力を持つと信じた二人の男達。 タバコ業界のプレッシャーだけでなく、買収問題を巡る会社内部における対立や守秘契約、第三者賠償責任等の法律関係、報道関係者、ジャーナリスト間の駆け引き、FBIを巻きこんだかなり大掛かりでスケールの大きな作品になっている。 そのような渦に飲みこまれ、家族の将来という人質を取られながらも、様々な重圧の中、自分の行動が正しいかどうか悩み苦しむ姿を演じたラッセルは良かった。 結局、家族を失いはしたが、娘達に自分の行動をテレビで見せる姿には、自分の行動が間違っていないことを娘達に知ってもらいたかったと感じられる。 あまり多くは描かれてはなかったが、教師としての新たな道を見つけ、生きがいを取り戻していった姿も感動的だった。 そしてアルパチーノ演じるジャーナリストの信念は熱い。 ジャーナリストの信念とも言える信頼性と客観性を保つこと…信頼があるからこそ通報者が自分に真実を話すという信念。 一度失われた信頼の代償は大きかったか。 マイクのような偉大なジャーナリストでありながら、自らの保身を考えてしまったという一言が、ジャーナリストの在り方を考える上でとても重くそして大きく感じられた。 他に良かったと思われたのが、タバコ会社側と思われる謀略が実際目に見える形で多くは出てこない点だ。 目に見えない敵、目に見えない暴力、目に見えない力が、ストーリーによりリアル感を与え、何とも言い知れぬ恐怖を見るものにも与え、目に見えないからこその戦うべき相手の大きさを知ることにもなる。 タバコに害があることは誰でも分かっているかもしれないが、内部の科学者が証言し企業がそれを認めることが大事だろう。 日本でも一応「公益通報者保護法」という法律が出来たが果たして機能するかどうかは疑問だな。
8点(2004-10-16 19:57:00)
10.  イノセンス
題名と宣伝に惑わされて前作を未見で行く人とかいないんですかね。 少佐のことを知らない人が見たらとんでもないことになるので絶対前作を見てから行って下さい。 自分もこの映画を見るためにようやく前作を見たというレベルで原作も全く知らないし、押井監督作品も見たことなかったけど、映像技術や世界観は驚くべきものがありますね。 アニメという限界を知らない世界で現時点で辿り着いた最高レベルといって問題ないでしょう。また多くの人に影響を与える作品になったんではないでしょうか。 セリフについては言っている意味は全く理解はできないけど、雰囲気を感じ取ればとりあえず問題ないのではという気が、逆にストーリーは流れるようにスムーズに進むので難解さはそれほどない。 テーマとしては人間とは一体何か、人間の進むべき道・未来とは何か…というのを深く感じました。 最後のバトーの少女への怒りは、自分が本当に人間なのかどうかを悩んで消えてしまった素子同様に、バトー自身も自分が魂のある人形にすぎないと思っているからなんでしょうか。
8点(2004-06-25 14:51:31)
11.  イングリッシュ・ペイシェント
エンディングとオープニングが繋がっている創りや砂漠などの自然豊かなスケールの大きさには驚かされる。 音の繋がりや記憶と共に現在と過去が同時に進行していき、その中でいくつかの人生を描いているのも面白いし上手い。 恋愛の甘さだけでなく愛憎や醜さもしっかりと丁寧に時間をかけて描けている。 「自分はもう死んでいる…」肉体だけでなく精神的な比重が大きいこのセリフと何個かのモルヒネを机の同じ場所に集めるシーンが胸を打つ。 ただ最後の「約束」を果たすための苦労や苦悩をもっとキツメに描いた方がより効果的じゃないかと思った。
8点(2004-04-20 20:53:21)
12.  イージー・ライダー 《ネタバレ》 
映画創りとしては、技術面において甘い部分がある上に、ストーリーもかなりメチャクチャのようにも見える。しかし、言わんとしていることが熱意をもって伝わる、観た人に対して多くの影響を与えることができる「象徴的」な作品であることは間違いない。そういう意味において、高得点を与えたいと思わせる作品だ。 「自由」とは何か、アメリカは果たして本当に「自由」な国なのかという叫びと、人々の「自由」に対する羨望と嫉妬が痛々しいまでに伝わってくる。 ニコルソンが、マリファナ(本物らしい)をやりながら、宇宙人の話をしていたと思うが、まさにワイアットとビリーの二人は、周囲の人々からみれば宇宙人なんだろう。 誰しも、その概念を知っているものの、誰もその存在を認めようとしない。認めてしまえば、既存の体制や自らの価値観に混乱が生じ、パニックになってしまうから。この宇宙人についての会話が「自由」とリンクする。人々は自分が「自由である」と感じているから、本当に「自由」な人々をみると、自分が「自由」ではないことが分かってしまう。その恐怖に怯え、自分たちが「自由である」という価値観を正当化するために、その「自由」な存在を否定しようとするのではないか。 したがって、そんな理不尽な嫉妬のおかげで「自由」であるはずのワイアットとビリーも「自由」ではない。金はもっていても、モーテルに泊まることも、レストランで食事を取ることも、パレードに参加する自由もない。最後には、道路をバイクで走る自由さえも奪われてしまった。もはや、アメリカは偽りの「自由」を維持するあまり、本来の「自由」を殺してしまったのだろう。そして、金、しがらみ、常識、人間関係に束縛される現代の人々も、「偽りの自由」しか知らない。我々はもはや真の意味において、「自由」に生きることはできない。そういう意味に おいて、もはや本当の「自由」は死んだのではないか。 「自由」に対するこの映画での答えが、閉鎖的ながらもコミューンか、人里離れて家族でひっそりと暮らすことなのかもしれない。人里離れて暮らすことは大地に根を張った生き方である。コミューンは大地に根を張った生き方ではなく、砂地に種を蒔くようなものかもしれないが、その種はいつか育つかもしれないという期待を込めているのではないか。
[DVD(字幕)] 8点(2004-02-22 02:39:16)
13.  イリュージョニスト(2010) 《ネタバレ》 
ジャック・タチ監督のことも、シルヴァン・ショメ監督のことも全く知らない。 知っていることは、アカデミー賞長編アニメでノミネートされたことだけだ。 何も知らずに鑑賞してみたが、ドハマりするようなテイストではないものの、昔ながらの素朴なテイストに癒された。 また、時代に取り残されているにも関わらず、愚直なほどの真っ直ぐな生き方は、観た者それぞれが自分自身の姿と重ねあわせることができるだろう。 商品宣伝と魔術を組み合わせた新しい時代へと移行することもできただろうが、彼はそれを放棄している。 一方で、ど田舎から付いてきた娘が都会風のレディーへと成長していく、時代に応じた生き方も描かれており、二人が面白い対比となっている。 時代に抗いながら生きる愚直さも、時代に応じて生きる成長力も、どちらも否定されていないような気がする。 これらが“人生”ということだろう。 どちらの道にも答えのない人生というものが投影されている。 苦労して着飾らせた挙句に若い男に走る姿に違和感を覚えるかもしれないが、二人は恋人というわけではないのだから、裏切られた感覚はないだろう。 むしろ娘のような存在として見守っており、狭い世界に閉じ込めるよりも、広い世界へと進んで欲しいと成長を促すような感覚があったような気がする。 野に放ったウサギについても同様の感覚があったのかもしれない。 「魔法使いは存在しない」というメモも印象的だ。 我々は魔法使いではないのだから、成功できなくてもいいのかもしれない、 我々は魔法使いではないのだから、何もできなくてもいいのかもしれない、 地べたを這いつくばって生きていてもいいのかもしれない。 我々は魔法使いではないのだから。
[映画館(字幕)] 7点(2011-04-23 11:39:42)(良:1票)
14.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 
良い映画である、それについては否定しにくい。しかし、好みの問題もあるが、ややあっさりとしすぎているという印象も拭えないところはある。自分がラグビー、南アフリカ、マンデラにほとんど関心がないという理由もあるだろうが、心に熱いものをそれほど感じなかったということも言えなくはない。ただ、実話モノでもあり、あまり感情を込めて描くとやや支障や批判を受ける可能性もあるので、ある程度は客観的な視点に立たざるを得なかったのかという気もする。また、あまり押し付けがましいものはイーストウッドが好まないのだろう。鑑賞する者に様々な判断を委ねているのはイーストウッドならではの余裕か。 一本の道を境にしてラグビーをプレイする“白人”とサッカーをプレイする“黒人”を二つに分けて、その間をマンデラの車が走り抜けるという冒頭のシーンが非常に印象的だ。このシーンだけでほとんどのことを語り尽くしている。イーストウッドはさらに分かりやすくするために、SPに関しても白人チームと黒人チームを分けていき、対抗軸を構築している。徐々に白人と黒人が混ざり合っていく仮定を“マンデラ”を象徴的に描きながら、最後には共に“勝利”という気持ちを共有し、一つの国家としてまとまるほどに盛り上げていっている。熟練された演出は磐石と言わざるを得ない計算されたものとなっている。 また、“赦す”というキーワードは現在にも通じることだ。昨今のアメリカを巡る紛争や解決の見通しの立たない民族対立などのワールドワイドのことから、我々が属する小さなサークル・社会にまで当てはまる。人間の集まりである以上、“対立”が生じることは防ぎようがないが、“憎しみ”からは新たな“対立”しか産まない。“赦す”というシンプルだが、難しいことを一つの解決策として提示している。何十年も牢獄に入れられたマンデラが出来たことなのだから、我々にも出来るはずだというメッセージだろうか。マンデラ同様にイーストウッド自身も“過去”ではなくて“未来”を見続けているような気がしてならない。 さらに冬季オリンピック及びサッカーワールドカップイヤーという時期にふさわしい映画となっている。本作やオリンピックを見ていると、やはりスポーツは多くの人をまとめるチカラを持っているものだと改めて感じさせる。 ややドライな感情をもつ日本人にとっては、こういった感情こそ必要なのかもしれない。
[映画館(字幕)] 7点(2010-03-01 21:49:52)(良:1票)
15.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 
タランティーノ監督作品だけあり、さすがに万人受けする映画ではなさそうだ。自分もタランティーノの感性には完全にマッチングさせることはできなかった。ただ、心の底から楽しめたということはなかったが、自分なりの感性で楽しむことはできた。 元ネタを知らないので、小ネタやオマージュの類は一切分からない。その辺りの面白さは一般人には分からないが、あまりそういったことは気にならないようには製作されている。 ブラッド・ピットが率いる“バスターズ”がとんでもないヒトラー暗殺計画を企てるという、ありきたりなストーリーとは真逆の映画に仕上げていることが凄いことだ。 また、主役と脇役、善と悪、史実と妄想、男も女も国籍も関係なく、英語もドイツ語もフランス語も何もかもごちゃ混ぜにして、徹底的に“自由”に弾きまくっている点が特徴となっている。 タランティーノのやりたいことは、ブラッド・ピットの最後の行動に全てが集約されているのではないか。「(投降?)そんなの関係ねえ。俺はやりたいことをやりたいだけやるんだ!」ということだろうか。ブラッド・ピット同様に、タランティーノも映画の常識、文法、ルール全てを無視、登場する者はとりあえずぶっ殺していき、『史実?そんなの知らねえ』と突っ走るだけ突っ走っている。それがタランティーノのやりたかったことだろうか。何事にもとらわれずに、自由に自分の感性を爆発させるということはなかなかできないことだ。 ラストの締めくくりも、他の映画ではみられない“俺流”といえる。 “俺流”に徹することが果たして映画にとって良いのかどうかは判断の難しいところだが、奇をてらうことだけが目的にならなければよいだろう。 自分の好みは、どの章かは忘れたが、地下の居酒屋のシーンだ。 本題とは大きくハズれて、脱線してなかなか本線には戻ってこないというイライラ感が逆に次第に面白く感じてくる。 本題を忘れたころに、状況を一変させる辺りが上手い。 第一章のオヤジ二人の会話からも分かるように、どうでもいい会話を展開させて脱線していきながら、いいタイミングで本線に戻すというところはタランティーノの天才的なところだ。 主役の割には、放置される場面が多かったブラッド・ピットがノリノリで演じているのも救いとなっている。 画面の後ろの方で、表情を作っている姿をみると、自分の役割をよく分かっているなという印象をもつ。
[映画館(字幕)] 7点(2009-11-23 22:14:13)(良:1票)
16.  1408号室 《ネタバレ》 
スティーヴン・キング原作だけあり、かなりぶっ飛んだホラー作品だ。 現実的とはいえない部分も見られたが、全てが非現実的な部分だけではなくて、現実的な部分と非現実的な狭間を上手く描かれている。 完全な作り物とはいえない部分が面白い。 殺人鬼やゴーストなどが登場する映画は、基本的には視覚的な刺激やびっくり音による刺激に終始している。 しかし、本作は「幽霊」「幻影」などによる“視覚”、「耳が突然聞こえなくなる」「ラジオの突然の音」「フロントとの恐怖の電話の会話」などによる“聴覚”、「雪」「水」「凍えるような寒さ」「汗が滲むほどの暑さ」などによる“触覚”、(「チョコ」や「酒」による“味覚”)といったようにほぼ五感をフルに刺激させるような作りとなっている。 ジョン・キューザックの上手さもあるが、様々な“恐怖”を丁寧に描いている。 五感を刺激するだけではなくて、「無限ループ」「抜け出すことの出来ない閉鎖性」「親族の登場」といったように精神的なダメージまでをも食らわせるという優秀なホラー作品と評価できる。 自殺するまでやむことのない地獄を味わせるという“恐怖”が描かれている。 ラストも個人的には好みの仕上がりとなっている。 表面どおり見る人には、「1408号室」に打ち勝ったハッピーエンドと考えることもできる。 テープは、主人公の単なる妄想ではなくて、現実だったということを強調しただけかもしれない。 しかし、深読みする人には、まだまだ「地獄は続いている」とも考えることはできる。 見る人によって、解釈が異なるラストは悪くない。 部屋の秘密は明らかにはなっていないが、何もかも明らかにする必要もなく、神秘的なものは謎のままの方が“恐怖感”は高まるのではないか。
[映画館(字幕)] 7点(2008-12-01 00:35:56)(良:1票)
17.  イグジステンズ 《ネタバレ》 
クローネンバーグ監督の「ビデオドローム」を見ている人ならば、この世界観をより理解できるだろう。 「ビデオドローム」の世界を別の角度から、分かりやすく描いたような仕上がりとなっており、クローネンバーグ監督の入門編ともいえる作品かもしれない。 本作を見てもダメならば、「ビデオドローム」は見ない方がいい。 クローネンバーグ監督作品を自分はあまり多くは見ていないが、この独特の世界観には上手くハマることはできた。 「ビデオドローム」同様に、現実の世界と虚構の世界との区別がつかなくなることに対するクローネンバーグ流の警鐘ともいえる作品となっている。 虚構の世界において、主人公がゲーム感覚の人殺しをヒロインに諌めておきながら、現実の世界において、主人公が躊躇なく人殺しをしてしまうところに、クローネンバーグ流の強烈な皮肉を感じる。 虚構の世界において、ゲーム感覚の人殺しの問題点に気づくということ自体もひとつの虚構ということなのだろう。 虚構の世界で感じた善の意識など、しょせんはまがい物であり偽善でしかない、現実の世界において何一つ影響を与えないということかもしれない。 ただ、一方で虚構の世界におけるゲーム感覚の人殺しは、現実の世界において影響を与えたり、問題となっている。 善の感覚は現実に影響しないが、悪の感覚は現実に影響するというのは、矛盾しているようで矛盾していないのかもしれない。 思った以上に、本作は哲学的にはなかなか深いのかもしれない。
[DVD(字幕)] 7点(2008-07-04 23:13:05)
18.  インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 《ネタバレ》 
過去のシリーズのような派手さはないが、作り込みは悪くない。 インディ・ジョーンズシリーズ特有のユーモア感を残しつつ、「レイダース」以上に硬派な宝探しアドベンチャーに仕上がっている。 父親ヘンリーがユーモアのある、いい味のキャラクターに仕上がっており、インディとのバランスが取れているのも好感がもてる。 宿命のライバルであるナチスとの宝探し合戦、親子の確執、親子愛、学者の宿命など盛り込まれており、全体的にもバランスが良い。 なんといっても、ラストのやり取りも素晴らしい。 溝に落ちた聖杯を取ろうとするエルザと諌めておきながら、インディ自身が同じ境遇に陥った際には、同じようなことをしてしまうのは考古学者の性でもあろう。 そのような息子に対して、息子の名前(実名でないところが素晴らしい)を言うだけで諦めさせることができたのも父親として、学者として威厳があるからなのだろう。 優しくて、重みのある雰囲気がまさに父親らしいものであり、素晴らしい演技だった。  本当は学者ヘンリーこそ誰よりも聖杯を望んでいたはずであり、そんな父の姿を見て育ち、学者としての先輩の姿を見てきたからこそ、彼の言葉に重みを感じられただろう。 大事なのは“物”そのものではなく、“真実”ということなのではないか。 捜し求めていたものが存在したということが重要であり、“宝物”そのものに価値を求めることは大して重要ではないということを伝えているような気がする。 この辺りの考古学的なロマンにも惹かれるようになっている。 ただ、過去のシリーズには超有名なシーンがあるが、本作にはそういったシーンがないので印象が薄くなっているのが残念だ。
[DVD(字幕)] 7点(2008-06-15 02:47:55)(良:1票)
19.  いつか晴れた日に 《ネタバレ》 
ラストにエリノアが泣き崩れるシーンがいいね。あのシーンだけでいかにエリノアが内に色々なことを抱えて生きていたのかがよく分かる。自由気ままな妹(最初姉を気遣ってブランドン大佐との関係を踏み出せずにいるのかと思っていた…)を心配し、夫を亡くした母を気遣い、言いたいこともいえずに一人悶々とした日々を送り、おまけにルーシーとかいう女に色々とあることないこと訳の分からないことを言われ続けた揚句の涙だけによくエリノアの心情を察することができるよいシーンだと思う。 その後もとくにエドワードとエリノアの二人の結果を執拗に描くこともせずに、さらりとブランドン大佐とマリアンヌの結婚式の中で描くのもさすがにアンリーだ。 そして、あの結婚式の風景を丘で一人見詰めるウィロビーの表情も好きだ。人間的で、かつ複雑な表情をしている。 マリアンヌに幸せになって欲しいと願っているのと同時に、やや後悔にも似た想いを感じる。様々な環境に流されて、間違った選択をしてしまうのは人生に付きまとうものである。 マリアンヌを選ばなかった選択が間違っているか、合っていたのかは分からないが、もし自分がウィロビーの立場ならば、彼と同じ選択をしただろう。その選択が合っているのかどうか分からずに悩みながら人生を生きるというのも一つの男の生き方ではないか。ブランドン大佐に賞賛の声が多数挙げられているが、ブランドン大佐のモトカノの娘を孕ましたというエピソードがなければもっと彼に対しても同情の声があってもよいと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2006-03-27 01:08:25)(良:1票)
20.  イレイザーヘッド
観ている間、まるで鈍器でアタマを殴られ続けるような感じにさせてくれる映画。 ヘンリーだけでなく観客にとっても正に悪夢と言ってもよいかもしれない。 あまりに耐えられない悪夢なので、自分の妄想のなかで自分のアタマを消しゴムにして粉々に吹き飛ばしてみたくなる衝動もなんとか分からんでもな。 悲惨なオトコの現実逃避を描いた作品なのかもしれない。 そして途中でラジエーターの女性が歌った歌がこの映画を言い表したようなものでしょうか。 頭が変になることもなく、全て上手くいき、悩みなんてない世界、それが天国。 子どもを殺して、最後は自分を天国に行かせてしまったような感じがする。 リンチ以外に作ることは出来ない正にある意味では傑作と言って良い世界観をもった映画。モノクロもいい効果が出ている 個人的には「工場で何してるんだ?」「ただの工員です。」の後に全く動かなくなったオヤジとベッド脇に盛られた土に刺さった草のようなモノが特に気に入りました。 それにしてもあの赤ん坊は作り物としてもリアル過ぎる、特にあの眼の動きは説明することは難しい。 そしてあの口や舌の動き方はなんなんだろう、切ろうとしたチキンが足をばたつかせることの比ではなく説明困難だ。
7点(2004-11-14 04:31:48)
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