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1.  二十四の瞳(1954) 《ネタバレ》 
日本の映画史上、最も多くの人の涙腺を刺激し、泣かせた映画ではないだろうか!この映画、とにかく音楽の使い方が素晴らしくてそれだけで涙が出てきます。全編に流れる小学唱歌の名曲の数々、子供達の歌う村の鍛冶屋などある意味、反則だとは思うが、反則だろうが、良いものは良い。あの子供達の健気さだけで既に私はもう、何度見ても解っちゃいるけど涙が出てきて困る。あの桜の木の下で大石先生と子供達が電車ごっこをして遊ぶ場面における素晴らしいショットも映画ならではの幸福感というものを感じることが出来て本当に素晴らしい。それにも増して七つの子は全編に流れる音楽の中でも最高です。あの子供達と撮った集合写真が出てくる度に泣けて泣けて本当に涙で眼の前が見えなくなりそうです。最初からとにかく泣けるのに大石先生(高峰秀子)の教え子達が青年になり、そしてその教え子達が戦争が始まった事により、みんな兵隊に行ってしまった後の物語など特に泣けて仕方がない。その教え子達の半分以上は戦争によって亡くなってしまい、そして戦争が終わるものの、大石先生の夫も戦死して帰ってこない。何という悲しみ!これを観て泣かない人がいたらそれは鬼です。戦争が終わり、かつての教え子達の中で生き残った何人かと再会をする場面も本当に泣ける。眼の見えなくなってしまった岡田磯吉(田村高廣)が集合写真を見てそれを隣で見ている大石先生とその他の教え子達(仲間達)、窓を明け、「浜辺の歌」を歌う香川マスノ(月丘夢路)、この場面も涙なくして見れません。この作品とにかく日本映画史上に残る反戦映画の名作です。大石先生演じる高峰秀子の美しさと全編に流れる音楽、美しい瀬戸内海の風景、どれをとっても素晴らしく文句無しの10点です。「先生、何もしてあげられないけど、一緒に泣いてあげる」あぁぁぁ~大石先生よ!なんて良いこと言うんだ!最後にこの話は他にもリメイクものやテレビなどでも幾つも作られてはいるけど、どれも駄目!認めたくない。大石先生は絶対に高峰秀子!高峰秀子しか認めません。
[映画館(邦画)] 10点(2005-07-17 22:22:07)(良:4票)
2.  人情紙風船 《ネタバレ》 
この映画を観て感じることはただ一つ!こんなにも凄い映画をわずか20代で撮った山中貞雄という監督は物凄い!今の日本の監督でこんな凄い作品を撮れる監督はまずはいないと思うし、まして、20代で撮るなんて絶対考えられません。わずか30歳という若さで戦争により亡くなってしまった山中貞雄監督の死は日本映画界における大きな損失だと思う。とにかくこの映画のその映像といい、物語の凄さ、ラストの溝に落ちて流れていく紙風船の描写は鳥肌が立ちます。 山中貞雄監督の最高傑作であって、それだけではなく日本映画史上、10本の中に入る素晴らしい大傑作だと思う。私の中で観る度に評価が高くなる稀な映画として、当然の如く満点の10点です。
[ビデオ(字幕)] 10点(2005-06-16 22:30:24)
3.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
エンニオ・モリコーネの音楽を聴くだけで涙が出てきて参ります。映画を愛する者にとって、そして、長年、映画を愛し続けてきた者にとって、この映画のラストシーンでのキス・シーンのフィルムを観て流す涙は哀しいからではなくて、生きることの喜び、純粋な映画への愛情に対する幸福の涙ではないかと思います。少なくとも私はそう思っています。映画が好きで好きでたまらない少年トトと老人アルフレードとの交流、イタリアの美しい町並み、モリコーネの美しすぎる音楽、どれをとっても申し分の無い素晴らしい映画です。
[DVD(字幕)] 10点(2005-06-04 17:05:40)
4.  人間魚雷回天 《ネタバレ》 
映画の前半で木村功の玉井少尉が叫ぶ、声に出して言う「死ぬのは怖くないのか?」「俺は怖い」というあの場面、戦地で亡くなった被害者の写真をバックにして本心を語る所などは人間の本音の部分、思っていることの全てをぶちまけている。誰だって戦争になんて行きたくもないし、戦争なんて無ければ良いのにと思っていても声には出して言えないのがこの当時の状況であるように感じるし、それは玉井少尉だけでなく、他の人間も皆、同じである。宇津井健の村瀬少尉が亡くなったと思われていたのに、生きて帰ってきたと知った時の仲間の姿には彼ら全員の思いが伝わったからこそ生きてこれたと思えるぐらい仲間への意識、それが戦争という中で生まれる人間としての優しさなのではないだろうか?加藤嘉と岡田英二の二人の会話の中での岡田英二の「戦争は人間が始めたものであり、終わらせるのも人間である」というような台詞がこの映画を通して松林宗恵監督が最も言いたかった部分であるように私には思えた。この岡田英二の言葉こそ時代に関係なく、世界中の人々へと聞かせてやるべきであるように思うし、また、戦争というこのあってはならない中で恋人との悲しき別れと再会のどちらも経験し、だからこそ「俺は死にたくない。戦争は怖い。」と訴える玉井少尉(木村功)の言葉の重みがひしひしと伝わってくる。この映画は戦争映画だけど、恋愛映画でもある。色んな意味で人間の本音、仲間意識、その他人生に対する悲しみもあれば喜びもあるし、だからこそ人は人として大きくなれるのだというそういう力強いメッセージを感じさせられる映画であるし、松林宗恵監督自身が戦争を経験しているからこそここまで描ける作品である。日本人ならいや、世界中の人に一度は見て欲しい映画でもある。
[DVD(邦画)] 9点(2010-08-12 08:44:49)
5.  ニワトリはハダシだ 《ネタバレ》 
オハヨ オハヨ スズメモ チュンチュン オハヨ♪オハヨ オハヨ ボクモワタシモ ナカヨク アソビマショ♪て、なんだ?いきなりこの変な歌とコサックダンスのようなシーンから、やられた!このいかにもバカっぽい感じのするスタート!森崎東監督は社会に対する挑戦!人間とはいかにバカな生きものなのかということを伝えたいと思わせるそんなシーンからして、これぞ正に森崎東ワールド!だからと言ってこの監督の描こうとしているのは単なるバカな人間、世界を描こうとしてるのではなく、バカだろうと何だろうと人間としての在り方、生き方をストレートにそして、力強くエネルギッシュに描こうとしているように感じるし、本当にこの映画に出てくる人達はどいつもこいつもバカな奴きりです。しかし、このバカの中には生きる為のエネルギー、源とでも言うべきか?どんなバカでも人として一生懸命に生きているのだということを言おうしているように私は思う。そんなこれこそ森崎東監督らしい世界であって、またそんなバカきりの人間的な魅力、つまりは熱い人達ということ。はどこか井筒監督の「パッチギ!」に通じるし、やくざに追われ、警察にも追われてのハチャメチャな展開などはマキノ監督の作品のようで、ワッショイ!ワッショイ!と祭のシーンなんて、正にマキノ監督の世界で、また変わってる人達の変わってる人間模様なんて川島雄三監督の世界に通じる。バカだけど魅力的な人物きりと熱くこみあげてくるストーリー展開、これこそ今の日本映画に必要な要素であると私はこの映画を観て、そう感じました。いずれにせよ、こういう熱く変わった話、私は大好きだ!
[DVD(邦画)] 9点(2006-08-05 13:40:02)(良:1票)
6.  偽牧師
いやあ、ほんとチャップリンっていつ観ても面白いし、観る度に笑えて、最高の映画作家だ!この作品にしてもとにかく理屈なんていらない。もう最初から最後まで本当に面白い。どう見たって牧師には見えないチャップリンが偽牧師として教会に招かれてしまい何とも可笑しくて、ただただ笑いぱなしの作品としてこれまた私の中では傑作の一つです。
[DVD(字幕)] 9点(2006-04-16 22:05:46)
7.  担え銃
チャップリン映画は長編だけでなく短編映画の中にも傑作が多いが、この作品もそんな傑作の一つで、とにかく何度見ても面白いし、本当に笑える。観る度に笑えるからこそ傑作なのです。戦争を題材に、全てを笑いでくるんでしまうところは本当に凄いとしか言えない。木に変身してのチャップリン、あの場面はこの映画の中でも最高の笑える場面だ!
[DVD(字幕)] 9点(2006-04-16 21:59:19)
8.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 
映画ってストーリーだけじゃない。そう私に教えてくれた映画である。この映画を観て、楽しめるか楽しめないかは人それぞれである。当たり前のことであるが故に沢山の意見があって良いのである。スタンリー・キューブリック監督はそういうようにして映画を観る人達に対して、一人一人色んな答えを出させ、考えさせた上で映画の可能性を見出そうとしたと私は思います。はっり言って初めてこの映画を観た時は何が何だか全く理解できず、なんてつまらない映画だと思った。しかし、何年かしてこの映画を観る楽しみ方、それを今は亡き私の最も好きな映画評論家淀川長治さんがこう言っている。映画を頭で観たらつまらないね。もっと感覚的に観て欲しいと。そうなのである。この映画はストーリーだけを追って見たらまず絶対に楽しめない。つまらない。しかし、冒頭の地球が出てくる場面、流れる音楽、沢山の猿、猿が猿同士喧嘩する。猿が空に向って投げる骨、そこでまた流れるクラシックの音楽、映像、音楽、この二つが映画の可能性、更に色んな意味で映画とは何か?ただ笑って、泣いて、面白がるだけが全てでない未知の可能性、映画の持つ力、更にこの映画の存在が多くの映画人に与えている影響力、この映画はそういうものを全て兼ね備えている映画であるのだ。タイトルにある宇宙の旅を体験する映画としてもこの映画は映像の持つ凄さ、スタンリー・キューブリック監督の才気、コンピューター社会の恐さ、人間の狂気、単なるSFの古典では評価出来ない映画であるような、とにかく凄い映画である。
[DVD(字幕)] 9点(2005-07-26 21:59:22)
9.  日本侠客伝 花と龍 《ネタバレ》 
マキノ映画で星由里子と二谷英明と珍しい二人が作品の中での大きなキーとして描かれている。どちらも、何となく東宝任侠映画での違和感を覚えなくはないがそれを打ち消してしまうマキノ雅弘監督の演出により、見応えのある作品になっている。いつものマキノ任侠映画組の魅力、主演の高倉健は勿論の事、脇役の魅力、特に山本麟一が素晴らしい。そして、もう一人、藤純子の美しく、格好良い振る舞いに眼を奪われる。自分の腕で刺青を入れ、その刺青を惚れた男(高倉健)の奥さん(星由里子)に見せるシーン、女にしか出来ない素晴らしさ、菊の花で締めくくるラストまでの流れも良い。マキノ映画ならではの迫力のある殴り込みのシーンなど如何にもこれこそマキノ映画というこのシリーズのラストを飾るに相応しい作品です。
[DVD(邦画)] 8点(2016-06-28 19:26:52)
10.  日本一のゴリガン男 《ネタバレ》 
何と前向きな映画なんだ!というのがまずは最初の感想でして、植木等演じる日本均というこの男の前向きさ、事故により一年もの間、入院、そして、退院して自分の勤めているはずの会社のある場所に戻ってみると何とそこは別の会社になっていた。自分の会社は倒産していたのである。普通なら泣きたくなるのにこの男は泣くどころか笑っている。作り笑いではない笑いでそれならそれでこの別の会社に就職しちまえば良いんだ!とまあ、何というお気楽ということか前向きな男である。絶対に弱音を吐かない。泣き言など言わずに自分の才能を活かしてどんどんと活躍し、社長に対しても自分の思っていることを堂々と言ってみせる。例え相手が誰であれ、自分の気持ちに正直に生きる。正に人間としての本来のあるべき姿、出世のためならどんなことでもやりとげる。社会人としての手本のような男である。植木等の演じるこの男を見ていると他の植木等と同じで元気になれる。やたらと後ろ向きな暗い映画がどうにも最近の邦画には多いように感じる中で、この植木等主演映画はいつも前向きだし、そんな姿を見ていると頑張ろう!て気持ちにさせられる。だから私は植木等が好きだし、植木等の映画も好きである。そんな植木等が田中邦衛とのやりとりやら坊さん姿の左卜全などの可笑しさなどもこの映画を面白いものにしている。
[DVD(邦画)] 8点(2011-05-09 21:47:09)(良:1票)
11.  日本一のホラ吹き男 《ネタバレ》 
まるで人生、やったもん勝ち!口からでまかせも、けして、単なるでまかせなんかではなく、本当に言った通りになっちまう。それを実行する植木等演じる初等が凄い。もう、植木等の発する言葉のテンポの良さ、何だか渥美清に匹敵するぐらい植木等を見ているだけで面白いし、嫌な事も全て吹っ飛んでしまいそうになる力を持っている。この映画の主人公のように人生なんてそう簡単に行くはずもないし、そんなに簡単に行くもんか!て突っ込みを入れたくなる人もいるだろうけど、映画なんだから良いじゃんか!許せてしまうのはこれは完全に植木等という俳優の持つ魅力があるからこそこの映画は見ていて面白い。出世街道まっしぐら、これだとばかりに惚れた女も手に入れる。何もかも上手く行くこの調子の良さ、社長に対するゴルフの接待のシーンの面白さ、急に歌が入ってミュージカル調になったかと思えば、時代劇風になってみたりと何でもありの世界である。それを嫌味なく楽しませることに関してもこの映画は上手い。イニシャルKさんが既に書かれているように谷啓のどこか「次郎長三国志」の石松を思わせる口調ぶりにも笑わせられた。「日本一の色男」「日本一のホラ男」と見た。これは他の植木等主演による「日本一シリーズ」も全部見たくなったし、見なくては気が済まない。
[DVD(邦画)] 8点(2011-05-07 10:24:01)(良:1票)
12.  ニーベルンゲン 第I部 ジークフリート 《ネタバレ》 
まず一言!流石!流石である。フィリッツ・ラング監督、やはりこの監督はただ者ではない。モノクロの画面からひしひしと伝わってくる復讐劇としての怖さ、女の怖さ、全編モノクロであることがその怖さを更に醸し出している。何しろセットの素晴らしさ、確かに昨今の映画のような派手さは無いかもしれないが、子供騙しのお子様ランチ的な映画には無い映像作家としての素晴らしき映像センスの前にはCGなんてものがどれだけ映画において邪魔していることかよく解る。後半のジークフリートが戦う森の中での場面の緊張感とジークフリートを殺された恨みを晴らそうとするクリームヒルトの深い愛と悲しみとやるせなさ、女の復讐への恨みの怖さ、さて、この続きが気になって仕方ない。愛するジークフリートを殺されたクリームヒルトのこの後、どのような行動に出ることか?楽しみである一方で観るのが怖かったりもする。なにわともあれ、面白い映画である。
[ビデオ(吹替)] 8点(2010-07-04 21:08:06)
13.  人間の條件 第六部 曠野の彷徨 《ネタバレ》 
さあ、いよいよ、これでラストとなるこの第6部は梶の美千子への想いが今まで以上に悲しく描かれている。何としてでも俺は生きる。前に向って歩く。そして、必ず美千子の元へ無事なまま戻るという才気溢れる仲代達矢の演技の前には戦争は何て惨酷、人と人との間を切り裂く。仲間の死を眼の前にして、気が狂って仲間を死に追いやった奴は生かしてはおけないというものがモノクロの映像からどんどんと見えてきて恐ろしい。またこの最終作品の中で高峰秀子の避難民中の女の今、ここで戦争はやめてと叫ぶシーンにおいても、強烈なほどのメッセージが含まれている。そんな彼女の叫びを聞いて、降伏する日本兵、戦争からは何も生まれないという監督が一番、描きたかったことであるように感じ、ラストの雪の中、美千子に饅頭を渡したいが為に歩きつづける梶の姿、最後、美千子に会うことが出来ないまま倒れた梶、そうとは知らないであろう美千子の笑い声、全てが何とも惨酷で、悲しい結末に戦争なんてものさえ無ければ人は誰をも憎むことなく、幸せでいられるのにという気持ちが湧いてくる。見ていて楽しい映画なんかではないし、むしろ、腹が立ってばかりだが、それでもこの映画の6作品全てを今、何かあれば直ぐに戦争だ!やられたらやり返してやる。とそういう考え方しか出来ない人達にこそ特に見て欲しい作品である。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-14 11:29:41)(良:2票)
14.  人間の條件 第五部 死の脱出
いよいよ、ここまで来たかってぐらい、とにかく見ていて疲れるし、ひたすら重苦しくてやりきれなくなるけれど、戦争が人間を人間でなくしようとするというものがここでも見られて、とにかくこの重苦しさ、梶にとっての軍隊とは、戦争とは?作品全体に今まで以上に死というものが付きまとう。もう、既に皆さんがコメントしている通りであるからして、これ以上述べることはないが、ここまで見てきたからにはどんな結末になろうとも、覚悟の上で観なくてはならないと思う。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-13 15:17:20)
15.  人間の條件 第四部 戦雲篇 《ネタバレ》 
梶のラストの叫びこそがこの映画の中で監督が一番、訴えたいことではないだろうか!人間なんてラララララ~♪て歌があるけれど、人間は時として自分さえも見失い、そして、鬼と化す。例え上司であれど、場合によっては構わずに殺すという狂気、「俺は鬼になる」「絶対に生き抜いてみせる。」「その為ならどんなことにも耐えてみせる。そして、鬼になる」この梶のラストの台詞は第1部と第2部の中で梶が中国人の捕虜達を助けることが出来なかった。自分の情けなさによって、命を助けることが出来なかったことへの苦悩の表れである。中国人に「お前は鬼だ」と言われたその通りに鬼と化した梶(仲代達矢)の才気、演技がとにかく恐ろしい。戦争はこうまでして、一人の人間を変えてしまうのか?戦争シーンの一切、音楽を流さずにひたすら延々と描く描写、モノクロの画面から伝わってくる重苦しさ、それは今時のCGなんかでは絶対に伝えられない恐怖、その全てが描かれていて、とにかく回を重ねる度に怒りと恐怖に心が震える。果たして梶はこの先、最後まで生き残ることが出来るのか?美千子との再会が果たして出来るのか?色んなことが頭の中でめぐりめぐって、毎度ながら観ていてもやりきれない重さがあるけれど、ここまで見た以上、最後まで絶対に見なくては気が済まない。梶が無事に美千子と再会し、昔の幸せを取り戻せることを心から祈るばかりです。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-06 17:04:10)
16.  人間の條件 第三部 望郷篇 《ネタバレ》 
人間が人間でなくなる。梶の心の叫び、仲間の一人、小原の自殺、その原因を認めようともしない吉田、吉田を庇う他の奴ら、皆がとにかく憎たらしい。私なら吉田なんか死んで当然、絶対に助けたりしない。梶の奥さんとの一夜のエピソードや小原のエピソードなどが何とも悲しい。軍隊が人間を人間でなく、まるで機械のように変えてしまう怖さ、相変わらず見てるだけでやりきれなくなる思いでいっぱいです。 梶が病院に担ぎこまれた後の軍隊にはない生活がまるで天国のようだとばかり時折笑顔を見せる梶と若き看護婦さんの二人の姿も印象的!梶の「会いたい人には会えるんだ」というラストの台詞を信じたい。梶が再び美千子と会える事を信じ、祈りつつ、次の作品も見たい。そう思わずにはいられない終わり方に希望を感じ、そして、そう願わずにはいられない。
[DVD(邦画)] 8点(2010-02-06 09:52:51)
17.  人間の條件 第二部 激怒篇 《ネタバレ》 
前作に引き続き、2日連続の観賞となった第2部はこれまた見ていて腹が立つ。同じ日本人として、これほど腹の立つことはない。梶(仲代達矢)の言葉に耳も傾けない三島雅夫の黒木署長に中国人捕虜との喧嘩の末に負傷したことは中国人捕虜達が脱走しようとした事を止めたからだと嘘を言う小沢栄太郎に脱走を企てることを吹き込み、陣(石浜朗)を罠に嵌めて殺させた三井弘次にも腹が立ち、出来ることなら奴等三人こそ処刑されるべきだと言いたくなるぐらい許せない思いでいっぱいになる。この三人を更に上回る許せない奴がいる。それは安部徹の渡合である。こいつが自分の名誉のことしか考えず、脱走兵とされた七人を処刑しようとする。ここで2人が先に首を斬られ殺される。そこで処刑の立会人を命じられた梶が命を張ってこれ以上は殺させないとはむかうシーンでのそれを見て他の中国人全員、宮口精二の王亨立の掛け声と共に立ち向かうシーンに感動せずにはいられないと共にもう少し早ければ2人の命も助けることが出来たのにという梶の表情が何とも切なくて、やりきれなくなる。梶と美千子の心の葛藤も1部以上に苦しみを感じさせる仕上がりになっていて、とにかく切なくて悲しくて、高を殺された悲しみ、恨みを梶にぶつける有馬稲子の演技もこの映画の全て、中国人から日本人への強烈なメッセージとして観ることが出来る。全てにおいて、とにかく重くてやれきれない映画であるが、けして、眼を背けてはならない真実、人間としてのあるべき姿を考えさせられる映画として見応え十分!この後の話も絶対に見なくてはという気持ちになってきた。
[DVD(邦画)] 8点(2010-01-27 21:06:18)
18.  人間の條件 第一部 純愛篇 《ネタバレ》 
これは人間の持っている狂気、更に惨酷さ、悲しさがきちんと描かれているということをまずは評価しなくてはならない。誰だって自分が一番、可愛いはず。人の命令に従うことの苦しさ、同じ人間なのに、ただ国籍が違う(日本人と中国人)てだけで人間を人間とも思わずに犬扱いする連中、それがあの中国人捕虜の前で犬を投げ捨てる場面によく現れている。日本人が中国人に対してここまで酷い態度を取ることのやりきれなさがひしひしと伝わってきて、同じ日本人として、何とも心が痛む。それは見ている私だけでなく、この映画の主人公、仲代達矢演じる青年、梶も同じである。日本人の下で働かされている中国人を同じ人間として平等に扱おうとする梶、それとは対照的な三島雅夫と小沢栄太郎がとにかく憎たらしくてならない。ここまで日本人が嫌な人間に見えてくる映画が、しかも、同じ日本人監督の手によってきちんと描かれている。約束を守らないで中国人の老人の顔をムチでぶったり、踏みつけて殺す小沢栄太郎、しかも、それをまるで悪いのは中国人の方であると言わんばかりの三島雅夫、とても人間とは思えないぐらいである。そういう事をこれが真実であると、真実から眼をそらさずに描くことで人間の狂気、非人間的な者への怒りをリアリティを持って包み隠さずに見せてくれているこの映画こそ、日本人なら、いや、同じ人間なら一度は観るべきであり、人間としての條件というタイトルに相応しい力作である。中国人を男も女も日本人が演じているという意味でもこの映画の持つ存在の意味は大きく、中でも淡島千景のあの異常なほどの色気、かっこ良さからは眼をそむけることなど出来ない。まだこの最初の第1部しか見てないけれど、これは全部見なくてはとても、気がおさまらない。この後、どのような展開が待ち構えていようとも、真実は真実だと受け入れて観る必要がある。
[DVD(邦画)] 8点(2010-01-26 21:23:09)
19.  人間蒸発 《ネタバレ》 
今村昌平監督、この監督の描く理想の女ってどんな女なんだ?この作品には何かその答えのようなものがあるようなないような?何とも複雑で色々考えさせられる。婚約者である大島裁(ただし)なる男がある日、突然姿を消した。その婚約者である女、早川佳江は今村昌平監督の要請を受け、俳優、露口茂と共に大島を捜すドキュメンリー映画への出演を承諾し、取材をしていくうちに大島は大人しい男であったり、気が弱い男であったり、またある者は仕事の出来ない男であったと色々な証言が出てくる。大島の過去、女絡みやらお金の問題やらが明らかになりはじめるに従って、どんどん話は面白くなっていく。しかもこの大島という男の蒸発の動機が解らないという所にこの作品の狙いがあるように感じるのである。当事者以外には解らないからこそそれを追求したくなるというものを逆手に取った所の上手さ、そして、大島の婚約相手の女である早川佳江が次第に婚約相手の大島よりも露口茂を好きになってしまう所の面白さ、面白いと言えば今村昌平監督自身がしばしば画面に写り、まるでその視線は何だかヒッチコックのように自分自身で楽しんでるようにすら思えてしまう所にこの作品の面白さがある。作られたドラマよりもドキュメンタリーの方がドラマチックであるんだとばかり言っているようにも思え、今村昌平監督が描く女はやはり普通じゃない。強い女の前には男なんて何も出来ないとばかり言っているような、師匠である川島雄三監督の影響を受けているような普通じゃないこと、ある意味、可笑しくて、馬鹿馬鹿しくて、人間なんて馬鹿な生き物の集団さとでも言っているようである。人が何故、蒸発するのかなんて誰にも解らない。自分の胸に聞け!常にそう言われているような今村昌平監督の人間観察の前に男の弱さ、男は女よりも弱い。だから大島は姿を消した。そう語りかけているようである。川島雄三監督ほどの軽快さ、陽気さとでも言うのかなあ?がまるで感じられないし、人間のドロドロした部分ばかりを描く為に好き嫌いはっきり分かれる監督だとは思うが、この監督の人間観察ぶりは師匠以上に鋭くそして、重たい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-26 22:32:10)
20.  ニッポン無責任野郎
植木等演じるこのノーテンキぶりが素晴らしい。ここまでいい加減、ノーテンキぶり、お調子の良さ、世の中楽しく!楽しく!て感じが常に漂う。過去より未来に眼を向けて生きようではないかというメッセージまで描かれている。ところで何だか女性陣のキャストを見ると「社長」シリーズぽいなあ!て思ったらこの監督さん、「社長」シリーズの助監督をしてるとは、通りでなあ!「社長」シリーズと「釣りバカ」シリーズを足したような気楽さ、植木等の源さんの部長を馬鹿にしたあの歌が笑えた。笑えた。とにかく余計な事など考えずに楽しむに相応しい植木等の代表作! 
[DVD(邦画)] 8点(2009-03-25 20:23:15)
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