101. 不撓不屈
《ネタバレ》 余りにも薄汚い役人ども、私利私欲無い熱血議員、主人公の質実剛健さと家族の絆。この物語が実話である事に始終唖然とさせられました。勝ち目の無い戦いに勝った部分がナレーションで済まされている事が非常に残念です。彼のご都合主義ではない正義感、妥協なき正義感、小賢しさのない正義感は、真似が出来ないだけに畏敬の念を抱きました。滝田栄はまり役です。 [DVD(邦画)] 6点(2012-08-18 00:47:37) |
102. ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない
長時間労働、ヘンな人々。これでブラックというのでしょうか? 納期に商品を納めようとする真っ当な会社にあって、「ここしか居場所はない」と悪戦苦闘するマ男クンに、悲壮感は感じませんでした。その状況より何十倍、何百倍も辛くて苦しいのがニートであるのだから。 [DVD(邦画)] 5点(2012-06-23 08:51:31) |
103. ブルース・ブラザース
兄弟から何一つとして魅力を感じなかったので、自らのご立派な目的さえ果せれば「後は野となれ山となれ!」のご活躍ぶり、及び、質より量の演出、並びに似たようなシーンばかりの工夫のない拙い編集に白け返るばかりでした。音楽に造詣が無いせいなのか歌のシーンにも入り込めず。期待外れの徒労感に襲われる作品でした。唯一、クスリとさせられたネオナチ司令官殿に敬意を表して「超激しょぼ映画」から「メガトン級の面白なさ」に格上げとします。 [DVD(字幕)] 1点(2012-02-20 01:28:37)(良:1票) |
104. フレンチ・コネクション
張り込み・尾行・追跡・解体の各シーンから迫り来る「犯人を必ずや逮捕する」という素行不良刑事と、「妥協を許さない」という映画監督、それぞれの常軌を逸した執念と仕事へのプライド。唖然とさせられ、敬服させられる私の思いを代弁してくれる相棒の絶妙なキャラクター。どうしようもない結末のやるせなさ。何年経っても色褪せる事の無い忘れじの名作。 [DVD(字幕)] 9点(2012-02-04 13:20:58) |
105. 舞踏会の手帖
丁寧に描かれる各人の20年間の生き様。クリスティーヌ16歳の初舞踏会から20年で36歳。まだまだ長い人生をどう過ごすのだろうか、再び20年先に彼らと顔を合わせたらどんな話をするのだろうか。歳を重ねるということに考えが及ぶ作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2011-12-21 21:31:42) |
106. フィツカラルド
《ネタバレ》 山をジリジリと登って行く船を見て、ピラミッドもこうして造られたのかなぁと頭に浮かびました。成せば成る事を見せてはくれたものの、あまりの冗長さとインディオの真意にくたびれてしまいました。奥さん(?)の懐の大きさ、大らかさに励まされるものがありました。 [映画館(字幕)] 5点(2011-11-28 01:26:41) |
107. 豚と軍艦
若さの特権かのように描かれる弾けるエネルギー。その発散の仕方が肝心と思わされる事を、走り回る豚たちのような無秩序なものであった青年の末路が表しています。 [DVD(邦画)] 4点(2011-07-29 23:42:48) |
108. ブーメランのように
監督が殊更に強調する、父性愛、更生者の苦渋、警察権力の非情は「暗黒街の二人」とは異なる独り善がりなもの。ラストシーンに、題名の絶妙さと短気を起こしてしまった父の悪あがきの浅はかさを見ました。監督は父子をどう捉えているのでしょうか?役にピタ-ッとはまっていたドロンには満足しました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-12-06 01:45:57) |
109. プライベート・ライアン
臨場感は凄いです。確かに。リアルさを窮めて悲惨さを訴えようとしているのでしょうが、そこは人殺しの道具を持った者同士が殺しあう、言うまでもない狂気の場。これみよがしで執拗過ぎる描写。ミッションはおらが軍の人道主義を誇示するプロパガンダ。二つの相乗効果で味わう不快さが特筆に価します。 [ビデオ(字幕)] 0点(2009-11-22 03:07:51)(笑:1票) (良:4票) |
110. ブリット
子供時分の記憶が微かに残っていただけはあるカーチェイスシーン、緊迫感に握りこぶしを作って見入っていました。このシーンも含め全編に亘って漂う硬質な空気はマックィーン特有のものです。本作ではいでたち・身のこなし以上に目力が素晴らしく、恋人になじられた際の眼差し、チャーマースを撥ね付ける眼差しに惚れ惚れしました。脚本がどうにも拙く作品として4点が限度。残念です。 [DVD(字幕)] 4点(2009-09-19 23:39:13) |
111. プレデター
見えない敵にハラハラさせられ高まった決着への期待が、見えてしまった時点で崩れ去りました。個人的に「大山鳴動してわたり蟹一匹」と呼んでいる作品です。 [地上波(吹替)] 3点(2009-09-09 01:31:50) |
112. 冬の華
《ネタバレ》 初めて観ました。冒頭とラスト。歴史は繰り返されました。抗い切れなかった健さん、洋子と対峙しても素性を明かさなかった健さんにヤクザの筋の通し方、そんな生き方が美学とされるヤクザ社会の哀れさを見ました。感情を封印して無言で一突きする相手が身内なので、抗争相手の描かれ方がおざなりなのは致し方ないのかもしれませんが残念です。また、人となりや価値観の窺い知れない洋子の描かれ方も物足りないところでした。 [DVD(邦画)] 6点(2007-01-10 23:55:47) |
113. ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月
前作にも増して太った姿で登場したブリジットに、年増の居直り女のドタバタコメディである事が想像されました。こんな女から何も感ずるところはありませんでしたが、きれそうできれないマークは興味深いキャラクターです。職業柄か、育ちからか。「男は黙って」派の私には感心ですが、どこか不気味さも感じます。 [映画館(字幕)] 5点(2005-03-24 22:46:24) |
114. フォロー・ミー
学生時代に一度観たきりですが、妻と探偵が街を歩く姿は、バックに流れる音楽と共に忘れる事はありません。心の触れ合いの大切さ、感じることの素晴らしさを教えてもらいました。パンフレットを眺めては、もう一度観たいと思いながら何十年も過ぎました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・この度、映画館での鑑賞が叶い感慨無量のひとときを過ごしました。 あてどなく街を歩く妻、お愛想の付き合いをそつなくこなす夫、激務で寂しさを麻痺させたと話す探偵。それぞれが孤独に耐えている。ときめきは歳月と共に色褪せてゆく。そうであるからこそ、ロンドンの街を歩く二人、ラストのチャールズのはにかんだ笑顔に胸が締め付けられるのです。 [映画館(字幕)] 9点(2005-01-23 23:08:38) |
115. フェイク
情よりも重い掟、情よりも重い任務。組織の一員としての責任を果たす厳しさを互いに理解していた二人の姿に胸が痛みます。レフティが小引き出しに一つ一つ身に着けているものを置いて部屋を後にする姿はパチーノ名場面集の中でも1,2位を争うシーンです。己の不明さを悔いているのか、一花咲かせようと挑んだ事に悔いなき想いなのか、何時も考えさせられます。私がパチーノにのめり込むきっかけとなった記念すべき作品です。 [DVD(字幕)] 9点(2005-01-01 07:50:10)(良:1票) |
116. ブリジット・ジョーンズの日記
《ネタバレ》 コメディとしては笑えず、ラブストーリーとしてはホロリとさせられない作品です。相対した時には自らを必要以上に大きくも小さくも見せる必要はないという部分では「ありのままに」です。しかし、月日が経っても何一つ変えようとせぬままでの「ありのままの私なの」は、ぐうたら女の居直りにしか聞えません。ダイエットひとつをとってみても、彼に美しくなった姿を見てもらいたいの一念が持続の源で恋する喜びなのです。成功しても恋が成就するとは限らない事を思うと本作の結末には馬鹿馬鹿しさに脱力感を覚えました。 [ビデオ(字幕)] 3点(2004-12-16 00:38:49) |
117. ブラック・レイン
当時の通勤途中で見かけたあの場所、この場所。スクリーンの中では妖しい魅力に溢れる光景で誇らしく思ったものでした。悪役好きの自分にとって松田優作の狂気に満ちた演技も日本男優ここにあり、と誇らしく思います。ラストシーンの百貨店の包装紙と健さんの表情は忘れられません。自分の思い出の作品です。 8点(2004-10-14 00:11:21) |
118. フリック・ストーリー
《ネタバレ》 実在したらしい稀代の殺人鬼エミール・ビュイッソンを演じるトランティニャン。自分の中で最高のトランティニャンです。視線で人を殺せる事が出来る様な凄み、躊躇するという事を知らない冷酷無比な所業と、その際の能面の様な表情はエミールそのもののように感じて、底冷えのする怖さでした。一方で、ピアノに聴き入る姿は人間の血が僅かながらも通っているようで奥深さを感じました。したたかで理詰めにエミールを追ってゆくロジェを演じるアラン・ドロンの抑えた演技も良かったです。レストランでの逮捕までの一連のシーンは、ピリピリした空気で脈拍が早まり耐えられない程の緊張感でした。 2022年6月17日没 合掌 [ビデオ(字幕)] 8点(2004-08-28 01:24:52)(良:2票) |
119. ファインディング・ニモ
子供の付き添いで見て予備知識も期待も無かったけれど、なかなか面白い映画だった。CG技術の凄さに仰天だし、ストーリーも目が離せない展開で良く出来ていたし、キャラクターも憎めないヤツばかりで(特に水槽の中の面々)良かった。室井滋はドリーにピッタリだった。特に印象に残ったのは、マーリンが網に捕らえられたドリーを助けに行こうとするニモを止めたけど、ニモの決意にここは止めるべきでないと思い直して危険を承知で行かせた時の顔、そして「下に向かって泳げ」と必死に励ましている姿で、子育てって子の成長を願うなら親も成長しないとその願いは叶わないものなんだと感じた。 7点(2004-01-04 00:13:29) |
120. フランス軍中尉の女
《ネタバレ》 サラに振り回されるチャールズ、アンナにふられるマイク。両者を演じるジェレミー・アイアンズの「恋は盲目」状態は彼のはまり役で良かった。マイクの家でのアンナとマイクの妻のやりとりは見応えがあった。妻の目が「芝居ではチャールズを婚約者から盗りあげたけど私からマイクを盗れるものなら盗ってごらん」と言っていた。恋愛ごっこと結婚して生活する事の違いをアンナは痛感したのでは。 6点(2003-12-31 22:28:12) |