221. バンド・オブ・ブラザース<TVM>
10時間という壮大なスケールだからこそ、E中隊のメンバーの絆の深さを実感でき、自分もその一員であったような錯覚も覚える。これは普通の映画には出来ないこと。衛生兵や補充兵がクローズアップされたエピソードもあり、さらに戦闘シーンの激しさはテレビだとは思えないほど壮絶、声を上げて反戦を叫ぶわけでもなく、忘れてはならない事実を描いた、自分の中では戦争映画のベスト作品です。まだ観ていない方に:この作品は登場人物の名前や関係を把握しづらいのですが、その辺は混乱していても十分楽しめます。 9点(2004-02-28 17:53:12) |
222. たそがれ清兵衛
愛すべき作品。川のせせらぎ、鳥のさえずり、虫の声、月、朝日の眩しさ、藁葺き屋根の白い煙、パチパチと音を立てる囲炉裏、飯をずずずとすする音、東北の訛り、娘たちの「行ってきます」、サラリーマンのような侍たち、小林稔侍の茶目っ気、襷を巻く宮沢りえ、着物が擦れる音、刀を研ぐ真田広之の迫力、時代劇において革命的なまでにリアルな殺陣・・・。江戸時代の優しさと非情さをこんなにも身近に感じさせてくれる映画。あぁ日本人で良かった。近年数少ない、素晴らしい時代劇をリアルタイムに見せてくれた山田監督に心から感謝します。 9点(2004-02-27 23:11:24)(良:2票) |
223. 宮本武蔵 一乗寺の決斗
武蔵と吉岡一門、戦いの物語である第四部。そして五部作最大のクライマックス、武蔵と73人が戦う一乗寺の決斗は必見。この辺りから、武蔵の影も広がっていく。某大河ドラマを許せなかった人はこちらを。 8点(2004-02-27 22:22:22) |
224. 何がジェーンに起ったか?
不気味、冗長、陰鬱。ぐへっ 4点(2004-02-26 14:08:33) |
225. ドッグヴィル
《ネタバレ》 劇場を出た後の強烈な頭痛。 家々に壁は無くとも、人々の心の中にそれは間違いなく存在する。何とも利己的で、冷淡で、ふてぶてしい、生まれながらの罪人たち。 さよならドッグヴィル。 7点(2004-02-25 23:01:28) |
226. 嗤う伊右衛門
自分で登録して最初のレビューにこんなこと書くのもあれなのだが、何とも気味悪く、何とも不快になった映画。顔の皮を剥いだり首切ったり、ヘビやネズミがうじゃうじゃ出てきて。この映画の人物はみんなドロドロして、生臭くて、爬虫類の表皮を触るみたいに嫌気が差す。一番まともなのはお岩だ。彼女だけが人間だったんだ。 蛇足:「嗤う(わらう)伊右衛門」っていうタイトルは、観終わったあと思ってる以上にしっくりくる。 1点(2004-02-24 19:03:30) |
227. フォレスト・ガンプ/一期一会
「人生はチョコレート箱のようなものであけるまで中身は分からない」って台詞が有名だけど、そんなん箱に入ってるんだからチョコレートだろうが和菓子だろうが何だろうが分かるわけないじゃん。 4点(2004-02-23 16:51:17)(笑:1票) |
228. 幕末太陽傳
「10年後にはどうなっているか分からない」日本、つきまとう明日への不安の中でも明るく生きる人々。夜空の星がどうして輝いているのか、それは太陽に照らされているから。そう、星は一人では輝けないのだ。じゃぁ、太陽は誰に照らされているのだろうか・・・? テンポよく退屈する暇など全くない楽しい映画だが、その雰囲気はどこか寂しげ。 8点(2004-02-22 15:14:29)(良:1票) |
229. 壬生義士伝
テンポ良く、とても楽しめた前半。だがラスト30分が全てを台無しにしてしまう。これほど長く無意味なシーンを続けた意図が分からず、ただただ呆然。隣に座っていた客が号泣していたのにはただただ唖然。日本アカデミー賞受賞にはもはや失望。(邦画の現状に対し) 5点(2004-02-20 22:53:55) |
230. フレンチ・コネクション2
予想は付いてたけど、実話をベースにした前作とは違い、普通のアクション映画になってしまっている。これはこれでそう悪くはないのだが、ハードで骨太な空気感はフランスの美しい町並みには合わず、やっぱアメリカの冷たさあってのもの。麻薬の恐ろしさを痛感するという意味では「レクイエム・フォー・ドリーム」に次ぐ。 6点(2004-02-20 17:08:19) |
231. セルピコ
まさしく究極の正義。利益などは欠片もなく、マイナスだらけの困難な状況の中、全てを犠牲に貫き通す。やはり正直者が馬鹿を見る社会にはしてはいけない。そして、正義を貫く事で不利益を被ることなどは絶対にあってはならないのだ。セルピコのような本当の英雄たちのよって、この世界は少しずつ良くなっていくのだと思う。知るべきである事実をこうして伝えてくれる映画もまた素晴らしい、と改めて実感した。 7点(2004-02-18 16:07:38) |
232. フレンチ・コネクション
《ネタバレ》 コンクリートのように冷たく、それでいて銃口から飛び出た弾丸のように熱い。無駄な音楽や台詞を廃し、刑事たちの剥き出しのドラマが描かれる。銃声で終わる物語。あぁ、このハードボイルドな世界にクラクラするゼ。 8点(2004-02-17 17:07:48) |
233. 我が家の楽園
《ネタバレ》 うんうん、そうだよ、お金なんかより大切なのは友達だよ。観て良かった、いい映画だった。コミュニケーションも希薄で正直に生きる事が恥ずかしくさえある現代で、これほどストレートな美しい感動物語をつくったとしても笑われてしまうだろう、それはとても悲しいことだけれど。だけど、いやだからこそ僕たちは古い映画を観るのかもしれない。この白黒の物語の中でなら、友情や愛情に素直に感動する事が出来る。そう、クラシック映画は永遠のイノセンスだから。 8点(2004-02-16 23:27:00) |
234. ゴスフォード・パーク
《ネタバレ》 人間関係はいつの時代もややこしく、ドロドロしていて嫌気が差す。しかしその底に隠された愛の強さ。うん、母は強し。 6点(2004-02-16 17:29:27) |
235. 乙女の祈り
《ネタバレ》 少女が殺人者になる過程を2時間かけて見せられる訳で、これは見ていて本当にツラい。ボウリーン、ジュリエット、母親、父親、不倫相手、下宿人、教師。一体誰が、何が二人の未来を闇へ導いてしまったのだろうか。二人だけをどうして責めることができようか。あの残虐な殺人を見てしても、二度と会う事の叶わなかった二人への哀れみを否定できない。人は生まれながらに罪人である。この殺伐とし、欺瞞に満ちた日常の中、二人にとっての現実は第四世界だけだったのだろう。 ・・・、けど現実世界も意外と悪くないぞ。 7点(2004-02-15 22:27:08) |
236. ロミオとジュリエット(1968)
この映画に8点以上つけてらっしゃる方は生粋のロマンチスト、間違いない。そんで自分は微妙なところ。 6点(2004-02-13 23:44:23) |
237. 恋におちたシェイクスピア
「恋におちた平井堅」。 7点(2004-02-13 23:40:33) |
238. M:I-2
全然ミッションがインポッシブルに見えないハントのヒーロー振り、ジョン・ウーの熱さは影を潜めた薄っぺらい人間模様。カッコいいアクションシーンとトム・クルーズだけの映画なのだが、これを中学生当時に見た自分としては最高だった。劇場を出ると気分はトム・クルーズ、早速二丁拳銃を構えて横っ飛びしたくなる。アクション映画にとってヒーローの気分にさせてくれる、というのはかなり大事な事です。 8点(2004-02-13 19:46:26)(良:1票) |
239. ラスト サムライ
《ネタバレ》 トム・クルーズが海の向こうから魅せた侍魂。「最後の侍」たちが、圧倒的劣勢の中、それでも挑んでいった戦い。もしかしたら、それは悪あがきに見えるかもしれない。あるいはただの時代遅れだ、とも。だがしかし、彼らのように己の魂を賭けてまで信じて向っていける何かが、自分の命よりも大きな価値を見出せる何かが今の我々に存在するであろうか?命には終わりがある。悠久の生命など存在しえない。その限りある一生のうち、どれだけ自らの魂を燃やしつくせるか。その炎が人々の記憶に残り、後の世でも輝き続けるのではないか? この映画の物語は、確かにハリウッド色に染め上げられている部分が幾つかある。だがしかし、トム・クルーズ達が見せようとした武士道精神は間違いなく本物だ。だからこそ崩れ行く彼らの姿に、この胸はこんなにも震えたのだ! そして迫力ある合戦シーンには胸高鳴る興奮を覚えると同時に、微かなジェラシーも感じられた。今の日本映画界に、この映画のように壮大な合戦シーン、迫力ある時代劇をつくるだけのパワーは残念ながら存在しない。やはり侍映画は我々日本人のものだ。軍勢の先頭で雄たけびを上げる渡辺謙さん、真田広之さんが余りにもカッコいいだけに、こんな壮大な合戦を日本映画でも観たい、どうしてもそう思わずにはいられないのである。 8点(2004-02-13 19:41:56)(良:1票) |
240. ザ・ミッション 非情の掟
それまでの香港ノワールに多く見られた銃撃戦や爆発の激しさは影を潜め、それよりも静けさ、水の反射の青いゆらめき、銃撃の間の沈黙が映画を満たしている。最初はチンピラの集まりにしか見えなかった男たちがどんどんカッコ良くなっていく87分。銃撃戦評論家のロンメル元帥さんが絶賛してるってことからも凄さが分かるってもんで。 8点(2004-02-13 17:23:44) |