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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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401.  列車の到着 《ネタバレ》 
「ラ・シオタ駅への列車の到着」。 リュミエール兄弟が撮った短編群の作品の一つ。 駅のホームで列車を待つ人々、遠くからグングン手前に近づいて来る列車。それを待ちかねたように近づき、止まった列車に乗り込んでいく。 列車の先頭は劇中二度と出てこないが、ファーストシーンの列車のインパクトと人々の移動が最後まであの黒い物体を「列車」だと観客に認識させる。  このドキュメンタリーの先駆けでもある1分にも満たない“一瞬”が、今の映画の“一瞬”の積み重ねに繋がっていく。
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-02 02:10:52)
402.  砂漠のシモン 《ネタバレ》 
45分の高密度で撮られた一篇。 この話の流れそのものはかなり解り易い。高い塔の上に引きこもっているオッサンをただ引き摺り下ろすだけでいいのだから。 聖歌を歌いながら広い荒原を歩いてくる人々。冒頭はシモンを頼ってやって来る人々が彼を地面に降ろす。 求道者として人々の願いに応えるシモン。普段はずっと塔の上で日向ぼっこだ。食料は紐のついたズタ袋によって塔の上に運ばれる。実際のシモンは大も小も垂れ流しでもの凄い臭かったとか。流石のブニュエルもその“匂い”が伝わってきそうなほど汚い身なりにはしなかったようだ。服の下の脚はボロボロだけどね。 身体が欠損した人間は「忘れられた人々」等にも登場。両の手を求める人間は思い出したかのように手が戻り、ある者は泡を吹いてシモンの下を流れていく。 それにしてもドラムでドンドコやるのが好きだねーブニュエルは。  15分を過ぎた辺りから引きこもりvs悪魔による闘いが始まる。ここから時代設定とか色んなものがブッ壊れ始める。いや、彼にとって本当の“現実”は何なのか解らなくなり始めると言うべきか。 地上を通る人々の姿。鶏を追う老婆、シモンのために働く女と戯れる自分の幻、そして子供のようにはしゃぐシルヴィア・ピナル! 酷い歌詞を歌いながら輪っかを高々と掲げてリム回し(輪回し)を始め、漆黒のセーラー服?で迫り来る。 「ビリディアナ」ですらピナルは谷間だけ見せたが、今回は豊満なおっぱいとガーターベルトと太ももとパンティを惜しげもなく見せる。シモンを誘惑するために。 ヤギのおっぱいもビンビンですね。 おっぱいを見せたかと思うと瞬時にシモンの横に移動、長い舌を出し、スプーン?でブスブスッと刺す。 また次の瞬間にはさっきのピナルの帽子を被った全裸の婆さんが。誰得だよっ!! ウサギに食べ物を分け与えるのは、掌にとまった虫を潰さずに解き放つのは求道者としての自分を保つため。 シモンに従う女もまた謎が多い。さらっと蟻の巣を埋めるとか鬼かwww ゼウスが羊を抱えるのは蹴り飛ばすため、羊の毛で鞄を作るため、石を詰めて投擲するため、カエルは爆発するため。 今度は橋が倒れ、地面を走る棺桶から片乳出したサタンとして再びシモンの真横に現れる。そしてシモンにトドメをさすように飛来する翼が発する音・・・。 ラスト5分の踊り狂う人々の姿。果たしてどちらが本当の「シモン」なのだろうかアッー!(最後の絶叫)
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-01 18:00:09)
403.  激怒(1936) 《ネタバレ》 
いやー本当アレだ。タイトル通りこの映画のラングは“ブチ切れ”てる。 ナチスのクソ共よくも私が映画を撮りづらい環境にしやがって、 ユダヤ人迫害しやがってあのクソチョビヒゲ、 おかげで私の愛しいテア・フォン・ハルボウと離れ離れだよファ●キンゲシュタポ、 まあ ど お せ?私の「メトロポリス」をメチャクチャにしくさった奴らのいる国なんかもうウンザリだね、売り込んで延命?そんな価値はもう無えよ!!アメリカでテメえらを散々disってやるよあ゛あ゛ーん゛!?・・・てな事をラングが何処まで思っていたかは別として、とにかくそんな感じにラングの怒りがズドンと伝わってくるアメリカでの記念すべき第一作「激怒」。  序盤は普通のドラマだが、徐々にドイツ時代の禍々しいまでの戦慄と恐怖が画面を支配しはじめる。  「凶悪犯が捕まった」という知らせがまるで伝染病のように拡まり群衆を狂気に奔らせる。これは「M」や「メトロポリス」等で見せてくれた群衆心理の恐怖。ラングがドイツで描き続けた恐怖であるし、同時に「私はドイツでこういう映画をいくつも作った。それもこの作品でひとまずお別れだ」という具合に、つまりドイツ時代との決別を感じさせる。 事実、アメリカ時代のラングはドイツ時代にあった“まがまがしい”ほどの恐怖は消えてしまった。だが、その代わりにドイツで研鑽を重ねてきた技術や美術はアメリカでより一層発展したと言える。後の「死刑執行人もまた死す」や「スカーレット・ストリート」「暗黒街の弾痕」「ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ(アメリカでは一番評価が高いラングのフィルム・ノワール)」へのな。「激怒」はそのはじまりでもある。  中盤の法廷劇で感じるのは、まるで河から溢れ出し止めようのない激流、それに何も抵抗できずに押し流されるような・・・とにかく圧倒的な恐怖だ。 祖国ドイツがナチスの狂気で染まり、意を唱える者はその声すら誰にも聞いて貰えず溺死させられる・・・問答無用で。 それにしたってウォルター・ブレナンの何と素晴らしいこと。「死刑執行人もまた死す」でも印象的だった。シルヴィア・シドニーは「暗黒街の弾痕」「真人間」だろ? この頃から出演していると思うと胸熱。 クライマックスは何度見ても衝撃的。 オマケに製作にジョセフ・L・マンキーウィッツ!傑作にならないワケが無い。 
[DVD(字幕)] 9点(2014-06-01 00:33:56)
404.  弥太郎笠(1960) 《ネタバレ》 
1952年の「弥太郎笠 前後篇」の3時間を90分にまとめあげてしまうマキノ雅弘の妙技。 これぞ股旅時代劇「弥太郎笠」の決定版。   いや、淀川長治さんが絶賛していた稲垣浩の「弥太郎笠(彌太郎笠)」がいつ発掘される解らない。 なので、現時点での決定版という事で。  この「弥太郎笠」こそマキノ映画の文字通り“祭り”のエネルギーが脈打つ代名詞的な存在だろう。  本当は旗本の御曹司である弥太郎は、武士社会に嫌気がさして股旅の渡世人としての人生を選ぶ。 序盤からテンポ良く惹き込まれるのはいつもの事だが、幻想的な祭りの場面の踊りは御曹司(エリート)としての踊り、歌、剣の腕前を隠し、武士ではなく一人の人間としてお雪と交流する。   かつて世話になった恩人のため、惚れた女のためにヤクザ一家との死闘を選ぶ弥太郎。   全身からエネルギーがほとばしる中村錦之助のパワー、 少しふっくらした感じだが町のおっとりした可愛らしさが美しい丘さとみ、 これを中心としたマキノ流アンサンブルが繰り返され心地良い。  日本の時代劇の面白いところは、殺陣が無くても話の面白さで見入ってしまうところだ。    いや、殺陣もあるからこそ更に面白い。  1957年の「浪人街」じゃ本当に火花散らす鍔迫り合いがあったし、本作も負けてねえぜ。  「血煙(決闘)高田馬場」も、 「次郎長三国志」も何処か狂気地味たフルスピードの斬り合いが強烈だった。 この映画も凄い凄い。  お腹一杯になる傑作です。
[DVD(邦画)] 9点(2014-05-31 11:52:38)
405.  海底王キートン 《ネタバレ》 
いやーこんなアイデア満載で面白いのがまだあったとは。  発想に次ぐ発想とはこの事。  最初は少し淡々としているが、徐々に次から次へと事件が起こる面白さ。  “煙草”で出会う男女二人(頭に落ちてたらシャレになんねえ)、  缶が開かねえ? ナイフ、包丁、ドリル、あーあー貴重な食料が。  しかし物がどんどんブッ壊れる話だな。 食料→服→トランプ→船 キートンよトランプに何の恨みがwww  窓から覗く“男”が怖えー。  蝋燭?ダイナマイト!?  チャップリンの「移民」も揺れればこっちも揺れに揺れてイスをドボーン。  船内生活も慣れてくると快適だ。 ボイラー室?がベッドで缶きりも料理もピ・タ・ゴ・ラ・ス・イ・ッ・チ♪  あちゃー船が座礁だー。 おーっと、都合よく置いてある潜水服!何とご丁寧に取り扱い説明書まで!!行き届いてるわ~。  セットがいつも以上に豪華でワロタ。流石キートン。なんたってさらに“船”も“火砲”も“ロケット”まで出てくるんだから。  潜水服でタバコ吸うなよ(笑) 今回どんだけアホな回なんだよwww  当時ガチで水に潜った偉大なる先駆者の一人キートン。当時は超危険だったから、中に潜るだけで4週間かけたんだと。最高の役者馬鹿だぜ。  「危険です」 誰も行かねえよ!  キートン「あー修理がキツイ。猫の手も借りたいなー」  ロブスター「おい小僧!」  そしてカジキ、地元民とのスキンシップ(海戦)もルンルン。  船上での戦いが凄えぜ!馬鹿のバーゲンセールだ!!  行くぞ戦艦キートン!  潜水服=イカダ。  それにしたって海から現れるキートンのカッコ良さは以上。 ヒロインを助けるときも無駄に。あらやだ超カッコイイ・・・。 肺活量パネエー。  水抜きは切腹が一番。  しかし女というものはどうしてこう濡れると色っぽく(ry  最後の最後まで発想の勝利に次ぐ発想の連続、ツッコミが追いつかねえ。  お腹いっぱいで大満足です。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-29 22:48:39)
406.  次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊 《ネタバレ》 
本来はこの第八作で完結予定だった次郎長。 完結を予定していただけに、畳み掛けもシリーズ一番の迫力を感じさせる。 石松が主役といっても良い。  次郎長一家のやり取りも益々和気藹々として面白おかしく、「旅がらす次郎長一家」で仲間を失った痛みからようやく吹っ切れた感も出ている。  先に旅立った豚松も、生まれ変わって槍を振り回して(「七人の侍」に出演して)いる事だろう。  諸事情で途中退場してしまった仲間たちのエピソードもキチンと織り込み、ストーリーはより厚みを増してくる。  どうでもいいけど、加藤大介は出れないで何で志村喬が出て来れんだよ(笑) 志村さん「七人の侍」で一番重要なお人じゃないか。 戦前から「弥次喜多道中記」や「鴛鴦歌合戦」でマキノ一家と馴染みが深い人だし、シリーズで一番盛り上がっている時に出るのは自然な流れなのだろう。短時間とはいえ、大親分としての存在をしっかり印象付けて去っていった。流石だ。  中盤の政五郎と石松の戦いは必見だ。 半裸になりじゃれる様に刃を交える斬り合いは熱く、その途中で「俺にはお藤さんがいるから死ねんのよ~」とのろけてみせる政五郎のノロケにガクッと呆れる石松が面白い。が、何処かギクシャクする。 普通戦闘時の女の話は死亡フラグである。 ギム・ギンガナムで言えば「戦場でな、恋人や女房の名前を呼ぶ時というのはな、瀕死の兵隊が甘ったれて言う台詞なんだよ!」と思いながら石松も戦っていたに違いない(何じゃそりゃ)。  だが、政五郎には生きる理由が存在する。 石松はどうだ、戦って死ぬ事に活路を見出そうとしているのではないか。 政五郎に触発されたか石松、夕顔への想いを募らせる。 だがそこは石松。忠義は次郎長に、惚れた女には義理立てだけして去っていく。切ない。  この後に再び登場する志村喬の演技が素晴らしい。  そして再び刃を交える政五郎と石松。 「俺も惚れた女が出来たから死ねん」とノロケ返しだ。 夢のような幻想的な光景が展開される。  石松の直球を受ける気ゼロのお園は本当魅力的。  しかし、“戦馬鹿”じゃなくなった石松は・・・石松よ永遠に。  この作品でパワーを使い果たしたか、第九部はラストに相応しくない急ぎ足の作品となってしまったのが惜しい。
[DVD(邦画)] 9点(2014-05-27 19:18:54)
407.  不良少年(1961) 《ネタバレ》 
戦後の動静を一人の少年から見つめた、青春映画の珠玉の一篇。  海外でも寺山修司と共同監督した「初恋・地獄篇」で知られる羽仁進。   出演者は全員素人で、ドキュメンタリーの形を成したフィクション。 フィクションとはいえ、一人の少年が“不良”として少年院に入れられ出所するまでの時間は今この場で起きているようなリアリティに溢れる。  リアリティがあるが、少年への感情の移入は無い。 あくまでドキュメンタリーとして淡々に少年を追うのだ。 けれども、時間が経るにつれて優しく精気を取り戻していく少年の顔。恐喝や“可愛がり”、人々との触れ合いをを通じて変わる者、変わらずに再び犯罪の世界の行ってしまうもの。 少年院は彼らの通過点でしかない。  この物語は、そんな通過点で心が変化していく人間を丁寧に描いた作品のようだ。
[映画館(邦画)] 9点(2014-05-26 20:05:22)
408.  彼女と彼(1963) 《ネタバレ》 
まず、左幸子が若くて可愛い。初々しい彼女と、ヒゲ面の野性的な伊古奈との対比が効いている。左幸子はとにかく誰にでも優しい、伊古奈もまた粗野ではあるが本当は優しさに溢れた人間だ。東京オリンピックを前にした年、百合丘を舞台に穏やかな昭和ノスタルジーに浸れる作品。
[映画館(邦画)] 9点(2014-05-26 19:53:12)
409.  非情都市 《ネタバレ》 
鈴木英夫は堅物作品ばかりで敬遠していたが、この作品はすんなり楽しめた。 スクープを血眼になってまで追い求める新聞記者への皮肉がたっぷり効いた傑作。「危険な英雄」がよりパワーアップしたような内容で、狙撃されるはボコボコにされるは、何がそんなに好きで危ない橋を渡れるんだという馬鹿ブンヤを描き抜く。何もかも犠牲に出来る狂ったブンヤたちの姿をひたすら追い求めた怪作。 それにしても司葉子は魅力的だ。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-26 17:22:28)
410.  旗本退屈男 謎の珊瑚屋敷 《ネタバレ》 
「謎の暗殺隊」と並んで旗本退屈男シリーズの最高作とされる作品。本作、ノリがまんまバタ臭いTV時代劇のソレ。この作品は職業監督に徹した印象。 主人公の旗本退屈男こと早乙女主水之介は、謎の心中事件の真相を探ろうと江戸の町をぶらりぶらり。 中川信夫にしては展開がややタルい。殺陣は盛り沢山で大立ち回りも迫力があるが、何のひねりもないチャンバラだ。でも、義侠心もここまで来ると清清しい。見た後に心地良い何かが残る映画です。
[ビデオ(邦画)] 9点(2014-05-26 16:25:39)
411.  キングコング対ゴジラ 《ネタバレ》 
個人的初期ゴジラシリーズ最高傑作。  あのキングコングとのドリームマッチが見られるだけでも最高の映画。  ゴジラとコングが取っ組み合って海に落ちていくシーンがあるだけでも満足。 どちらが勝つでもなく共倒れってところが良い。  ちなみに、二大怪獣のスーツアクターを務めた広瀬正一(キングコング)と中島春雄(ゴジラ)。黒澤明の「七人の侍」で野武士の一員として戦いに参加していたりする。どうでもいいけど、二人ともバリバリの武道の達人なのでキレも凄い。怪獣が一本背負いだのトンボ切りだのすんだぜ?二大怪獣と戦っていたのか七人の侍たちは・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-26 16:13:34)(良:1票)
412.  伝説巨神イデオン 発動篇 《ネタバレ》 
皆殺しをさせたら三千世界を天下統一できるほどの演出家、富野喜幸(由悠季)の最凶にして最高傑作。 ただでさえ無機質かつ狂喜乱舞な世界観が、旧作画から新作画に切り替わった瞬間から加速するというのに、俺が見たブルーレイの輝きはますます凄まじさを印象付ける。 何よりも美しく、何よりも残酷で恐ろしい。 それが「イデオン」だ。 破滅的なキャラデザ、メカニックをあそこまで魅せる監督やスタッフの手腕を、枚数制限無しの劇場版で存分に発揮した本作は、ロボットアニメを始めとするあらゆるジャンルのファン必見の映画だぜ。 最初から最後までカタルシスの全力疾走で、悲しむ余裕すら無い。 「人は理解しあえるのか?」という単純かつ複雑怪奇なテーマすら嬲り去り、ひたすら殺し合う登場人物たち。 首が飛ぶ、腕が飛ぶ、星が飛ぶ、銀河が飛ぶ、そして宇宙が飛ぶ。全てを徹底的に破壊つくす。 それをここまで殺りきったのはこの作品しか無いだろうな。 ヒロンの顔面に風穴空けるだなんて! 他の人間木っ端微塵にしといてヒロイン勢だけ残酷すぎる! 中の赤ん坊は生きてんだぜ? こんな死に方・・・嬉しいのかよ・・・満足なのかよ・・・俺は・・・嫌だ・・・! それでもコスモは最後まで戦い続けた。 際限のない戦いを終わらせ、答えを見つけるために。 「こんな甲斐意の無い生き方・・・俺は認めない。たとえそれが、イデの導きであろうともな・・・!」 目の前の理不尽な現実に最後まで立ち向かい、戦った。自分たちで運命を切り開くために。 最後の魂の葬列も、次の「永遠の戦い」への転生でしか無いのであろうか。 生まれ変わってまで人は戦い続ける運命なのか。 それは当事者たちにしか出せない答えだ。 実際に死に物狂いに戦い、生きようとした者たちにしか出せない答えなのだから。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-25 19:13:22)
413.  レイジング・ブル 《ネタバレ》 
ジェイク・ラモッタの自伝を元に映画化。 主人公がいかにボクシングによって栄光を掴み、いかに家族を失っていったかを苛烈に描いていく。  ラオール・ウォルシュの「鉄腕ジム」の影響を感じられるが、この作品は「鉄腕ジム」の間逆みたいな作品だ。  「罠」や「ボディ・アンド・ソウル」「殴られる男」に通じるフィルム・ノワールとしての側面もある。  19歳の青年から43歳の主人公を「体型の変化」だけで演じきったロバート・デ・ニーロの恐るべき怪演。 顔の表情も年齢を重ねるかのように徐々に変わっていくのだ。 後年の「アンタッチャブル」でもそうだが、太っても痩せても貫禄のある演技を維持できる役者はそうそういない。 撮影のために鍛え上げてきた肉体を短期間で肥やす事は簡単ではない。 またそれを元に戻すことはさらに容易な芸当ではないのだ。 デ・ニーロの役者魂を賭けた渾身の演技を堪能できる1作。  ●ここより長い雑記 主人公にとってボクシングは「道具」でしかない。 機械作業のような試合風景やベルトを平気で砕く場面からもそれは見て取れる。 主人公は家族と仲が悪くなっていくのは「ボクシングのせい」だと思い込みたかった。 ボクシングを捨てればいつでも家族は迎え入れてくれると信じていたのだろう。 本当は主人公自身の攻撃的な性格が原因であるのに。 過酷な打ち合いに己を見出し攻略してしまった男は、家族への配慮だけは攻略出来なかったようだ。 そして主人公が己の心自身に原因があったのだとようやく認める場面。 暗闇の獄中で見せた初めての涙。 喪失感に満ちた一人の男の表情がそこにあった。  80年代にあえて白黒のフィルムで描き、記録フィルムのようなカラー映像も古い機材を使うこだわり振り。 主人公が生きた1940年代~1960年代の「空気」を映像によって再現している。  ただ、血を吹き出すボクシングの試合風景よりも印象に残るもの。 それは主人公たちが住む街の空気だ。 アメリカ社会の底を写したかのような暗く沈んだ街、そこにこだまする夢に溢れた大人や子供たちの声。 汚くジメジメとした街に溢れる人々の温もりと、 栄光を掴む度に家族のぬくもりを失っていく主人公の対比。 そこら辺が印象的な映画。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-25 19:11:59)
414.  浮草 《ネタバレ》 
再見。  「浮草物語」のセルフリメイクであり、江戸っ子時代の小津安二郎に再会するかのような作品でもある。俺の好きな小津の傑作の一つだ。  港の灯台と酒瓶が並び、蒸し暑い夏の季節を迎えた街では噂が流れ、旅人たちの乗った船が港に入って来る。船の中も熱そうに薄着でくつろぎ煙草を吹かしている。  チラシを配りながら良い女がいないかチェックしてまわり、群がる子供たちには一枚もやらない。姉がいても子供にゃ用はねえぜとスタコラサッサ。 初対面の女の子だろうが遠慮なくボディタッチ、そんな野郎にはもれなく剃刀をゴリゴリやする怖い母ちゃんが御持て成し。頬が物語る“お礼”の跡。  旅一座がどうこうとか、そんなもんは正直どうでもいい。方々を旅できる設定なら何でもいいのさ。何せ本題は“情事”をめぐる喧嘩だもんな。それが後半一気に加速する。  宮川一夫が捉える色彩豊かな風景や市街地、艶やかな着物の柄、肌の色、女性陣が華を添えながら。  「目的」に会うためやって来たと言ってもいい“伯父さん”、楽しそうに青空の下で釣りをする光景。芝居の出来なんて二の次、ただ一緒に語り合えればそれで良かった。  小津にとって「劇中劇」は関係を悪化させるためのキッカケに過ぎないのだろう。「晩春」で原節子が本性を剥き出しにした時のように。 この映画も京マチ子と若尾文子の色っポイ仕草やら何やらを存分に堪能できるのだから。  旅一座の女役者、年季の入った座長、明らかに年齢の離れたこの夫婦。 壇上の垂れ幕は真相を物陰から覗く装置として機能し、密告を聞いた女の視線は柱の前で笑う“浮気相手”を捉える。合ってるけど違うすれ違い・勘違いが引き起こす騒動の始まりだ。  「敵地」に乗り込み確認するもの、土砂降りの雨と道を挟んだ大喧嘩!轟音すら凌ぐ罵声の浴びせ合い!!  嫉妬が生む“謀”、自分でやらないのは手を汚したくないからじゃない。それでも愛しているからこそ自分の肉体を許さない、コッチに目を向けて欲しいがため。 室内から路上→本拠地の中にまで引き釣り込む“誘惑”、情事を始めるための接吻。いきなり三回もチューチューしちゃうほどの一目惚れ!ちょ、チョロすぎだろコイツ…  そうとも知らず“夫婦”水入らずで話し合う場面なんてちょっと可哀想になってくる。 帰り道で見てしまった路地裏の先で分かれる男女、驚く自分を抑えるように壁の影に慌てて隠れる様。待ち伏せ、容赦なく浴びせられる罵声・平手打ち!呼び出した奴にもブチかます怒り振り!「宗方姉妹」や「風の中の牝鷄」ほどじゃないが、回数が少ないからこそゾッとする暴力性。  事件を予告する酒場での話し合い、散乱するチラシと結ばれた風呂敷が物語る“崩壊”。 列車の噴き上げる蒸気が示す“事後”、帰って来た者の告白。誰も平手打ちに対して怒ろうとはしない。それだけの恩を感じているからだろうか。床に突き飛ばす理由は愛する人を傷つけられたからであり、今更“父親”面しようとする人間に失望したから。  何もかも失った男は、頬を叩いていた手で優しく腕を撫で、謝罪し、託して庭先から去っていく。カエルの子はカエルになるかどうか分からない。いくらでも変わっていける。でも流れ者をしてきた男は年月が経ちすぎたのかも知れない。 そんな男に、あの人は黙って煙草の火を差し出し隣に座ってくれた。大きな船に乗って来た旅人たちは、小さな列車に揺られ次の場所へと消えていく。
[DVD(邦画)] 9点(2014-05-23 18:58:25)
415.  知られぬ人 《ネタバレ》 
「フリークス(怪物團)」に先駆けた傑作。 生まれ付き“ある筈のもの”が無く、普通の人間とは違う生活を強いられてきた者の哀しみと怒り。  「フリークス」はそういう者たちの怒りが刻まれた傑作だったが、この作品は“ある筈の無い”苦しみを抱えた男の物語でもある。 どうころんでも文字通り自分を“締める”話は見ていて辛い。 「フリークス(怪物團)」はまだ、何も隠さなずありのままの自分たちを他人に堂々とさらして力強く生きる人々のドラマがあった。 が、この話は隠さなければならない不安と、ソレが後に大きな伏線となってくる演出の見事さが加わっている。  ブラウニングの演出には一切よどみが無く、クライマックスまで一気に見てしまった。  とにかくロン・チェイニーの怪演、そしてジョーン・クロフォードの眩いばかりの可憐さに尽きる傑作。
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2014-05-21 18:58:47)
416.  襤褸と宝石 《ネタバレ》 
スクリュー・ボール・コメディの傑作。  もうね、最初から最後まで、何から何まで狂いに狂ったキチ●イどもが全力疾走するような映画です。  常識が最初からログアウト。最早“常識”なんてこの世に無いんじゃないかと思いたくなるような映画です。笑いすぎて死にそう(褒め)。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-21 18:38:51)
417.  何がジェーンに起ったか? 《ネタバレ》 
ロバート・アルドリッチの“漢”を描いた最高傑作が「キッスで殺せ」や「特攻大作戦」「ロンゲスト・ヤード」辺りだとすれば、“女”を描いた最高傑作は「カリフォルニア・ドールズ」とこの「何がジェーンに起ったか?」。 これほど強烈かつ、狂気&ホラー地味たタッチで女を描いた映画は中々ない。 ベティ・デイヴィスにとっても「イヴの総て」「情熱の航路」に並ぶ、 ジョーン・クロフォードにとっても「ミルドレッド・ピアース」「ザ・ウィメン」「知られぬ人」に並ぶかそれ以上の傑作。 冒頭の可憐に踊るジェーン少女と、裏でジェーンを羨ましそうに見つめる妹のブランチ。 成長してジェーンの人気が無くなった変わりに、ブランチは女優として羽ばたこうとする。映画にも幾つか出演し、栄光を掴もうというところまでいく。 しかし“事件”は起きてしまう。 歳を取り、ジェーンとブランチは老後を二人っきりで暮らす毎日。二人の孤独を埋めるのは、雇われた家政婦とご近所に住む親娘だけ。 ジェーンは事故で足の動かなくなったブランチの世話、歳の違いではなくジェーンの方が介護で疲れている感じ。老いた顔に金髪は白髪みたいで余計に歳を取って見える。 ブランチは過去を捨てた、ジェーンは過去を捨てられず縛られている女。自分の若い頃の生き写しと言える気味の悪い人形を持ち続け可愛がるほどだ。 ジェーンは自分より動けないクセにまだ若々しい容姿を保つブランチに嫉妬していた。 ジェーンは次第にブランチに嫌がらせをするようになり、行動は徐々にエスカレート。 ブランチが悲鳴をあげるのを聴くと嬉しそう高笑いをするシーン、ブチ切れてブランチの腹を蹴りまくるシーンは戦慄する。 仕舞いには人気の絶頂だった少女の格好をして歌いだす始末。 それに対して髪をおろした様子がちょっと色っぽいクロフォード。 終盤の浜辺で太陽の日差しが照る中で笑うデイヴィスは本当に幼い少女みたいで一瞬ドキッとしてしまった。 どんどん壊れ幼児退行のようになっていくジェーン、そしてある“告白”をするブランチ。ブランチがその“告白”を今までしなかったのも、姉に苦労をかけてきた罪悪感というよりはメンツやプライドの問題だったのかも。 浜辺で人々に囲まれ、ステージに立っていたあの頃のように踊るジェーンの姿。何ともいえないラストだった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-21 18:34:22)
418.  ロビンフッドの冒険 《ネタバレ》 
「カサブランカ」は余り好きじゃないが、「ミルドレッド・ピアース」や「汚れた顔の天使」と本作は別格。 数あるロビン・フッドものの中でも突出した作品の一つ。 他の冒険活劇映画と比較しても、キング・ヴィダーの「Badelys the Magnificent」やアラン・ドワンの「三銃士」「鉄仮面」に引けを取らない作品だと俺は思う。   エロール・フリンにとっても、この作品はラオール・ウォルシュの「鉄腕ジム」や「壮烈第七騎兵隊」と供にフリン最高傑作の一つ。   カーティスとコンビを組んだウィリアム・キーリーにとっても、彼の生涯に残る仕事の一つとなった。   フリンをはじめキャストも豪華だ。  エロール・フリンのアクションは元より、スピーディーな展開でグイグイ見る事が出来る カラーの美しさもたまらない。カーティス侮りがたし。  石の壁に映る影で、二人の男の激しい戦いを物語る演出も良い。 山田宏一さんが言うところの、正に血沸き肉踊る傑作。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-21 17:49:04)
419.  イワン雷帝 《ネタバレ》 
セルゲイ・エイゼンシュテインの映画には、フィルムが撮影されたにも関わらず破棄されてしまったフィルムが幾つか存在する。 一つは「ベジン高原」であり、もう一つは「イワン雷帝」の第三部だ。 「イワン雷帝」の第三部はイリヤ・レーピンの「イワン雷帝と皇子イワン」が如くイヴァン4世が今まで殺めてきた人々に贖罪を求めるという内容にするつもりだったらしい。 ところが、時のジダーノフ批判によってスターリンが「イワン雷帝」そのものを封印してしまったのである。 だが、それが先に製作された99分の第一部、88分の第二部を合わせた187分に及ぶ傑作を完全に殺してしまったワケではない。  第一部も凄いが、特に第二部! “暗殺”をめぐる数十分に渡るシークエンスが凄いんです。総てが一つに繋がる瞬間の戦慄! 暗殺の誓いをたてる場面、子供に子守唄を捧げる母親に送られる黒い布に包まれた“メッセージ”、ラスト28分で入り乱れるカラーと白黒の映像。 黒と赤が織り成す壮烈な宴、“生贄”にささげだす“戴冠式”という名の余興、真に果たされる“復讐”の結末・・・。  後悔の念で総てを破壊される者の最期・・・。  第一部も、第二部も、そして製作される筈だった第三部も絶望に満ちた叫びで終幕を引いて行く。  いくら叫び唄いつづけても、一度失った者は二度と戻って来ない・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-21 00:00:03)
420.  暗殺の森 《ネタバレ》 
ベルトルッチ初期の傑作。人によっては「ラスト・エンペラー」ではなくこの作品がベルトルッチの最高傑作だという人もいるそうだ。確かにそれほどの作品なのだろう。俺は最後まで余り好きになれなかったが。 第二次大戦前夜のイタリア。 主人公のマルチェロはファシスト組織の一員として暗殺の任務をこなす日々を送るが、幼き日のトラウマと優柔不断な性格で冷徹な殺し屋に成りきれずにいた。 まあ、殺しを部下に任せている事・銃もまともに撃てないなんて随分「中途半端」な殺し屋だ。 新妻となるアンナはマルチェロの裏仕事を知らない。 マルチェロも何処かファシストから足を洗いたさそうな表情を見せる。殺し屋一筋のマンガニエーロはそんなマルチェロをため息をもらしつつ護衛する。 マルチェロを励ます(?)マンガニエーロの姿はちょっと応援してしまう。 当の本人は殺しよりも魅力的な人妻にメロメロだ。いや夢中なフリと言うべきか。いや本当に惚れていたのかも。  母親の情夫、恩師の人妻・・・まったく嫌な事件だったぜ。やるせない。 車の中から“あの人”を見つめる姿なんてもう・・・ね・・・。  マルチェロが見た「アイツ」はソックリさんか本物か。それは解らない。  戦争によって狂い、戦争によって心を“抹殺”されていったマルチェロは今後どのような人生を歩むのか。そんな事を思うラストだった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-05-20 23:12:24)(良:1票)
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