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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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401.  次郎長三国志 第八部 海道一の暴れん坊 《ネタバレ》 
本来はこの第八作で完結予定だった次郎長。 完結を予定していただけに、畳み掛けもシリーズ一番の迫力を感じさせる。 石松が主役といっても良い。  次郎長一家のやり取りも益々和気藹々として面白おかしく、「旅がらす次郎長一家」で仲間を失った痛みからようやく吹っ切れた感も出ている。  先に旅立った豚松も、生まれ変わって槍を振り回して(「七人の侍」に出演して)いる事だろう。  諸事情で途中退場してしまった仲間たちのエピソードもキチンと織り込み、ストーリーはより厚みを増してくる。  どうでもいいけど、加藤大介は出れないで何で志村喬が出て来れんだよ(笑) 志村さん「七人の侍」で一番重要なお人じゃないか。 戦前から「弥次喜多道中記」や「鴛鴦歌合戦」でマキノ一家と馴染みが深い人だし、シリーズで一番盛り上がっている時に出るのは自然な流れなのだろう。短時間とはいえ、大親分としての存在をしっかり印象付けて去っていった。流石だ。  中盤の政五郎と石松の戦いは必見だ。 半裸になりじゃれる様に刃を交える斬り合いは熱く、その途中で「俺にはお藤さんがいるから死ねんのよ~」とのろけてみせる政五郎のノロケにガクッと呆れる石松が面白い。が、何処かギクシャクする。 普通戦闘時の女の話は死亡フラグである。 ギム・ギンガナムで言えば「戦場でな、恋人や女房の名前を呼ぶ時というのはな、瀕死の兵隊が甘ったれて言う台詞なんだよ!」と思いながら石松も戦っていたに違いない(何じゃそりゃ)。  だが、政五郎には生きる理由が存在する。 石松はどうだ、戦って死ぬ事に活路を見出そうとしているのではないか。 政五郎に触発されたか石松、夕顔への想いを募らせる。 だがそこは石松。忠義は次郎長に、惚れた女には義理立てだけして去っていく。切ない。  この後に再び登場する志村喬の演技が素晴らしい。  そして再び刃を交える政五郎と石松。 「俺も惚れた女が出来たから死ねん」とノロケ返しだ。 夢のような幻想的な光景が展開される。  石松の直球を受ける気ゼロのお園は本当魅力的。  しかし、“戦馬鹿”じゃなくなった石松は・・・石松よ永遠に。  この作品でパワーを使い果たしたか、第九部はラストに相応しくない急ぎ足の作品となってしまったのが惜しい。
[DVD(邦画)] 9点(2015-01-13 03:12:09)
402.  シャレード(1963) 《ネタバレ》 
純粋な娯楽として大いに楽しめる傑作サスペンス。  ヘップヴァーンのサスペンスと言えば「暗くなるまで待って」も面白いのだが、やっぱり「シャレード」の方が楽しくて好きだったりする。 なにしろ「北北西に進路を取れ」のケイリー・グラントのコミカルなキャラクターが楽しい。  ヘプヴァーンとグラントのやり取りは本当に飽きない。 疑心暗鬼が薄れたり高まったりの繰り返しもドラマを盛り立てる。 地味にジェームズ・コバーンまで出ているのも忘れがたい(当たり前だけど若っけえ)。  冒頭からセンスの塊のようなオシャレなオープニング、ヘップヴァーンの颯爽とした登場シーン。神オープニング。  今回のヘップヴァーンは色っぽいなあ。 オレンジを取るエロイ「ゲーム」で見せる艶めかしさ、パジャマ姿で髪を後ろに結ぶヘップヴァーンの可愛さ。  ストーリーは真犯人をめぐって様々な関連人物が登場するが、一人、また一人と消えていき最も信頼していた男にも裏切られるような展開はハラハラドキドキだ。 でもドーネンのユーモアに溢れた演出であまり殺伐とした空気はない。 なのに一切ダレる事なく楽しんでしまった。  ラストの劇場におけるクライマックスも面白いアイデア。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-13 03:12:00)
403.  怒りの日(1943) 《ネタバレ》 
「奇跡」と並ぶドライヤーの最高傑作。  「魔女狩り」をめぐって揺れた時代。女は男に愛を求めるが、その禁断の愛は男を虜にする。   女の魔性の美・・・心は拒絶しても肉体は彼女を求めようとする・・・人間の本能が。  ドライヤーの宗教描写は「宗教なんざクソ喰らえ」ってところが好きだ。 劇中の二人も禁じられた愛に染まっていく・・・。   ドライヤーの描く女性像もフルスロットル。   本当こういうの上手えなドライヤーは・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-13 03:11:51)
404.  キッスで殺せ! 《ネタバレ》 
「Remember Me(私を忘れないで)」だって?忘れたくても忘れらんねえよって傑作。 ロバート・アルドリッチはフィルム・ノワールでも多くの傑作があるが、コレは「何がジェーンに起ったか?」と並んで最高傑作の一つ。 ファースト・シーン、初っ端から路上を走る女。 ワケ有り女を拾って車が走り出すと同時にクレジットがズラズラ画面を上っていく。強烈なオープニングだ。 女の荒い吐息は、まるで性向でよがるような荒さすらある。  ミッキー・スピレインの原作「燃える接吻を」のセックスと暴力を盛り込んだハードボイルドの世界観を、アルドリッチ流の“えげつなさ”で描かれる。 SF的な要素を持ったフィル・ノワールは「アルファビル」や「ブレードランナー」等も該当するだろうか。 とにかくこの映画はよく壊す、よく歌う(クラシック)、よく叫ぶ、よく殴る(後ビンタ)、よく死ぬ。取り合えず酔ったまま運転すんなよ。 ヒッチコックの「汚名」も酔いどれイングリッド・バーグマンがぶっ飛ばしてたな。 「三つ数えろ」張りに女性がウジャウジャ出てくる。ドイツもコイツも謎を秘めて。 女性じゃないけど“va-va-voom(ババブーン)”ことニックのオッチャンも癒し。 そんな女たちを主人公のマイク・ハマーは、常に冷めた眼で見届けていく。 ハマーは「Remember Me」というメッセージだけを頼りに黙々と仕事に取り掛かる。だが、たらしだ。 探偵の武器は銃弾の代わりに鉄拳が飛ぶ。 ポップコーンと鉄拳を3発打ち込む、階段での“追い討ち”は本当えげつない。 地道な調査の影でうごめく暗殺者たち。  次々に“人生から”ノックアウトされていく敵や知人、そしてハマーが追う“ヤバ過ぎる”探し物。 ボクシング場に立ち寄るシーンすら、この映画の鉄拳の飛びようを象徴する。 浜辺でのシーンは「アハハ待てよコイツ~(バキドカ)」という風にしか見えねえ。あーあ手錠にしないから・・・片手で何したんだよハマー。 ベッドでのやり取りは最高だったぜ。だから悲鳴(爆) ところであの“黙秘”のシーンも笑っちまったよ。 終盤の演出は完全にホラー映画というか、SFというかとにかく怖い。そんな場面すら冷めた眼差しで見届けられるハマーは何なんだよ。 ともあれ、衝撃的なクライマックスが拝める映画だった。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-13 03:11:22)
405.  レイダース/失われたアーク《聖櫃》 《ネタバレ》 
往年の西部劇、ファンタジー、ホラー映画をオマージュして練り上げ現代に蘇らせた「インディ・ジョーンズ」シリーズ。  スピルバーグが「007みたいなノリの西部劇」を創りたくなり、 「スターウォーズ」のジョージ・ルーカス監督がノリノリで制作している辺りもうお分かりであろう。  主人公インディアナ・ジョーンズが危険を犯して宝物を手に入れていくストーリーは子供の頃からハラハラドキドキで楽しんで見ていたが、ドギツイくらいのB級ホラー要素には心臓バクバクでどう回避しようかアレコレ悩んだものだ。  命懸けでロマンを追い続ける主人公はいつも心強い。 鞭でターザンしたり、 空中から絨毯で雪山にダイブしたり、 ヤクの幻覚作用から火傷で目覚めたり、 大荒れの海から浮き輪一つで生還したり、 崖から戦車と一緒に落ちてケロッと生きてたり、 核実験場を冷蔵庫に入って生還したりと、アンタ何処のレプリカントだコラ。 やっぱり聖杯飲んだ人は違うね。  これ以外にもツッコミ所満載で、それを超A級のスリリングなアクションでフルカバーしている。 そしてドンデン返しの「お約束」。  それらの要素が互いに支えあって、この至高の娯楽映画を完成せしめているのだろう。  シリーズ毎のテーマも面白い。 「レイダース」は失われた歴史と燃えるような恋、 「魔宮」は土着文化の風習、 「聖戦」は永遠の命と親子の絆、 「クリスタルスカル」は原点回帰と家族愛、そして裏切りがテーマ。  ジョーンズを巡る友情、恋愛、野望の渦もシリーズさながらの厚みがある。  4作目からCGがふんだんに使われるが、CGじゃないと出来ないような映像も堪能できる。  考えるのでなく、純粋な気持ちで「楽しむ」。 それがこの映画の真髄なんだろうね~。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-13 03:10:26)
406.  GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊 インターナショナル・ヴァージョン 《ネタバレ》 
「攻殻機動隊」のレビューは既にしてあるので、今回は「インターナショナル・ヴァージョン」の感想。  日本版キャストで演る前に先にアメリカ・フランスで上映したやつを凱旋公開したver.だそうだ。  冒頭に漢字の“漫画”とアルファベットの“MANGA”をクロスして組み合わせたようなマークが出てくる。  オープニングの説明文も「IN THE NEAR FUTURE-...」とすべて英語で書かれている。 「インターナショナル・ヴァージョン」のキャストは日本版よりも若い印象を受ける(バトーが青年みたいな声になっとります)。 いや逆に言ってしまえば、日本のキャスト陣が良い意味でドスの効いたメンツで構成されているという事なのかも。 ともかく、どっちの素子さんも声に艶があってカッコイイですハイ。 でも日本語より英語の方が雰囲気があると思うのは気のせいだろうか? 絵のタッチも洋画みたいな感じですし。  たまに「fu●k off」とかガヤで聞こえんのは気のせいですねハイ(商店街での銃撃戦とか)。   人形遣いは国際的にも男の声なのね(「2.0」でも英語版はトム・ワイナー(Tom Wyner)です)。   「The Net is Vast and Infinite(まったくネットは広大だわ).」  
[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2015-01-11 19:46:08)
407.  インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 《ネタバレ》 
インディ・ジョーンズシリーズの最後(にしとけよ馬鹿スピルバーグ)を飾った作品。 ショーン・コネリーの最高傑作はコレと「アンタッチャブル」で決まり!  ショーン・コネリーのユニークで男らしいキャラ、ハリソン・フォードとの息の合ったコンビが冴える。 女関係まで「親子丼」。  この作品の良いところは、親子の絆をしっかり描いてくれた事だ。  インディアナの少年時代、相変わらず不死身のインディアナ、「永遠の命」の追求したアクションにも注目だぜ。  シリーズ特有の“馬鹿馬鹿しい”場面もショーン・コネリーがやると凄いカッコ良く見える。傘と鳩で戦闘機を撃墜しちゃうんだもんねえ。ハリソンも戦車の上で格闘する!
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-11 19:45:07)
408.  北国の帝王 《ネタバレ》 
「アクションは必ずしも殴る蹴るや銃を撃つ必要は無い」という事を証明するシンプル・イズ・ベストな傑作。 無賃乗車を繰り返すホーボーと、それを阻止し列車を守ろうとする鉄道員の戦いを描いたアクション映画。 冒頭からニワトリの奪い合いで始まり、経験豊富という感じの男がいそいそと列車に乗り込み、ソレを見たマーヴィンのニワトリを奪おうとしていた青年が彼を追って列車に乗り込む。 その青年の気配に気付いたか、車掌のような男は彼らが乗り込んだ車両に鍵をかけ閉じ込めてしまう。 列車が動き出し、中の2人は会話をはじめる。車掌の仲間達が待ち受ける駅に近づけば近づくほど青年は焦り、もう一人は狂ったフリをして意外な行動にでる。 冒頭から対象は呼吸をするように動き続け、緊張感を持続させる事で駅に着くまでのスリルを極限まで高めている。 その後のマーヴィンとボーグナインのどちらが勝つかと賭けるところの斬新なカット、それを巡る男達の狂気の場面。イスごと叩き付ける場面が示すように、ボーグナインは客の安全を守るというよりはその思いが暴走し本来列車を補助する道具を凶器に変えて襲い掛かる。 まあ、ホーボーたちの無賃乗車がいきすぎれば鉄道会社が倒産しかねないからね。手をこまねいてもダメだし、彼のようにやりすぎてもマーヴィンのような“大者”を惹き込んでしまうのだが。 一方で、ホーボー仲間として協力する筈のマーヴィンとキャラダインも知らず知らずの内に互いの脚を引っ張り、やがて決別の時が訪れる。キャラダインに「薄情野郎」と言われてあたりを見回し「俺?」と返すシーンは爆笑。 仲間というより「あくまで利害の一致で協力していたに過ぎない」というドライな人物像は初期から貫かれてきた。本当に友情を結んだ例もあるけど、基本的には利害の不一致が起きれば争いになるのがお約束みたいなもん。 この映画は水も象徴的に出てくんだよねー。 マーヴィンが水で体を清めたり、霧や雨の中を走る列車の雰囲気、給水タンクに刻まれた文字、ホーボーを焼く蒸気。 視界が悪い中ホーボーたちの罵りと対向車とのギリギリのすれ違い、何度も列車に挑むマーヴィン。 急ブレーキの怖さを実感する場面は戦慄を覚えた。ラストの一騎打ちも熱い傑作!
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-11 19:33:29)(良:1票)
409.  激突!<TVM> 《ネタバレ》 
これは現代の「西部劇」とも言える。  西部劇が馬なら現代は鉄の馬同士の一騎打ち!  物語はどこまでも単純、どこまでもシンプル。   アメリカのだだっ広いハイウェイに車が一台。   そこに突然現れた巨大なトラック。   ノロノロで追い越させ、追い越させたと思ったら猛スピードで突進して来る。   借金の取立てが命の取立てになってしまった。   ブザーを鳴らす愉快犯かと思いきや、故障したバスを押してやったりと実は優しいのか?   いや、やっぱり主人公の車を付け狙う愉快犯か。  カフェの外で不気味にたたずむあのトラック。   主人公の心も恐怖と怒りでピークだ。    ともかくトラックの運転手は正体不明のまま。声も顔も出ない、不気味な二の腕だけが主人公を挑発する。   フロントバンパーに貼られた無数のナンバーは何を語ろうとしているのか。   トラック野郎にあるのは狂気だけなのか。   正体が解らないという恐怖。   スピードが出すぎ車が止まらないとう恐怖。   日常に溢れた恐怖を最高潮に引き立てるスピルバーグの妙技。   後の「ジョーズ」はかなりヒロイックな展開がされたが、この「激突!」はひたすら追いかけっこ。   だがそんな主人公も我慢の限界。 上等だテメエ!“決闘”だよバカヤロウ!  壮絶な二台の追走劇。   「車のエンジンが中々かからない」の始祖だが、これは衝突でエンジン部分がひしゃげたからこそ起こるだろうという現象であり、普通の車がそんな欠陥品なら会社なんか潰れてる。後の奴らは何か勘違いしてんだよな。   ラストのトラックと向き合い、車で迎え撃とうという様子はバスター・キートンの「セブン・チャンス」を思い出す。   迫る岩の大群、逃げるのをやめて「あえて」正面から避ける事にしたキートンの勇気と発想。   もしスピルバーグがこのキートンの傑作を見ていたとしたら、俺はもっと尊敬するぜ。   少くともカフェでのやり取りは黒澤明の「野良犬」が元らしい。  つうか主人公は何回車上で振り返るんだよ。   主人公がいつ余所見で事故るかそっちの方がよっぽどハラハラするわ。   バックミラー涙目。   教習所涙目。   ラストの夕陽のシーンがキレイだった・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-11 19:33:20)(良:2票)
410.  バンド・オブ・ブラザース<TVM> 《ネタバレ》 
スピルバーグの戦争映画は傑作が多いが、彼の戦闘描写とドラマを1時間に圧縮してしまう贅沢さ、それをどんどん積み重ねていくドラマ特有の厚み。スピルバーグ指揮の元作られた最高傑作はこの作品ではないだろうか。 「プライベート・ライアン」も良い映画だが、俺はこの作品の方が好きだ。 TVドラマとは思えない迫力、そして1時間毎に深味を増していくストーリーが良い。 日本でも六部作という「人間の條件」シリーズがあるが、コチラは合計10時間だ。 一個中隊が開戦から終戦まで駆け抜けていく様子はサミュエル・フラーの傑作「最前線物語」を思い出す。 一見するとアメリカ賛辞の映画にも思えるが「勝って生き残ったんだ。喜んで何が悪い! 俺は死んだ仲間の分も生きなきゃならんのだ」という叫びも聞こえてくる。 実際、この作品は戦争の残酷さも色濃く描いている。アメリカ軍に味方した市民が、次の瞬間にはドイツ兵士に拷問されている等、見返す度にその細かいドラマ性に驚く。リアルな戦闘描写もそうだが、銃撃戦が無くとも市民の犠牲は出続けるのだ。 軍人、市民と様々な立場を通して戦争の残酷さを我々に伝えてくれる。とにかく色んな人に見て貰いたい作品。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-11 19:33:03)
411.  その夜の妻(1930) 《ネタバレ》 
「朗かに歩め」に続く小津の暗黒街もの。完成度は「非常線の女」なのかも知れないが、俺はこの作品の方が好きだ。 オスカー・シゴールの「九時から九時まで」が原作と、この頃の小津はアメリカナナイズドされすぎ(良い意味で)。 溝口健二の「瀧の白糸」で岡田時彦のファンになって以来、岡田時彦が主演と聞いてこの作品も見た。  「朗かに歩め」や後の「非常線の女」でもそうだが、小津の同じパターンを繰り返すストーリー展開はこの頃から完成しつつあったようだ。 しかし上記二つの作品とは一味違う。 小津作品してはガンガン印象付けようとするカットが多い。 最初こそ強引に見せつけようという感じがするが、劇中で徐々に自然でさりげないカットになっていく。 洗練されていない荒っぽさが逆に良い。 手袋から別の手袋に繋がるカット、居並ぶ警官隊の雰囲気、伏線だった冒頭の「強盗」・・・銃を何処から入手したのかは解らないが、当時の恐慌で金も無くなり「アレ」を救うため仕方なく強盗に興じる・・・。 自首しようとする夫、夫を逃そうとする女。 後年の「非常線の女」とは逆というのも面白い。 「もう逃げない」と覚悟を決める男、警官とのツーショットが一番印象的かも。 八雲恵美子の着物姿も艶かしい。 地味に常連な斎藤達雄の医者も面白い。 笠智衆もこの頃は端役ながら活躍。 この後小津は「エロ神の怨霊」という言うまでも無く黒歴史を撮った。脚本すら無いのだから相当「やらかした」作品に違いない。この頃の小津はやんちゃすぎる。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-11 19:32:47)
412.  プロジェクトA 《ネタバレ》 
死神を殴り飛ばせる男ことジャッキー・チェンの代表作。 時計台から落ちて生きている事が奇跡すぎる。 中国パネェー。 中国拳法の厳しい修行で鍛え上げられた肉体だからこそ出来るパフォーマンス。 役者魂ここに在り。 内容は「気にしてはいけない」が、 敵味方入り乱れた殴り合い、 体を張ったぶつかり合い、 ハロルド・ロイドやバスター・キートンといった往年のサイレント映画を連想させるシーンの数々、 自転車での路地裏チェイスなど、アクション映画好きは絶対に押さえておきたい面白いシーンばかり。 ジャッキー、サモハン・キンポー、ユン・ピョウの共演も中々見られない。 特にサモハンはキン・フーの傑作群や後に「イップマン」をはじめとする数多くのカンフー映画の武術指導を担う事になる男だ。 この映画はカンフーというより単に体を張る事を強要する馬鹿(ry ジャッキーの命懸けのスタントが凄すぎて笑えねえよ。肝が冷えるわ。バスター・キートンも首の骨を折った事に気付かず演技を続けた(「探偵学入門」)が、3回も時計塔から落ちようなんて発想よく思いつくよこの人は。馬鹿だ。どんだけ役者馬鹿なんだ。どんだけ死神に嫌われてんだアンタは。(大絶賛) これからも長生きしてくれよっ! ※ジャッキーは特殊な訓練を受けております。絶対にマネしないで下さい。    これを「アクション映画」か「ギャグ映画」として見るかは視聴者に任せます。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-11 19:31:36)(良:1票)
413.  緋色の街/スカーレット・ストリート 《ネタバレ》 
「飾窓の女」のオチが気に入らない俺は断然「スカーレット・ストリート」。 序盤はラング得意のじっくりドラマを描く展開で見せ、徐々に複雑かつ深刻な状況に主人公を追い詰めてしまう。些細な出来事がどんどん膨れ上がる恐怖。 主人公が描いた美人画(どう見ても「メトロポリス」の雰囲気バリバリの絵です。本当に(ry)が強烈だ。  「飾窓の女」に出てきたショーウィンドウの絵よりも強烈だぜ。言っちゃ悪いが、アッチはキレイすぎて毒が無い。サスペンスはやっぱり猛毒が無いとな。悪夢が一生続くような毒がさ。 寝ても覚めても悪夢が主人公を蝕み続けるラストが素晴らしい!こういう「飾窓の女」が見たかったのよ。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-11 19:31:26)(良:1票)
414.  めまい(1958) 《ネタバレ》 
ヒッチコック作品の中でも「サイコ」とこの「めまい」は毛色が違う作品のようだ。 螺旋を象ったオープニング、印象的な“眼”、ジェームズ・ステュアートが“めまい”の恐怖に捉われる経緯を語る一瞬の銃撃・死・恐怖で構成されたファースト・シーンから一気に引き込まれる。 とにかくこの映画、ひたすら“落ちる”。 冒頭からステュワートが落ちそうになるし、ノヴァクは水に飛び込むわ夢の中まで落ちて落ちて落ちまくる。 かつての婚約者であるミッジの家でのやり取りもそそる。 ステュワートがイスを登るだけでもスリルが発生する凄さ。窓の外を見た瞬間の、あの血の気が引く感じ。 ヴェラ・マイルズの「めまい」も見たかったけど、やはり本作のキム・ノヴァクの存在感は圧倒的。 彼女を車でジリジリと追跡する瞬間の異様な緊張感。 下手に車を猛スピードで走らせるよりも、こういう慎重かつ徐々に敵を追い詰めるようなスリルの方が何倍も怖い。「恐怖の報酬」しかり、「探偵学入門」しかりしかり。 突然ノヴァクが消える瞬間も息を呑む。 この間一斉セリフが無いのも凄い。映像だけで一切退屈させずに観客を引き込むのだ。 「セリフの入らない映画こそ本物」なのだろう。 ステュワートが出会う彼女は得たいが知れない上に「カルロッタ」の記憶とやらを引き継いでいるらしい。彼女の混乱は観客も混乱させる。ノヴァクの夫も何か臭う。 デヴィッド・O・セルズニックと組んだ「レベッカ」も亡き人間の亡霊が人を操るような演出だったが、このヒッチコック“による”「めまい」は生存する人間が亡き人間の亡霊を操る。 ヒッチコック本人は死んだ人間の真似をする事を「屍姦」と言ったらしい。 生前の人間とそっくりの格好、そっくりの仕草をしてその女性の名誉を辱めようとする行為だからだろうか。 まあ、「カルロッタ」との長々しい接吻、何度もブッ“殺す”結果は死姦に等しい行為なのかもな。 セコイアの木は「ラ・ジュテ」や「12モンキーズ」でも引用される。 この作品はまるでタイムスリップするような感覚を登場人物が語るが、後年の上記2作は本当にタイムスリップしちゃうんだから凄い。 終盤のどんでん返し、明かされる真実、ステュワートまで狂気に染まる怖さとアニメーション、蘇る「カルロッタ」、衝撃的な“オチ”…賛否はあるだろうが、とても好きな映画。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-10 19:32:09)(良:1票)
415.  ラストエンペラー/オリジナル全長版 《ネタバレ》 
ベルナルド・ベルトリッチの最高傑作は「暗殺の森」や「1900年」だと言われているが、やはり一番好きな映画はコレになるだろうか。 こういう歴史ものって退屈な映画が多いけど、コレは一切退屈しない、とにかく面白い映画だった。 最後の皇帝・溥儀の人生を描いた壮大な歴史絵巻。 セルジオ・レオーネの「ウエスタン(ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ウエスタン)」の脚本を務めたその壮大さ、そして溥儀をめぐる様々な女性の物語。 坂本龍一の音楽が彩りを添える。 列車、人の群、自殺を図る謎の男・・・どうやらこの男が溥儀らしい。 物語は、第二次大戦後に連行された溥儀の回想と現在が交互に描かれる。 授乳中に連れて行かれたり、幼い溥儀に説明する人間が説明後に絶命とか・・・どういうシーンなんだよ。 やんちゃ坊主な幼い溥儀は気味の悪い宦官共を遊び相手に退屈な日々を過ごす。 紫禁城で鬼ごっことかスゲーな。 中々乳離れできない溥儀。何あのプレイうらやま(ry イッキ飲みならぬインキ飲み。 この頃中国の支配を目論む軍とは見せかけの“共和国”。 生みの母親よりも育ての母から貰っていた愛情・・・「アーモ」と別れるシーンは不覚にもウルッとしてしまった。 知識を得ながら成長する溥儀だが、井の中の蛙は大海という外の世界では王でも何でもない。 だが溥儀は外の世界を見たくてしょうがない。 ピーター・オトゥールの大佐との日々は微笑ましく進む。自転車で走るシーンは印象的だ。 中佐の次は大佐ですか、出世しましたな“ロレンス”さん。(イギリス違い) 初夜のお相手は積極的にキスしまくりなモダン女性。シーツの裏でナニしてんでしょうね。 宮廷を追われる溥儀は関東軍と結託して満州国の王の座に。操り人形にされているとも知らずに・・・。 踊らされる溥儀、壊れていく女たち。 NTRしたドライバーを消すシーンは「暗殺の森」を思い出す。(アッチよりも短く、かつ過激に) 過去の栄光と現在の何もかも失った虚しさが重なる瞬間・・・。 ファックオフはコッチのセリフだぜ毛沢東のハゲ野郎!テメエが雀ブッ殺しまくったせいでイナゴ大発生で国民飢え死にだよクソバカヤロウがあっ!あの野郎には地獄すら生ぬるい。 だが、時代の波に流されてきた溥儀は少年に“コオロギ”を渡して去っていく。 自転車にはじまり自転車に終わる。つわものどもの夢のあと・・・。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-10 19:31:55)
416.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン 《ネタバレ》 
壮大な鬼ごっこ映画「Catch me if you can(できるもんなら捕まえてみろ)」。 「007」が英国諜報員と犯罪組織の鬼ごっこ映画だった事を思うと、「インディ・ジョーンズ」シリーズも鬼が捕まえては逃げたりの繰り返しがあった。 今回は「インディ」みたいな「お約束」なんてない、実在したフランク・W・アバグネイル・Jrの事件を映像化したのだから。 「007」がシリアスとギャグの融合体だったように、この映画もレオナルド・ディカプリオがノリノリなコメディ映画だ。 オープニングのアニメーションから既に追いかけっこが始まり、クイズ番組のゲスト紹介みたいな映像が流れる。 航空副操縦士の“アバグネイル、”小児科医の“アバグネイル”、弁護士の“アバグネイル”・・・。様々な職に成りすまし、警察まで騙くらかして莫大な金を稼いでいく。父親譲りのアドリブやハッタリ・ジョークを駆使してどんな困難も掻い潜る。クリームがバターになるまで粘りに粘る。 総ては何もかも失った父のため、そして母のために・・・。最初は家族が元に戻りささやかな幸せを手に入れられればそれで良かったのだろう。 だが、知ってしまった金の味、女の味、愛情・・・家出少年の旅と犯行はどんどんエスカレートしていく。 「007」並のたらし&絶倫(ry サングラス付き眼鏡ってなんか良いよね。 親想いの手紙が仇になる瞬間、芽生えた愛情で女を置いていきたくないという葛藤・・・気が付けば、総てを失った自分がいた。 だが、ここで終わらないのがアバグネイルだ。 親を一目見ようとトイレから脱走してしまう凄さ。 騙す側から暴く側に変わっていく姿。 そこには良き友人を手に入れ精気が蘇った男はいても、総てを失い絶望に暮れる男の姿はもうなかった。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-10 19:31:30)(良:1票)
417.  ビューティフル・マインド 《ネタバレ》 
実在した天才数学者・ジョン・ナッシュの生涯を描くこの作品だが、ジョン・ナッシュを知らない者はこの映画を「SFめいたサスペンス」と受け取り混乱をきたすが、ナッシュを知る者は「軍事施設に採用される」という事の馬鹿馬鹿しさを楽しみながら、恐怖が作り出した幻との、自分との孤独な闘いを安心して見守る事ができる。 だからナッシュの事を先に知ってしまった者は、この“二通り”の楽しみ方を出来ない人もいるワケだ。 モチロン普通の伝記映画として楽しむのも良いけど、この映画の面白いところはやはり“混乱”にある。 嘘のような本当の話・・・と思いきや、やはり・・・!みたいに観客はナッシュと共に“混乱”する。 「伝記なのか嘘なのかどっちだよ」と。逆に何もかも知らない方が、混乱を楽しむ方がこの映画の醍醐味ではないだろうか。 「数学ですべてを支配してやる」というまるで世界征服を目指すマッドサイエンティストのような自信と傲慢。 そんなナッシュは学生時代の初っ端から挫折を味わう。 だが彼には“心の友”とも言うべき友人が常にアドバイスをくれた。 己の才能に溺れ掛け、不安定な精神。机を窓から投げだしたかったのはナッシュ本人だった筈だ。 また、大声で喋るのが嫌いな彼は、大声で喋りたい時に喋るアリシアに惹かれていく。彼が惹かれるのは、常に自分とは違う人間ばかりだ。それだけ違う生き方が出来る他人に憧れたんだろうね。 ロン・ハワードの伝記映画は、アクション映画のような活劇で常に満ちている。 「数学者の人生」という一見恐ろしく地味な題材ですら、冷戦下における情報戦の中に投げ込むのだ。持ち前の頭脳と閃き、知識で闘い続けるコードブレイカーとして。 ソ連(ロシア)の計画を察知するための暗号解読の依頼。 まるでSFサスペンスのように展開されるスリリングな駆け引きが面白い。 彼を護ったり不安にしたりするエージェント。本当に車に乗って銃をブッ放したり派手なチェイスをしたかったのは、ナッシュ本人の筈だ。 「自分との戦い」で彼は何を得られたのだろうか。ノーベル賞?数学者の権威? いや、本当の自分と向き合って話し合える友人や家族だったのではないだろうか。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-10 19:31:26)(良:1票)
418.  スクール・オブ・ロック 《ネタバレ》 
最高に愉快な音楽映画です。  劇中で演奏するミュージシャンは大人から子供まで全部モノホン(本物)。 極めつけはデューイを演じるジャック・ブラックの狂気地味たハイテンション! 次から次へと機関銃のように飛び交うセリフの応酬!  ライブで盛り上がる夜のバー、ロックで最高にハイになる音楽馬鹿の彼だが、彼は受け止めて貰えるほど愛されて(認められて)いなかった。  自分の音楽に酔っていた“現実”を思い知らされるデューイ、それでもロックへの情熱は燃え尽きない。  デューイは親友のネッドを騙してまで仕事を引き受ける。 だが待っていた職場は正に彼の運命、天職、音楽の才能に溢れた子供達との出会い。  子供達の才能を親と教師たちは無視していた。 しかし、誰よりも仲間を求めていたデューイは子供達の才能を見逃さない。  デューイにとっては利害の一致、子供達にとっては自分を認めてくれる恩人への恩返しだ。  しかしいくら何でも「夢は諦めろ」を先生がいうなよ。当っているかも知れないけど!  それでも褒めて伸ばす、付きっ切りで教えるのは上手い。デューイもまた様々な子供達と出会う事で少しずつ成長していく。モチロン狂気に満ちた野望を抱えて。 「ロックは頭を試されるんだ」 QUEEN&レッドツェッペリン「左様」  「ダイエットは?」 「食うのが好きだからしない」 デブの鑑かコイツは。  やがては教師も掌握して磐石・・・かと思いきやそう都合よくいかないのが世の中です。  それでもデューイの魂は生徒に届いていた! 彼を経歴ではなく“魂”で教師として認める子供達の心意気! デューイも腹をくくる。デューイの情熱に親友の魂も蘇る・・・! でもあの半ズボンは無いわー(褒めてる)。  ダイブにはじまりダイブに終わる。 メタいセリフが飛び交うエンディングも最高だったぜ。  DVDの特典でツェッペリンにライブで許可を貰おうとするシーンが面白い。  電話を取らせないために火まで付けるとかどんだけだよ。  「“The”で始まる映画はコケるんだ」 遊星からの物体X(The Thing)「!?」  ジャック・ブラックがオーソン・ウェルズみたいになっててワロタ。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-10 19:31:22)(良:2票)
419.  イップ・マン 葉問 《ネタバレ》 
「序章」も好きだけど特に「葉門」が一番好きだ。前作を見なくても存分に楽しめるぜ。   異種格闘技! 武術vs現代格闘技!! 鉄も砕く拳vs鉄以上に鍛え上げられた肉体!!! 中国4000年vsアメリカ200年!!!! 200年といってもヨーロッパ、アジア、アフリカといった様々な国のハイブリットだ。コイツは手強いぜ。 特にボクシングは中国武術同様に「大地を蹴る」スポーツ。タフネスとスピードなら負けない。 悪態ついて挑発するのは最早常識、それが火に油を注ぐこともまた常識ですねハイ。  異国に蹂躙され続けてきた中国だが、太古から受け継がれてきた武術を犯す事は何人にも出来なかった。  戦争も終わり、平穏を得てもまだまだ貧乏との戦いは続く。 最初のこの何処かほのぼのとした感じが好きだ。 道場や工場時代の同志が真っ先に駆けつけそうだけど、そんな甘くは無いか。  拳を通じて弟子や仲間が増えていく感じが良い。 脳撃たれようとも魂までは死なず。“蘇る”シーンには不覚にも涙が。  道場同士の争い再び、 包丁の峰打ち、 不安定なテーブルの上での激しい舞闘、 髪もフサフサ&リア充で幸せ者のカム、 そして動けるデブことサモハン・キンポーが老練な武術家として命を燃やすシーンには震える!  意地の張り合い、誇りを汚す奴は死んでも許さねえ。 蹴るな=ハンデですねハイ。 何度殴られダウンさせられようとも立ち上がる葉問。仲間のため、新しい命と共に待つ家族のために。鋼の肉体を打ち破る鉄の意思、鋼の精神。 「これはホン師匠の分!」とばかりに憤怒と哀しみ混じる撃拳、撃拳、撃拳連打!!  話の解るアメリカ軍は全アメリカ人の誇りです。  ラストにブルース・リー少年を出す憎い演出が良い。  欲を言えばキン・フーの映画みたいに女性武術家が大暴れするシーンも見たかったけど(「序章」で工場の女性従業員が戦ってはいたが)、それ以外は大満足です。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-10 19:31:17)(良:1票)
420.  シンデレラマン 《ネタバレ》 
実在したヘビー級ボクサー、ジェームス・J・ブラドックがどん底から再び蘇る姿を描いた伝記映画。  ロン・ハワードはどうしてこう伝記映画が面白いのだろうか。  題名とは対照的にシンデレラどころか落ちぶれた中年サラリーマンみたいな内容。 全盛期の華々しい試合場面から始まるファースト・シーン。 1920年代末期の狂騒的な空気、その後30年代の大恐慌の暗い空気。  一度の敗北で折れた魂、大恐慌の厳しい波が彼を窮地へと追い込む。 怪我に悩まされ選手生命もギリギリ、ライセンスを剥奪された事は幸か不幸か。  必死に金を稼ごうと仕事を探す日々。中には拳銃で「仕事をよこせ!」と行動するような人間も出てくる。 彼は仕事を求めて走る。ボロボロの肉体に鞭を打つが、仕事仲間や家族の存在が彼の心と身体を少しずつ回復していく。 酒にも煙草にも逃げなかった彼は立派だよ。 そもそもそんな金すら無いしね。  家族のためなら“負け戦”でも戦ってやらあ。たった1回のチャンスでも喰らい付く根性、ハングリーハート。 労働で“鍛え直した”ボディは伊達じゃない。 トレーナーも財産を削って彼を支え続けてくれた。  闘志は、蘇る・・・!  復活したブラドッグはオーナーの金儲けのための飼い犬(ブルドック)ではなくなった。 一人のファイターとしてどんな強敵にもブチ当たり、ブチのめす。 アバラが折れようとも闘志は二度と折れない。  殴られても歯を喰いしばって耐え、反撃に出るブラドックの姿には燃えるぜえ。ファイトシーンのこの熱さ!  ブラドッグの姿に会長の心にも変化が現れる。  実在のマックス・ベアは奥さんを罵るどころか殺してしまったボクサー(映画では何故かもう一人殺害)への贖罪の気持ちで溢れ、試合後に相手の健闘を讃える真面目なボクサーだったそうだ。  本編はDQN熊vs不良オヤジのクライマックス。  未公開シーンも必見です。
[DVD(字幕)] 9点(2015-01-10 19:31:12)
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