501. 明日に向って撃て!
小学生だった私に三人はカッコ良くてキラキラ輝いて眩しかった。40年以上の時間を経た今の私に三人は瑞々しい若さでキラキラ輝いていて眩しかった。罪と罰を見せつけるラストショットは昔も今も物悲しい。 2022.11.3追記 劇場鑑賞が叶い感慨無量の一時を過ごさせて貰えました。 [映画館(字幕)] 8点(2016-04-02 00:20:16)(良:1票) |
502. 鉄道員(1956)
《ネタバレ》 初見。サンドリーニの視点で淡々と描かれたホームドラマなれど泣かされ通しだった。怒り、悲しみ、自責の念で絶望感に苛まれても、自身で体を痛めつけるような事だけはしてはならない、人生に於いて不幸せと交互に訪れる幸せを少しばかり味わって息を引き取ったアンドレアを見て痛感する。耳にしたことがあるテーマ曲と共に胸に沁み入る作品。 [DVD(字幕)] 8点(2016-02-08 01:14:31)(良:1票) |
503. 招かれざる客(1967)
初対面時の双方の両親の顔が当時の世相を物語っており、鑑賞中、抱えたままのやりきれない思いはラストで少し晴れました。能天気に思えた娘の言動が、ご両親の教育の賜物なのだと思うと、理想と現実の狭間で取り乱す父の姿に胸が詰まりました。見ごたえのある作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2016-02-02 23:56:52) |
504. マイ・インターン
良き社長、妻、母を演じてパンク寸前のジュールズの心の拠り所となるベン。彼のような70歳になりたいものです。「折り目正しく」がそのキーワード。心に残る作品です。 [映画館(字幕)] 8点(2015-10-19 20:10:03) |
505. ミッドナイト・ガイズ
24年前に発症した「アル中」(アル・パチーノ中毒)の私は「ヴェニスの商人」以降パッとしなくて残念に思っていました。「笑点大喜利」の「ホー、やるな、爺さん」の問題ではありませんが、チョイ悪爺さん三人組の一夜限りの大暴れを見せてくれました。シモネタの度が過ぎて苦笑するも女優陣が爽やかで挿入されるエピソードが心地よかった。開襟シャツ「スカーフェイス」、ダンス「セントオブウーマン」、弔辞「訣別の街」、懺悔「ゴッドファーザーⅢ」、ラストシーン「ヒート」若かりしパチーノが浮かんで寂しさを感じました。もう一人のお目当てクリストファー・ウォーケンは着こなしのせいなのか好々爺していて、これまた寂しい思いをしていました。ラストシーンは良かったですね。ビシッと決めた二人に鳥肌が。見せない結末に余韻が残ります。久々の「アル様、素敵!」の作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2015-08-18 04:11:48)(良:1票) |
506. 舟を編む
《ネタバレ》 日本語の拠り所となる辞書を作り上げる15年の歳月。辞書が完成する過程と編集部の面々が過ごした日々が折り目正しく綴られている所に好感が持てました。一人毛色の違う西岡は物語に奥行きを与えたキャラクターで、広告部へと異動する際の「広告部でも大渡海の力になる」という力強い言葉に、組織人としてのあるべき姿を見せつけられました。題名から時代劇だと思っていたのですが嬉しい見込み違いでした。 [DVD(邦画)] 8点(2014-01-04 01:59:10) |
507. フルメタル・ジャケット
ハートマン軍曹の人間の尊厳を粉々に踏み潰す罵詈雑言から、戦場から生きて親元に帰したい、その為には上官の命令には絶対服従して個人的に何の恨みもないアカの他人を躊躇なく殺さねばならない、その為には人の心は捨てなきゃならん、という確固たる思いを感じました。微笑みデブ君がこのまま戦場に出れば自身もまわりの者も死んでしまうという考えが及ばなかったのが残念です。一見ありきたりな戦闘シーンも軍曹に「sir yes sir」と絶叫していた姿を重ねると合法的な殺人の不条理さに胸が詰まります。 [DVD(字幕)] 8点(2014-01-03 00:44:45)(良:1票) |
508. 最強のふたり
介護現場の生々しさが描かれていない事に目くじらをたてる作品ではないと思えます。心遣いと同情の違いを見せつけられた本作。教養を笑い飛ばし、ギクッとさせられる物言いのドリスが醸し出すカラリとした不思議な味わいが心地良く印象深い。最強ぶりが眩しい二人でした。 [DVD(字幕)] 8点(2013-11-13 00:19:19) |
509. ぼくは怖くない
鑑賞中ずっと「わたしは怖かった」 余りにも身勝手な大人たちの中にあって、怖くない筈がないであろうに意志を通す10歳の少年に頭が下がります。あの銃声の絶望感はかつて味わった事がないものでした。哀しい時に見る景色は綺麗である事を思い起こされる大地の光景と共に心に残る作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-09-14 12:47:36) |
510. イントレランス
時代が巡っても絶えず繰り返される過ちの根源は、不寛容と言うより私利私欲にまみれた偽善であると思えます。揺り籠の無垢な赤子を見守るリリアン・ギッシュから「この子はどのような一生を送るだろうか」と期待と不安を感じました。ユダヤ、フランスパートのせいで作品が冗長に流れたのは残念です。しかし、バビロンパートの空前絶後のセットとエキストラに、終盤の怒涛のカットバックに、映画の醍醐味を味わいました。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-31 19:27:48) |
511. 野いちご
自分に厳しく他者にも厳しく。他者の弱さを受け入れられない。他者の為に尽力することが出来ない。過去を顧みて後悔に苛まれるのは老境に入り「死」の恐怖を自覚したから。身につまされるものがありました。どんなに遅くとも後悔したからには残された時間をどう生きるのか、救われるラストシーンに励まされます。 [映画館(字幕)] 8点(2013-08-31 00:05:30)(良:1票) |
512. 消された証人
物語の9割方が証人、検事、刑事の描写である毛色の変わったギャング映画。証人と刑事の心模様の推移はなかなか見応えがありました。特筆すべきは検事を演ずるエドワード・G・ロビンソン。控えめな役柄であっても一本筋が通った姿は圧倒的な存在感で始終目が釘付けでした。内通者が誰かを悟ったシーンは10回くらい見直してしまいました。後味の良い結末は爽快感がありました。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-26 00:48:04) |
513. キートンの探偵学入門
キートン2作目であって身体能力の物凄さは織り込み済みとは言えやはり唖然とさせられ、更にビリヤードでの身のこなしにはシビレました。アイデアに溢れた展開は笑いどころ満載。快作です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-08-25 01:24:29) |
514. 水の中のナイフ
《ネタバレ》 妻を前にして内心張り合って火花を散らす夫と青年。何時爆発するのかハラハラさせられていたら、夫婦のほうが爆発するも腐れ縁を続けて行く。湖上のヨットにおける密室劇で描かれる人間模様は夫婦の倦怠のみならず体制対反体制をも浮き彫りにさせるもの。斬新なアングルの瑞々しい映像美、バックに流れるジャズ、妻が歌う歌にも心奪われます。29歳での長編処女作とは、監督の無尽蔵の才能に脱帽します。 [映画館(字幕)] 8点(2013-08-03 21:58:16) |
515. 鍵泥棒のメソッド
良く練られた脚本を体現する香川、広末、堺のアンサンブルが見事。記憶を失くしても気質は失くしていないコンドウがアパートの一室をごみ溜めから整理整頓された居住空間として、購入した本をしっかり読み込む。ノートに記された文字に「自力で着実に生きる」強烈な意志を感じました。健康で努力家な彼と仕事熱心の彼女の顛末に心地良さを味わえました。二人の引き立て役であった桜井演じる堺雅人特有の腑抜け感もいい塩梅でした。 [DVD(邦画)] 8点(2013-06-30 15:07:40)(良:2票) |
516. 図書館戦争 革命のつばさ
予備知識ゼロ。観終わって面白さにびっくりしています。人が物を言う事をお上が権力でもって制限する国民にとって最も恐ろしく忌まわしき事をデフォルメはあるものの的確に捉えています。作家をめぐる攻防は展開に思わず身を乗り出す手に汗握るものでした。若い二人のロマンスの爽やかさが作品に彩りを添えています。 [DVD(邦画)] 8点(2013-06-10 03:04:30) |
517. ラ・マンチャの男
強引な展開に戸惑い、苦手なミュージカルだったことに更に戸惑いましたが、「敵わぬ敵に挑み、見果てぬ夢を追う」精神に叱咤激励されました。夢叶わぬまま今を生きている事は、叶っていないから追う事が出来る。悔恨を生き甲斐に上書きしてもらえました。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-06 23:14:11) |
518. モラン神父
《ネタバレ》 モラン神父が語る神は興味深いものでした。それ以上に印象深かったのが思慕を超えて、ぬくもりを感じたい触れ合いたいせめて手を繋ぎたいという欲に、姿を見つめる事さえ叶わなくなる報いを与えられる切なさでした。「来世で会おう」泣ける言葉です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-02-02 01:09:32) |
519. 地下水道
地べたを這いずり回る以上に過酷な下水道を這いずり回る姿。実話ベースなので自由を渇望する3つのグループに一縷の望みも見いだせず、それぞれの結末も救いの無いものでした。ソ連赤軍のした事を知るにつけ二度と観れない作品です。 [映画館(字幕)] 8点(2012-12-20 00:14:32) |
520. 日本侠客伝 関東篇
《ネタバレ》 水産局長サマと結託して横車を押しまくる悪方一味と江戸一の面々の一進一退の攻防から血沸き肉躍る大乱闘へ至る展開は、豪華俳優陣から発せられる魚河岸の気風と相まって画面に釘付けでした。「堅気さんの仕事場血で汚してしまって・・ヤクザって奴は・・・」興奮を醒ましてくれる鶴田浩二の渋さに目が眩み身悶えしちゃいました。 [DVD(邦画)] 8点(2012-10-07 13:01:55) |