Menu
 > レビュワー
 > 六本木ソルジャー さんの口コミ一覧。32ページ目
六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142
>> カレンダー表示
>> 通常表示
621.  泥棒野郎
30年以上も前の作品なのに笑いはまだまだ新しくかつ斬新ですね。 とにかく小技が冴えまくっていて、笑いのバランスが良い。 特にビデオ版はちゃんと字幕が「gun」と「gub」になっていてこのシーンは大いに笑わせてもらった。 奥さんとのやり取りにも引き続き活かされている点も良いね。 さらに独房に保険セールスマンは素晴らしい発想だった。 ラビはアレンがよく使う手だけどこれはさすがにイマイチ笑えない。 映画初監督で既にインタヴュー形式を取り入れていたのも驚きだった。 
6点(2005-01-03 22:44:02)
622.  エリン・ブロコビッチ
一人の母として、そして一人の社会人として特別な人間になりたいと願う主人公を中心に描いている。 母親としては子ども達をほったらかしにして最低と思う人がいるかもしれない。 しかし、クロムの被害を受け苦しんでいるのは本人とその子ども達であった。 子どもをすぐにプールから引き上げる母親、そして子どもを学校に行かせたいけど病気が重すぎて行かせる事ができないと悩む母親の姿に直面したことで一人の母親としてエリンの怒りを感じる。 自分の子どもだけでなく全ての子ども達が安心して暮らせることを願う母親としての感情が彼女を突き動かしたのではないか。 だから母親としても全然ダメだとは思わない。 そしてたとえ服装を注意されても、自分自身や自分の信念を貫く姿勢も熱い。 ジュリアの演技うんぬんよりもエリンの女の生き方に皆、引き込まれたようにも見えるが、なかなかはまっていたジュリアの演技も一応評価しましょう。 そしてなんと言ってもエッカートとの関係も良かった。 エッカートの子ども達への愛や、バイクへの想い、そしてエリンを支えたいと願う感情に揺れながら悩みながら支え続け。その感謝の気持ちを忘れないエリン。 赤ちゃんが最初に話したことをエリンに伝えた二人のやり取りはじんわりと来る。 さらにエリンを支えたのは、エッカートだけではなくマスリーの存在も大きい。 エリンの情熱に負けたマスリーだが彼は父親のように支え続けたと思う。 そしてエリンを一人の有能な社会人として認めたクルマやボーナスの件はやっぱり良いね。 その他にもアメリカの訴訟の勉強にもなり、なかなか興味が持てる部分も多い。
7点(2005-01-03 03:01:33)(良:1票)
623.  トラフィック(2000)
誰かが「この映画の演出は良いよ」と言えば確かに良いと思うかもしれないが、誰も何も言わないで全くの先入観ない状態で見れば、たぶん面白くない映画と感じるだろう。 しかし様々なストーリーをごちゃまぜにしつつも、観客にあまり混乱を与えずに一つにまとめあげた点は確かに評価は出来る。 この映画に何かが足りないと感じるのは「感情」じゃないかと思う。 恐らく大抵の人が麻薬に対して「怒り」を持っていると思われるが、この映画には「怒り」が静かすぎて伝わってこないのである。 その見つめる眼が静かで冷静すぎるのではないか、もう少し感情的になっても良かった気がする。 麻薬戦争の巻きぞいになりチードル、デルトロは相棒を失い、ダグラスは娘を失いかけているのだから。 確かにあの感情は人を失った哀しさというより虚しさなのかもしれない。それがこの映画の狙いなのかもしれないが。 この麻薬戦争に終わりはないのかもしれない。そして勝者も敗者もいない。 解決する方法はあるのか、ないのかよく分からないが、ダグラス家族は娘の自主性に任せるよりも、家族が一つにまとまりこの問題に向き合うことで、デルトロは社会全体で野球や公園といった安全に明るく遊べる空間を創ることで、この問題に立ち向かおうとしていた。 高校生も言っていたが、「毎日誰かがやって来てクスリがあるか?」と言われ続ければ誰もが売人になろうとする。そういう社会や黒人に対する接し方に問題があるとも提言していたような気がする。 麻薬という社会問題が身近でない分、自分の捉え方が甘いとは思うがなんとも評価が難しい映画だ。
6点(2005-01-03 02:20:49)(良:2票)
624.  セックスと嘘とビデオテープ
嘘で塗り固められた実際の人間関係を描いた現実と真実はビデオというフィルターを通すことでしか得られない虚しい現実との対比は見事だ。 確かに特にセックスに関しては嘘だらけなのかもしれない。 ジョンは、妻には妹との不倫を隠すために嘘を付き通し、友人のグレアムの彼女を寝てしまえば今度は友人に嘘を付きとおす。 そして顧客(社会)にも嘘を付き通す。 もっとやるのなら妹に「妻と別れる」と告げるくらいの嘘があればもっと良かったのだが。 そうこうしているうちに嘘だらけの人間関係が出来上がる。 しかし嘘が嫌いだからといってグレアムのようにビデオという一方通行の人間関係に逃げて、現実の人間関係に向き合わなくても良いのだろうか。 それをシンシアによって解決している気がする。 質問する側とされる側の逆転現象。 ビデオを確かに真実を映しているが、ビデオに撮られる側=自分をさらすこと、ビデオに撮る側=自分を決してさらさないこととも考えられる。 さらされることがなかった本当の自分をさらけ出すグレアムの恐れをシンシアが見事に引き出している。 やはり必要なのは人から逃げることではなく、相手と話しそして相手を理解することなのだろう。 それによって人と向き合うことだけでなく、自分と向き合うことも出来ると感じられた。 他人の人生に影響を与えたくないと人との接触を拒むことは決して出来ない、人間が生きている限りは。 お互いに向き合い、嘘がなくなったグレアムとシンシアには壁がなくなった近さを感じる。 そして嘘がなくなったシンシアと妹にももはや距離はなかった。
7点(2005-01-02 04:27:56)
625.  ロスト・チルドレン
一言でいえばまさにダークなおとぎ話。 この世界観がやっぱりジュネオリジナルの世界と言って良さそうだ。 夢をみれない老化速度のはやい運命を持つ男に小人の女性、眠り病の6人のクローンそして頭痛もちの脳といった面々にくっついた双子と従順なノミを持つ団長そして弟想いの純粋な心を持ったワンとその純粋な心に惹かれる盗人の少女ミエットという組合せは普通ならあり得ないストーリー。 その上に奇想天外なダークな世界にワンとミエットの切ない関係を取り入れるのもあり得ない組合せだ。 それゆえにこの世界はまさに独特かつ特殊といって良い。 映画なのに「ノミ」がここまでクローズアップされる映画というのも始めて見た。そして少女の涙が引き起こすあり得ない結果もまた面白すぎる。 しかし、世界観は誰もが認める素晴らしさを持つが、デリカテッセン並に一般人がついていけない飛んだストーリーと演出のため評価は難しいと感じる。
6点(2005-01-02 00:16:51)
626.  アメリ
この映画は本当に人生って良いなと思わせる良さがあると思う。 幸せは自分の身近にあるもので、それを得られるチャンスが来たら思いきって飛びこむチカラを与えてくれる映画だと思う。 たとえぶつかって心が粉々に砕け散ったとしてもまたいくらでも軌道修正は出来るのではないか。 ジュネが創り出した世界観は見事としか言いようがない。 その世界観に色付けした色彩感がまた独特であり、世界観にいい影響を与えている。 この調和の取れた世界観に生きるそれぞれのキャラクターの描き方も見事の一言。 それぞれのキャラも細かく設定してあり、キャラがそれぞれ活きているとはまさにこの事だろう。 そのキャラクターに肉付けしていったトトゥの演技も素晴らしい。 アメリという人物を完全に演じきっているというか、成り切っているといえるだろう。 アメリは他人の人生の軌道修正をしているだけでなく自己の軌道修正を迫られている。 メインストーリーは自分の人生を変えたいけどなかなか変えることの出来なかったアメリの成長を描いていると思う。 几帳面で自己の殻に閉じこもりがちな元軍医の父と情緒不安定で神経質の元教師の母に育てられ、心臓病の誤診のおかけで友達と接することなく過ごし他人とどう向き合って良いのか分からなくなった幼少期。 幼少期から空想の世界に逃避せざるを得なく、現実と向き合えなくなったまま大人になった女性の今の世界から飛び立ちたいけど飛び出せないもどかしさが描かれている。 ニノに対してああも回りくどい方法を取らざるを得なかったのは、どう向き合って良いか分からないためであり、カフェで声をかけたくてもかけられず水のように溶けてしまったCGも見事にアメリの内面を表現している。 ニノとアメリは本当に似たもの同士だと思うが、彼らのようにちょっと内向的で特殊な方法で自分の心を癒している人々は現在の世の中に多いのではないか。 そんな人達に人生はもっと楽しむことができるということを教えているような気がする。 ドワーフネタは確かに良いのだが、アメリが駅付近で拾った写真集に夢中になっていてちょっとほったらかしになっているドワーフもなかなかツボにはまりました。
10点(2005-01-01 20:47:18)(良:1票)
627.  THE JUON/呪怨 《ネタバレ》 
日本版は何も観てないので比較等は出来ないけど、前半は確かにやばいほど怖かったと感じた。 しかし後半にいくと、あの同じ演出では慣れるというか多少もう一工夫欲しかったところ。 特にラストはもうちっと何か大きな山場みたいなものがあっても良かった気がした。 良かった点は色々と結果をぼやかした演出は想像力をかき立てられ面白いと感じるし、 現在と過去が交差する演出はなかなかのものを感じた。
5点(2005-01-01 07:51:17)
628.  ロング・エンゲージメント 《ネタバレ》 
悪くない映画だ。 しかしジュネ色が随所にかすかに感じられるものの本当にジュネの映画なのか疑うほどあの独特の世界は影を潜めているのが気になるところだ。 「アメリ」で大成功したジュネであり、その成功にはトトゥが必要だったが、今回のマチルダという役にトトゥがふさわしかったのかどうか少し違和感がある。 演技自体をどうのこうの言うつもりはないが、年齢と相手との調和が非常に微妙な感じがする。 しかし自分の眼で確信できるまで、決して希望を捨てないという強い想いはしっかりと描ききれているし、3Mに象徴される二人の強い結びつきも感じられた。 本当に悪くない映画なのだが、単調さと分かりづらさが難点と思われる。 しっかりと創られている映画なので複数回観れば恐らくこの映画の良さが分かるとは思うが初見では全く感動するような部分はなかった。 
6点(2005-01-01 07:49:25)
629.  オーシャンズ12 《ネタバレ》 
この映画を泥棒映画と思って観ない方が楽しめるような気がする。 主題は確かにオーシャンズ達とナイトフォックスの泥棒対決が根っことなっているが、はっきり言って、オチを見る限りこの映画の中ではそんなことはどうでも良くて、雰囲気やバカバカしさ、映画としては反則スレスレのネタを楽しむような創りを目指しているのではないかと思う。 そうは言っても、前半は確かにつまらないと感じた。 前作に引き続き、また駄作かなと思って観ていたが、後半に行くに従い面白いと感じるようになった。何と言っても全くストーリーに絡まなかったオーシャンズ軍団の存在が逆の意味で面白い。こんなに人を集めたのにここまで無視できるものかなと思う、逆の意味で本当に度胸のある脚本だろう。 オーシャンズ達を無視した分、後半のストーリーは読みづらくなり、かなり引き締まった感じを受けた。そしてラストに行くに従い、様々に散らばった点が徐々に一つの線になっていく様はかなり良いと思う。 それにしても、この映画における主役は果たして誰であったかを考えると、なかなか答えが出ない。 普通オーシャン、ラスティ、ライナスとも考えられるが、イザベル、テス、ナイトフォックスも実は主人公ではないかとも考えられる。主人公がはっきりと分からないほど、実はそれぞれ個別に光が当たっており、それぞれのキャラクターが活きていたのではなかっただろうか。やはり適当に人だけを集めたわけではなかった。 惜しむべくは、冒頭のガルシアとの絡みがもったいない。オーシャンズの仲間達には各人ほとんど出番がないのだから、この掴みの部分は前作のおさらいも兼ねる大切な部分なのでもっとそれぞれの特徴や性格が出るようにしっかりと描いて欲しかったと思う。
7点(2005-01-01 07:46:35)(笑:1票)
630.  オーシャンズ11 《ネタバレ》 
120分のうち盛りあがることもなく準備に90分を費やし、我慢してようやく迎えたのがこの大したことのない仕掛け。 8000万残すから残りはクルマに金乗せろって、それ何やねんと思わないか? 大したことのないというのは言い過ぎかもしれない、確かにSWATネタは胸のすく思いをした。 この映画の何が悪いかを考えると、基本的に何かが微妙にズレていると感じざるを得ない。 停電させるために必要なピンチを強奪するときのライナスの間抜な単独行動や、イエンの手を怪我させて、金庫爆破の際に包帯を引っ掛けて観客をハラハラさせた電池ギレのネタ等、何が狙いなのか首を傾げたくなるモノが多すぎる。 最後にダニエルを計画から外そうとしたのもよく分からない流れだろう。 仲間であるライナスを騙して何の意味があったのだろうか。 結局は携帯をテスに潜ませたり、全ての計画に絡んでいるのだから、あれは流れが悪くなる要因にしかなっていない。 テスを賭けたベネディクトとのやり取りも強引の一言としか言いようがないだろう。 何故あの場面でベネディクトがあんな事を言い出すのか不思議と感じた。 もっとベネディクトに切羽詰まった感じにしないと普通ああは言わないだろう。 しかし、強引とはいえ11人全てに役割がしっかりとあり、効果的な機能を果たしている脚本はそれほど悪くない。 この計画に一人でも欠ければ確かに成功はしなかっただろうと思わせる脚本だった。 いつのまにか金庫室の防犯システムがなくなっているのとかがよく分からない部分もあったが。 問題は脚本ではなく、映画で触れられていたこの計画に必要な「綿密な計画」「実行力」「クソ度胸」が上手くかつ分かりやすく演出されていないのがダメな映画になった要因だろう。 更にリクルートに多少時間をかけた割にはバシャー(チードル)以外に盛りあがりや面白みを欠き、盗み出せない二つのものをプロ中のプロが大胆不敵に一気に盗むという恐らく映画化の当初の狙いが実際映像化してみると全くまとまり感やスマートさに欠けてしまったことも問題だろう。 オリジナルもこんなに面白くないんだろうかちょっと気になる。
3点(2004-12-31 16:53:31)
631.  デリカテッセン
独特で斬新さがあり、恐らくジュネ以外は描けない世界だとは思うけど、全く自分には合わないとしか言いようがなかった。 登場人物もそれぞれ面白いキャラだけど上手く活きてこないと感じる。 ベッドのきしむ音に合わせて皆が動くシーン以外はあまり観るところはなかったというのが正直な感想。 地底人とかはどうでもいいのが狙いだと思うけど、本当にどうでも良かったし、本当に暗くて何やっているのか分からなかったのも致命的でしょう。
3点(2004-12-31 01:45:34)
632.  ターミナル
「待つ」ことをテーマに空港を舞台にした素晴らしい感動作品に仕上がったと思う。 誰かをあるいは何かを待っている人には心に染み渡る熱いものを感じるのではないかな。 人は色々なことや人を待つ。 この映画でも、フランクは局長のポストを待ち、エンリケは指輪を渡しトーレスが来るのを待った。 アメリアは39歳になってもある人を待ちつづけている。 グプタにはひょっとして本国で待っている人がいるのかもしれない。 そしてビクターは時を待ち、タイミングを待ち、アメリアを待った。 アメリアのように待つことによって、その答えや見返りが得られないかもしれない。 ビクターのように得られたものはただの紙切れかもしれない。 それでも人は何かを待つ続ける。 それは待つこと自体に何かの意味があり、待つことによって学ぶものがあるからだろうか。 この映画を観て「待つ」とは一体どういうことなのだろうか、俺は一体何を待っているんだろうかと色々感じることが多かったな。 「待つ」ことを描くことにプラスして人間的な触れ合いを描いていているのも大きい。 空港に一人、自分のことを知る人もいなく、言葉も何も通じない中、置き去りにされた孤独感から様々な人と触れ合いながら、助けたり、助けてもらいながら生きていく。 冒頭の誰も知らないスタートから空港を出る時はビクターを知らない人がいないほど大きな輪になっている。 そういう人間的なベーシックな面を上手くそしてシンプルに描かれている点も好評価できる。 フランクはビクターから学ぶことはあまり多くなかったかもしれないが、自分はビクターから学ぶことは多かったと感じた。
8点(2004-12-30 23:22:24)(良:1票)
633.  スキゾポリス
さすがにこれは酷い。 たいていの人ならまず途中で観るのを止めるでしょう。 理解できればコンセプトは面白そうだけど、常人というか監督本人以外の人間は恐らく理解は不可能。 現実を超越した世界でも描きたかったのかもしれないが、理解するためにこれを何回も見るのは時間の無駄と言える。 日本人なら夫の日本語は理解でき、妻の言葉は字幕があればあの部分は分かるでしょうが、 アメリカ人他は理解できるのか。 具体的な言葉を使わずに抽象化した言葉を使った夫婦の会話には「おっ!」というものを感じたが、まあ観るべき部分はこれだけでしょう。 ちなみにレンタルビデオのラベルには「社会派」というジャンル分けがしてあった。
0点(2004-12-30 00:13:15)
634.  マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 
かなり骨太の作品で充分満足できる内容。 あまり見る人はいないけど、見た人の評価は高い作品かと思ったら意外と皆さんの評価悪いですね。 冒頭数分間で誘拐による恐怖やメキシコでは日常的に起こっていることと観客に植え付けて、その後本ストーリーに進むというのはなかなかいい演出だと思った。 そしてクリーシーがストーリー前にどんな悲惨な目にあって来て、酒に依存するようになったか、ココロを閉ざしてしまったのかをあまり明らかにしていないことが最初は不満だったが、復讐劇が始まるにつれ、だんだんと彼の心情が理解できるようになってきた。 人を人と扱わずなんの躊躇もない非情な殺人鬼と化す姿を見れば、彼がどんな人生を送ってきたか大体は想像がつく。 ウォーケンの一言も重みがあった。 「もう人を殺すのは嫌だ…」このセリフを聞けば彼らの心のダメージがなんとなく理解できる気がした。 さらに彼の怒りの理由も理解できるだろう。 心を病みそうになっていた彼を救った少女、酒も聖書でも救えない彼の心を救った二人のやり取りはなんとも言えずに微笑ましかった。 少女もまた彼によって精神的に救われていたと感じられた。 復讐編の出来もまあまあ良いだろう。 難しい人間関係もなく、単純に一人また一人と殺していく。 その殺し方や尋問方法も色々と手が込んでいて観客にとっては飽きさせない創り。 ラストには少し違和感はあるが、単純に生きてて良かったねと言える。 自分の人生を救ってくれたかけがえない人を助けることが出来て死ねるというのもなかなか悪くないのではないか。 強いて言えば、連邦捜査官がラスト絡むかと思ったら何もなし。ラストの車爆発もなし。 さすがに自分のお尻に爆弾をし込むようなことはしなかったか。 新聞記者の女性も最初はクリーシーを利用しようと思っていたのに、クリーシーと捜査官にいいように使われているのもなかなか面白いと感じた。 この映画は面白いのだが、何か心に引っかかるものを感じる。 脚本は良いのだが、演出のリズムというかテンポがのろい。 カッコつけすぎていてどうでも良い部分までも撮っている感じがしたのは自分だけだろうか。
8点(2004-12-29 00:02:59)(良:1票)
635.  グレイズ・アナトミー
いや意外と面白かったぞ。 あのおっさんに何回突っ込めるか分からないくらい突っ込みがいのある映画だろう。 ほとんどギャグ映画と化していたし。 自分は映画観ながら「はよ、手術しろよ!」と叫んでいたけど、ラストあたりでふと「フルフロンタル」を思い出した。 「このおっさん、実は眼なんてどこも悪くないんじゃないか?」と思い始めた。 野菜療法も先住民サウナもフィリピン医師も日本人観光客も眼がねの兄弟とおばあちゃんのいる医者もニクソンも奥さんも実は全部架空な話なんだと。 冒頭の人達は実際に被害を受けた人達だとしても(これも怪しいかもしれないが)、これがリアル過ぎて、実はソダーバーグのカラクリにやられたのかもしれない。 ソダーバーグは好きではないが、やっぱり才能はあるかもしれないな。
6点(2004-12-28 01:32:44)
636.  KAFKA/迷宮の悪夢
最初究極につまらない映画だと思い、眠けをもよおしたため一旦途中で観るのを辞めたほどだったが、続きを我慢して見ると後半のカラー部分に差し掛かるあたりは結構面白い。 カラー部分が8点くらいの出来で、白黒部分が2~3点位の映画だと思う。 しかし、全体を通すと哲学的色彩を帯びていて確かに結構凄い映画なのかもしれないと思えるような迷宮に迷い込む。 この映画に10点をつける人がいたとしても納得は行く独特の雰囲気を持った映画。 もう1回見れば感想はだいぶ変わると思うが、前半部分が究極なので勘弁して欲しい。 「真実」と「無知」。 真実を知ることが果たして良いのかどうかこの映画を見て本当に感じた。 あの主人公でなくても、自分でも「自殺」と答えるだろう。 ソダーバーグだけあって計算され尽くされた狙いのある映画なのかもしれない。
4点(2004-12-27 23:38:55)
637.  スーパーサイズ・ミー 《ネタバレ》 
マイケルムーア監督によってドキュメンタリーの性質が変わったことと「30日間マクドナルドを食べ続けたらどうなるか」というバカさがかなりクローズアップされていたので、本作が一体どういう映像になっているか楽しみにしていたら、意外とまともな作品に仕上がっているのでちょっと残念と思った。 観る前はただ食べ続けるだけでは映画としてはもたないだろうと思っていたが、結局、本作は教育番組のようにファーストフードの危険性をただ訴えるだけだった。 アメリカ人には興味深く切実な問題であり良い映画なのかもしれないが、日本人には対岸の火事であり、面白くも何ともないだろう。 ドキュメンタリーとしての出来は確かに良いのかもしれないが、自分はエンターテイメント性を求めていた部分もありその点はモノ足りなく感じる。 罰ゲーム的に無理やりスーパーサイズを口の中に叩きこむような監督が苦闘や苦悩する姿を想像していたが、そんなシーンも1回だけで終わり。 中毒を起こして食べるのが楽しみになっている以上そんな姿を描けないのかもしれないが、あまり大変そうに見えないのが、なによりも問題だろう。 医者のセリフだけでは死の恐怖や肝臓等のダメージは多少分かりづらいところはある。 冒頭の医者の楽観的なセリフと後半のギャップは確かに面白いと感じたのだが。 やはり真面目に作りすぎていて遊びが意外と少ないというか、子どもへの刷り込み問題や給食問題など色々な問題を詰め込みすぎたため締まりのない感じにも映った。 もっと上手な編集が出来れば良かったんだが。 出来れば、カラダや精神面の変化をもっとはっきりと描いて欲しかったし、19000個オトコのような強烈なキャラももっと欲しかった。 そしてこれだけ真面目な創りなら、本社のトップクラスとの対決は実現してもらいたかったのが正直なところだろう。 結局、自分はこの映画を見ても、映画館の帰りにあったマックは美味しそうに見えたし、今後もファーストフードを食べ続けると思う、あまり影響は受けなかったな。
5点(2004-12-27 00:15:36)(良:2票)
638.  蒼い記憶 《ネタバレ》 
サスペンスにジャンル分けされているのでそのうち面白くなるだろうと見ていくも何も面白いことが起きずに終わってしまったという映画。 何を描きたかったのか本当に全く分からない。 弟の存在とか結局何だったんだ? 「理想と現実のすれ違い」や「人生はすれ違いの連続」とかを描きたかったんではなかったのか。 レイチェルを救いたいがためについたとっさの嘘がどんどんと違う方向へ転がり出したということかと思ったら何か違うような気もする。 レイチェルを救い新しい生活を築くという「理想」が実はレイチェルが自分を裏切るという「現実」でしかなかったという「すれ違い」というような解釈をするしかないか。 全部レイチェルが自分を捨てた復讐のために計算づくでやっていたのかよく分からないな。 ラストのオチはもうどうでも良い。
3点(2004-12-26 03:45:49)
639.  アウト・オブ・サイト
少しひいきめに見てこの点数が妥当な作品。 音楽が軽快な割にテンポが悪すぎる。 中身ははっきり言って何もないと言っていい。 良いところをあげるとすれば、車のトランクのシーンとバーでのシーンだろう。 トランクの中で「もし違う場所…バーとかで会ってたら」という前振りをしていて、デトロイトのバーでのシーンを持ってきている。 そのバーでのシーンも広告マンの仕事当て等を前振りに使っていたのはかなり効果的と感じた。 この2シーンはなかなか良いのだが、良いのはこれくらいで、コケル男の前振りとかはわざとらしく感じる。 そもそも本作は映画のように一瞬で恋に落ちることはあるのかというテーマとそんな運命的な出会いをしても立ち止まらずに歩いて過ぎ去ったときの「あのとき立ち止まっていれば…」のような後悔をしたくないというテーマがあったように感じる。 このあたりが上手く演出されていないと感じた。 特にラスト前のフォーリーを銃で撃つかどうかのシーンはもっと葛藤みたいなものが必要であろう。 フォーリーも「明日に向かって撃て」のように塀の中で死ぬよりも外で死にたいという願望があったはずだ。 カレンにとっては愛と仕事に揺れる葛藤もなければ、フォーリーにとっても刑務所に送られればもう出て来れないという葛藤があったろうに。 どうも中途半端で甘すぎ、軽すぎる部分を感じる。 ラストは逃げたグレンあたりを再登場させて、なにかの拍子でカレンがフォーリーを撃って殺してしまうような展開の方が良かったのではないかと個人的に思った。 死ぬ間際に「一時停止は終わりだ・・」のようなセリフがあればそこそこ良い作品になったような気がする。
4点(2004-12-26 01:28:15)
640.  ソラリス
タル版は以前ねむけまなこで観た記憶がある程度なので、ここではあえて比較はしないことにする。 ソダ版はアメリカでの散々な評価、大コケぶりや皆さんの点数のグラフの分布からも分かるようにほぼ駄作と決まりつつあるが、自分はこの幻想的でありまた神秘的(特に音楽が良い)であり、哲学性、倫理性を含みつつも愛した人を忘れられない未練たっぷりで、自分の犯した過ちのために前に進めなくなっている男を描いた本作の雰囲気はとても好きである。 それぞれの乗客にとってソラリスは別の意味があるのかもしれないが、ケルヴィンにとってソラリスとは一言でいえば「自分の過ちを償うチャンスが得られる」場所ではなかったか。 一緒に暮らしていても心を少ししか開いてくれない妻の性格等を理解できなく、お互い愛し合っていても理解しあえず、結局死に追いやってしまったその責任や過ちから解放されて前に進むことが出来る場所がソラリスではないか。 しかし、その過ちを償うことができても地球で二人で昔のように暮らすことはもはや出来ない、 そしてこの狭い宇宙船にもそのような場所はない。 詩が語っていた「愛は死なずに死の支配がない」ような世界、愛の中で永遠に生きる事が許された世界がまさにソラリスなのではないかと感じた。 その世界では二人が犯した過ちが全て許される、そして全く今までとは違う新しい生き方ができる場所なのだろう。 ケルヴィンが選択した二人が暮らしているラストの世界がそのような世界だと思う。 ケルヴィンをソラリスに導いたジバリアンは恐らく精神科医として彼を招いたのではなく、彼が再び前を向いて歩けるようにするため友人として彼をこの世界に導いたのではないかとも思う。 倫理的にも面白い部分はあると感じた。 実際の本人とは違う自己の記憶のみで構成された相手。その自分の記憶が正しかろうが誤ってようが関係なく本人に投影される。 そのため、誤った記憶のなかに自分の不存在を感じ、自己崩壊が生じる姿は面白いと感じた。 スノーのように自分を人間だと思う姿もこれまた面白い。 そして何者であれ、本人ではないと分かっていながら姿、形が同じであれば結局愛することしか出来ない人間の哀しさも描かれていると思う。
8点(2004-12-25 20:33:09)(良:1票)
030.36%
140.49%
2121.46%
3394.74%
4789.48%
59111.06%
615618.96%
719523.69%
816319.81%
9607.29%
10222.67%

全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS