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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 823
性別 男性

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741.  キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン
ストーリーに抑揚がなくストーリー自体は大して面白くはないと思う反面、じっくりと創り込められていると感じた。全体を通せば映画の出来はかなり良い。 ディカプリオとハンクスの追っかけたり、追われたりという二人のスピーディのある映画ではなく、ディカプリオが失ったものを必死に追いかけている映画だと感じた。 追っかけているのはトムハンクスではなくて、ディカプリオなんだなと思う。 「catch me if you can」の「you」はディカプリオで「me」とは実は家族の幸せだったのではないか。 父親のネズミの教え通りにもがき続けた人生の果てに見た「母親の幸せそうな家族」。 もう自分が求め続けた家族の幸せは取り戻せない。 あそこでもがくのをあきらめざるを得ない心境になるのは映画を通してよく理解できた。 クリスマスに相手をする人がいなくハンクスに電話をしてしまう寂しさとハンクスにずばり言い当てられてしまう悔しさ。 二人の関係も最終的には嘘、偽りのない並々ならぬ関係に描かれており、ラスト付近の空港の会話や職場で待つハンクスとディカプリオのやり取りも胸に染みた。 二人の信頼感がまさに固まった瞬間で終わったのが良かった。 追い求めた家族の幸せは取り戻せなかったが、最後は説明だけだが、自分の本当の家族を作ることが出来たなんていうのはなかなか良いストーリーではなかったか。
8点(2004-06-25 15:35:20)
742.  マッチスティック・メン
何の知識も入れなかったのに、CMのせいで、ロイが騙されてるんだろうと思いながら観たら、その通りにストーリーが流れていく…。 冷めた眼でしか観れなかったのが非常に残念。ロイが騙されるのは既定路線だとしても、ロイの復讐のもう一転があると思ってたら、想像を越えた一転でしたね、ラストのクルマで見せた笑顔はちょっと良かったな。 一夏のパパを経験することで、人間らしさを回復し、家族と暮らす幸せを感じるようになる、たとえ騙されていたとしても自分にとって彼女は娘であり、自分を変えるきっかけになった、そしてラストでは本当の家族を持ち、本当のパパになっていく… なかなかいいストーリーだったと思います。 妊婦は、普通にレジ女性でしょう。実は、リドリーの騙しの狙いは妊婦は元奥さんかレジ女かを争わせる点にあるんでしょうか。レジ女には最初から好意を持ってたようだったし、娘の話とかすることで会話したり、自己紹介とかできるようになっていったので、自分の気持ちに素直になれたのかと思ったんですが。
6点(2004-06-25 15:33:58)
743.  パンチドランク・ラブ 《ネタバレ》 
何を伝えたいのか趣旨がよく分からないところもあるが、「狂っているのはオマエだけじゃない。世の中どこか狂っている。キレたくなる衝動は分かるけれども、どうせキレるのならば、いい方向にキレてみよう」というメッセージとして本作を受け取った。 恋愛にキレて、恋愛に狂ってみたら、ドンヨリと曇った世界も、虹色のような世界(ハワイ)になるということか。 彼が愛用している青いスーツも、ブルーの気持ちを代弁しているのかもしれない。  事故を起こす車、壊れかけのピアノ、マイレージのルールの歪み、応援しているのか苛立たせているのか分からない家族、H系の電話なども、世の中が狂っていることを言い表しているようにも感じるが、個人的にはそのどれも上手くはハマれず、共感するには至らなかった。 頭で理解しようとするのではなく、まさに感じる映画なのだろう。 個人的な率直な感想としては、共感しにくいので、あまり好きなタイプの映画ではなかった。 また、ストーリーを楽しむよりも、映像の面白さを楽しむのも手だろうか。 好き嫌いが大きく別れそうな映画だ。
[DVD(字幕)] 5点(2004-06-25 15:29:52)
744.  名もなきアフリカの地で
序盤は、イマイチかなあと思ってたけど、後半になってじわじわと感じられる作品。 アフリカの地で自分の居場所、存在理由を見出せない父親と最初嫌がっていたが逆に自分の居場所を見出していく母親、そして誰よりも早くアフリカに順応していき、父と母の間に揺れる娘という主人公三人とその周囲の人々の気持ちが観るものに伝わって来る。 そして、広大で野性的なアフリカの地で「違うこと」を尊重することの大切さも感じ取れる。 更に、ドイツだから作れたようないつもとは違う視点からのユダヤの宿命も描けている。 他の作品が良かったからアカデミー賞外国語映画賞受賞は手放しで納得というわけでもないけど、こういう作品に賞を与えられるのもなかなかやるなあと思いましたね。
7点(2004-06-25 15:28:13)
745.  アダプテーション
「adaptation」には、①適合、適応、順応という意味と②改訂、脚色という意味がある。 まさにこの映画はこの二つを兼ね備えた映画なんだろうと思う。 原作「蘭に魅せられた男」に書かれたストーリーが進行すると同時に、「蘭に魅せられた男」を書くために取材するオーリアンのストーリーも進行する。 そして「蘭に魅せられた男」の脚本を頼まれたカウフマンのストーリーや妄想とともにカウフマンが描く脚本の内容(人類誕生等)も映画の中に描かれている。 この映画は二重、三重、四重へと広がりを見せながら、それぞれが変化、適合しながらストーリーが見事に進行していく点に面白さを感じる。 また、この映画は現実を描いていそうでありながら、全て脚色の世界の中にある点も面白い。 もちろんドナルドなんて兄弟はいないし、「3」も存在しない。 確かチャーリーはハゲてもなければデブでもなかったはずだ。 実在するはずのラロシュも恐らくワニに食われたりもしないだろう。 これらはマッキー(存在するのか?)が言うように全てはラストで観客を唸らせるための脚色にすぎない。 このラストには本当に唸らされる。 冒頭に語っていた「ドラッグ、銃撃、カーチェイスや立派な教訓を学ぶような映画にはしたくない」と語っていたカウフマンの話が見事に伏線になっていてそれがラストに繋がっている。もちろんハリウッド的な映画に皮肉を込めて。 しかし、確かにこの映画では立派な教訓は学べないかもしれないが、「愛することは自由」という愛の大切さや人生への一縷の希望を感じさせた小さな教訓はチャーリーは描いてくれたなあと感じる。 ほかにも「現実はたんたんとしているか」というマッキーの言葉にはドキッとさせられる。 この映画の中に描かれた世界は一応脚色された世界であるが、「映画の中の世界」と「現実の世界」にはそれほどの差があるのかどうか色々考えさせられたところもある。 実在の人物を脚色した映画であるが、ここに描かれた人物と実在の人物もそれほど差は無いのではないかという気がする。オーリアンの孤独、カウフマンの神経質な自己嫌悪など、現実社会に生きる「人間」の鋭い現実を描いている気がしてならない。
9点(2004-06-25 15:26:29)
746.  エデンより彼方に
50年代の雰囲気を楽しむメロドラマ映画というのが事前の知識だったけど、人種差別などアメリカだけでなく、現代の日本にもまだまだ残る「偏見」を扱った映画。 楽しめるかどうかは別として、数多くの賞を得ているのも納得です。 外見にとらわれず本質を見極めることの難しさはいつの時代どの国でも一緒ですね。 「誇り高く生きて欲しい」という彼の言葉は胸に響きました。
7点(2004-06-25 15:24:06)(良:1票)
747.  スイミング・プール 《ネタバレ》 
この映画は、全てランプリングの頭の中のネタであり実際の娘は最後に出てきた歯の矯正をしたブサイクな女の子というオチなんだが、ちょっとこのオチはさすがにない方がいいと思う。 「マルホランドドライブ」なんかは妄想である必要があったんだが、どうも本作には妄想という必要がないと思われる。 ランプリングのサニエを見つめる複雑な感情が入り混じったなんともいえない視線や、「何も行動できないイギリスのおばさん」と言われたランプリングがジジイに執ったあの大胆な行動、社長とのやり取り、幻の作品等、全てが妄想と知ったら残念な気がします。 自分の中では、ラストを頭から消去して全て現実にあった物語とすることに決めました。
5点(2004-06-25 15:18:16)(良:1票)
748.  イン・ザ・カット
サスペンス仕立てにはなっているけど、最後くらいしかサスペンスだとは思わなかった、舞台はサスペンスでも「女」というテーマにこだわって描こうと努力している姿が見受けられる。 女の色とでも言うべき「赤」にはかなりこだわっている。 ただ「女」の本質を描くのは難しいのだろうか、そのため捉え所のない映画になってしまったが、「女」の本質は事実捉え所のないものだからしょうがないか。 ベーコンの役どころは全く大したことないけどカメオっぽい感じではないかな。
6点(2004-06-25 15:16:51)
749.  コールド マウンテン
ストーリーはかなり坦々とした印象を受ける。 ジュードロウ、ニコールそれぞれのエピソードには様々なドラマがあるんだが、何か薄さのようなものを感じる。 やはり詰め込みすぎた感はぬぐいきれない。 ラブストーリーとしてもそれほどのものとは思えない。確かにキスシーンや再会のシーン、森でのシーンなどは息を呑むほど美しかったが、最初の設定がそれほど会話もない二人だから、引き裂かれた感もなく感情移入しづらい。 そんな状況でこの映画を見て何を感じたか。戦争下においては憎しみによって、人を醜くする。 そのような状況でも人を愛する気持ちや家族を想う気持ちが人を正気に保ち、明日を生き抜くチカラを与える。 特にナタリーポートマンのエピソードを見ている時にこのことを強く感じた。女性の自立映画としても中途半端な印象。一人で鶏を撃てた程度で喜んでいてはどうしようもない。
7点(2004-06-25 15:14:16)
750.  リクルート
序盤は、たんたんとストーリーが流れていく上にラストと拷問テスト以外に緊張感や緊迫感が欠けていて、ちょっと飽きます。 フィンチャーの「ゲーム」みたいにしてどこからどこまでがテストなのか観客に混乱させる方が良かったような気がするし、このストーリーなら思いきって恋愛に比重を置いて恋人をどこまで信頼できるかどうかという姿を描いても面白かったような気がする。 自分が見た感じは、結局パチーノが自分の仕事に嫌気がさして金のために若手を利用してファイルを盗むというストーリーにしか見えなかった。
5点(2004-06-25 15:11:07)
751.  ディボース・ショウ
ストーリーのテンポの良さで全く飽きさせないし、楽しいオープニングクレジットも必見。 主役のあの二人に加え、脇役もジェフリーラッシュやビリーボブソーントンなどの実力俳優が演じ、死にかけの上司のじいさんや殺し屋ゼェゼェ、証言してくれた男爵など面白いキャラクターも多数登場するのが良いですね。 今回はタトゥーロやブシェミは出てないけど。 ゼタジョーンズは「シカゴ」とは違い、かなりかわいい感じの女性を演じていて、「騙す」というキャラクターにもかかわらず、憎めないなかなか好感のあるキャラクターになっている。 原題のイメージとは違う感じのキャラクターになっているのがどうなんでしょうね。 ストーリーにはひねりはないけど、お金より何よりも結局、愛が全てというテーマで気軽に観れるのがこの映画の良さではないでしょうか。観れば分かるが絶対に傑作というわけではないけど、時間分は楽しめるという映画には仕上がっている。「バーバー」の後にこういうのを出してきたとは、コーエン兄弟の引き出しの多さにはびっくりする。
7点(2004-06-25 15:09:17)
752.  パッション(2004)
ストーリーもドラマもない純粋に映画といっていいのか分からない映画で評価はしにくい。 自分的には鑑賞前に言われていたほど、耐えられないほどの残虐性や酷さはなかった。 確かに残酷な映画なんだが、残酷であればあるほどキリストの深さや覚悟が現れてくると思う。 あれほどの仕打ちをした人々に対しても、「赦し」を乞う姿にキリスト教でもなんでもない自分でも何かしらの想いを感じずにはいられなかった。  そして「人類の罪を一人で背負う」という重さがあの十字架の重さにも感じられたし、一緒に運んでくれた人によって、その重さはやはり一人では背負えないのかもしれない、我々も背負わなければいけないモノなのかもしれないと感じた。 宗教には興味はないが、我々日本人としては、欧米の人が信じるキリスト教とはどんなものかを知る一助にはなったと思う。
7点(2004-06-25 15:07:28)
753.  マスター・アンド・コマンダー
冒頭の数十分の攻防を観て、これはスゲえ、ひょっとしたらとんでもない傑作の予感と期待を寄せて観てるも、一気にトーンが下がり、一向に上がることはありませんでした。 あまりにも人物の描写は甘いため、観ていても、訳の分からん奴が海に落ちて、訳の分からん奴が自殺して(部下からひどい扱いをされていたり、ラッセルが一応は「有能なんだから」と慰めているシーンはあったけど)、ピピンも何しに来ているのか分からんし、肝心の少年たちもほとんど出番がなくて、ラストで討ち死にしても何の悲しみも感じないという始末、おまけに死にそうになってた医師と片腕がない少年が相手船に乗り込んで戦闘に参加など突っ込みたい気持ちにもなりますし、ラストの医者のセリフもなんだか唐突だし、続編込みのラストも原作がシリーズもので有名だから予想してたとはいえちょっと脱力です。 原作が有名らしいから、原作読んでれば評価が変わるのかもしれないけど、主役のラッセルと医者ですら人物描写が甘いし魅力を感じない。 基本的に舞台が船の上という閉鎖的な世界なんだから、人間ドラマを描かないで何を描くんだろうか。 この監督の「いまを生きる」を期待して、少年たちがラッセル船長を通して人生を教わり大人になっていくなんてのを期待するとかなり痛い目にあいます。創りはなんとなく「ブラックホークダウン」にも似ている気がする、敵側については全く描かないし、登場人物の感情もできるだけ描かないというのは似ているけど、あっちは映像にチカラとスピードがあったから眼が離せなかったんだよなあ。 しかし、ハマる人や絶賛している人もいっぱいいますし、ミラ・ユニ・20世紀の合同出資の超大作だからかもしれないけど、アカデミー作品・監督賞にノミネートされているのも事実ですし、アメリカ内の批評家には受けが良かったという風に聞いているので、見る人によって評価が別れる映画なのかなと思います。
4点(2004-06-25 15:05:39)(良:1票)
754.  ドッグヴィル
やはりトリアーのモノは面白いと感じた、言い切れるほどこの監督のモノは観てないけど。 確かに残酷で眼を背けたくなるような世界が繰り広げられ、その世界に耐えられることはできないかもしれないけど、他では観ることが出来ない世界が展開され、人間の深いテーマを扱っているだけに一見の価値はあるんではと思います。 「やつの映画はこりごりなんだよ」と思っている人やどうしようか迷っている人にも観てほしいけど。 ただメチャクチャ長いんだよね、観ていて苦痛の世界だからなおさら長く感じかもしれない。 欠点は長いことの他に、カメラは相変わらずで、ラストが多少唐突なような気がしないわけでもない、後は二コールの演技、心身ともにボロボロというようには見えないし、ラストに苦悩・葛藤があまり感じられない気がした。 閉鎖的な世界で人を受け入れることの難しさ、グループ内にいる社会的弱者に対する人間の振る舞い、人間の本能と欲望の限りなさ、自己保身といったように人間の性質として避けられない弱さは相変わらず胸に刺さる。 罪と罰、責任と結果というか、人間の行為には責任が付きまとうんだなあというダンサーインザダークにも通じる因果応報的なものも感じた。これらをテーマにして、真の意味での「傲慢さ」とは何かを実例を踏まえてトリアーは説明したくれたと言えようか。でもエンディングの音楽は何故か心地良かった。
9点(2004-06-25 15:03:16)
755.  ミスティック・リバー
殺人事件が絡んでいるので、サスペンスと勘違いして観るとピントがずれるでしょう。 自分の殺した男の息子が自分の娘を殺してしまうという悲劇の連鎖という意味はあるけど犯人なんてどうでもいいのかもしれない。 後味が悪さはあるが、人生の不可思議さ、人間としての弱さ、哀しさ、愚かしさ、業の深さを描いているので安直なハッピィエンドには終われない。 唯一の救いは、ショーンが妻を失いかけているその時、妻が出て行ったのは自分にも原因があったという現実を直視できたことではないのか。 人生の苦しみという現実を直視できない人々が数多く登場する。 ジミーは元妻の死に立ち会えない悲しみをただのレイを殺すことで、娘を失った悲しみをデイブを殺すことで慰めようとしている。 アナベスは夫がやったことに対して、「家族のためにやったこと」と現実逃避をし、セレステが変なことを言ったから責任を転嫁する。 セレステも夫と向き合うことができずに、疑い続け、信じられず、「殺したのは夫かも」と苦しみをジミーに解決してもらおうとしている。 デイブは少年時代の想像を絶する痛みから逃れることが出来ずに、現実とは向き合えずにいる。 ジミ-が最後にデイブを見たのはいつだとショーンに尋ねられた時に、子供時代に連れ去られた時を思い起こすシーンやデイブが夢や青春を失ったと告白するシーンから象徴されるように主題は少年時代に受けた苦しみは決して消えることなく、大人になってもその苦しみから逃れることは出来ずに襲い続け、それは被害者だけでなく、その周りの人々にも大きな影響を与えるということだとは思うが、登場人物を見ると現実を直視できない人間としての弱さを感じずにはいられない、ラストのパレードでの父親がいなくなり深い悲しみを抱えた少年がどういう人生を送るのかと考えずにはいられない。悲しみは続いていく…ミスティックリバーはジミーにとっては罪人の罪を洗い清めてやる死体を沈める河なのかもしれないが、自分にとっては人生こそ不思議な河のようなものかもしれないと感じた。俳優の演技に注目が集まっているが、ショーンペンの娘を失った悲しみを最大限に放出するシーンや喪失感、苛立ちを抱えた演技。ティムロビンスの過去の呪縛から開放されることなく、苦しみと怒りを抱えながら抜け殻のようになってしまった表情や演技は素晴らしいとしか言いようがない。
9点(2004-06-25 14:59:27)(良:3票)
756.  イノセンス
題名と宣伝に惑わされて前作を未見で行く人とかいないんですかね。 少佐のことを知らない人が見たらとんでもないことになるので絶対前作を見てから行って下さい。 自分もこの映画を見るためにようやく前作を見たというレベルで原作も全く知らないし、押井監督作品も見たことなかったけど、映像技術や世界観は驚くべきものがありますね。 アニメという限界を知らない世界で現時点で辿り着いた最高レベルといって問題ないでしょう。また多くの人に影響を与える作品になったんではないでしょうか。 セリフについては言っている意味は全く理解はできないけど、雰囲気を感じ取ればとりあえず問題ないのではという気が、逆にストーリーは流れるようにスムーズに進むので難解さはそれほどない。 テーマとしては人間とは一体何か、人間の進むべき道・未来とは何か…というのを深く感じました。 最後のバトーの少女への怒りは、自分が本当に人間なのかどうかを悩んで消えてしまった素子同様に、バトー自身も自分が魂のある人形にすぎないと思っているからなんでしょうか。
8点(2004-06-25 14:51:31)
757.  キル・ビル Vol.2
殺し屋としての哀しい宿命を描いた作品に仕上がった。 殺し屋が「母親」として生きるとはどういうことか、殺し屋としての「愛」を貫くとはどういうことか。 ブライドとビル、両方のけじめの付け方には納得がいく。 ビルのスーパーマンを引用したセリフには重みを感じた。自分が感じたのは、ビルは最後に本気を出したかどうかだ。裏切られたと感じた当時は愛する人を殺すことは出来ても、真相が分かった今となっては本気を出して愛しているブライドを殺すことはビルには出来なかったと思う。 ラストのブライドの「ありがとう」というセリフは、BBが無事に育ってくれたことや、自分を助けてくれた半蔵やパイメイだけでなく、ビルにもある意味で感謝をしているのではという想いを感じた。 ラストクレジットを見ると、やはりこの映画には多くのユニークなキャラクターが多数登場していたことを改めて気づかされる。今回は個人的に何故かエステバンが気に入った。自分が顔を切った女性を呼ぶ不気味な仕草が面白い。彼と幼い頃のビルだけでまた一本映画が撮れそうなもんだ。
7点(2004-06-25 14:49:31)
758.  テキサス・チェーンソー
オリジナルも見てないし、ホラーもほとんど観てないので比較はできないけど、かなり出来のいいホラーではないでしょうか、普段怖がらない自分も久々に恐怖を感じることができた。 オリジナルファンは不満みたいですが、オリジナルを知らない人には充分満足いく出来で、結構おススメできると思います。 なかなかセンスが良さそうな予告の映像が、観た動機ですが、暑さやじめじめ感、ざらざら感、緊張感が伝わる映像には引き込まれる。 オリジナルを見てないのに言いますが、一般大衆向けのエンターテイメントホラーとしては、視聴に耐えうるギリギリのラインを見せてもらったと思えるほどでは。 それでも特に不快感もなく、トラウマになるようなものではないので安心して観てください。大きな音や突然何かが飛び出す系のびびらせも確かに使ってはいるけど、それ以外でちゃんと勝負しているのが良い。興味を持ったので前作も見てみようと思う。
8点(2004-06-25 14:47:46)(良:1票)
759.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
犯人逮捕への執念、情熱、怒り、無念さが伝わってくる骨太な映画。 重厚感に溢れた創りになっており、雨の滴る中を這いずり回る男たちの姿や、ラスト間際の容疑者との緊迫感ある、やり取りには並々ならぬ迫力を感じる。科学的な捜査方法を多用し、拷問を反対していた冷静な都会から着任した刑事でさえ、物証が乏しいためあせりの余りに「自白させてしまえばいいんだ…」と呟いてしまう。あの刑事たちの無念さには多いに共感できる。 足跡等の証拠を捏造し、被疑者に対する執拗な暴行により自白を強要させたり、霊能者に頼ったり、銭湯で無毛症の男を捜したり、学校での噂を調査したり等…普通ならばあり得ない捜査とは思うが、それだけ彼らが追い込まれていることの現われに過ぎない。これらの一部が実際の捜査でも行われていたというから驚きだ。 ただ、あまりに過激な捜査だったためか、それぞれ因果応報的な結末に陥っているのも面白い。足蹴りを得意とした刑事は足を失うという結末。「書類は嘘をつかない」が信条の都会の刑事は、最後の最後には「書類」に裏切られてしまうという結末。「俺は人をみる目だけはもっている。犯人を見ればすぐに分かる」と言っていたソンガンホが最後には「もう何も分からない…」と呟くシーンをみると、犯人逮捕に掛ける「情熱」が失われていってしまったようにも思える。そのためか、「警官」を辞めるという結末を迎えている。 それぞれ報われなかった想いに対する代償の大きさが窺われるようになっている。 そして、ソンガンホが最後に再び用水路を覗き込むが何も見えない。「この事件を通じて我々は何を見たのだろうか。事件の闇の中に何かを見れただろうか。」という問いかけにもみえる。 また、「殺人」が起きる条件が揃ったにも関わらず、デモ鎮圧のために機動隊がこちらの事件に対処できなかったことや、夜間灯制のため犯人に好都合の状況を与えてしまったこと等の姿も描かれており、「時代」が事件に加担してしまった背景もきちんと描かれている。 初見は、アホな捜査を繰り返すことによって逮捕を逃した刑事たちに共感できないと思ったが、改めてみると、気迫溢れる演技に圧倒され、無念さが強く伝わってくるようになり、本作の印象が変わった。
[DVD(字幕)] 7点(2004-06-25 14:46:21)(良:1票)
760.  シービスケット
人生の壁にぶつかる度に人は強くなれるということを強く感じました。 ストーリーの進め方は時代の背景と実話ベースにエピソードをたんたんとつなげているだけのような気がしますが、逆にそれが狙いのような気がします。 あえて感動を押し付けるような創りをすることよりも、しっかりと背景を描くことや客観的な眼で創ることによってじんわりとした感動を呼び込んでいる。 ハワード達がウォーアドミラルとの勝負にこだわったのは、不況で苦しむ沈んだ人たちに弱くても立ちあがれる強さと希望を人々に示したかったのかなと感じました。 競馬は筋書きのないドラマだから、いつの時代でもどの国でも人々は熱狂するんでしょうね。競馬は勝つことで感動を与えるものだと思っていたが、今の日本には負け続けることで人々に感動を与える馬がいるというのは驚きであり、奥の深さを感じます。
8点(2004-06-25 14:44:39)
030.36%
140.49%
2121.46%
3394.74%
4789.48%
59111.06%
615618.96%
719523.69%
816319.81%
9607.29%
10222.67%

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