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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2524
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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【製作年 : 2010年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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761.  バーレスク 《ネタバレ》 
「アギレラ」って、怪獣の名前か『ドラクエ』の呪文みたいやね。でも歌はパワフルで聴かせるわぁ。で、だけど映画にちゃんと彼女の個性を生かせたのか?って言うと、必ずしも・・・って感じがして。マリリン・モンローをリスペクトした前半は大変に楽しませて頂いたんですよ。今の時代の感覚の中に『紳士は金髪がお好き』を織り込んでみせるって、その音の鳴らし方も含めてステキやわぁ、って。ところが中盤、物語がどうもアヤシクなってしまって、それはヴァーホーヴェンのラジー賞映画や、踊るバーテンダー姐さん達の映画を強く強く思い出してしまって、そしてそれらから抜き出る事なく、いや、それどころか、それらよりももっとぬる~く進行したまま終わってしまったなぁ、という感じで。彼女は役者としては大根なので、前半の無邪気な田舎娘って役どころには合っていても、後半の舞い上がって調子コイたあたりはただのバカに見えてしまうんですよね。メイクやヘアで変化させるにも限界があるよなぁ、って感じだし。店長の盲目的な店への拘り(そもそも何が彼女をそこまで拘らせるのかは不明)や、バーテン兄さんの二股バカっぷりも含めて、なんだか軽薄な人々の浅はかな物語という印象で。まあ、そんなところはどうでもいい、ただステージの歌と映像だけで十分、って事なのかもしれませんけど、いちいちエロティックなネタばっかりだしねぇ。歌で魅せるにはエロがジャマ、って。彼女の歌は良かったけれど、でもこの映画よりもライブの映像の方がもっと良さそうな気がして仕方ないのですが。あ、手持ちカメラの多用とカット割り細かすぎなのがウザい映画なのですが、そのワリに構図がキマってるカットが結構あったのが見モノではありました。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-23 21:30:07)(笑:1票) (良:1票)
762.  キック・アス 《ネタバレ》 
ありゃあ。題材的に絶対イイ!と思ってたのですが、あんまりだったわぁ。ヒット・ガールがステキなんだけど、彼女が登場からいきなりチンピラマフィアを惨殺しまくる時点で画面のキック・アスと一緒にどん引き。その時点でこの映画はヒーローを目指す高校生の奮闘記ではなく、『シン・シティ』や『ウォッチメン』と同じ、最近流行りの血と暴力で包装したアメコミものですよ、っていうのがハッキリして、さーっと冷めてしまい。しかもキック・アスは主人公でありながら狂言回しでしかなく、主旋律は組織への復讐に燃える父娘の物語。『スパイダーマン』のテーマを逆説的に語るだけで、パッケージは刺激的に煽ってるけど中身はいつもと似たよーなモンで。暴力を流れる血で生々しく語るワリには、作品世界に流れるルールはご都合主義的で非現実的である(この映画で言うと、警察の空気っぷりから父娘の生活、タナボタ強化人間化、ヒロインとの関係成立過程に至るまで)って点まで含めて、ちょっと最近のアメコミものの流れ、ウンザリ。非力なヒーローが巻き起こす笑いの世界を期待していたのですけどねぇ。ヒット・ガールはステキなんですけど。自分的にそこポイントなんで二度言っときますが。
[映画館(字幕)] 5点(2010-12-19 16:50:42)(良:3票)
763.  キス&キル 《ネタバレ》 
ご近所さんや会社の同僚が実は軒並み殺し屋だった、みたいなコメディ部分は面白いものの、肝心のスパイ部分はユルユル過ぎてしまって。もう少しちゃんとプロのエージェントらしい行動や戦いっぷりを見せて頂きたいものなのですが、全体のコメディノリを重視し過ぎているせいか「それはないわぁ」って冷めてしまう部分が多くて。激しい銃撃を受けた家にみすみす戻ってしまう、しかも町はその事件そのものがなかったような日常っぷり、ってそこには何の説得力もなくって、いくらコメディでもそういうところはちゃんとしておこうよ、って。大体、主役のお兄ちゃん、ペロペロキャンディみたいな甘い甘~い甘過ぎなマスクなんで「スパイです」って言われても全くそうは見えて来なくて。いや、実際のスパイがみんなショーン・コネリーやピアース・ブロスナンやトム・クルーズみたいなカオしてるとは言わないですけどもさ、映画的な説得力ってのがあるでしょ。死体を前に家族会議みたいなシュールな笑いのシーンも、ハードさが絶対的に足らないので不発状態ですし。でも、もう一人の主役のちょっとトロいヒロインが段々と状況に慣れていくあたりは良かったですし、夫婦の危機や相手方の親との不和っていう、よくある家庭ネタを殺し屋が溢れる極端な世界で描くっていう発想そのものはいいカンジだったと思います。期待せずお気楽に見るのが吉なコメディという感じでした。
[映画館(字幕)] 6点(2010-12-05 21:34:20)(良:1票)
764.  SPACE BATTLESHIP ヤマト 《ネタバレ》 
こんなん早いモン勝ち。長文注意。これからいっぱい批判が出てくるでしょうが、かつてアニメ映画版の初日に徹夜して並んだモロなヤマト世代な私から言わせて貰うと、元々『ヤマト』なんてこんなモン。こんなモンに熱狂してたんですよ。原作を冒涜してるとかいう評もありますが、そもそも当時からみんなその内容にツッコミ入れながら見てたっての。ここがキャラ弄りなアニパロの起源なんだし。『惑星大戦争』から『宇宙からのメッセージ』を経て『さよならジュピター』でトドメを刺された国産SF大作映画が、ここに久しぶりに甦ったって悦びをさ、ゴチャゴチャとウザい事言ってわざわざ貶めたくもないしねぇ。確かに沖田艦長を始めとして、島とか徳川機関長とか真田さんとか斉藤とかドラマのワリにキャラが弱いし、佐渡先生とか相原とか性別を変更した必然性はなかったし。一作目に『さらば』をブレンドしちゃう事によって、ボヤけた部分もありますよ。ワリと簡単にイスカンダルまで到達しちゃって、旅が短か過ぎな感じがしますし。つーかワープあっさりし過ぎ。この一作だけで簡単に完全に終わらせちゃうなよ!とも言いたい。でも、日本映画特撮史におけるお笑いポイントな色塗りなりきり外国人を避けるためとしか思えないデスラーとスターシャ(テレサブレンド)の描き方はあれで仕方ないと言えますし、声でちゃんとリスペクトしてるし、ヤマトはやっぱり左向きに旅立って左向きに波動砲撃つモンだし、第三艦橋は壊れてナンボだし・・・って結局ウザい事言ってますな・・・。でもね、ヤマトで特撮映画で育ってきた私が、これを否定する理由なんてのが見つからないんですよ。映像で音楽で、あの感覚を甦らせてくれる高揚感溢れる瞬間が訪れるたび、もう全肯定!って。ここは素直にヤマトの実写映画化、国産SF大作を甦らせてくれた事を喜ばせて頂きましょう。今回はもう、人の事は知らん。
[映画館(邦画)] 9点(2010-12-01 21:15:15)(良:12票)
765.  おまえうまそうだな 《ネタバレ》 
予想していた映画とはかなり違っていて(そもそも「おまえ、うまそうだな」って部分がそう大きな比重を占めていないです)、相当にシビアな物語。肉食竜と草食竜との決定付けられた運命に対して、じゃあ、その主流から外れてしまった者がいかなる生存の道を選択できるのか?っていう時に、この映画はやはりとても日本的な道を歩むのですよね。同じようなテーマを抱えたアメリカ産の『マダガスカル』の安直な解決法や『ヒックとドラゴン』の痛みを伴う変革の道とは違って、国産の『もののけ姫』や『あらしのよるに』に類似した、あくまで日本的な方向性。それがこの作品の魅力でも、そして限界でもあると思います。安易な共存の道を選択する事はありませんが、ラストシーンの二人の姿に、輝かしい未来など見出す事はできない訳で、それが子供向けの映画にとって相応しい落としどころなのかどうかに関しては、やや疑問が残ります。ですが、一方で「情」を軸とした物語は大変に感動的で、よくできています。徹底して描かれる他者との関係性の物語は恐竜という存在にはおよそ似つかわしくなさそうですが、『ダイナソー』に感じたリアルな恐竜が語るドラマの違和感に比べたら、そこは国産アニメのお家芸とも言えるキャラへの命の吹き込み方でまるで問題なし、という感じで。ウマソウの声が、どうにもこうにもこども店長まんまで終始現実に繋がるイメージがつきまとってしまうのが残念なものの、シンプルなデザインのキャラが語るドラマと、ふんだんに盛り込まれたアクションとサスペンスとスペクタクル(ここもワリと重要)、意外な程に娯楽映画としての満足度は高い作品なのでした。
[映画館(邦画)] 7点(2010-11-28 22:42:01)(良:1票)
766.  ラスト・ソルジャー(2010) 《ネタバレ》 
前半は1秒あるかないかの短いカットを大量に重ねて、ちゃんと繋がってないものも多いので、マトモに見るのがつらく。ジャッキーのアクションも逃亡の旅の中でバタバタと混乱しているような状況ばかりで気持ち良さはなく。物語もありがちな反目するコンビの道中もの、コメディとシリアスとがどっち付かずの半端な感じで特に面白いと思えるものでもなく。それでも、国の大義に翻弄されてゆく者達の悲劇、主役二人だけでなく、様々な立場の人々がそれぞれに戦によって人との繋がりを引き裂かれてゆく姿が描かれる、真面目に戦争というものと向き合っている映画という点で、しっかと見るべきものがあります。悪人が出てきて、それを倒す事でカタルシスを得るようなシーンは無く、本来悪人だと思えた人々にもそれぞれに戦う理由があり、ゆえにアクション映画としての爽快感などとは無縁な世界ではありますが、常に国を分かつ戦いを繰り返してきた歴史を持つ中国ゆえに、その語り口には重さがあります。国に拘り、人を見失う事の危うさ、悲しさを描く、実はとても普遍的にして今日的な映画だと思います。繋がりが悪く駆け足過ぎな前半が映画全体を雑で軽い印象にしてしまっているのがどうにも残念ではありますが。
[映画館(字幕)] 6点(2010-11-26 00:22:19)
767.  ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 《ネタバレ》 
『ハリー・ポッター』最後の物語の前半部分。当然、この一作だけで理解できる部分は一切ない、完全にファン向け映画。そのファンとして、これまでの感慨にふけり、そのドラマの行き着く先に胸を締め付けられる思いをする・・・のも最初のうちだけ。原作が見せ場→ダラダラとしたドラマ→見せ場→またダラダラを繰り返す、あまりデキのよろしくない状態だったものを、映画の方も今回は前後編に分けて余裕があるものだから原作通りに見せ場→ダラダラパターン。どう考えても引っ張り過ぎ、2時間以内にまとめられます。この前半部分はシリーズで唯一物語がホグワーツから離れ、ほぼハリー、ハーマイオニー、ロンだけを追うという特殊な展開なのですが、その3人だけのドラマはテンションを持続できてないなぁ、って。全体的にゆっくり過ぎる一方で、とても大事に思えたハリーとダドリーのエピソードをバッサリと。ほんの数十秒で描けるであろう部分を切るセンスがよく判りません。ヘドウィグもマッドアイ・ムーディの描写もあっさりし過ぎ、ドビーだけはさすがにキッチリ描きますが。でも、続きにどーん!と引っ張りきれずに、それで終わりかい、って感じの幕になりますし。まあ、原作がアイテム探し中心の下手なロールプレイングゲームみたいな物語になってしまったゆえに、映画はそれでもまあまあ頑張ったと言えなくもないのですが。『不死鳥の騎士団』以降、トーンが統一されてまとまっている感があるものの、初期のわくわくするようなファンタジーの世界は影を潜め、ひたすらダーク。みんなが望んでいたのって、こういう世界だったのかなぁ? もちろん、これまでずっと好きで10年間追ってきたものを頭から否定するつもりは毛頭ないですけど。なんだかんだ言ったって、愛着がありますしね。あとは最後の一作を残すのみ、シリーズに対する結論はそれまで保留ですね。
[映画館(字幕)] 6点(2010-11-20 00:30:02)(良:3票)
768.  マチェーテ 《ネタバレ》 
ロドリゲスのセンスってどうにもこうにも好きになれないですし(ごく一部だけシュミがガッチリと合うところがありはしますケド・・・)、「まだ『グラインドハウス』ノリを引っ張るワケ?」とは思ったのですが、ちゃんと娯楽映画になっていて楽しめました。ワザとB級なノリを出して馬鹿馬鹿しさをメインにしていたり、毎度の常連さんを出して内輪ウケを狙ったりはしているものの、キチンとその馬鹿馬鹿しさを楽しめ、そしてこれまでに色々見ていれば見ている分だけ更に楽しいと。デニーロが狙撃される政治家を演じ、だけどクライマックスにはタクシー運転しちゃう、みたいなネタを楽しめるのならば、美味しいご馳走に溢れた映画と言えます。なんだかすっかり『二十世紀少年』の石ちゃんみたいな風貌になっちゃったセガールの省エネバトルもネタと思えばまた楽し。あくまで負けたりしないですしね。無敵のセガールが「殺されて終わり」であるハズがありませんもんね。もっとも、やっぱり個人的には「セクシー姐さんカッコいいウハー!」ってところにこの映画の価値の大部分があったりするワケで(そこだけは毎回ロドリゲス最高ですわな)、だからクライマックスの馬鹿馬鹿しいほどの姐さん達の活躍っぷりに、「マチェーテ、肝心のクライマックスにパッとしない」って欠点も些細な事にしか感じなかったりするのでした。
[映画館(字幕)] 7点(2010-11-16 11:05:15)(良:2票)
769.  エクリプス/トワイライト・サーガ 《ネタバレ》 
新しいキャラが登場して、これだけ広がった風呂敷を更に広げる気?と心配になりましたが、実際は一応少しはたたみかける方向に行ってましたね。ただ、赤毛のお姉さん一人のために傍流みたいなエピソードを本筋にして映画一本費やしたようなものですが。でも、そんな本筋も3割ほど。7割は延々と毎度の人間と吸血鬼と狼男の三角関係話。話が本題に入るまで1時間弱、物語が転がり出すまでに1時間半くらいっていうノンビリ展開もお馴染みのパターン。いい加減グダグダ・・・って思いそうなのですけど、これが3作目ともなると、キャラにも馴染んで、お気楽にその世界を楽しんでる、ワリとハマってる自分に気付いたりして。エドワードの草食っぷりやベラの男心弄びまくり天然悪女っぷり、ジェイコブの自信過剰っぷりも楽しければ、他キャラの毎度お馴染みな変化しなさっぷり(父ちゃん、今回もまたずっと親バカモード)もまた楽し。アリス、ステキだしね。話としてはちっとも面白くないのですが、キャラを楽しむ分には面白い、って元々海外ではそういうところがウケてるんですかね。日本ではお馴染みなワケですけど。三角関係で好きだのキスだの言ってる部分こそがこのお話の本体で、種族間の長年に渡る闘争とその行く末なんてのは、ほんのエッセンスみたいなモンなのかもしれませんね。そしてそういうカタチもまた映画としてアリなのかも。もう一度見たいとも思いませんけど。
[映画館(字幕)] 6点(2010-11-14 16:49:17)
770.  マザーウォーター 《ネタバレ》 
コーヒー店、ウィスキーだけの店、豆腐店、銭湯。この水に関連する4つの店を、ただ登場人物がお互い行き来するだけの映画。それだけ。あまりに何もなさ過ぎ。いや、あるにはあるのですが。水に誘われるように川の町に集った人々(三人の女店主が当初それぞれ面識はなく地元の人々との関係も薄い状態から見て、他所から最近やって来た事を匂わせます)が、そのひとときを共有し、またやがては別の時を生きてゆく、生生流転、と。その各人の居場所のモチーフとして沢山登場する椅子がキーになっています。だけど、固定もしくはゆっくりとした移動の長回しでその時を観客に共有させようって映画にしてはあまりに撮り方が雑。たとえば豆腐屋の店先が描かれるのは大抵朝なのですが、太陽の影がもうバラバラ。せめて店の表は朝は日なたなのか日陰なのかくらいは統一すべきなのに、それすらできていません。椅子を外に出してから豆腐を手に取るまでの間の、手を洗う描写を長回しゆえに映像に収めてなかったりしますし。風呂屋では飲み物をケースから出して冷蔵庫の手前に並べてしまっていますし。奥から入れなきゃぬるいの売っちゃいます。また、タイアップゆえでしょうが、具体的な商品が登場します。ウィスキーはまだしも、ラストの方で登場するビールはそれまで空想させていた数々の料理の味とは異なり、ハッキリと味が判るモノで空想もへったくれもなく、私自身がその銘柄をあまり好きでない事も手伝って(酸味が強すぎて。個人的には同じブランドでも無印の方ならばまだ良かったのですが)興ざめしてしまうのですね。このテのリアリティのない映画だからこそのデリカシーというものが必要だと思うのですが、そこが雑ゆえになんだか映画全体が繊細なフリをしながら随分と雑な生き方をしている人々の物語に思えてしまいました。
[映画館(邦画)] 4点(2010-11-08 20:55:53)(良:1票)
771.  大奥(2010) 《ネタバレ》 
最後まで見終わって「よく耐えた、頑張ったよ、俺」って思いました。何度途中で見るのやめて外に出ようと思った事か。もう元が馬鹿馬鹿しいじゃないですか、大奥の男女逆転って。お笑いにしかならないネタをそれなりに地位のある役者達がマジメにやってる状態が、非常に居心地が悪いというか、キモチ悪いというか。基本があり得ないんですよ。男が少ない世界で、なんで将軍が女で大奥が男だらけになるのか?というのが説明されてはいても全く納得できるものではありませんし、女が男らしく、男が女らしくなってゆく理由も理解できません。なんで大奥の男共がオネエ状態であらねばならないのか、と。そういうおかし味を「おかしいね」って楽しませて貰いたいところなのに、一体何をトチ狂ったのか、阿部サダヲがあくまでシリアスだったりするのを始めとして、いちいちマジで(しかも演技も殺陣もCGもギクシャクと)展開してゆくワケで、すっげー居心地悪い映画。せめて、そのネタ世界を煌びやかに、ゴージャスに美しく飾ってみせるならば、まだ納得もゆくのですが、ここに登場する男達、あんまり美しくないし。最初の方で、主人公が唐突に大奥に行く!と決めるあたり(大奥と主人公の接点がその決意までに一切描かれてないの)で「この映画、ヤバい」と思ったのですが、大奥内部のドロドロさ加減とか、独自のしきたりとか、オチとか、何から何まで「ネーヨ」としか思えず、笑う事すらできず。「こんなの見にきちゃってどうしよう」って感じで。腐女子って男ヲタに比べたらなんだかんだ大っぴら状態で市民権得てるのが不思議だよねー、とか思いながら呆然と眺める以外になす術はなかったのでした。
[映画館(邦画)] 2点(2010-11-01 19:03:54)
772.  怪盗グルーの月泥棒 《ネタバレ》 
安定した出来のCGアニメ。悪く言うとそこそこ。スラップスティックが基本なので、もう少しスラップスティックに徹しても良かったんじゃないかと。この映画独自のルールが今ひとつ統一されておらず、受け止める方はちょっと物語を掴みかねてしまうところがあるんですよね。死の恐怖はあっても死は存在しない世界みたいな感じで。グルーと孤児達の物語はベタながら楽しく、ミニオン達は愉快で愛らしく。そして、それ以外の部分に関しては徹底的に弱く。博士や母親の存在はとてもハンパですし、敵も小物過ぎ。話が大ゴトなワリに物語は広がってゆかずに小さくまとまってしまった感がなきにしもあらずです。それに、孤児院が最終的に放ったらかしなのが気になりました。CGのレベルも他よりちょっと劣る気がしましたが、オモチャ箱みたいな世界の描き方はイイ感じでした。そのカラフルで賑やかなデザインが3Dのキワモノっぷりによくマッチしています。それにしても、『くもりときどきミートボール』『ヒックとドラゴン』そしてこの作品と、片親で、親と対話が成立せず、親に認めて貰いたいエンジニア肌の主人公って設定で共通しているのは、アメリカの男達が自信を失ってきているのか、親子関係が希薄になっているのか。
[映画館(吹替)] 6点(2010-10-29 17:47:36)
773.  シュレック フォーエバー 《ネタバレ》 
東京国際映画祭で鑑賞。『ヒックとドラゴン』を51回見た結果、セットで必ずくっついていた長ったらしい予告編を合計5時間57分見るハメになった映画。本編の方がずっと短いわ!って状態ですが、実際にはあの予告編は物語の半分もバラしてはおりませんでした。ディズニーへの皮肉に満ちているように思えながら、その実、ディズニーよりも余程保守的な道を歩んで、シリーズを重ねるごとに「小市民的な幸せこそが最高」と小さな枠に納まり退屈なキャラになっていったシュレック。今回もそのスタンスは予告編からして丸出しで、とても面白い映画にはなりそうにないと思っていました。ですが、完結編ゆえか、小市民的キャラなりの頑張りっていうのを見せてくれるので、つまらないという程ではなく。脇の方がよっぽど魅力的だったこれまでと違って、シュレックを立てる展開になっていて、その置かれた状況により、これまでのキャラ同士の関係がリセットされているがゆえの緊迫感や笑いが生まれて。ただ、もちろんそれは、これまでのシリーズを全て見ている事が前提となる面白さなのですが。獲得した地位をいかに守るかというスタンスばかりで作られるのでは、これ以上続ける事も苦しいので、ここらが潮時なのかもしれません。シュレックというキャラ、そして作品世界のサイズを最後に再確認して幕を閉じるといった風情でした。ラストシーンからエンドクレジットにはシリーズが重ねたその9年の時を感慨深く思った(一作目も東京国際映画祭で見ていて)ものの、そりゃ作品の面白さとは別のセンチメンタリズム。
[試写会(吹替)] 6点(2010-10-28 22:44:13)(良:1票)
774.  スープ・オペラ 《ネタバレ》 
人と繋がっている状態はいいね、という事を語りつつ、その実、孤独もいいんじゃない?というのがこの映画のポイントなんじゃないかと思いました。孤独になった主人公の元に人が集ってきて、心地良いひとときを送る事になる。でも、人と人との関係が、ある線を越えてしまうと、その心地良さは失われてしまう。ちょうどいいヌルさは、そう長くは続かないと。坂井真紀の、あまり前に飛び出さない程度の存在感が映画のトーンにぴったりとハマっています。正直なところ、スイーツ版『上海バンスキング』ですが。心地良さは感じられたけれど、一連の去勢されたようなスイーツ系映画から一歩抜きん出たようなところは何もなく、毎度のリアリティーのカケラもないファンタジー。それでいいんですけどね。だけど、人と繋がってゆくたびにバンドが組み上がってゆくとか、最後の夢のシーンとかは、さすがに見てる方が恥ずかしく感じちゃうなぁ。
[映画館(邦画)] 6点(2010-10-27 17:04:14)
775.  酔いがさめたら、うちに帰ろう。 《ネタバレ》 
東京国際映画祭で鑑賞。鴨志田穣、西原理恵子の著書の数々をがっつり読んでいるため、逆にこの映画をなかなか客観的に捉える事ができないのですが、至極真っ当な映画化という感じで、それは決して褒め言葉じゃなく。妙にマイルドな、薄い仕上がりになってしまったような気がしてなりません。アルコール依存症になった男。その影響で離婚し、けれどそこから再生を目指す家族。それぞれが当事者でありながら何か達観したような、他人事のような視点で進んでゆく・・・。実のところ原作及び西原側の視点から描かれた諸作からしてそんな感覚があった訳ですが、それはエッセイという、自らの体験を一度客観視して人に向かって発信するための課程を踏む、そしてそこに作家の独自性を盛り込むゆえのもので、映画はそこを汲む必要があるのだろうか?という。あまりにも波乱に富んだ実話に対して、いかにその特異さを抑え込むかに腐心したような映画とも言えます。確かにアルコール依存症は監督がティーチインで語ったように、特殊な人の特殊な病ではなく、日常の中から生じてゆくものでしょう。でも、結果的に妙に軽い病に見えてしまい。1つの家族を崩壊に追いやろうとしたものとの闘争、そこにもう少し重きを置いても良かったのではないかな。主人公の過去の行状があまり明らかにならないゆえ、彼の母や元妻が彼に対して軽々しく発する「死」がどうも残酷に響いてしまうのは、この映画の本意ではないハズですし。それでも浅野忠信が表現した渇望は上手く伝わってきたと言えるのかな。今日は思わずシーフードカレー食べちゃったし。
[試写会(邦画)] 6点(2010-10-26 21:42:16)
776.  雷桜 《ネタバレ》 
ハンパな映画。J-POP流れちゃうようなスイーツ時代劇でも、それはそれでいいんですよ。もうベタベタにスイーツに徹すれば。自信がないからヘボい殺陣入れたり、カメラをガタガタ動かしたり、血飛沫のCG入れたりしちゃう。そんなもん排除して、もっとキレイキレイに撮ればいいのに。みんなどうせ、とてもあの時代の人々にはみえないツルンとした顔してるんだから、中盤の狐の面を取る大切なシーン、あそこでお面の下から出てくる蒼井優の顔はウソっぽいキレイさでいいんです。なのに思ったのは「ん?イモトアヤコ?」って。いや、イモトはイモトでいいんですが。ヘンに甘いんで、おかしなところいっぱいですし。バカ殿はいちいち一人で外に出ちゃうし(全員切腹モノじゃね?)、切腹してる人間をこと切れるまでみんなでぼーっと鑑賞してるし(惨いなぁ、ちゃんと介錯してやれよ!)。そうでなくて烈しい愛を描きたいというのなら、あまりにヌル過ぎな映像ばかりですしねぇ。タメにタメたクサい演技満載ですが、そういういらんトコ全部カットしたら、1時間そこそこになるんじゃないかという。タメまくったので上映時間長くなりました、みたいなダレダレ映画でした。
[映画館(邦画)] 3点(2010-10-24 14:35:26)
777.  エクスペンダブルズ 《ネタバレ》 
出オチ映画。うわーい、ヤツが出てきたー!ってトコを楽しんだら、あと、なーんにもないという。映画として独自の面白さを見せようって気はさらさらないようで。だからクライマックスなんか、別に『ランボー』や『コマンドー』や『ホットショット2』のフィルムから流用しとけばそれでいいんじゃね?って程度のもので。それらより劣ってますもんねぇ、アップ過ぎたり、カメラ振り回し過ぎたり、カット割り細か過ぎたりで。位置関係や物語の推移はおろか、誰が誰と闘ってるのかさえ、ちゃんと描けてないのはねぇ。機内の描写の次に、もういきなり要塞に潜入しちゃってる状態は省略し過ぎですし。80年代B級アクション映画を、懐古主義的にただ再現するだけ(殺戮シーンは『プライベート・ライアン』以降のそれですが)じゃなくて、今の時代を映して、かつアクション映画としてもキチンと丁寧に仕上げて欲しかったですねぇ。
[映画館(字幕)] 5点(2010-10-18 16:10:53)(良:2票)
778.  REDLINE(2010) 《ネタバレ》 
意外なほどに刺激されるものが少ないアニメでした。兵器搭載型レースっていうのが題材的に古い上(映画やアニメやゲームにどれだけ存在している事やら)、そこに乗っかる設定やドラマも期待したクサいカッコ良さには程遠く、古典的なベタベタしたウェットさ。レースシーンでの極端にパースのついたメリハリのあるアニメートと、それに被さる音楽はなかなかステキでしたが、あの作画、金田伊功氏がまだご存命ならばなぁ、つくづく残念だなぁ、みたいな。正直なところ、似たような題材の『スピードレーサー』の個性に及んでないんですよね。実写がアニメをアニメ的表現で越えようって時に、アニメはもっとスゲー事しなくっちゃダメなんじゃね?みたいに思ったり。いや、これはそれなりにスゲー事をしようとしてるアニメではあるんですけども。でも、『ルパン三世』のパロディで笑わせる程度ならばともかく、『ナウシカ』や『アキラ』からの半端な引用やっちゃうようなのは作品のレベルを落としちゃうので、もっと突き抜けた独自性で勝負して欲しかったですね。それがたとえハッタリをカマす程度のものであっても。石井克人作品としては、これまでの実写作品の方がよっぽどハッタリ効いてますよね。
[映画館(邦画)] 6点(2010-10-17 21:51:25)
779.  ガフールの伝説 《ネタバレ》 
自然の世界をアーティスティックに捉えた映像はすっごくキレイでウットリさせられるのですが、フクロウ達の世界とは言っても人間の世界を模しただけの、元はありがちなヒロイックファンタジー、物語には特に刺激されるものがなく。それなりにスケールのある物語をタイトにまとめ過ぎているのでしょうねぇ。兄が悪に染まってゆく過程に説得力が感じられませんし、最初から優等生な主人公では成長物語にもなりません。2つの国の間の距離は最初に遙か離れた世界に思わせながら、その道程はそう長く感じられないばかりか、その後に移動する連中は苦戦していた主人公達も含めてどうもあまりに容易く移動しているように見えてしまって。移動の厳しさを描かないとスケール感がスポイルされてしまうのですよね。それに、ただでさえリアルなフクロウのグラフィックで感情移入しづらいキャラな上(リアルな恐竜がドラマを語る『ダイナソー』を思い出しました)、吹替えがあまり上手でないとなると、かなりキビシく。ちびっちゃい2匹はかわいかったのですが。この監督、どうも毎回ビジュアルが全てですねぇ。それも今回のファミリー向けな題材にはちょっと不向きなセンスだったかな。もっと子供にアピールできるデフォルメされたビジュアルが良かったんじゃないでしょうかねぇ。エンドクレジットの背景はステキでした。
[映画館(吹替)] 6点(2010-10-17 21:28:52)
780.  BECK 《ネタバレ》 
例えば『神童』とか『ピアノの森』とか『のだめ』とか、マンガが映像化された際のその音は天才の音には聴こえないワケです。でも、そこをツッコむのはヤボというもの、受け手はそんな事は承知でそこに天才の音を聴いている訳です。でも、この映画は逃げてます。ヴォーカルの声を聴かせられないって、それは映画って表現媒体のすべき選択ではないでしょう。役者も観客も全く信用してないんだな、と。もっとも、それ以前に、この監督の映画の難点、全編フェイク丸出し。映画なんて元々全てがフェイク、だとしてもそれをもっともらしく見せて上手く観客を騙すのが送り手の仕事でしょう。ところが今回もまるでリアリティのない、嘘を嘘としてそのまま投げ出し、マンガ原作だから仕方ないと開き直っているかのような、最初から逃げる事を前提としたような作り。伝説のギターだの啓示だのアメリカンマフィアだの事務所の圧力だのっていうマンガ的要素を、説得力など無意味だとばかりに素材そのまま放り出してるだけ。主役や悪辣な連中はおろか、街行く人々、ライブ会場の人々まで全てがインチキ臭いと。観客との勝負を最初っから投げて逃げるような映画の作り方をするのはみんなに対して失礼でしょ。せっかく役者は頑張っているというのに。ついでに、この監督の映画っていつも異様なテンションで押し切ろうとしてる感がありますが、あのテンションは正直なところ、馬鹿みたいです。テレビ局が安易にこの監督を起用してメジャー公開するって図式は、色々な人や文化を不幸にしてる気がしてなりません。
[映画館(邦画)] 2点(2010-10-10 16:28:27)(良:3票)
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