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しったか偽善者さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 75
性別 男性
自己紹介 かなりゆっくりですが、気まぐれにぼちぼちレビューしていきます。文章がヘタクソで背伸びして書いてますが大目に見てください。ストレス発散のため感情の捌け口として、ささやかな自己満足でレビューしておりますが、結果的に皆様を楽しませ、映画鑑賞のお役に立てれば幸いです。安っぽい正義感をふりかざしたような偽善的自己陶酔レビューが多いです。
「すべての作品を尊敬する謙虚な姿勢を失うことなく」、楽しみながら、かなり感情的なレビューをしております。クソ映画の弾劾は覚悟と労力を要し、めんどくさいので、あまりする気がありません(すべきなんでしょうけど)。基本的にお薦め作品の賞賛です。

大島渚「悦楽」、オリヴェイラ「神曲」、若松孝二「処女ゲバゲバ」など自分が新規登録要望した作品をレビューしてません。申し訳ありません。内容あるレビューをしたいと思ってたら腰が引けて時間がたってしまいました。とりあえず形だけでもこれからレビューしていきます。

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61.  ラガーン
他にあるんだろうか、クリケット映画?。それにしても、このスポ根・ラブコメミュージカルは面白かった。前後半合わせ3時間半?くらいあるんですが最後まで全く飽きませんでした。年貢(ラガーン)免除か三倍納付かがかかったクリケットの勝負をイギリス人と植民地インドのある村の農民たちが行うという滅茶苦茶な話。変な選手が出てくる「ドカベン」的な馬鹿なノリがあって、もうアホなんですけどホント楽しいです。クリケットの大勝負がもう最高。思わず手に汗にぎりましたよ。しかし、ひたすらアホかと思えばカースト差別批判も盛り込まれていたりして侮れません。音楽もかなりいい。大量生産されているらしいインドのミュージカル映画の音楽シーンはもはや鍛え上げられた巧みの技といった感じ。見終わったらアホになってましたが、いい気持ちで大満足でした。
8点(2003-11-30 11:01:36)
62.  ペパーミント・キャンディー
ダメ人間にはこたえるな・・この映画は。昔を振り返り、あの頃はこうじゃなかったと思うような人間にとっては・・・。切ない、哀しい。結局、軍隊での体験が主人公をおかしくしたと思います。完成度高いなぁ・・と感心しました。未見の方、はっきり言って面白くはない(娯楽性がない)ので注意してください。
8点(2003-11-27 19:25:29)
63.  マグダレンの祈り
キリスト教文化圏の人が見るのと私みたいな日本人が見るのとでは衝撃、感銘がとてつもなく違うでしょうね、この映画。時代が違えばこの少女たちこそ魔女だったわけで、少なくとも修道院の背景にある社会では少女たちの受けた行為はなんら悪いことではなく、修道院長は悪いと思って虐待をやっていない。ここに文化相対主義という難題が見られます。この映画は現代社会における善と悪を掴みだそうとする真摯な試みであり、人権映画といえるでしょう。どうせ我々日本人には他人事なんでしょうね。過労死を起こす企業組織や学校の無意味な校則なんかもこの修道院と同レベルで嫌悪すべきだと思いますが・・。冒頭の楽器の演奏シーンから一目で出来のいい映画だとわかり、引き込まれてしまう完成度の高い映画だと思います。
8点(2003-11-27 12:34:41)
64.  レイクサイド マーダーケース
原作未読。最初からこの監督の映画をミステリーとして楽しもうなどとは思ってないので、十分ドキドキして面白かったです。きっと私がミステリーなど判ってない未熟者だからでしょう。これでも少年時代はクィーンやクリスティなどを読みまくってた人間なんですけど伏線の張り方がどうだとかなんて全然判んないし・・・。でも、変なラストも含めて変にフラッシュバックみたいな映像入れたりしないでもうちょっと落ち着いた感じのふつ~の演出にした方がミステリーとしては雰囲気出たんじゃないかな~って思います。しかし、そんなふうに撮る気なんておそらく監督には全然ないのでしょう・・・というか、そもそも私にとってはこの映画はミステリーの要素なんてどうでもいいです。私は中学受験もしてないし、ましてやあんな極端な「お受験」なんかした経験はありません。でも、中学のとき塾は通ったし、高校までは受験というものが頭の中のかなりの部分を支配していたので、なんだか登場人物の心理がとてもよく判る気がします。私だけじゃなく、個人差はあれどもほとんど共通認識的に(受験をしたことがあれば)日本人の子供はトヨエツ言うところの「哀しみ」を背負ってる気がするんですが気のせいでしょうか?。現在の日本においては結構切実な映画じゃないでしょうか?。本作はそれを高みから見てるイヤな映画かもしれませんけど、やっぱり全然他人事じゃないんですよ。なんかイタイ映画ですよ。貧しさで生きるのが必死の国の人々なんかからすれば暢気な話でしょうけどね。上野千鶴子の「学校化社会」かどうか判りませんが、日本社会には人間関係のあり方や人生観や倫理のレベルまでどこか「お受験」の世界に影響を受けて一元化しているところがあり(学歴コンプレックスとかそういうレベルの話じゃない)、本作はそういう社会を非常に上手く表現してるのではないでしょうか?。そんなふうに感じる自分こそ受験に囚われ病んでいるのかもしれないけど・・・。この映画を鼻で笑う塾の先生実際いるんだろうな・・・なんか怖い。単純な「お受験」批判や能天気な競争社会の否定(さすがにヘン。競争自体が悪いわけじゃないのは当然)はただの負け犬の遠吠えですけどね。
[DVD(邦画)] 7点(2010-12-11 22:54:38)
65.  紅いコーリャン
私がこの映画を観終わって館内が明るくなったときのこと。一人の5~60代?の中国人男性の観客がスクリーン前に立ち、作品中の歌を叫ぶように大声を張り上げて歌い始めました。驚いたと同時に映画の世界をちょっとだけ生々しく感じて少し感動しました。/この映画に反日洗脳映画的な側面があるのは間違いないでしょう。制作当時、中国ではおそらく日本をこんなふうにしか描くことができなかったのでしょう(今でもあまり変わらないかもしれませんが)。本作の背景には、体制維持のため反日を利用しているような、思想信条・表現の自由の保障に問題がある非民主的な政治体制というものがあります。しかし、そうした相手側の歪んだ状況、さらにはこの映画のような非道な行いが実際にあったか否かということなどはともかく、少なくとも過去我が国が中国を侵略したという事実があり、およそ少なからず過去の日本は国際的にこんなふうに見られている(本作がベルリンで金熊賞を獲ったことから推して知るべしでは?。)ということは本作を観て認識すべきなのでは?と思います。/政治性はともかく本作は見事に芸術的に感じられました。ちょっとした衝撃さえありました。目に焼きつくような鮮烈な色彩で躍動感あふれるストーリーを展開させたこんな映画を作れる人々の国とは仲良くしたいと思ったもんです。
[映画館(字幕)] 7点(2009-03-09 00:55:24)
66.  大人は判ってくれない
私はマニアではありませんが、好きだ~という思い込みだけでトリュフォーファンを勝手に自称しております(一応全作品観ている数少ない監督の1人)。彼の作品に愛着を持ち、自分の中で大切にしているような多くの方々からお前なんぞにトリュフォーを語ってもらいたくねえよ・・と言われそうな気がして怖いですが(自意識過剰の被害妄想)、やっぱり好きなので勇気を出してこれから気まぐれにぼちぼちレビューしていきたいと思います。さて、私が最初に観たトリュフォー作品が本作ですが、学生時代の初見では正直退屈でした。ただ、ラストシーンはとても美しく感じられ印象的でした。正しいファンはドワネル君に自らを重ね、少年の心が痛いくらい判るのでしょうが、私は日本で恵まれて育ちましたし、家族の愛らしきものにも不自由してない良い子ちゃんだったのであまり判りません。判る気はするけどきっと判ってないでしょうし、判ると言うのは恥ずかしい。いまだに大人じゃないガキなんだけど・・。あの境遇を他人事と思えない人にとっては本作は凄まじいくらいに痛切なのでは?と想像することしかできません。私は、邪道かもしれませんが、「ドワネルもの」の一部として、そしてトリュフォーの人生の一部として本作を評価したいと思います。たしかに映画は純粋にそれぞれ一つの作品として評価すべきかもしれませんが、いったん彼の作品を通して鑑賞し、彼の人生についての知識を解説本などで多少なりともかじれば、彼という人間と作品を切り離して考えることは不可能になります。いわば魂の全力投球とでもいうような彼の人生が乗り移った映画たちは、所詮他人事ですが人間臭さやリアリティが半端じゃありません。「ドワネルもの」を全て見た後に本作のあの海岸シーンを想像すれば胸が締めつけられるような感慨を覚えること必至です。本作は作品単体としては好みじゃありません。トリュフォー他作品の偏執的な狂おしいほどの異形の愛、醜く恥ずかしい自己愛(そして脚フェチ)などといったモチーフには自分を思いっきり重ねられるんですが・・・このレビューで私の恥ずかしい思い入れだけは伝わったでしょうか?。
[映画館(字幕)] 7点(2008-06-12 02:16:54)(良:1票)
67.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 
パンフの監督インタビュー「この映画には明らかに感情に訴える部分がある。(中略)できれば観客にはその感動に巻き込まれて欲しい。それが全てだと思う。」。好感のもてる明快な信念というか・・。実際暗い暗いこの映画もドラマとして面白いし「感動」しますよね(人それぞれでしょうけど)。ハリウッド的映画作りからはみ出した深みがあるにしろ、観客の「感情に訴え」、観客を「感動」させるという目的達成に向かって研ぎ澄まされた映画とでもいいましょうか。でも、不満があります。ヒラリー・スワンク頑張ってるにしても、あれはどう見てもリアルなプロの試合じゃないですよね。素人の私の目にも明らか。せめて素人の目は誤魔化してもらいたい。本作は他のボクシング映画の何倍もそういうリアルさが求められると思うんです。大目に見てあげるなんて観方しなきゃいけないレベルは克服してほしいです。あえて偽善的な批判をすれば、ラストの尊厳死という問題に関連するような状況(一応文句言われないような言葉使っときます)は深刻すぎてあのボクシングシーンの演出とギャップがあると思います。スポ根成功ものと言える前半の展開はとても面白いですが、毎試合数秒でKOしたり、ひどすぎる反則があったりします。リアルに描かれたあり得ない出来事と、リアルじゃないからあり得ないのは違います。前半だけ観るなら突っ込むのは野暮ですが、そういうあり得ないプレイや反則もラストに直結してるわけですから見過ごせるものじゃない。ボクシングというものが彼女の尊厳に関わってるんですから。明暗の対比とはいえいかがなもんでしょう?。あれじゃ彼女かわいそうです。納得いかなくて余計な不満で腹立ちます。以上の不満はともかく、私は残酷かつ美しい「ラブストーリー」に監督の思惑どおり感動したし、尊厳を守って必死に生きる人々の姿が眩しくて涙出ました。
[映画館(字幕)] 7点(2005-12-01 01:27:40)
68.  スーパーサイズ・ミー
本作は肥満をマックのせいだとする原告が訴えた裁判をきっかけとし、マック食品の危険性を確かめてみたいという動機(まあ、なんだか軽いノリですが・・・)により作ったと冒頭にあります。でも、あらためて言うことではないかもしれませんが、監督の試みは「実験」とか「証明」というものとは程遠いものでしょう。他の食品でも偏って食べ続ければ同様に健康を害する可能性はあること、サンプルが監督一人で少しの対照もなく監督個人特有の体質や生活状況による結果の可能性があること・・・などすぐ思いつくような疑問点があり、私は無知だし理系人間ではありませんが、簡単な理屈からして監督の試みが厳密さを欠くのは明らかだと思います。あの苦行は監督のウケ狙いのパフォーマンスであると言えなくもありません。しかし、だからといって私はこの映画がつまらないとは思いません。本作には現代の食料事情全般(アメリカ特有のものではないのは自明でしょう。)や、企業論理が食事や教育現場までを覆い尽くしているかのような状況などを疑問に思う監督の価値判断がまず先にあります。基本的に同じような価値判断を持ち(なんとなくですが)、権力に抗うことに自己陶酔するような体質の私は、彼の根拠の弱い告発や無駄な徒労的努力を応援するような気持ちでついつい観てしまいます。私みたいな観客を喜ばすエンターテインメントとしては少なくとも十分よく出来た作品でしょう。他人から見れば痛いでしょうけどけどこういうの好きなんですよね・・・。「敵を利する」映画なんでしょうけどね。ただ、やっぱりムーアの後では作品の姿勢や大枠のところでオリジナリティがあまり感じられないし、監督自らの人体実験や汚いゲロにインパクトをたいして感じなかったのでちょっと点を引きます。ムーアのパロディをやってるんでしょうけど根本的に同類に見える気がします。自分の恋人を美化して出演させてるのがちょっと痛いけど微笑ましいですね。
[映画館(字幕)] 7点(2005-08-20 00:51:19)(良:1票)
69.  オペレッタ狸御殿
昔、日本には「狸御殿映画」というジャンルがあったそうで(私はもちろん観たことないですが)、この映画はそうした映画に対するオマージュとして作られてるようです。しかし、さすが監督の頭の中のイメージに世界がねじ伏せられてしまう鈴木清順作品です。この監督が映像に紡ぎ出すイメージがつまらないわけなく、独特の面白い映像を見る事ができます。ただ、タイトルにオペレッタを冠しミュージカル映画であるからには音楽やダンスによる快感や満足を私は求めてしまうもので、これは所詮好みの問題でしかありませんが、私は魅力を感じたミュージカルシーンが少なくてちょっと物足りませんでした。ミュージカル映画というジャンルに押し込めておけるような映画ではないとは思いますが・・・。主役二人のデュエットは素朴かつキレイなメロディーで結構良いと思ったんですが・・・歌がもっと巧かったら(魅力的だったら)なぁ・・・と思います。由紀さおりのラップ?なんてショボすぎるのが度を越してます(洒落で意図的だとしても・・・)。昔から薬師丸ひろ子の澄んだカワイイ声は好きなんで歌が聴けて結構嬉しかったですが、彼女が歌った曲があんまり良いとは思えなかったのが残念です。センスのない私ごときが世界の清順監督に文句つけるのも恐れ多いのですが、万人受けする傑作ナンバーを連発していたら私は大傑作として10点つけたでしょう。ともかく今の日本でオリジナルのミュージカル映画(しかも魅力的な映像の)を作ってくれたことには感謝したいです。本作は現実逃避させてくれる見事な「愛すべきナンセンス」ではありますね。しかし、さすがにチャン・ツィイーのカラダの動きのキレは他と一味違いますね。結構ダンス期待してたのでもっと彼女の動きを生かしたシーンが見たかったな・・・。
[映画館(字幕)] 7点(2005-06-11 21:44:59)
70.  ゆれる
映画館で公開すぐに観たんですけど今さらレビュー。/兄弟はそれぞれ自分が憧れる望みの人生や輝かしい大切な何かを互いに相手の人生の中に見出している。しかし、兄は弟が自分の領域に踏み込んでくるに及び弟の眩しさに耐えきれなくなる。弟は兄の眩しさが偽りであったと認識して失望する。望みの人生を手に入れることができないことが 人間の一番の悩みかもしれないが、本作は至上の価値を置くその望みの人生が目に見える形で否定される話である。この映画はそれぞれの人間の一番大切な価値を揺るがそうという試みだと思う。/しかし、なぜか私自身の心はあまりゆれなかった。多少あざといくらいによくできた小賢しい作りの脚本で観客の心を動かすという方向性は前作同様だが、個人的に(まったく個人的に)前作のような満足感がなかった。特に裁判後に違和感があった。ラストのナレーションが妙に野暮ったく感じられた。観客の心に一撃 を食らわす芸術性といったものを無理に追求しているように見える。はたして成功しているだろうか?・・・・。 私個人はほとんど映像美に魅せられることがなかったし(私のセンスが悪いのかもしれないけど)、鑑賞後の余韻もたいしたことなかった。自分は長くつきあえる同世代人としてこの監督にあまりに期待しすぎていたのかもしれない(ディアドクターもいまいち)・・・・でも、やっぱり期待してます。/タイトルは「乱れる」「流れる」なんかを意識してるのかな?(あんなのに太刀打ちできるわきゃない・・・)。ナルセ通からは身の程知らずとけなされるんだろうし、この監督にはそっちの方向(芸術性の高い映画)は似合わないと思う。自分としてはもっと娯楽性高めに、女伊丹十三もしくは女周防正行みたいになってほしい気がするんですけど・・・・。 
[映画館(邦画)] 6点(2011-01-19 21:00:37)
71.  告白(2010)
 原作未読。/CMかミュージックビデオのように手の込んだサービス精神溢れる映像。それをずっとテンションを保ってたたみかけるようにテンポよくリズミカルに見せ続ける。この監督の魅力的なスタイルです。私は好きです。その映像は派手で悪趣味ですが(こんなの映画じゃないと言う人も多いだろうが)、バズ・ラーマンやダニー・ボイルに勝るようなカッコ良さがあると私は思います。おそらく日本独特のサブカルの土壌の上に成り立っており、見せ物的に見事だと思います。/そうした映像の手法は、前3作では存分に威力を発揮し、私は映像の勢いに流されるままに楽しませてもらいました。しかし、本作ではそうはいきません。本作は復讐劇、サスペンスとしてはたしかにそれなりに面白いでしょう。人間の闇の部分なども結果として垣間見えているかもしれません。だが、物足りません。本作には倫理の根幹を揺り動かされるような衝撃がありませんでした。現実味のないばかばかしいストーリーでも構いません。ただ、こんな人間の悪意を描くような話だと私はどうしても心に対する強烈な一撃を求めてしまうのです。「罪と罰」なんかを下敷きにもってくるからには、いわば自分の存在自体に不安を覚えるような恐ろしさや気持ち悪さを感じさせて欲しいと思ってしまうのです。人物ごとのモノローグで展開という形式や過激なストーリーから「紀子の食卓」を勝手に連想してしまったのですが(全く別物だけど)、衝撃や強度、叙情性といった点で本作はあれには全然及ばないと思います。中学が舞台の残酷な話という点から「リリィ・シュシュのすべて」も連想してしまいましたが、あれを観た時のように心が痛くはありませんでした。/パンフを読むと、監督はこれまでの自分の作品には「余白」がないと反省して本作を作ったというようなことが書いてましたが、その点改善があるとは思えません(別に改善しなきゃならないとも思わないが)。映画全体をコントロールしてしまおうとするかのような姿勢(別にそれが悪いとは思わないが)が本作ではやや傲慢で単純に感じられてしまいました。勝手な印象ですが、特に逆再生の部分なんかは余計な作り込み(前作まではそういうのが良い方に働いていたが)で陳腐に感じられたし、不要だとすら思います。/ところで、「ヴィヨンの妻」に続いて松さん良かったですね。どこか浮世離れしたかわいらしさが好きです。
[映画館(邦画)] 6点(2010-06-16 01:25:01)
72.  千年女優 《ネタバレ》 
最後のセリフが不評なようですが、私はあのセリフなかったらこの映画無視してます。あれは言葉一つだけですますからこそインパクトあります。別にちゃぶ台ひっくり返したからインパクトがあるわけではなく、彼女の人生からすれば自然な言葉ですが、それを口にしちゃ台無しのような言葉をあえて口にするからこその違和感が妙に心にひっかかって心地良い。清々しくすらあります(落語のさげとは違うかな?)。映像作品であるにもかかわらず、あえて無理矢理にたった一つのセリフに決定的な凝縮された意味をもたせるということこそが本作の目指したところじゃないでしょうか?。死ぬまで人生を演じ続けた女優だからこその告白。演技がドラマチックな女優、人生そのものがドラマチックな女優・・・そんなの甘い。時空を超えて観客の胸に生き続ける女優の怒涛の人生・・・を演じる女優。まさに「千年女優」です。しかし、本作は彼女の人生そのものがステレオタイプでドラマとして面白くないのが残念です。鍵の君の存在自体が彼女の妄想に過ぎないと解釈するのが正しいのかもしれませんが、仮にそうだとしても主人公が男を追いかける動機があまりに弱すぎて彼女の人生は映画として見せられて全然面白いものじゃないです。それに彼女が出てる映画がいかにも面白くなさそう。古き良き?日本映画を思い起こさせてくれません。観客を泣かせて感動させてこそ最後の一言が利くのではないでしょうか?。なんだかこの映画のドラマとしてのつまらなさ、主人公の人生の空虚さこそが最後のオチにつながっている伏線なのでは?とすら私は思ってしまいます。それなら納得かも・・・。まあ、とりあえず本作は絵の美しさとアニメに似合うめまぐるしい場面展開を楽しむことはできます。面白くないのに絵など全体の映像クオリティみたいなものだけでも一応満足はできる作品です。他には・・・・やっぱり音楽がいいですね。
[DVD(邦画)] 6点(2008-06-17 02:03:59)
73.  さらば青春の光
ロックは聴かないし、映画の時代背景も知らないし、モッズって何?っていう自分なので、前半はなんてつまらん映画だろうと退屈して見てましたが、後半はせつなかったし、やるせなかったです。主人公のダメダメぶりが自分に重なってしまい結構つらかったです・・・・。
6点(2003-11-26 22:48:22)(良:1票)
74.  真夜中の弥次さん喜多さん
随分前削除して再投稿/「オールドボーイ」の監督が雑誌で、日本のマンガ界には世界で一番の才能が集まっているとお世辞でしょうが言ってました。その言葉が正しいとすればマンガの原作がやたら多い昨今の映画やドラマは傑作連発してもおかしくないと思うんですけど・・・傑作なんてありますか?。この映画はかなりマシな部類で評価しますが良いとは思えません。私は本作の映像は部分的なイメージについては、原作の世界を表現するべく頑張って、さらにマンガの原作には出せない映像表現ならではの魅力がある気はするんです。技術的なことは知りゃしませんが森の中のバーや三途の川とかキレイだと単純に思いましたから。しかし、作品の姿勢といった点で私には気に入らないところがあります。まず、なんか劇団仲間とその知り合いたちの馴れ合いみたいな雰囲気が漂っている気がします。(そこがむしろ良いのかもしれませんが)。それから、なんだか手抜きに見えるような引っ掛かるところが多すぎる。二人がつながった手は作り物にしか見えない。喜多さんに生えたキノコは食い物には見えない(見えるかな?)。腕に顔がはえてるようには見えず、CGはCGにしか見えない(私はハリウッドは絶対バカにはできないと思う。)。これってどうなんでしょう?。つながった手は筋肉の動きが判るほど「リヤル」で、キノコは植物には見えるべきじゃないでしょうか?。CGはあまりにCGと判りすぎちゃダメじゃないでしょうか?。ワザとあんなふうにするのもありでしょうが、この映画の内容からしてそういうところで興ざめしたりひっかかったりするのはおかしいと思うんです(むしろ絶対に感心させるほどでないとダメ)。スターウォーズのキャラがコスプレに見えたりしたらそこで終わりであるように。ど~せワザとやっててそれも表現の一つなんでしょうね(そうなのかな?)。そこを軽いノリでやり過ごすのが今の「センスある」映画なんですかね。でも、手抜きや妥協に見えませんかね?。どこか私ら観客を舐めてませんか?。もし予算も技術もないからできないのならこの原作でこういう映画作んなくて結構じゃないでしょうか。他にも不満な点あるんですけど、たぶん私ごときには監督の溢れるセンスは理解できないのでしょう。個々の役者は頑張ってたんじゃないでしょうか。
[DVD(邦画)] 5点(2011-04-05 09:08:24)
75.  おくりびと
ハズレくじを引きにくいことから海外の映画祭で賞を獲ったような映画は率先して観る自分なので、本作もアカデミー受賞を知って映画館に観に行きました。本作は真面目に作られた好感の持てる内容ではあると思いますが、別に賞の権威を見下して自分を高みに置いて悦に入るとかでは全くなく(少なからず私はそういう心情が働きがちなゲスな男ですが)、どうにも高評価できません。思うに、ご都合主義が悪いかどうかは映画によって相対的なもので、例えば楽しいミュージカル映画のご都合主義を誰も批判したりはしません(好き嫌いあるにしろ)。死という深刻な題材を扱った本作でさえも演出次第では相当ご都合主義が許容されると思います。汚いところをあえて描かなくても別にかまわないとも思います。しかし、多くの方から散々批判されてるヒロスエの唐突な「けがらわしい!」が後の翻意の展開を無理に作り出していることに見られるように、本作(特に後半)のご都合主義と泣かせに走る作為の不自然さは、ちょっと度を越しているのではないでしょうか?(最後はやりすぎ)。あそこまで違和感があると悪い意味で「あざとい」「わざとらしい」「お涙頂戴」とはっきり言っちゃっていいのではないでしょうか?。私は前半、主人公が納棺の儀式を行う所作と、それを遺族の人々が見守る様子を見てるだけで、大切な人の死の悲しみが伝わってきて泣きましたけど、それは単に題材の選択とモックンの努力の結晶である演技が良かっただけです。信仰に支えられたキリスト教国家と言っても過言でない(言いすぎ?)ようなアメリカの人々からすれば、日本人の宗教的寛容さや死生観は驚きであり、見たことないくらい不自然で大仰な演出(日本では珍しくないんですけど・・・)が妙に新鮮だった。これが受賞の理由ではないでしょうか?(そんなわけないか・・・)。あるテレビ番組で、某テレビ局の社員が自分の局がこの映画に貢献してることを自慢げにしゃべってましたけど、はたして大マスコミ様がこの映画に良い方の影響を与えてるんですかね?(映画の中身と全然関係ないけどヤな感じがしたので作品の評価が下がっちゃうんだな、困ったことに・・・)。私はこの映画の栄誉はイヤ~な方向に日本映画界を導きかねないとすら思います。まあ、そんなこと自分にはどうでもいいんですけど・・・・。
[映画館(邦画)] 5点(2009-05-07 23:38:08)
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