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すかあふえいすさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1047
性別 男性
年齢 30歳
自己紹介 とにかくアクションものが一番

感想はその時の気分で一行~何十行もダラダラと書いてしまいます

備忘録としての利用なのでどんなに嫌いな作品でも8点以下にはしません
10点…大傑作・特に好き
9点…好き・傑作
8点…あまり好きじゃないものの言いたいことがあるので書く

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1001.  西鶴一代女 《ネタバレ》 
「雨月物語」は余り惹かれませんでしたが、この「西鶴一代女」は凄い作品です。 一人の女の一生を目まぐるしく残酷に描いていく描写。流石に田中絹代が十代の女性から演じているのは無理がある(どう見ても25、6歳)と思いましたが、ヒロインが年齢を重ねるたびに実際の田中絹代とシンクロしていく様子。誤解が誤解を生んで数多の不幸に見舞われていく姿・・・胸を締め付けられます。けれども、どんな逆境でも力強く生きてやるんだと歩み続ける彼女。女の強さ。一方で、愛した男たちを忘れられない弱さ、優しさ。どんな罵りでも「おまえらに私の何が解る。おまらにこの苦しみが解ってたまるか」と。解る奴は解る、解らない奴は一生解らない・・・最後まで暗い作品でしたが、色々考えさせられる作品でした。
[DVD(邦画)] 9点(2014-01-03 18:19:55)
1002.  残菊物語(1939) 《ネタバレ》 
大根役者が親から自立し、歳月をかけて一流の役者に成長するという話。 主人公の菊之助は大役者の親の重圧、自分に才能が無いという板挟みの苦しみ。それを支える奉公女お徳。多少ズケズケとした物言いだが、嘘を付かずハッキリ言っては思いやるその優しさ。言わないことの厳しさよりも、いっそ言い放つ優しさの方が欲しい。それが人間の本音。その辺の描き方が良い。 まずファーストシーン。 歌舞伎のやぐらみたいな部分をぐるりと回し、舞台は歌舞伎の演目。 一場面が終わり、演目を終えた役者たちがゾロゾロ楽屋に入り愚痴をこぼす。 このショットと溝口の独特の間が、退屈を感じさせず観客を引き込む。でも祭りの席での会話は流石に字幕が無いと聞き取れん(最初字幕→次見る時は字幕なしで楽しめよ)。 そんな夏の熱い夜、スイカを食べ一時の至福を噛み締める二人の男女。赤ん坊に蚊帳をかける様子、スイカを斬る描写、口止めされた子供から駄賃で情報を聞き出す絵。 親はダメと言っても若い二人は止められない。太鼓もドコドコそんな二人を後押し。 物語は菊之助が軸であり、男心をじっくり描く、段々と女心も絡ませてくる。 親の心子知らず、子の心親知らず。菊之助のセリフが“溝口”の心を代弁する。 そんな菊之助を慕うお徳。 深まった中で“あなた”と優しく言う。二人の距離が縮まった事を、このたった一言で印象付ける。 しかし菊之助は中々芽が出ない。 5年の旅芸人生活で心が荒み始める菊之助。お徳の献身的な支えが、菊之助にかすかな良心と粘り強さを残す。苦よりも楽、失敗を恐れて現状に甘える菊之助。 そんな菊之助を、お徳は一計を案じてまで元の光の中に戻そうと努力する。こんなええ女何処にもおらんがな。人間一人じゃ生きられない、人の縁が人を活かす。 後に引けなくなった菊之助の覚悟と五年間の苦労が、大舞台の上で爆発する。 そんな姿を見て嬉しそうな表情と何処か哀しみを覗かせる顔をする。自分の運命を悟った上で。菊之助の成長を喜ぶ仲間たち、子の心を理解してくれた父親、だが菊之助の心は満たされない。動き出す列車、川を流れる船が運ぶのは菊之助の栄華か死にゆく者の魂か。菊之助の無言の苦しみがカメラワークだけで伝わって来る。 二人が黄泉の向こう、あるいわ生まれ変わって幸せに暮らせる事を心から願うばかりだ。
[DVD(邦画)] 9点(2014-01-03 18:08:43)(良:1票)
1003.  雨月物語 《ネタバレ》 
溝口健二は好きな監督ですし、この作品も退屈せずに最後まで見れました。けれども「瀧の白糸」や「残菊物語」ほど惹かれるものは無かったです。少し説明的すぎる会話も多いですし、怪奇演出も「折鶴お千」などに比べると二番煎じ・・・なんて感じてしまいます。 時代は戦国時代ですが、おどるおどろしい雰囲気は平安時代の匂いが漂ってきます。真面目に焼き物作りに精を出していた筈の男女四人。でも肝心の男どもは妖艶な美女、成り上がりと殺し合いが魅力的に映る戦場へと行ってしまう。女たちは待ち続ける。ある者は娼婦に身を堕とし、ある者は夫の再会を待ちわびて死んで行く・・・この作品の男はみんな情けない。そんな中で本当に大切な物を思い出していく。そんな様子が人の心を打つのでしょうね。 妖艶な京マチ子よりも、常に献身的な田中絹代の方が美しく見える・・・溝口演出は恐ろしです。田中絹代の死傷率も恐ろしい。溝口健二は鬼です。悪魔です。でも大好きです。
[DVD(邦画)] 8点(2014-01-03 17:56:05)
1004.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 《ネタバレ》 
こういう「エヴァ」を待っていたと言うべきでしょうか。文字通りTVシリーズのイメージを破壊してくれた「ヱヴァンゲリヲン」劇場版。王道まっしぐらなエヴァがあっても私は良いと思うのです。絶望の淵から熱血少年に目覚めるシンジ「さん」、シンジの背中を後押しするミサト、人間らしくなっていくレイ、野生児のマヤ、月でまっ裸とホモに磨きがかかるカヲル(オエッ)、父親に目覚めかけるゲンドウ・・・「ダミープラグ」は息子への愛情か、息子以外はどうでもいいという歪んだ愛か・・・極めつけはアスカ。アスカ愛が尋常じゃありません。あれだけ盛り上げ、観客を絶望に叩き落とし、そして盛大な復活劇を予想させる・・・スタッフのというより監督の異常とも言える愛を感じられます(きっと褒めている筈)。それだけに「Q」は超打ちのめされました。ハンマーで脳天粉々にされるような感じでしょうか。ともあれ私は「破」を評価したいと思います。
[DVD(邦画)] 9点(2014-01-03 17:42:53)
1005.  もののけ姫 《ネタバレ》 
アニメ版「ナウシカ」の補完とも言うべき本作。実在したであろう日本古来の世界観の再現、それを取り巻く神々の幻想的な存在・・・。自然の呪いに蝕まれつつも最後まで人間として生きようとしたアシタカ、自然で育ち人間と自然の狭間で苦しむサン。そんな彼女もアシタカに惹かれて少しずつ変わってく。「自然」のサンに惚れてしまったアシタカ、「人間」のアシタカに惚れてしまったサン。どんな映画でも淡い恋心を匂わせる。けれども一線は超えない。それがジブリ映画の良さかも知れません。「共に生きよう」と二人は苦難に立ち向かっていく二人・・・「ナウシカ」のアスベルとナウシカを思い出しますね。
[地上波(邦画)] 9点(2014-01-03 17:16:01)
1006.  天空の城ラピュタ 《ネタバレ》 
もう何回見たか解らない。 「未来少年コナン」や「名探偵ホームズ」を思い出すこれぞ冒険活劇、ジブリの最高傑作。 とにかく走って撃って走って殴り合う豪快な、超楽しい映画っす。 冒頭からアクセル全開でぶっ飛ばすワクワクするようなファースト・シーン。 雲、雲、雲、を切り裂き現れる巨大な飛行船、それに襲い掛かるドーラ一味との戦闘! ハワード・ホークスの航空映画を髣髴とさせる唸るような空戦描写、銃の駆け引き。 不適な笑みでバズーカを振り回すばあちゃんとか最高すぎる。冒頭から人やものが落ちて落ちて落ちまくる。 その後のオープニングアニメーションで語られる都市はかつてのラピュタだろうか。男がシータに変わり“過去”から現代に戻る。 天から少女が落ちてくる様子・・・それだけの場面をあんなに神秘的でロマンチックに描けるものだろうか。あれでシータを落とさないパズーはマジで男の子。さり気無くそっと上着をかけたり、二度と家に戻れない覚悟を“鳩”に伝えるカッコ良さ。 三つ巴で交錯する列車のチェイス、レールをブッ壊しながら追いかける。スカートをまるでコートのように投げ捨てるドーラのカッコ良さは異常。あんなボロボロの歯で滑らかに喋るし美味そうに飯を食うし一体ドーラの歯はどうなっているのか。 蒸気は直接喰らうと大火傷するぜ。「白熱」とか「北国の帝王」とかさ。 そんなドーラたちが利害の一致とはいえパズーたちを助けてくれるとか胸熱すぎる。 ロボットに「生きています」とか言ってしまうほどロボが動き出す恐怖、爆炎に包まれた城からシータを助け出すシーンが最高! ムスカとの駆け引きも面白い。 ムスカ「3分間待ってやる(ちょ、弾切れだからタンマ)」
[地上波(邦画)] 10点(2014-01-03 16:49:26)(良:1票)
1007.  風の谷のナウシカ 《ネタバレ》 
原作かアニメか 皆さんどっちが好き?俺は両方とも大好きだ。原作とはまた違う終わり方が気に入っている。特に原作のナウシカのその後を考えると余計ね・・・。 だが、原作を未読の者は絶対読んだほうがいい。クシャナ殿下が最高すぎてバンジャアアアアアアイッしたくなるから。 戦争によって文明が滅んでうん千年。 再び蘇った文明は軍隊を連ね、流浪の民は自然の山や谷を守って暮らしている。 そこを飲み込もうとする腐海の森に、人間が産んだ「負の遺産」とやらが絡んでくる。 人間の愚かしさとどう向き合い、どう生きるのか。それをとことん突き詰めるのがこの映画。 荒野を歩いてくる人影は、胞子で覆われた廃墟を見つめる。真新しいかと思い拾った人形はぼろりと砕け、男は独り言をつぶやき去っていく。ナウシカの冒頭は、作品世界を観客に紹介するように人物の独り言が目立つ。それは観客への配慮でもあるし、孤独に旅を続ける自分に言い聞かせるための行動でもある。 そんな事がどうでも良くなるようなオープニングは、巨神兵と共に「火の七日間」を“語り”ながら少女が森に降り立つ姿を映す。「ラピュタ」でも似たようなオープニングだった。 巨神兵すら飲み込む胞子の森の散策、遺跡のようにそびえる巨大な王蟲(オウム)の抜け殻、武器を作るための“眼”を獲得し、それを傘にして独り言をつぶやきながら森で静かな一時を過ごす。 その静寂を破る王蟲の爆走!!一枚一枚の装甲を動かすように走るオーパーツレベルの作画、唸りをあげる布袋のギター!このシーンは何度見てもワクワクしてしまう。 この王蟲が都市の防壁を簡単に粉砕してしまうのだから恐ろしい。 その勢いを一瞬にして止めてしまうナウシカの優しさ。警戒する動物を受け入れ、それを鎮めてしまう不思議な能力を持っている。 原作のナウシカも優しいけどそれ以上にキチガイ振りと戦闘民族振りが異常(ry それ以降も大型輸送機が運ぶ“呪われた産物”、トルメキア軍との死闘、アスベルとの出会い、風の谷VSトルメキア、コルベットの戦闘、ナウシカの決死行などなど見所が多すぎる。特に戦車を奪ってそれをブッ放す、巨大ロボットに命令して大軍を焼き払うなんて漢のロマンすぎるっす。 それを女傑がやるんだからクシャナ殿下バンザアアァイッ!!!
[地上波(邦画)] 9点(2014-01-03 16:38:06)(良:1票)
1008.  グロリア(1980) 《ネタバレ》 
リュック・ベッソンの「レオン」の元ネタ程度に考えていたが・・・やはり傑作だった。  「ラブ・ストリームス」「オープニング・ナイト」「ビッグ・トラブル」など色々なアイデアで魅せてくれた男だが・・・ジョン・カサヴェテスはまた良い映画を撮ってくれた。  ファースト・シーンから引き込まれる。  買い物から帰る女性、彼女は何かワケありのようだ。家に帰り冷静でいられなくなる様子。迫る死の時間、託される思い・・・グロリアは友のためか、それとも自分の母性本能で動いたのか。  「母性?冗談じゃないわ」  グロリアという女もどうやらワケありらしい。  “預かり物”はワガママで状況を飲み込めていない。  「そうよ、友達の義理でやっているだけなのよ。こんな義理も知らない・・・」  “預かり物”は時折寂しそうな顔をする。  グロリアも正念場だ、腹を括って“殺りやがった”。  それがグロリアという女性の強さ。  グロリアは“預かり物”を守ろうと街を駆け抜ける。  「お姉ちゃんじゃ歳だわね。じゃあママは?ダメ?じゃあ“おばあちゃん”になってあげる」  ババア結婚してく(ry  僅かな時間だが、確かに二人は家族になった・・・。  グロリアの命懸けの行為が「僕が付いているよ」なんて言うようような子に成長させたのかも知れない。  最初生意気だった子供が、ちょっぴり成長するような様子は良いものだ。  訪れる別れの時・・・二人は約束の“墓場”で再会する。  クライマックスのスローモーション演出!これが正しい使い方です。  久しぶりに感動した映画だった。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-03 16:26:00)(良:1票)
1009.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
映画はやっぱり2度、3度見てみるものらしい。この映画も、再見して感じた事は「もっと素直になるべきだった」という事だ。こんなに面白かったかな。 前に見た時よりもサスペンスとしての雰囲気を味わえたというか・・・というより、3Dよりも2Dで見た方が良いんじゃないかと思う。 3Dは画面の中に映る景色や人物がミニチュアみたいに感じられて違和感があった事だし。確かに目の前に迫る感覚や浮遊感を描くのには適している。だが、落下する時の表現は甘い。目の前に迫る感覚よりも、観客が「自分から離れていく」と感じる方が落下の恐怖やスリルがあるのではないだろうか。 落下物が真上から落ちてくるようなシチュエーションなら解るけど、登場人物が落ちていく場面で自分に迫ってきたら別の恐怖になってしまう。  宇宙ステーションから投げ出されていく彼女。通信という「命綱」が彼女に僅かな希望を残す。飛散するデブリ、上下の無い空間で姿勢を制御できない状況、そんな中でパニックと恐怖に支配されないでいられるのか。冷静に生還の緒を見つけられるのか。酸素が無くなり息絶えるというタイムリミットもある。ここら辺がリアルで凝っている。仲間が助けるか。それとも彼女自身が自力で生還するか。高速で飛び交うデブリをどう回避するのか。かすりでもすればそれだけでお陀仏だ。どうにかシャトルが見える状態が、いつ何も無い暗黒の世界へと変わるかも解らない恐怖。映画館ではまだ隣に人がいるけど、TVで独りになって見ればより彼女の孤独への恐怖を味わえるだろう。  ストーリーのちょっと荒っぽいところや設定の無茶も“慣れ”てしまったようだ。嬉しいやら哀しいやら。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-01 17:38:05)(良:1票)
1010.  ボーン・アルティメイタム 《ネタバレ》 
アクション映画は本当大好きだ。   言葉なんかいらねえ、テーマなんかいらねえ、とにかく動い動いてブチのめせ!  けれども“ストーリー”という「骨」があるともっと面白い。   その「骨」こそ主人公のジェイソン・ボーン(Jason Bourne)。 もちろんスペルはまったく違う。 しかし音で聞けば誕生の「born」、骨の「bone」(発音違うけど)。   「自分は何者なのか?」というシンプルかつ究極の主題、見づらい手ブレ演出も慣れればCG無しの極限アクション、ガラスにダイブ、バイクやカーチェイス、ガンファイトと息もつかせぬアクションのオンパレード。 スゲー疲れるぜ(良い意味で)。   そんなボーンシリーズの終点「ボーン・アルティメイタム」。  最後通牒、ボーンへの、そして観客への最後通告。 己の正体、自分を追う敵、黒幕、そして協力者・・・全ての決着。  正体を知りたいから諦めない、 正体が解っても諦めない、 死んだ者のために諦めない、 何より「生きたい」から諦めない・・・! 「ここで全てが始まった。ここで終わらせる。」ケジメはしっかり付けて退場する。  水中を力強く泳ぐボーンには本当元気を貰える。
[DVD(字幕)] 9点(2014-01-01 17:25:21)(良:1票)
1011.  かぐや姫の物語 《ネタバレ》 
内田吐夢の原案というのがまず面白い。内田吐夢というとどんな地味な題材もダイナミックかつ面白くしてしまうキング・ヴィダーのような名匠でした。「土」なんか農村の様子を延々と撮るような内容で「誰がどう考えても売れない」題材をヒットさせてしまいました。流石に「かぐや姫」はアイデアが斜め過ぎて没になってしまったようですが、そこに目を付けた高畑監督。 五年の歳月を駆けた作画の動きは流石です。今回の「竹取物語」は何故彼女が竹の中にいたのか?何故彼女は月からやってきた?などなど古典で語られなかったテーマについて新しい視点で描いていきます。 そうテーマは斬新で良かったのですが・・・いかんせんヒロインの性格が面倒くさい。 言いたい事があるならストレートに言えばいいのに・・・物凄く遠し、だけどズケズケとした物言い。解ったからハッキリ言ってくれよ・・・少くとも多くの人間を言葉で振り回す彼女は「罪な女」です。彼女を竹の中に閉じ込めた月の両親も真っ青です。 いやー高畑監督は良い意味でマジの「キチガイ」です。富野由悠季監督でもここまで狂ってません。「トトロ」で盛り上げておいて「火垂る」でハートフルボッコのリバーブロー・・・まともな人間がこんな凄い映画を作れる筈がありません(褒めてます)。 かなり長さを感じましたが、中々の作品でした。
[映画館(邦画)] 8点(2013-12-31 19:57:22)
1012.  素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 
再見。 この映画は、幸せをかみしめる事の大切さを思い出させてくれるとっても素敵な映画だと思う。クリスマスらしいファンタジー(幻想)を絡めて。  内容は違うけどD.W.グリフィス「素晴らしき哉人生」を思い出す題名、物語。  物語は鐘の音、クリスマス、街の看板、雪が降り積もる町、人々の嘆きながら夜空に瞬く星々の会話から始まる。 「座れ」だの何だのセリフが出てくるが立っているのか座っているのかも解らない。  そこから不幸な男の過去が語られ始める。それまでの4分間人間が映らないというのが面白い。 凍った池を滑り落ちて遊ぶ子供たち、シャベルはソリに、割れたところに滑り落ちてしまう不幸の始まり。 幼馴染、何気ない日々から始まる恋、グラスにドリンクをついでお客様をおもてなし、アイスクリーム、紙に書かれた不幸、手が震えてものがこぼれる、涙も溢れて止まらない、部屋を飛び出して階段を駆け上るスピード、指に巻かれた糸。 子供をバシバシ叩くのは哀しいから、左耳から流れる血、我に返って叩いていた手で子供を優しく抱きしめる瞬間。怒ってもすぐに頭を撫でたりギュッと抱きしめてくれる家族はいいもんだ。  成長して加速する恋模様。 ダンスパーティーでもおもてなし、押し寄せる人々をかき分けた先でめぐり会う視線。二人は踊りだし、会場もヒートアップ、男の嫉妬、熱狂を冷ますプールが口を大きく開き何も知らないカップルを呑み込んでしまう。だがプールの冷たさでも踊り狂う男女は止められない。それを見て諦めたか認めたか首謀者も爺さんも飛び込むお祭り騒ぎへ!  二人が着替えたことを物語るローブとフットボールの制服、運命の白い紐、割られるガラス、月夜、目撃者は何も言わずに微笑み後押ししちゃう。 「キスしちまいな!」、彼女の逃げ場をなくすため、ジョージの一生を賭けた駆け引き。舞うローブと揺れる茂み、凶事を伝える車、去ってしまった者を想い見つめてしまう視線。  主人公のジョージは大きな夢を抱いては、尽く不幸が続いて夢を失っていく。どんなに頑張っても報われない事もあった。 ただ、それを支えてくれる最愛の女性や様々な人との出会い。どんなに辛くても、愛する人がいるから辛くない。彼女だけでも守ってやりたい。 オマケに“天使”までジョージを助けに来るしさ。いや、ジョージにとって本当の天使は彼を支え続けたメアリーや子供たちなんだろうな。  天使は説教を垂れるでも、不思議な魔法でジョージを生き返らせるわけでもない。 「自分なんかいなくてもいい」と絶望に暮れる彼に「ジョージのいない世の中」を見せる。  ドアを蹴破り、バーで飲んでたらいきなり殴られる、血を流すのはジョージが生きているから、人身事故、死へと向かうはずだった者に生きる意志を呼び覚ます「叫び」、さっきまで死にそうだった奴が赤の他人を助けるため生きるために飛び込む!刻まれる「生きた証」は濁流に揉まれようが消えない。  悪夢を加速させる群衆の蠢き、灯りの無い一軒家が物語る絶望、駆け付けた警官はブン殴られ、問答無用で逃げる者を銃撃する。 雪の冷たさ、風の冷たさよりも辛い絶望…が消えていく聞きたかった「返事」、口に手をあて、流れ出る血と共に生きる喜びを噛みしめる! それはジョージが見た夢だったのか、天使が見せた幻想か。 それは解らないが、何十分も雪の中で寝ていたとしたらどのみち死んでいるような・・・やっぱり天使の仕業ですね、うん。 そしてジョージは自分が生きている意味を知り、まるで子供のように生きる喜びを取り戻す。  「メリークリスマース!!!」  男は走る。夢から現実に戻るため、クリスマスを街の人と祝うため、家族と仲直りするために! 見慣れた看板、さっきまで絶望の塊だった雪が祝福してくれているかのように光り輝く、階段の突起、子供に抱き着き記者はポカーン、嫁も夫を愛しているからこそ走って帰ってくる。ずっと探していた者と再びめぐり会えたのだから。 人々がジョージ目掛けて押し寄せてくる群衆スペクタクル、机の上の小銭は山となっていき、ピアノの音色、合唱、破られる紙、嬉しそうに勘定、弟も戦いから帰ってきて大勢に迎え入れられる。  「情けは人のためならず」という言葉がある。 情けをかけるのは自分の自己満足のためではなく、自分がかけた情けが知らず知らずのうちにやがて巡り巡って自分に還ってくる、そういう言葉だ。 この映画のラストは、そんなジョージの努力が報われる締めくくりだった。人の心を完全に金で買うことは出来ない。信頼というものは心で掴むものだから。
[DVD(字幕)] 10点(2013-12-31 18:55:40)(良:2票)
1013.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
「ゴッドファーザー」は続編の「Part2」の方が一番面白いし大好きだが、初代も好きだ。 この作品は「映画の面白さ」というものを教えてくれる作品の一つだ。 魅せる、語る、惹きつける。 一度見ただけでは解らない。しかしこの映画には何度も見たくなるような面白さと仕掛けが散りばめられている。 一回で理解できるシーンも多いが、一番のミソは見れば見るほど理解を深められる作品だと思う。二度見てこそ、いや見れば見るほどその圧倒的な世界観に惹き込まれる。 一見すると「マフィアの暴力礼讃」のようにも見えるが、この映画の訴えたいことは「暴力の愚かさ」しかない。 暴力を振るえば振るうほど失っていく大切な何か。 「家族」とファミリーという名の「組織」。 この二つを守った者と、守りきれなかった者。 その二人の人間の光と闇を見せ付けられる。  この映画に溢れる「生」。 家族と語り合い、食事をし、人を愛す。 その裏で繰り返される破壊と「死」。 特にpart2では壊れていくマイケルの家族が「死」として、家族を創っていくヴィトが「生」として見て取れる。 このゴッドファーザーは、マリオ・プーゾの原作小説を元に描かれるが、元々は1本だけで済ます予定だった。 ところが、映画の人気が、マイケルたちの行く末やコッポラの人生まで左右し始める。 part1ではマイケルの青春とその終わり、 part2では父の光を通してマイケルが闇に堕ちていく様子を描き、 part3ではマイケルの苦悩と挫折に満ちた幕引きで終わる。 一人の男が何を成し、何を失っていったか。 それが実に心に響く。 哀しみに満ちちゃあいるが、何故か不快な感じはない。 これほど飯が食いたくなる映画は無い! みんな美味そうに飯食うんだもん。 クレメンザが頬張ってたパスタとサンド、ワイン。 ガツガツ食べてみんな死んで行く・・・。 特にpart3を見た後だと、無性にpart1やpart2のマイケルやソニーたちに会いたくなんだよな・・・。 マーロン・ブランドのしゃがれ声、 ジェームズ・カーンの兄貴ぶりなど、俳優陣の演技は全て素晴らしい(タリアは除く) アル・パチーノの演技も素晴らしいの一言。  ソニーとコニーは「暗黒街の顔役」と「悪い奴ほどよく眠る」、中盤の車の爆発は「ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ」を思い出す。本当に映画が好きなんだなあコッポラは。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 15:49:30)
1014.  ヴェラクルス 《ネタバレ》 
「Ulzana's Raid (ワイルド・アパッチ)」「アパッチ」に並ぶロバート・アルドリッチの傑作。 これでもかというくらい撃ちまくるガンファイト!血が騒ぐ1品です。 ひょんな事で出会った二人の男。利害関係か、あるいは本当に友情が芽生えかけていたのか・・・ラストの決闘で別れた二人の道。黒衣のバート・ランカスター、灰色のゲイリー・クーパー。まるで谷口千吉&黒澤明の「山小屋の三悪人」さながらに対照的な二人。志村喬と三船敏郎・・・白と黒!「リオ・ブラボー」で西部劇に目覚めて以来、私が求めていた西部劇がこういう熱い映画だったんですよ。私が西部劇の完全な虜になった思い出のある作品です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 15:36:39)(良:1票)
1015.  バック・トゥ・ザ・フューチャー 《ネタバレ》 
再見。何度見ても色あせない、何度でも元気と勇気をこの映画から貰える。スピルバーグ&ゼメキス師弟の夢が詰まっているもんな。  このシリーズは「PartⅢ」のジョン・フォードやクリント・イーストウッドといった西部劇へのオマージュに溢れたアクションも素晴らしかったが、「PartⅠ」の面白さもブッチ切りだ。  ジョージ・パル「タイム・マシン 80万年後の世界へ」へをはじめ様々な映画へのオマージュが捧げられたファースト・シーン。 時計の針の音、時計、時計、時計、時計、夥しい時計が部屋中に敷き詰められた空間。デジタル、振り子、左右に動く動物の目玉、針にぶら下がるハロルド・ロイド「要心無用」。 新聞、写真、時間になるとラジオを付け、熱湯を流し、TVが付き、トースターがパンを黒焦げにし、缶を開けペットの皿にぶちまけ、ゴミ箱に捨てる。バスター・キートン「案山子」を思い出さずにはいられないワクワクするような始まり方だ。 扉を開けて入って来る訪問者、スケボーが転がる先にあるもの、ダイヤルを全開にするのは巨大なスピーカーが破裂する衝撃でぶっ飛ぶために!  電話、時計が鳴るのは少年を学校に走らせるため。 車から車に捕まり移動、待ち構えるのは好きな男の子を救おうとするため。バンドと好きな娘に捧げる青春、口づけを妨げる募金要求、父親でも止められな別れのキス。ジェニファーが可愛いすぎて辛い。  潰された車と大事な予定、作り笑いで耐える弱気な父親、全盛期で悪事の限りを尽くすビフ、いろいろとくたびれてる家族、車の中から煙をまとい登場するマッドサイエンティストのドク。  ドクの登場とともに再び現れる冒険心をくすぐるアイテムの数々。 夢と危険が詰まったデロリアン、防護服、キャメラが捉えるもの、ストップウォッチ、操縦リモコン、バックし、唸り声をあげ飛び出し、閃光をまとい、濡れたアスファルトに火花を走らせ風とともに駆け抜けるタイムスリップ!置き去りにされるナンバープレート、助手席に犬を載せる狂気は爆撃機に子犬を載せるハワード・ホークス「空軍」もビックリだ。 不意に襲い掛かる報復、銃が分ける命運、銃撃とチェイスと過去への全力疾走!案山子と民家に突っ込む激突!  広大な平地と目の前で捨てられる新聞は過去に来たことを告げるため。 巨大な看板に隠すもの、懐かしくも異世界に来てしまった感覚、電話帳、喫茶店での思いがけない出会い、見覚えのあるノックしてモシモシ、あの何とも言えない表情が面白い。 自転車、葉っぱが落ちるのぞき見、車の着地狩り、眠り事、灯りをつけるのは夢から覚めたことを告げ彼が直面している現実に引き戻すため。  檻の中のジョーイ、ジャッキー・グリースン、腰抜けなんて言わせねえ、スケボー小僧と不良軍団とのチェイス、車に押し付けられようが諦めない、困難に立ち向かい車上を駆け抜け乗り越えるアクション、ベリー・シット!! 消えゆく写真とタイムリミットが迫る恐怖、実験、積極的すぎるママ(18)、飲んだ酒をぶちまける煙草の火、車内という密室、招かれざる来客、トランク、ふり絞る勇気、震える手を握りしめる拳。 感謝の敬礼、最高の一曲。  エンジン中々かからない焦り、雷鳴、鉄線を滑り落ちるのは友人を未来へ送り届けるために!  変わるもの・変わらないものが教えてくれるありのままの素晴らしさ。 道がないなら作ればいい…物語は「PartⅡ」へと続いていく。
[DVD(字幕)] 10点(2013-12-29 15:27:05)(良:2票)
1016.  チャップリンの黄金狂時代 《ネタバレ》 
もう密度が半端ないですね。 最初30分だけの短編にしても面白いですし、ラスト1時間も最後まで飽きずに見てしまいました。 雪山で出会った男が伏線だったり、二段構えとも言うべき傑作です。 また単なるコメディで終わらない所がいいですね。 実はこの作品は「偽牧師」と共に西部劇としての一面があるんですよ(まあ作品を見た方なら既にご存知だと思いますが)。 ゴールドラッシュで沸き立つ街、一山当てようと死に物狂いで山に挑む人間たち。 ある者は富を築きますが、その多くが飢えや殺し合いの中で消えていきます・・・事に本作は飢えの恐怖。 チャップリンなんか靴まで食べてしまうし、隣の大男は腹が減りすぎてチャップリンが巨大なターキーに見えてしまう・・・ちょっとオーバーかなとも思いましたが、飢えた人間たちが略奪や殺し合いに発展する様は恐ろしいです。 山での死闘、そして下山した街で巻き起こる騒動・・・クリスマスのシーンは笑いを通り越して涙が出てしまいます。 それでも最後まで彼女のために奮闘する健気さ。山小屋が雪山を滑り落ちるシーンなんか口あんぐりでした。 貧乏を経験したチャップリンだからこそ描ける凄い映画です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 15:19:16)(良:2票)
1017.  チャップリンの独裁者 《ネタバレ》 
「生きるべきか死ぬべきか」や「我輩はカモである」に続く反ナチスコメディの大傑作。 警官だろうが突撃隊だろうがヒトラーだろうが、煙に巻いて徹底的に笑い飛ばす。 オマケに当時タブーだったユダヤ人に対する描写も余裕でタブー破り。 コレはエルンスト・ルビッチの「生きるべきか死ぬべきか」でもユダヤ人の悲劇を笑いかつ哀しみをふんだんに込めて描写していたっけか。 「公債」で嫌々やったプロパガンダだが、この作品はそういうものを一切感じさせずヒトラーをDisってDisりまくり。 物語は第一次世界大戦とナチスの政策を極限までパロディにした話。 冒頭の第一次大戦の戦場は「担え銃」を思い出す光景。あの作品は塹壕が主な舞台だったが、コッチは砲塔。砲台に振り回され、不発弾までグルグル回って兵士を翻弄する。 偶然助けた兵士と飛行機で脱出、逆さまになり水が落ちる場面をまるで水が天に吸われていくように映す。 チャップリンはいつも通りおどけて見せるが、時折見せる怒りの表情、さらっと流される死人の続出などブラック・ジョークも抜群。 「モダン・タイムス」でも共演したポーレット・ゴダードはいつ見ても可愛い。 それにしても随分好色なヒトラーだこと。 女好きはどう考えてもチャップリンの性癖な気が(ry  「サニーサイド」における床屋シーンのNGフィルムはこの作品で見事に“復活”。よりパワーアップし洗練された圧巻の場面。 ブラームスの「ハンガリー舞曲」の“演奏”!曲に合わせて高速で髪をカットしたり髭を剃っていく名人芸。  破裂されてまで拒まれる地球征服、床でいきなり滑ったり、手をかけそこねたりする場面は故意なのか事故なのか測りかねん。 不意打ちすぎて鼻水出たわ(笑) 絵や彫刻を創る側も対象がせわしなく動くのでイライラがピークに。 ムッソリーニとの食物ぶちまけケンカも死ぬかと思った(笑いすぎて)。 だがラストの演説は凄い。「ヒンケル」と「チャーリー」の演説! 入れ替わってしまうのは「替玉」以来だろうか。 最初の演説との違いはまるで「ボレロ」。積み重なった言葉の集約が「演説」にこめられている。 人間にアーリア人も白人もユダヤも黒人もいない・・・なんて「理屈」が一番伝えたいことじゃない。 ただ愛する女性、愛しい人へのメッセージ・・・「ハンナ」。 「ハンナ」は今作のヒロインの名前でもあるし、チャップリンの母親への手紙でもある。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 15:17:12)
1018.  鴛鴦歌合戦 《ネタバレ》 
「弥次喜多道中記」に並ぶオペレッタ時代劇の傑作。前者が歌と股旅映画が融合した作品ならば、この作品はミュージカルとしてより洗練された楽しさ。歌いっぱなしの「鴛鴦歌合戦」、歌ありアクションあり何でもござれの「弥次喜多道中記」。どちらも大好きな映画だ。  正月特番で作られた1時間映画だが、みんな「演じている」という堅苦しさが無い。量産性・劇団のような俳優陣の共通は何百回と稽古を積み上げた迫力を味わえる。みんな活き活きとした表情で元気に歌いあっている。当たり前だがみんな歌が絶品。ディック峰、志村喬と歌も演技も最高の面々が揃っている。  ストーリーそのものは典型的な時代劇だが、殿様見物、微妙な三角関係、価値観の崩壊(骨董収集がガラクタの山と化す志村喬)、金か愛か、ラストの踊る様な立ち回りなど見所が多い。  特に終盤の殺陣は面白い。無駄なチャンバラはせず、身のこなしだけで刀を避け敵を投げ飛ばす。  死人が出ない喜劇タッチの面白さ。  でもちょっとは斬り込めよディックさん・・・(笑) その辺ひっくるめて誠に愛らしい存在です。  ラストの展開は多少強引かなと思ったが、エンディングのカーテンコールの見事さに唸りっぱなし。   俺にとって作品の面白さに時代は関係ないんだな・・・という事を痛感させられた映画の一つです。
[DVD(邦画)] 10点(2013-12-29 14:52:41)(良:2票)
1019.  ロイドの要心無用 《ネタバレ》 
キートンがアクション、チャップリンがストーリーならハロルド・ロイドは勇気です。 普通の人間が「やったらやれるんだ」と勇気を振り絞って奇跡を起こす・・・そんな様子に私は惹かれます。 終盤のあの有名なシーン。 実際にビルを自力で登ってしまうんですもの。分かっていてもハラハラします。 だって登った時計台から3回も落ちたジャッキー・チェンとかいう人がいましたからねー。「プロジェクトA」で人間卒業しちゃった。 ロイドもいつ落ちてしまうのかとドキドキでした。 ロイドの勇気に拍手です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 14:41:17)
1020.  エイリアン 《ネタバレ》 
人類と異星人(エイリアン)の最悪のファースト・コンタクトを描いた傑作。 単なるパニック物に終わらず、人類が宇宙に拡がっていく開拓という名の「侵略」。 「本当のエイリアンはどっちだ」という作品だ。 スピルバーグの「ジョーズ」におけるテーマと似ている。 人間が生活を拡げる過程において蔑ろにした自然。 住処を追われた動物は、やがて人々のテリトリーに「戻って」来る。 この映画のエイリアンは「侵略者」と呼ぶには相応しくない。 正しく言えば「報復者」と言っても良いだろう。 自分たちの領域を犯そうとする者への・・・。 エイリアンを「生物兵器」として利用しようとしたのは人間なのだから。 まあリプリーたちにして観ればとんだトバッチリだがな。 宇宙空間という「密室」、他の生命に寄生して成長する化物、逃げ場のない恐怖・・・一人、また一人消えていく命。 最初この物語は「群像劇」だったが、生き残った者がこの物語を動かす「主人公」となる。この二段構え。 そして仲間を殺された者が抱くのは復讐心・・・恐怖を乗り越える人間の恐ろしさと強さ! 終盤もまた「二段構え」の死闘。 作り込まれたセットと言い、今見ると時代錯誤な装置も巧みな演出で違和感を感じず楽しめる。 これぞ娯楽映画よ。  エレン・リプリーは好きなキャラの一人だ。 仕事を最優先にする傍ら、誰よりも仲間思いの熱い女性。 男勝りな勇気と行動力、悲鳴をあげながらもエイリアンと戦い抜いた気丈な女性像。 猫の「ジョーンズ」のためにもう一度戻って来る姿・・・そこに惚れた。  エイリアンに「糞野郎...糞野郎・・・糞野郎!!!!!」と言いながらダスト・シュート&止めの一撃! 女戦士エレン・リプリーの誕生である。  「テルマ&ルイーズ」でもそうだったが、リドリー・スコットは「ケツ」で女を語る。  良い女は尻もビューティフル。 二段構えのある映画は本当に面白いです。「駅馬車」しかり「黄金狂時代」しかりしかり。
[DVD(字幕)] 9点(2013-12-29 14:34:30)(良:2票)
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