1141. アンナと王様
アジアの帝王と呼ばれるのはダテじゃなかったとジョディを相手にチョウ・ユンファの堂々とした存在感はうれしい。欧米人の中でもひけをとらないあの体格はかなり有利です。しかしですねえ、セットも衣装も豪華なのだけど、それが見所って感じ。でもジョディはコスチュームものは似合わないというのが感想です。ラストはもろハリウッド式のもっていきかたで盛り上がらなかったです。恋愛ものじゃなく、友情ものとして描いたほうがよかったんじゃないかと思いました。ラブシーンではジョディはくちびるへのキスは許可しなかったため手にしたということです。アジアの俳優のキスはがむしゃらにブチューっとするだけで、上手じゃないからよかったかもね。 5点(2004-08-14 10:16:14) |
1142. エンゼル・ハート
公開当時友人と二人で仕事帰りにオールナイトで見ました。二度は見たくないです。なんかもう、全編じっとりべっとりの湿気、湿気。それだけで憂鬱な気分になる。鏡を見るたびに腑に落ちないといった表情のハリー。なんかヘンだなあと思ってたら・・・この手のオカルト映画はグロすぎてちょっと苦手です。でも強烈に残ってる作品。アラン・パーカーってほんとにいろんな映画を撮る人ね。 6点(2004-08-14 00:39:00) |
1143. 雲の中で散歩
これはですねえ、キアヌのファンのための作品という感じが強いなあ。たしかオリジナルはイタリア作品なのね。だからなのかしらアンソニー・クイン、ジャンカルロ・ジャンニーニというのがおいしいですね。キアヌはハンサムだし見て損はないのだけど、内容がちょいと陳腐です。キアヌって作品によって上手い時とまるっきりダイコンと差があるのよね。コレはダイコンです。彼は作品選びがあんまり上手じゃないというか欲がないみたいに思える。昔からキアヌは好きです。彼も40才なのよね、ここらで長く語り継がれる一世一代の演技、作品を見せてほしい。「マトリックス」のキアヌでは納得いかないの私。 6点(2004-08-13 21:34:30) |
1144. この森で、天使はバスを降りた
数年前に見たきりなのだけど、この邦題も印象的でずーっと忘れずにいる作品。時間が止まっているような見るからに保守的な山里の田舎町。そこへふとよそ者が現れ、人々に何かを残し去っていくというちょっと悲しく、けれどラストは何か暖かい気持ちになるお約束の話なのだけど、個人的にはこの作品は他のものとは少し違う位置にあります。まず風景が素晴らしい。アリソン・エリオットのチャーミングな不幸顔がいい。そして芸達者な俳優たち。エレン・バースティンはさすがに上手いですねえ。マーシャ・ゲイ・ハーデンという人はオドオドとした演技がほんとにハマっている。秋の夜長に楽しみたい作品です。 7点(2004-08-11 10:30:21) |
1145. フェイス/オフ
このアイデアはよいです。でもさ・・・突っ込むのはヤボというのは承知でいうのですけどね、ニコラス・ケイジとトラヴォルタ、この二人のお顔が最先端の整形手術でもって入れ替わるわけですが、あの顔の輪郭の違い、いや頭蓋骨のカタチそのものが違い過ぎるというのが気になってしょうがないのは私だけですかね。でも私としては、この疑問があるからこそ面白さが倍増したといっていい。まあ、細かいところはさておき、アジトへ突入した銃撃戦は見ごたえ充分。ケイジとトラヴォルタをどっちがどっちだったんだ?と一瞬わけわかんなくなったのは私だけじゃないですよね?お約束の教会と白ハトも見られたし満足の一本でございます。 8点(2004-08-10 14:10:56) |
1146. ワーキング・ガール
そうですねえ、今見るとヘアスタイル、メイク、スーツにスニーカーというのに時代を感じますよねえ。ここで特筆すべきはシガニー・ウィーバーかな。なかなかのコメディエンヌぶりでしたよ。強い女のイメージが強いし、コメディの意地悪女が合ってるわね。ハリソン・フォードも脇役に徹して邪魔にならない。二度目に見たときに浮気してるメラニーの彼氏役がアレック・ボールドウィンだと気づいたときはうれしかったです。話は平凡なOLのサクセスストーリーなのだけどこれが面白いっ!この程度の話をこれだけ面白く見せてくれるハリウッド映画はやっぱりスゴイです。 8点(2004-08-10 13:50:36) |
1147. ドグマ
ひと言でいって悪のりおバカ映画ですね。キャスティングがなかなか面白い。だってそれらしくない人ばっかりだもの。アラン・リックマンはどう見ても悪魔だ。この監督はドリーム・ワークスとかディズニーなどに(だと思うけど・・・)恨みでもあるのか?いろいろとネタにしてましたねぇ。話の筋よりもこういったネタが可笑しかったです。残念なのはジャニーン・ギャロファロの出番が少なかったこと。 5点(2004-08-10 13:30:42) |
1148. リトル・ヴォイス
数年前にBSで放送された時に録画したまま未見でした。そのころはユアン・マクレガーが出ていることも知らなかったけど、最近になってユアンがコレに出ていることを知り、慌てて鑑賞。そのユアン、彼はやはりダメ男がぴったりだ。ジェームズ・ボンド役の候補に名前が挙がっているようだけどそれだけは絶対にやらないでほしいわね。エリック・バナだっけ?彼に決まりそうなのでひと安心です。この作品、やはりマイケル・ケイン、ジム・ブロードベント、ブレンダ・ブレッシン、この三人でしょう。やけっぱちになって「It's Over」を熱唱するケインに爆笑。どこか悲しくもあり、おかしくもあり、そしてはがゆくもどかしく、ちょっとイライラする登場人物たち。このリアルさがイギリス映画のよいところだ。いや、おもしろかったです。イギリス作品ではこのような貧乏悲惨系ヒューマンコメディが好きです。これから新たな第一歩が始まるというようなラストがいいわ。 8点(2004-08-09 11:27:21)(笑:1票) |
1149. フォレスト・ガンプ/一期一会
この作品はアメリカ人にとってはたまらない面白さがあるんだろうなあと思う。私としてはフォレストと近代アメリカの歴史との関わり方が面白かったです。その発想がいいんですよね。エルヴィスとのエピソード、ウォーターゲート事件が気に入ってます。歴史に残る大スター、事件に実は名もない知的障害者の打算のない自然な行為、行動が深く関わっているなんてドラマチックじゃないですか。スマイリーはちと無理があったかな?トム・ハンクスはハマり役でしょう。でもね、ロビン・ライト・ペン演じるジェニーはちょっとねえ、放浪癖があるのかしら?言い方は悪いけど、知恵遅れのフォレストをなんとなくうまく利用してるような感じを受けました。都合のいい時だけ戻ってきては去っていく。最後は突然呼び寄せて「あなたの子よ」って、いくらあのウィルスに感染したからってちょっとあんた、それはないでしょって感じ。フォレストの純粋さがうれしくもあり、不憫でもありました。自分の子と知らされ「頭はいいの?」と聞いた時はたまらなかったわ。登場人物はそれぞれ重いものをしょって生きているけれど、さらっとテンポよくコメディタッチで描いたところがよいですね。 でも「一期一会」ってサブタイトルはいらないよね。 8点(2004-07-24 08:58:57)(良:2票) |
1150. 隣人は静かに笑う
ジェフ・ブリッジスが熱かったですねえ~心理的にジワジワと追い詰められていき、自爆テロの犯人に仕立て上げられていくのですが、それを見ているあいだのハラハラ、ドキドキは物語に引き込まれ、目が離せないというものではなく不快感を伴うものでした。流れがあまりよくないうえにジェフ・ブリッジスの演技が濃すぎてイライラするんです。この点がマイナスです。ティム・ロビンスという人は善も悪もシリアスもコメディも違和感なく見られますね。器用貧乏になりかねないと心配しましたが、デカイからだに不釣合いなキューピー顔というルックスが独特の雰囲気を出していて個性的です。誰が不気味ってそりゃあジョーン・キューザックでしょう。彼女がいちばん怖かったです。 6点(2004-07-21 20:36:13) |
1151. ディック・トレイシー
これは、ウォーレン・ビーティを筆頭にみーんなが遊んでるわけね。原色使いの映像と特殊メイクの俳優たちを見るのがただただ楽しい。あんなメイクをしてるのにアル・パチーノだけはすぐわかるっていうのが可笑しい。やっぱりパチーノは”目”なのよね。すごい眼力の持ち主です。他の作品では散々パチーノをオーバーアクトだなんだのと文句言ってる私ですが、この作品では彼のオーバーアクトが遺憾なく発揮されていて楽しい。お遊びでここまでできちゃうビーティはやはりハリウッドの帝王だ。トム・クルーズも将来こうなるのかなあ。 6点(2004-07-18 14:09:03) |
1152. バグダッド・カフェ
不思議な映画でした。舞台はアメリカでしたよね。でもどこの国かわからないような風景といつもイライラしているCCH・パウンダー。埃っぽくカラカラと乾いた感じがいい。全体的に気だるい雰囲気なのに眠くならないのが不思議。主題歌「コーリング・ユー」も気だるいメロディーだけど聴いているとすごーくいい気分に。今もどこかで耳にすると黄色っぽい色彩とタンクが浮かびます。ドイツ人旅行者の太ったおばさんといい、私にとっては癒し映画です。あの店のコーヒーを飲み「これは茶色の水よ」というセリフがなぜかいちばん印象に残ってます。 7点(2004-07-07 22:36:20) |
1153. ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
ゲイの出てくる映画は大好きだし、タイトルの「怒りの1インチ」にはハマり、思い出しただけでおかしさが込み上げる。だから物凄く期待して見に行ったのだけど、ちょっとノレなかったです。ところどころ私のツボにはまるところがあるのだけど、それが続かないのよ。ブロードウェイの舞台劇の映画化なのだけど、舞台と映画の見せ方ってやっぱり違うわけで、映画としての完成度はイマイチと感じる。流れがあんまりよくないのでスーっと映画に惹きこまれていかないの。どちらかというと後半のほうがノレたかな。ラストのライブシーンは秀逸です。イツハクを演じたのが女の子っていうのがいちばんびっくりしたことね。 6点(2004-07-07 15:28:52) |
1154. ボーン・アイデンティティー
ハーバード出身であり、どちらかというとカラダより頭で勝負するというイメージが強いマット・デイモンのアクションが最大の見所ですね。期待以上にキレのいい格闘シーンを見せてくれました。運転もうまいわね。カーチェイスは感動モノです。私の意識の中ではトム・クルーズのアクションものと被るところがあったけど、マットのアクションに軍配!!パリのアパルトマンでの格闘シーンあたりからマットがどんどんかっこよくなっていくじゃないの!たいしたものです。脇役もいいわね。クライヴ・オーエンが出てるとは知らなかった。もうちょっとマットと絡んでほしかったな。クリス・クーパーにももうちょっと見せ場を用意できなかったものか。そのへんが残念です。ヒロイン役の子はあんまり馴染みのない子だったけどちょっとリリ・テイラーに似てないか?あらすじはこれといって新しさはないし、似たような作品はいっぱいあるけど、コレは舞台をヨーロッパにしたところが当たったんじゃないかしら。それとこの監督の個性なのかな、映像の雰囲気がいいの。色彩がいいし、ちょっと不安げというのかしら。特に雪の降っているシーンがよかった。同系の作品の中では地味なほうだと思うけど、情感があるというのかしら、センスのよさを感じます。エンドロールの曲もいい。続編ができるの?それは絶対劇場へ見に行かなくっちゃ。監督も同じだといいな。パリの街と殺し屋ってとっても相性いいわね。訓練されまくった組織の人間のプロフェッショナルな仕事ぶりというのはたとえ殺し屋でもクールでいいわ。再見してますます好きになり、点数も上がりました。 9点(2004-07-07 08:36:12) |
1155. マンハッタン花物語
なんじゃこれ。なんでクリスチャン・スレーターが繊細で内気なフローリストなの?しかも相手がメアリー・スチュアート・マスターソンときた、ショボ過ぎです。何を見ろというのよ。せめてヒロイン役には誰もがひとめ惚れするだろうと納得のいく女優を使ってもらいたいものです。劇場公開する必要もなかったと思うよ。ベタベタの純愛モノがダメ、嫌いというわけではないです。これ見ながら「恋のためらい フランキー&ジョニー」を思いだしていた。パチーノとミシェルのラブシーンの背景が花屋さんだったでしょ、それが被ったってだけですけど。 1点(2004-07-07 08:04:54) |
1156. ベルリン・天使の詩
公開当時何を読んでも絶賛され、私のまわりでもオシャレな業界人といった感じの人たちにもウケていた。「コレがわからない人は感性がニブイ」とバカにされそうな雰囲気だったので、私も感性鋭く豊かな人たちの仲間になろうとビデオを借りてみた。だめだったです、コレ。私にとっては睡眠薬以外のなにものでもない作品でした。ビデオを借りている1週間、それこそ毎日のように挑戦したけど、ついにカラー映像になるというところまでたどりつけませんでした。途中で目が覚めたとき、空中ブランコしてるところは記憶にある。俗物的な私のアタマと精神では高尚な芸術作品を理解することはできないとわかりました。もうひとつ思ったことは、この作品を好意的に語っているまわりの友人、知人の中で本心からの感想を言っている人は何人いるのだろうということだった。 1点(2004-07-06 11:07:07) |
1157. エグゼクティブ・デシジョン
《ネタバレ》 何にびっくり仰天したかって、スティーヴン・セガールがあの時点で消えたことですよ、やっぱり。この意外性がこの作品のいちばんオイシイところだと思っとります。 6点(2004-07-05 14:40:09) |
1158. 華麗なるギャツビー(1974)
かっこよかったですねえ、レッドフォードのギャツビー。これを見たのは中学か高校のころだと思うけど、ヒロイン役にミア・ファローというのが納得できなかったし、デイジーには最初から最後まで腹立てながら見てました。「エアポート‘75」でも思ったけどカレン・ブラックという女優さんの顔演技って凄いわね。当時は衣装も話題になりましたよね。たぶん、今見たらまた違った感想が出てきそうな作品のひとつだと思う。でもデイジーについては変わらないだろうな。 5点(2004-07-05 10:27:06) |
1159. アバウト・シュミット
はなしの内容、見せ方としては日本でも番組改正時のつなぎみたいに放送される2時間枠スペシャルドラマみたいな感じ。団塊世代と呼ばれるお父さんたちにしてみれば自分と重なってしまう人が多いような気はする。それだけリアルではあります。常々感じていることだけど、男性は女性に比べ確実に繊細ね。ところでこれは主演がジャック・ニコルソンでなければ日本で公開されなかったんじゃなかろうか。まさにニコルソンの存在感と演技に支えられた作品だと思う。でもなんでわざわざニコルソンに普通のお父さんを演じさせるの?マーロン・ブランドが故人となった今、ニコルソンにがんばってもらいたいけど、コミカル路線が目立つのが少々残念であります。キャシー・ベイツの勇気と潔さに10点献上したい気分。ボディ・ダブルじゃないのははっきりしてるし・・・ 7点(2004-07-05 10:03:39) |
1160. ライフ・イズ・ビューティフル
う~ん、困った作品ですな。イタリア映画だけどイタリア映画に思えないのよ。とてもハリウッド的ね。そして、これはホロコーストを扱っているけど反戦映画として受け取るべきではないわね。悲惨さを前面に押し出すのじゃなく、ちょっと趣向を変えてみましたといった具合で、言いたい、伝えたいことは理解できますし、ベニーニが演じた父親は素晴らしい父親だと思う。けれどあまりに現実とかけ離れていやしないか?リアリティが無さすぎるのも問題です。TV放送された時、普段アニメ以外には興味を示さなかった当時小学校高学年だった息子はこれに見入り、かなり感動し、今も「あの映画はすごくよかった!」と時々思い出している。子どもにも伝わる父の思い出を語る感動の作品ということになるのかな?こんなお父さんが増えていけば幼い子どもが、まだ生後6ヶ月に満たないような乳児までが虐待され死亡するという聞くに耐えないニュースを耳にしなくてもよくなるでしょうね。これでベニーニはオスカーを受賞したわけだけど、これにはちょっと疑問を感じたのでした。 6点(2004-07-04 12:08:50)(笑:1票) |