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自己紹介 じっくりと作品世界に浸れる映画が好み。

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1.  バビロン(2022) 《ネタバレ》 
賛否両論あるのを知った上で、スケールの大きな群像劇に期待して鑑賞。  結果、あまりの無頓着さと幼稚さに呆れた。  「映画って素晴らしい、だから舞台裏がどんなに醜悪でも仕方ないよね」じゃダメでしょ。 ゴシップライターが突然上から目線でブラピに説教する台詞と、 ラスト、人気映画の映像を借用した力技で綺麗にまとめようとしても、やっぱりダメでしょう。  音楽とテンポで押しまくる演出は効いているが、 そのぶん中身の空虚さと、現実に向き合わない幼稚さ・不誠実さが露呈している。  ビッグビジネスの為なら、外国人エキストラが何人死のうが未成年が何人使い棄てられようが関係ない、 それが映画業界の歴史だって? 幼稚な妄想に浸っていないで現実を見ろと言いたい。  搾取、過重労働に支えられた大量生産、 凄惨なハラスメントが問題視される中、 よくもここまで軽薄な、搾取する側の自己正当化映画を撮れたものだ。
[ブルーレイ(字幕)] 1点(2023-06-06 02:52:08)
2.  ミスト 《ネタバレ》 
ここまで嫌悪感しかおぼえない映画は久し振りに観た。 ありがちなモンスター映画を装い、観客に毒を吐き絶望と嫌悪の底に突き落とす映画だ。 映画制作者の姿勢として最低。  キングの中編小説『霧』は何年も前に読んで、漠然とした恐怖が印象に残ったが 敢えて霧の中で終わる小説からは、まだ救いを想像することも出来た。 だが映画には希望どころか情けの欠片もない(知性もない)。 何しろ、小説で霧の中に踏み出していった主人公たちの、悪趣味な結末を映画は描いている。 それも無駄に丁寧に、ダラダラと時間をかけて、真綿で首を絞めるように如何に救いがない状況か見せつけ、あの結末に至る。 演出の技は認める。が、あの無駄に皮肉めいた結末は、悪乗りとしか言いようがない。 今までダラボン監督作品は好きな部類だったが、この映画の記憶が褪せるまでは観ないだろう。  もう一つ、この映画が最悪なのは、 結末変更を提案された原作者・キングに『思い付いていれば原作もこの結末にしただろう』等と 今更余計なひとことを言わせてしまったことだ。 そりゃないぜ。
[DVD(字幕)] 1点(2023-05-28 11:28:09)(良:1票)
3.  ラスト サムライ 《ネタバレ》 
サムライを神秘的なイメージで美化し過ぎ。 潔い死を讃えるかのようなシーンには嫌悪感すら覚える。 が、ズウィック監督にとってはサムライ賛美と云うよりも、 自分たちが「侵略し、略奪し続けてきた」側であることを自覚したうえで、 「違う価値観を受け容れること・異文化に敬意を表すること」が主題・・・だったように思う。 お世辞にも巧みとは言えないが、その生真面目さ、誠意が感じられた。 監督は心底、サムライが象徴する精神性に惹かれ、丁寧に撮りたかったのだろう。 反面、ハンス・ジマーの音楽には辟易させられる。思えば「ブラック・ホーク・ダウン」もそうだったが、 この人の音楽は異文化との交流や対立を軸にした映画に使いやすいのだろうか。 エキゾチックな異文化の音を、口当たり良く巧みに「略奪」して、 勇壮なハリウッド流に仕立て上げる手腕は大したものだが、そこには一片の誠意も感じない。
[DVD(字幕)] 4点(2017-09-17 23:18:44)(良:1票)
4.  スモーク(1995) 《ネタバレ》 
ハーヴェイ・カイテル演ずる、煙草屋の親爺、オーギー・レンのキャラクターが大好きです。胡散臭いけど、有り得ないくらいピュア。ラストの、「どこまで本当か解らない」オーギー・レンの打ち明け話のように、映画全体が、苦いけれど優しいおとぎ話のよう。大切なのは「全部事実かどうか」なんて事じゃない。クリスマスの話のあと、どこまで事実かなど二の次で、嬉しそうに笑い出す男ふたりの笑顔。文字通り、心地よい煙に包まれているような、不思議な余韻が残る映画です。
[DVD(字幕)] 7点(2017-09-17 23:11:39)(良:3票)
5.  ピンポン 《ネタバレ》 
スポーツ・青春映画として、キレイにまとまっていて好感が持てる出来。 卓球のラリー場面は、CGが効果的に、自然に使われていて良かったです。 スマイルがチャイナ戦で本性を出し始めるシーンが印象的。 反面、窪塚ペコの存在感は弱い。 天然を「演じてる」のが全編通して見え見えで痛かった…。 中盤でグレて、髪伸ばして煙草くわえてる姿が一番自然に見えちゃマズイでしょう。  しかし、最後まで気持ち良く観れる映画でした。 終盤のスマイルとチャイナの台詞、 「ペコなら楽しめる」 「~そんな相手と戦えるのは幸せだ」 …が、胸にズシンと来ました。
[DVD(邦画)] 7点(2017-09-17 23:05:59)(良:1票)
6.  海がきこえる<TVM> 《ネタバレ》 
二度目の投稿です。通して再見。絵柄は爽やかでのちのジブリよりも好きですが、そこだけ。あとはハッキリと駄作。何を見せたいのか、最後まで中途半端。何もかも「多感な頃の曖昧さ」に逃げているように見えます。主人公の心理は、親友、ヒロイン、どちらに対するものも全く共感出来ず。ワガママなヒロインより、よっぽど何を考えているのか解らない、受け身一辺倒な主人公に嫌悪感を覚え、最後のモノローグで「ああ、やっぱり好きだったんだ」と自己完結されてエンディング…。バブル末期のトレンディドラマ並みの人間観に辟易し、疲れました。これに比べれば、近年の日本の青春映画って結構頑張ってるんだな、とさえ思いました。
[DVD(邦画)] 3点(2017-09-17 23:03:01)
7.  第9地区 《ネタバレ》 
何かやたら不安を掻きたてられる怖い映画。 確かに悪趣味でグロい場面も多いが意外にあっさり撮られており、それらが怖いワケではない。 エビ型エイリアン達の造形とか、彼等がスラムに暮らしているとか、地球人との関係etc…設定だけなら突っ込みどころ満載。突拍子もないトンデモB級設定ではあるが、しかし現実にこんな状況に陥ったら、人間は実際こんなふうに振る舞うだろう。醜く、弱く、なし崩し的な対応しか出来ないだろう。山積みの悲惨な問題は全て放置され、主人公は企業利益の為に容赦なく道具として使われ、壊されていく。 SF映画の皮を被ってはいるが、汚い人間の有り様を、ただ当たり前に無造作に映し出している。この悪ノリっぷり、昔の低予算ホラー映画と似たテイスト。低予算を逆手に取った際どいブラックジョーク、メッセージ性、さすがピーター・ジャクソン製作。
[DVD(字幕)] 4点(2014-09-09 12:08:17)
8.  ワールド・ウォー Z 《ネタバレ》 
初見は映画館で、後日DVDで観直しての投稿です。 まさにジェットコースタームービーといった内容で、劇場で観てこそ本当に楽しめる作品でしょう。 といいながらもDVDで再見して改めて感心する点も多々ありました。 まずはアクション映画として基本がしっかりした映像。 構図やカメラワークがよく考えられており、大スクリーンや3D環境でなくともスケール感が伝わってきます。 スピード感の表現も、「とにかくカメラを動かして誤魔化し、観客は置いてきぼり」といった失敗がなく、 猛スピードで迫るゾンビの怖さを、主人公側の視点から存分に味わえます。 もうひとつ評価したいのは、伝統的なゾンビ映画のお約束とも言えるスプラッタ描写がほとんどなく、なおかつ怖さや緊張感はしっかり出ているところ。 映像のグロさを見せつけずに怖さ、緊張感があるのは、演出力の高さゆえだと思います。 そして、全編猛スピードで走るゾンビから如何に早く逃げるか、そんなスピード競争だけで終わらないのも面白い。 クライマックス、自ら体内にウィルスを取り込んだ主人公がゾンビと間近で対面するシーンは、スピード競争よりも緊張感がありました。  全体的に、パニックアクションとして良く出来た映画だと思います。 反面、日本公開時の宣伝で強く押し出されていた「家族を守る為に云々」というドラマを期待すると肩透かしを食らうかも知れません。 純粋にジェットコースターのスリルを楽しみたい方にはオススメします。
[映画館(字幕)] 6点(2014-08-03 16:02:58)
9.  Avalon アヴァロン 《ネタバレ》 
冒頭数分、特異な映像による戦闘シーンには引き込まれた。絵画的な撮影も、ポーランドの建築物のフォルムと相まって美しい。これは傑作か?と身を乗り出したが……残念ながらどんどん失速し、結局は監督の他の実写作品同様、悪い意味で学生の実験映画レベル(いや、それ以下)の、思わせぶりなだけで中身のない、自己満足映画であった。脚本は撮影時に改変されているのだろうが、それにしても核になるものがなく、酷すぎる。 相棒が残飯のような飯(まさに餌)を汚らしく食べながら喋るシーンが異様に長く嫌悪感を感じ、反面、ヒロインが飼い犬に嬉々として豪華な料理を作ってやるシーンの無駄な華やかさ。この異常なバランス感覚で、ドラマの緊張感も先の展開への興味も何も、全て消えてしまった。この監督の他作品を観る限り、犬に対する偏愛が特徴なのだろうが、少なくともこの映画の中で何の必然性も感じられない。 ラストも、少女の意味深で思わせぶりな笑い顔のアップで終わり。結局全てが思わせぶり。中身がない。 映像、役者、CG技術など映像は良いだけに、勿体ない。 このくらいの予算があれば、才能ある学生に撮るチャンスを回したほうが、面白く野心的なインディペンデント映画が出来るのではないか。
[DVD(字幕)] 2点(2013-11-25 23:56:20)(良:1票)
10.  レオン/完全版 《ネタバレ》 
エンターテインメントな劇映画としてはリュック・ベッソンの唯一にして最高の傑作。 あまりにも奇妙な殺し屋レオン(ジャン・レノ)と、天涯孤独の少女マチルダ(ナタリー・ポートマン)、 このふたりの間に生まれる濃密な愛情だけにフォーカスを定め、余計な要素を極力排除した構成と演出が見事に成功しています。 レオンもマチルダも、社会との関わりはギリギリ最小限しか描かれず、人間としてのバックボーンは希薄。なのに(だからこそか)切羽詰まったアウトサイダー同士の不思議な交流に、ものすごい真実味と説得力を感じます。  それにしても、この映画のN・ポートマンのフォトジェニックな存在感は凄まじい。この映画に撮られる為に存在したのかと感じる程。 この瞬間のN・ポートマンでなければ、マチルダはただ大人びた妖しい少女、というキャラクターで終わっていたでしょう。  ひとつ残念なのは、レオンの前でマチルダが歌いながら次々に物真似を披露するシーン。 ストーリーの流れの中では微笑ましいシーンではありますが、ここだけ悪い意味で演出が漫画的で、ふたりのやり取りを微笑ましいと思う前に、なんだかサービスシーンみたい。 完全版で観ると尚更、ここの脳天気なノリがひどく浮いて見え、醒めてしまうのが残念です。
[DVD(字幕)] 7点(2013-11-08 05:37:22)
11.  ブラック・レイン 《ネタバレ》 
リドリー・スコットが高倉健、松田優作らを起用し、大阪を舞台に撮る、とのニュースにときめいたものです。 封切り当時に映画館で観ました。もう25年も前なんですね。 以下は、Blu-rayで再見しての評価です。 話はベタベタの、暑苦しい80年代アウトロー刑事アクション。 日本の描写も(これでも当時としては頑張ったらしいが)いい加減な誇張が多過ぎ、特に警察内部の描写など観ていて嫌悪感、屈辱すら感じるほど酷い。 自分の映像美学にしか興味がないリドリー・スコットに、他文化の描写を期待するのがそもそも無理だったのでしょう。 作品自体の評価は、2点がいいところ。  しかし、この映画は何といっても「松田優作」です。 冒頭の登場シーン(立ち姿、動作一つ一つまで、とにかく美しい!)を始め、特別な、異様な存在感は全く色褪せていません。 「彼の遺作になった」というバイアスを取り払って観ても、この鬼気迫る演技は、他のどんな傑作映画でも観られない特別なものです。 この一点だけでも、記憶されるべき作品でしょう。  それにしても日本側の主役と言える高倉健は、さすが健さんらしい味を出しているものの、役回りが悪く、 華がないマイケル・ダグラスの引き立て役に徹しているのが残念です。  松田優作の特別さに+3点。あの渾身の演技を観ると、これで作品が迷わず10点を付けられる出来だったら…と悔やまれます。
[ブルーレイ(字幕)] 5点(2013-10-14 07:38:34)
12.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 
観終えて、複雑な気分である。2人の男のシンプルな友情物語として面白かった。不器用な誠意を持つ者が苦境に立たされ、権力抜きの友情に支えられ、励まされ、ついにトラウマを克服、国民に勇気を与え、喝采を浴びる…。気持ちの良い、エンターティンメント映画の素晴らしさ。(おかしな話だが途中で何度か「ロッキー」を思い出した)整ったプロットに、真っ当な演出と演技。まったく手堅いとしか言いようがない。 しかし、どうしても気になる点がある。ドイツとの戦争に雪崩れ込むクライマックスで、 演説の名手・ヒトラーの映像を挿入したのは、本作の主題を考えれば軽率だったと思う。 国民は、指導者の力強い言葉を待っている。 強烈なパフォーマンスを交えた演説で民衆を酔わせたヒトラーと、苦手なスピーチで国民を励まさなければならない主人公は、否応なく対比されてしまう。 ラストで見事なスピーチを終えた達成感は、「指導者の力強い演説に鼓舞され、励まされる民衆」という図式にすり替わってしまった。それならば、スピーチを終え堂々と手を振る国王の姿は、国民にとってヒトラーと何が違うんだろうか? そんな疑問を置き去りのまま、親友であるローグの穏やかな微笑みで映画は幕を閉じる。 最後まで潔く、2人の友情の物語として完結させて欲しかった。
[DVD(字幕)] 4点(2013-02-10 18:01:59)
13.  プロメテウス 《ネタバレ》 
今では何の疑いもなく巨匠扱いされるようになったリドリー・スコット監督だが、実は初期の傑作から最新作に至るまで「映像には徹底的に凝るが、物語描写は残念な人」であったことを思い出した。特に、思わせぶりで観念的なテーマを扱うと悪い癖が出る。自由な発想のSF作品では観念的な暴走に歯止めが効かない。 プロメテウス船内をはじめ、ケレン味たっぷりながらシャープで格式ある映像美はさすが。そしてブツ切りで唐突な展開もさすがリドリー・スコット。 白い巨人が液体を飲んで滝に身を投げるファーストシーンから、不死身ヒロインがアンドロイドと一緒に巨人の母星へ殴り込みに行く(?)ラストまで、全て何かおかしい。どう見ても危険な状況なのに、何度も進んで無防備に近付いていく登場人物全てがおかしい。未知の物質に感染し火炎放射器で焼かれた科学者が蘇って暴れるあたりは完全にゾンビ映画だ。地球に向かう(と何故か確信した)巨人の船を止めるべく特攻をかけるプロメテウスの船長も謎だし、何故か真っ直ぐにしか走らず潰されるシャーリーズ・セロンも謎のまま。 根本的に脚本に難がある失敗作であるのは間違いないが、だからといって駄作と簡単に切り捨てるにはしのびない奇妙な愛着も感じる。これは製作まで兼ねて作品をコントロール出来る立場にいるリドリー・スコット監督の趣味の世界であり、良くも悪くも作家としてのピュアな個性が出た結果ではないだろうか。 少なくとも、完全版なり全長版が出るなら私は観たいと思う。愛すべき超失敗作だった。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2013-01-28 09:34:21)(良:4票)
14.  バタフライ・エフェクト/劇場公開版 《ネタバレ》 
残念ながら合わなかったという事なのか。映画全体のテーマは好みだし堅苦しい事を言う気もないが、観ていて不快感ばかり感じた。本筋にさほど関係あるとも思えない悪趣味な描写の多さ。トラウマや児童虐待、歪んだ子供同士の暴力を何度もフラッシュバックでショッキングに使う手口に辟易。児童ポルノ撮影や脅しつけるような場面をこう何度も見せられるとは。もはやラブストーリーと言うより、最後だけ甘くまとめたサイコパス映画という印象。子供、動物、赤ん坊と母親・・、痛めつけ、傷付けるシーンのオンパレード。しかも、罪悪感の重さが感じられず、妙に軽い。役者陣の声が皆甲高く、ヒステリックに響いたのも痛かった。 切ない筈のラストシーンも全く響かず。オアシスのあの有名な曲でエンディングってのも卑怯じゃないか。
[DVD(字幕)] 1点(2013-01-28 09:27:40)
15.  クラッシュ(2004) 《ネタバレ》 
賞を取っていた事を知らず、先入観なしで観れたのがラッキーだったのか、純粋に面白かった。 微妙な問題を抱えて苛立つ人間たちを、劇的に交錯させるでもなく淡々と映し出す構成ながら 常に一定の緊張感があり、一気に観れる。 人種差別・偏見による葛藤を描いているが、大事件を通して描くわけではなく、 葛藤は解消されぬまま残り続け、誰もが苦い思いに耐えながら日々は続く。 積もっていく苛立ちは、アメリカ社会に限らず誰もが抱えている感覚だと思う。 鍵屋が、銃声に怯える幼い娘に妖精の服を着せる場面は泣けた。銃弾も防ぐ、妖精のマント。 抑えた音楽と、カメラも美しい。役者も良い。  ラストで延々と歌が流れるのだけは安っぽくて興醒め。
[DVD(字幕)] 8点(2013-01-28 09:24:50)
16.  ビッグ・フィッシュ 《ネタバレ》 
何といっても、あのラスト間際の展開の素晴らしさに尽きます。 ホラ話ばかりする父を尊敬出来なかった息子が、最後の最後に、父のため思い付きでホラ話を語り出す。 ちょっと反則?と思いながら素直に泣けました。 (蛇足ですが、ポール・オースター原作の映画『スモーク』で感じたテーマ、 「事実かどうかより、幸せなほう、ハッピーなほうがいい」と重なって見えました) 映像も美しく、特に回想の場面では、夢のような町の情景と、 奥さんとの出会いのシーンが印象に残りました(女性の美しい撮り方も含む)。 父の話を元にした回想がやたら長く、中盤ダレたのが残念。 あのラストは、イジワルな見方をすればティム・バートン監督の夢見がちな空想癖、現実逃避傾向を 自分で肯定する為の理屈と思えない事もないですが(医者がそのまま台詞で語ってるし)・・・。 しかし、何よりも観終わって爽やかな余韻に浸れて良かったです。 大事なのは想像する歓び、なにより「皆で」楽しむ事。 誰にでも勧めたくなる良作でした。
[DVD(字幕)] 6点(2013-01-28 09:23:21)(良:1票)
17.  セント・オブ・ウーマン/夢の香り 《ネタバレ》 
「選択を誤って生きてきた」失意の退役軍人を演じるアル・パチーノが素晴らしい。悪態をついて他人を不快にさせたあとの、虚ろな眼が印象的。 世代も立場も越えた人間同士の、ダイナミックな心の通い合い。アル・パチーノとクリス・オドネルが、互いに影響されながら変化していく様を丁寧に、生真面目に描いている。 マーティン・ブレスト監督は、デ・ニーロ主演の「ミッドナイト・ラン」同様、微妙な関係にある男同士の友情を活写する演出が本当に上手い。 再見すると長さも感じるが、これがブレスト監督の生真面目さでもあり、人間を丁寧に描く演出姿勢と、アル・パチーノ、クリス・オドネルの演技がうまくマッチした傑作だと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2013-01-28 09:19:35)
18.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 《ネタバレ》 
巧妙なプロットと緊張感ある潜入シーンなど、第1作目にあったスパイ映画の醍醐味は「2」で完全に失われて、以降は派手で大味なアクション映画と化したシリーズの4作目。「トム・クルーズのアクションありき」で繋ぎ合わせた大雑把な展開に、コミカルな描写も裏目に出て、全体的に緊張感がないのが残念。どうせ理屈抜きなのだから、もっと短かくテンポ良く魅せて欲しかったですね。クセがなく物足りない敵役の中、サイレンサーを使う女暗殺者だけは冒頭から異様な存在感があり、クライマックスで対決か?と期待したのに中盤であっさり窓から落とされてオシマイとは・・・。まあ、個々のアクションシーンはケレン味たっぷりに良く出来ていて、予想以上に楽しめました。あ、もう一点残念だったのは、スマホやタブレットなどリアルな携帯端末の存在感が強く、せっかくの新型スパイグッズが印象に残りませんでした。
[DVD(字幕)] 5点(2012-10-20 12:57:17)
19.  ドラゴン・タトゥーの女 《ネタバレ》 
デヴィッド・フィンチャー監督のファンで、設定も面白そうで楽しみにしていた本作、残念ながら正真正銘の駄作だった。無駄な描写を端折って映像美と勢いで押し切るのはいいが、全てが大雑把すぎて謎解きのスリルもカタルシスも何もなし。ラストも、リスベットの超人っぷりに頼って全て解決してしまうとは思わなかった。「彼女が本気を出せば何にでもアクセス出来る、解けない謎はない、だから途中経過を見せなくても解るだろ?」万事、こんな調子。ルーニー・マーラ演じるリスベットが魅力的なだけに本当にもったいない。リスベットのキャラクター造形にはフィンチャー監督独特のセンスが感じられるが、それでも続編は別の監督に撮って欲しい。
[ブルーレイ(字幕)] 3点(2012-08-03 02:33:22)
20.  ソーシャル・ネットワーク
現実に勢力を拡大し続けるSNSの裏話を虚実交えて描いた映画。進行形の実話を基にした映画だけに劇的な描写もなく、徹頭徹尾、客観的な視点で進行し、登場人物を応援したり手に汗握ったりというドラマの醍醐味は、全くと言っていいほど無い。しかし、圧倒的なテンポの良さ(時系列の違う場面がビシビシと入れ替わるスタイルが効果的)で、あれよあれよの間に観終えてしまった。暴走しエスカレートしていく出来事をハイスピードで見せていくデヴィッドフィンチャー監督ならではの手腕に脱帽。トレント・レズナーの、哀しく、ミニマムな音楽も驚くほどハマっている。 ただ正直、テクニックの鮮やかさに酔う以外、一度観たら充分な内容。 ここ数年(「ゾディアック」もそうだが)実話を基にした半ドキュメンタリー形式の作品が多いフィンチャー監督だが、この路線は本作でもう充分ではないか。 確かな演出力が健在なうちに、心を揺さ振るドラマ作品を撮ってほしい。
[DVD(字幕)] 5点(2012-07-07 13:11:01)(良:2票)
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