1. E.T.
《ネタバレ》 小学生の頃、父と2人で観に行きました。必死に大人ぶっていた私も、まんまとあの世界に入り込み、もぅドキドキわくわく。最後は止めようと必死になればなる程しゃくりあげて泣いてしまい、映画館から出た後も止まらず。父に笑われたのを覚えてます。しばらくの間は買ってもらった下敷き(?)を眺め、一人でETのことばかり考えてましたね。あの時のような「うわ~」という単純で弾むような感覚はいい歳した今も健在で(子供っぽい)、思えばこの映画が原点な気がします。「イーティ...とーもーだーち」今観てもやっぱりイイものはイイ。私は会いたい、E.Tに。斜に構えがちなひねた大人になった今でも、余計なこと考えずに真っ直ぐ観れる、実に貴重な作品だと思います。 文句ナシ。傑作。 [映画館(字幕)] 10点(2006-01-15 13:08:06)(良:1票) |
2. 時計じかけのオレンジ
初見は遥か昔、高校生の頃。まずはあの映像と音楽に完全に(!)やられ、次に製作年を知り、どういうこと?!と再び大興奮。今観ても時代の感覚がオカシくなるような感じですね。本当に1971年なの??とにかく何度観ても飽きません。しかし オソロシイ映画です。ラストもゾっとします。人間の奥底にあるモノを、そこから派生する狂気を、そのあやうさを、ここまで鮮やかに、何の媚もなく真っ直ぐ描くとは。それもこんなクールに!(←何だこの陳腐なコトバ・・・歳がバレる)怪物ですよ、キューブリックは。 [ビデオ(字幕)] 10点(2005-11-27 16:33:50) |
3. インドシナ
基本的に長い映画は嫌いです。昨今良くある‘無駄に’長い映画にはゲンナリ。しかしこの作品、全く長さを感じません。この世界を描くには、また受け手側にも、この時間が必要ですね。一言で言えば「正統派大河ロマン」でしょうか(なんだかこう書くと実に安っぽい響きですね・・・)。若くはないカトリーヌ・ドヌーブの美しいこと美しいこと。女性の場合特に素敵に歳を重ねるのは難しいですが、いやあ大人のオンナの真髄を魅せてくれます、存分に!そしてそのカトリーヌを上回るインドシナの美しさ!溜め息ものです。時代に翻弄されつつ、己の意思で歩いていく女の後ろ姿は美しい。‘萌え~♪’となっちゃってる男性諸君にゃあ分からんだろうな。 [ビデオ(字幕)] 10点(2005-11-21 15:28:24)(良:1票) |
4. グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版
映画好きになるきっかけとなった作品。初見はかなり昔、10代後半だったかな?当時は完全版でなく「グレート・ブルー」でしたが。何度も何度もレンタルし、場面によってはセリフを耳で記憶するほど。その後、大ヒットした完全版が公開となり当然期待を胸に愛する人と観にいきましたが、違和感があり拍子抜け(当然フランス語ですし!)・・・色々詰め込みすぎて焦点が定まらない感じがしました。私はやはり短いヴァージョンが好きです。エンゾのかっこよさ。島特有の開放感。映像の美しさ。そして、なんてことない日々の光景がこんなにもキラキラしているなんて。私はこの映画を観るまで知らなかった!海の幸スパゲティの美味しそうなこと!!心に残るシーンがこんなに沢山ある映画は珍しいです。私にとっては文句無しの満点。 [映画館(字幕)] 10点(2005-11-07 16:45:52) |
5. IP5/愛を探す旅人たち
大好きな映画。もう何度観たことやら・・・ベネックス作品の中でもこれが1番好きです。老人、青年、少年、一見何の共通点もない3人の交流がそれぞれの愛を切なく映し出します。形はどうあれ、誰しもそれぞれ自分が求める愛を探して彷徨っているのかもしれません。心の奥がしん、とするような大人のファンタジー。幻想的な森の映像だけでも一見の価値あり。ラストも胸に残ります。 [ビデオ(字幕)] 10点(2005-11-03 14:54:32) |
6. バグダッド・カフェ
さりげなく、包み込むような優しい映画です。独特の映像も印象的。砂漠の乾いた黄色い空気、響く「コーリング・ユー」、小さなエピソードのひとつひとつが心に染みます。あまりに浸りすぎてしまう為、鑑賞後は現実との折り合いをつけるのが大変。疲れてしまった時、時間を見つけてゆっくり観ます。オアシスのような映画。名作。 [ビデオ(字幕)] 10点(2005-10-28 14:27:32) |
7. ピアニスト
《ネタバレ》 ・・・・痛い。説明はできないが、最後のエリカの顔が全てを語っているのでは。人は様々な局面で自分の人生を選び取るけど、それとは別にあがなえない宿命もある。母親との泥にまみれるような確執がある女性、または母性の裏の顔・その底知れぬ闇・全てを飲み込む恐怖というのを肌身で感じて生きてきた女性にはかなり痛い作品だと思う。キツイ。キツすぎます。もう見たくない。 [DVD(字幕)] 9点(2006-01-16 18:49:29)(良:1票) |
8. パルプ・フィクション
うわ?もう10年以上も経つのか・・当時劇場で観てぶっとんだっけ。年も明けたし景気づけに再見。ホント今更だけどイイですねえ。何といってもアホみたいな会話。字幕ナシでまんま見られる方が羨ましい。あ~、ダサカッコいいこのセンス!音楽もハマってます。そしてユマ・サーマンの作りモノのような美しさ!手も足も長いこと長いこと。同じホモ・サピエンスとは思えません。色んなトコをくすぐられる映画です。オモロイ! [映画館(字幕)] 9点(2006-01-06 11:11:41) |
9. 砂の器
こんなにスゴイ作品だとは知りませんでした。こうして書いていても、胸がふつふつと震えてきます。ある意味あの原作すら超えてしまってるのではないでしょうか。色々な意味での人間の業というのを、嫌というほど感じる作品。己の背負った業からは、決して逃げることはできない。 その残酷さを描きながらも、冷えた空間に火をふっとともした時のような暖かさも感じさせてくれる・・・名作です。加藤嘉の名演に、涙がとまらない。巷に溢れるお涙頂戴モノに辟易している方、是非ご覧下さい。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-19 11:52:28) |
10. ディーバ
↓【longsleeper21】さん、なんとうらやましい。これをタイムリーに(もしくは同時代に)観れるっていうのは、いいなあ・・10年近く経ってからビデオで観たのとではまた随分違うんだろーな、と羨ましく思います。雰囲気、映像だけについ目が向けられがちですが、単純に面白い!というのもこの作品の魅力です。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-12-02 12:41:32) |
11. ベティ・ブルー/愛と激情の日々
《ネタバレ》 痛いです。心が痛い。自分の愛により自ら心を壊してしまう。実際、身体の病気にもあるんです。自ら自分の身体を攻撃してしまう病が・・・。極端な描き方ではありますが、心に迫ります。映像も音楽も素晴らしい。ただ、個人的にはうちのダンナには見せたくない映画です。特に男性に関しては、かなり観る人を選ぶ作品かと思います。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-11 17:23:08) |
12. セックスと嘘とビデオテープ
多かれ少なかれ、大人は皆どこか病んでいるもの(まあこの映画はちと極端ですが)。健全な青少年の方、どうかお許し下さい。でも、だからこそのラストシーン、たまらなく好きです。このラストを味わいたいがためについ何度も観てしまいます。ジェームズ・スペイダーがまさにハマリ役!この人、いったいカッコいいんだか冴えないんだか・・・不思議な俳優です。あの三白眼、好きだなぁ。 [ビデオ(字幕)] 9点(2005-11-03 15:49:08) |
13. シュリ
なにげなく一人ふらりと入った劇場で鑑賞。エンドロール後、席を立てなくなりました。少々無理のある設定、STORYにはこの際フタをしちゃいます。とにかくただただ、誰がなんと言おうとぐわーっと感情を揺さぶられたわけです!映画館を出た後友人と会い「何してたの?」と聞かれたものの、「映画を・・」の先が全く言葉にならず。ワナワナ震える唇、こみ上げる涙。とてもいい歳した大人とは思えぬありさまでした。何か心に秘密を抱えた女性の苦しみ・・・というのにめっぽう弱い私。キム・ユンジンが可愛かった!数日後トレンチコートを買いに走ったのですが、試着室の鏡に映る自分の姿にうなだれて帰りました。 [映画館(字幕)] 9点(2005-10-31 18:17:59) |
14. 殺しのナイフ/ジャック・ザ・リッパー
今や誰も信じないと思いますが(笑)ジェームズ・スペイダーってかつてこーんなにカッコ良かったんです!!という、全く個人的なお宝映画。彼はどこで道を誤ったのか(涙)。ストーリーは大したことなく、チープな2時間サスペンスドラマといった風情。でもこれが意外に悪くなく、地味に楽しめます。シンシア・ギブの「爽やかセクシー」も良いです。女性はこーでないと。期待せず観ると思いがけず楽しい映画かも知れません(贔屓目です、ハイ)。特に三白眼ズキにはたまりませんよ~。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-12-05 11:40:19) |
15. トニー滝谷
村上春樹の原作の持つ空気が、うまく出ていると思います。絵画のような映像は、映画というより絵本や紙芝居を見るような感じ。でも宮沢りえがいなければ、厳しかったかも知れない・・と思うほど宮沢りえがハマリ役です。すごくいい。春樹が小説で描く世界というのは、実は根底の部分ではすごくエグイのですが、この映画は表層だけを、その空気だけをうまく切り取って見せてくれてます。映画としてうまく昇華したのではないでしょうか。音楽もあいまって、なんてことないシーンで何度も涙がぽろぽろ・・・ひとりで見て良かったです。エンドロールの辺りからもジワジワ、かなり後までひっぱってしまいました。良作。 [DVD(字幕)] 8点(2006-01-29 17:56:46) |
16. 博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか
あ~ひとりでニヤニヤしてしまった。レディの皆さんはどうぞお気を付け下さい。恋する男性には、無防備にニヤついた顔を見られてはなりません!人間のお馬鹿っぷりを皮肉たっぷりお腹いっぱい見せてくれます。しかしここで描かれてる本質的なトコは、今現在も当時となーんら変わってないのでしょうね・・・こわっ。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-07 17:53:29) |
17. 忘れられない人
《ネタバレ》 ええ。ありがちなベタな話です・・でも、もう何と非難されようが心はわしづかみ。スレーターがブランコで2時間も佇んでたり、マリサ・トメイの胸にふと手を伸ばしたり、しがみついちゃったり。あぁもうこれ以上やめて下さいな~(泣)という感じ。つまりあのスレーター演じるアダムというキャラがツボなのだ。私の隠れたド・ストライクです。マリサ・トメイのキャラもいい。陽気で優しくて色気があって、ちょっと見おバカなのに実はちゃーんと物事を見る目を持った女の子。結末は悲しいけれど、それだけじゃない。死は終わりではないと優しく感じさせてくれる良い作品です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-07 17:50:10) |
18. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
音楽ズキにはたまらないでしょう。余計なこと考えず、あんなイカした人生の大先輩方の顔を見ながら音楽に浸れる・・・なんて幸せなのだ。何を語らずとも音楽を愛する彼らの顔!そして上質の音楽!これでいいのだー。で、映画としてはどうなのか?という気もしますが、感じ入るものは山ほどあるよ。愛もたくさん。 [映画館(字幕)] 8点(2006-01-06 11:19:00) |
19. パリ、テキサス
《ネタバレ》 だめ人間トラヴィスの、実に身勝手でやりたい放題なお話。冒頭のあのトラヴィスの姿からして、既にだめ人間の香りがぷんぷん漂っております。弟夫婦のしごく真っ当な人柄の良さが好対照。私自身がだめ人間なので、頭にくるほど不器用なトラヴィスの悲哀みたいなモノに心が揺れてしまいました。この映画で一番オトナなのはもちろん8歳のハンターであることは言うまでもありません。不思議な余韻の残る作品です。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-19 22:06:18) |
20. ミシシッピー・バーニング
閉鎖的な土地では、やはりどこか異端を排除するような傾向が出やすいんですよね(もちろん断言はしません)。誰しもが心の奥に持つ暗い部分なのかも知れませんが、その究極の形がこうした人種差別なんだろうなと。現在、閉鎖的な地に住む私としては、日常の中にその小さな欠片を感じ、ヒヤリとすることがしばしば。まあ映画なので事実と違う部分はあるのでしょうが、シグナルを鳴らす意味では、成功しているのではないでしょうか。実際怖かったですよ、とても。途中で止めたくなるほど、恐怖を感じました。集団の悪意というのは何やらものスゴイ勢いがあって恐ろしい。物語としても面白かった。最後まで観てよかったです。 [ビデオ(字幕)] 8点(2005-12-03 11:27:54) |