1.この映画を見ると、現代のサラリーマンの苦悩がよくわかる。ダスティンホフマン演じる昔はやり手だった年老いた営業マンが、なかなか業績が上がらず、自分が入社した時にはまだ子供だった社長から首を言い渡され、将来を期待していた息子はいまだに職についていない。主人公は若い頃から、ひとかどの人物になろうとするが、その権力欲のあまり、妻をメイドのように扱い、その事に反感を持った息子からは馬鹿にされ、挙句の果てには、息子は主人公の浮気現場を目撃した事により、大人になる事を拒否してしまう。家族がバラバラになり、主人公が最後に自分の存在を示そうとしたのは自殺による保険金をもらう事であった。時代設定は古いがこのような形でしか自分を表すことができない大人は現代の社会にも多い。つくづく考えさせる映画である。