1.クリムトを知らない人間がこの映画を観たとしても、依然として知らないままでしょう。基本的には「死期の近づいた実在の画家・クリムトが垣間見る自らの人生の回想」という内容ながら、これは多分ほとんどがラウル・ルイスの創作。しかも晩年が主体になってる上に、断片的に提示される妄想風エピソードにも辻褄は無く、非常に漫然とした仕上がりです。しかも室内シーンばかりなので、宣伝にある「クリムトと旅する19世紀末ウィーン文化」も大して味わえません(ヴィスコンティくらい美術にこだわってれば、室内シーンばかりでも退屈はしませんが…)。とにかくクリムトを題材にした必然性が全く解らず、おまけに、もう少しで睡魔に屈しそうになりました。こんなことなら「デスノート後編」を観に行けば良かった…(悔)、2点献上。