5.必要最小限、もしくはそれ以下のセリフしか発しないので、1つでも聞き逃したらわけがわからなくなるという妙な緊張感が持続します。ストーリーとしては単純で、なおかつまったりと進行した挙げ句にあっさり終わるので、エンドロールが出ると徒労感に包まれます。誰も笑わないし、主要人物に女性はいないし、全員の表情も気温もクール。なんとも異文化な世界を見せてもらいました。
異文化といえば、冒頭に意味ありげに登場するブッダの言葉も、本編の描く世界とあまり合っていない気が。ついでに言うと、「仁義」とはそもそも仏教ではなく儒教の言葉のはず…。まるで「違和感の宝石箱」のような作品です。
それにしても、アラン・ドロンは毎度毎度危ない犯罪者役ばかり。しかも、ハッピーエンドだったことがほとんどないような気が。それが役者としての矜持だったのでしょうか。