10.まあ要するにモンド映画でしょ、コレは。だってこの日本の紹介の仕方、『世界女族物語』とか思い出させるじゃないですか(え?別に思い出さないって?・・・あ、そう)。小津作品で描かれた「東京」を求めてカメラ携え彷徨うヴェンダース。ここに記録された83年当時の東京、それは、90年代前半東京に住んでいた私が知る東京とは異なるもの。そして昨年久しぶりに訪れた東京はさらに異なったものでした(勿論変わらない部分も多々あるのですが)。従って小津作品の東京がそのまま残っているハズも無く。小津作品自体が「時代の流れ」をテーマの一つとして内在しているのだから(工場の映像が唐突に挟まったりしますね)、ヴェンダースもそんな事は百も承知なんでしょう。それでも諦め切れないように彷徨った挙げ句、変なトコばかりカメラを向けちゃう。ハハハ結構面白い。で、偶然(?)出会ったヘルツォークと映画談義。撮りたいイメージの為ならどこだって行ってやる、と息まくヘルツォーク。くわばらくわばら!彼が言うと実感こもってて怖いね、この人しまいに主演俳優殺しちゃうよ、ホント(撮りたいイメージは探してでも撮る、これぞまさにモンドの精神! しかしコレって実は当然の事では?それこそ怪獣を撮りたい人なんて、探したって撮れやしないもんで、キグルミなりCGなり使ってテマヒマかけて映像作り上げてるよね)。とは言え、この映画に出てくるインタビューの数々を聞いていると、何やら胸が熱くなってくるのでした。また、この映画、一人の映画作家が自分の「観察眼」を公然とさらけ出している、という点でも興味深い映画です。しかし音楽がショボいのだけ、何とかならんかったのか・・・。 【鱗歌】さん 7点(2004-02-07 00:06:10) (良:1票) |
9.小津映画にとって絶対に欠かすことの出来ない俳優である笠智衆が小津映画の思いを語るシーンは何とも興味深くて感動的であるが故にそれ以外の場面で何となくふっきれないもどかしさ、空しさ、哀しさとでも言うべきか?小津監督のドキュメンタリー、あの名作「東京物語」が語られるものの、何だか小津映画的な静かさ、その中にこそ感じられるしみじみした味わい深さがここでは感じられない。タイトルこそ「東京画」なのに東京の街の雰囲気が伝わってこない。東京に住んでいる人でない私のような人間にも「東京画」というものの素晴らしいものを見せて欲しいし、解るように撮って欲しくもある。そんな不満を感じつつも小津監督と小津映画に対するヴィム・ヴェンダース監督の尊敬、思いは伝わってた。その意味では評価しても良い作品ではあるし、色んな意味で興味深く観ることが出来ただけに違和感の残る作品でもあり、そう考えての点数てことで大目に見ての6点て7点より高い点数は付けられない。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2010-11-06 15:58:49) |
8.ヴェンダースさんは本当に小津さんが好きなんだなぁ。役者の方と撮影の方のインタビューとしての価値があるし、ヴェンダースさんの考えや思想なんかも伺いしれて興味深いですね。だいぶ長くロウの食品模型をうつしてたけど、やっぱりすごく珍しいんでしょうねぇ。あれって日本独自のものですから、、、。 【あろえりーな】さん 6点(2004-07-18 02:55:33) |
7.食材レプリカ工房の見学シーンは、NHKドキュメントを見ている錯覚に陥いる。 【はざま職人】さん 5点(2004-06-14 22:30:47) |
6.関係者へのインタビューは興味深かったけど、東京の風俗を延々と映されても日本人としては「はぁ」ってな感じ。確かに懐かしいが。ヴェンダースとしてはなんとかして小津の世界とのつながりを見出したかったのだろうけど、成功してるとは思えない。欧米の人が見たら何か感じるのだろうか。 【ロイ・ニアリー】さん 5点(2004-02-28 02:46:35) |
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5.あまり点数をつけても意味がないような感じがします。この作品は。小津、ヴェンダース、わたし、わたしのコメントを読むあなた、、、、と無限(ってことはないかもしれないけど)後退していきます。その最初のずれが残した記憶をちょこっと上手にメモ書きしたもの。それがこの作品だと思います。ヴェンダース監督のその後の仕事に役立っていれば、それでよしとしたいです。はい。 【バッテリ】さん 6点(2004-02-12 19:24:06) |
4.とてもよかった。83年の東京が見られておもしろい。踊る若者?とかが逆に新鮮な感じ。ロクなもんじゃぁないなと・・・。せっかく来てこんなの見せられたら引くよね・・・。なんか悲しくなる。「お茶漬の味」での「あんなもの(パチンコ)が流行っとる間は世の中はよくならんです」という笠智衆を思い出した。 【バカ王子】さん 8点(2004-01-18 02:34:03) |
【its】さん 6点(2004-01-07 02:08:34) |
2.小津監督の代表作と呼べる作品をあんまり観ていないのでつまんないかなーと思っていたけれど意外や意外、面白かったです。この作品、小津映画の「東京」をヴィム・ヴェンダースが探しに行く一種のロードムービーであると同時に、現代(といっても83年だけど)の東京批評でもあるのですね。ヴィム・ヴェンダースという一外国人の眼を通して見られるパチンコ屋、ゴルフの練習場、竹の子族(ヴィム・ヴェンダースが『アメリカ人になりたがる日本人』と評していたのには爆笑)といった東京の風景は奇妙に新鮮でした。あと、すごくどうでもいい話だけど、テレビをガチャガチャするシーンで「タモリ倶楽部」がチラッと映っていました。長いなあ、あの番組も。 【ぐるぐる】さん 7点(2003-12-19 16:41:22) |
1.小津監督が描いた“東京”を、ヴィム・ヴェンダース監督はどう見るのか…。当時、東京・渋谷で都会暮らしをしていた自分には、80年代の懐かしい東京(後楽園・原宿等々)を見れるだけでも嬉しい作品。小津監督が描いた古き東京の情景。…そして、現在(←当時で言えば)の東京の時代対比。彼曰く、小津作品に見られる美しい東京とは全然違う…って、東京でも浅草や下町などの古い情景を残した場所は沢山あるのだがら、そういう“裏東京”へもっと行って欲しいと思うんですけどねぇ(墓地はちょっと…)。ちなみに、今回は様々な外国の有名人と遭遇していますが、本当に偶然であんなバッタバッタと有名人と出会えるものなのでしょうか…? なかでもヴェルナー・ヘルツォーク監督が見れるとは…ビックリ。ヘルツォーク監督へのインタビュー…(でも東京タワー)、日本映画に対する考察…(やっぱり東京タワー)、ドイツ人監督同士の熱い語り…(どう見ても東京タワー)。最後には小津映画を支えたスタッフと笠智衆のインタビューを交えて、例の小津カメラの紹介や撮影秘話など貴重な映像が見れる。台本を手に取り、スタッフにインタビューするヴェンダース監督が、1人のファンと化して喜ぶ様子を見ると、彼がどれだけ小津作品に感化されたのか良く分かる。 【_】さん 6点(2003-12-18 14:57:01) |