3.中流家庭の一夫人が戦争に翻弄されながらも、力強く生きる様を描いた作品。
中流といってもすごく裕福にしか見えないのだが、「風と共に去りぬ」と似たような作りで、
ラストにテーマを持ってくる構成も同じ。主演の女優さんは瞳が大きくて、感情の表現力が豊か。
ストーリーは後半から状況設定が徐々に甘くなり、何とかお話をまとめようとした苦労が窺える。
ラストはややぼかしていて、戦争への国威高揚なのか反戦のメッセージが含まれているのか、
よくわからなかった。戦時中に制作されたこと、辛辣なシーンは見せられないという事情が、
設定の甘さやこのようなラストに繋がったのかもしれない。全体の作りは決して悪くないだけに、
ちょっと惜しい作品となってしまった。