8.何か全体的に登場人物の立ち位置というか行動目標がはっきりしなくて、中途半端なんだよなあ。善悪はっきりつけないというのは別にいいんだけど、だからこそ人格的な軸はしっかり定めておかないと、都合のよいシーンを貼り付けていっただけで漂流してしまうのです。雷蔵の殺陣場面も、繰り返される割にはパターンが決まっていて単調な気がします。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-03-04 01:06:42) |
7.安部徹と西村晃がひそひそ話し合ってれば、もう時代劇定番の情景、慈善の相談には見えない。しかもその悪い奴らは裏切りあっている世界でもある。目新しさはなくとも、時代劇の情景としてしっくりくる。西村晃の顔を見ているだけで嬉しくなれる。なのに、権力の被害者や善人が出る場面になると、こそばゆいと言うか、思わず顔を背けたくなるほど恥ずかしい。中原早苗と姿美千子(中原さんも当時はこっちの側の人間だったんですね)。ここらへんが緩いので、いくら狂四郎がニヒルぶっても、シャープさに欠けてしまう。土下座して助けを懇願する下人を見捨てたクールさも、ぬるくなってしまう。烏の群れが飛び立つ図柄の襖絵とか、にわかの面をつけたままの襲撃者とか、美術や小道具は凝ってるのに。チャンバラもぬるめで、撮影許可得るまでに面倒な申請書が必要そうな寺の回廊使っているが、そこ狭くて活劇には窮屈そう。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-10-19 09:23:24) |
6.狂四郎が唯のヒーローでは無いという所が大きく表現された良い映画だと思います。 凄いなぁと思ったのが、やっぱり雷蔵の表情の豊富さなんですよね。この映画ではひたすらアンチヒーローとしての表情を見せるのだけど、殺陣の時だけ、ちょっと違う表情を見せ続けるなぁと。この表情のメリハリがテンポのよさに良い風に映っているように見えます。 【奥州亭三景】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-11-12 12:49:02) |
5.変態性欲丸出しのセクハラ大魔王と化した狂四郎サマ、いやはや、これはもう、炎情剣と申しますか、はたまた劣情剣とでも申しますか。狂四郎サマと中村玉緒とのキワドイ場面などを目にすると、どうしても現在の玉緒オバチャンの容姿が脳裏にてオーバーラップしてしまい、観ている私の劣情も、制御不能のオーバーヒート、ああ、変態が伝染ったよ。しかし狂四郎サマには、実は清純派(なのか?)には弱いという一面もあったりするのでした。そこがまた変態。ま、それはともかく、本作、ウラにはウラがありそうで、実はあんまし盛り上がらない地味なオハナシだったような気もするのですが、登場人物たちのキャラの多彩さが印象的。西村晃の一癖も二癖もある表情と声、だんだんマモーに見えてきてしまう(笑)、こりゃ無気味。序盤に出てくるヘンテコマスクの刺客も捨てがたい。さらには、狂四郎サマの“無頼ぶり”もなかなかのもの。円月殺法を出しすぎるのが、これまた盛り上がりに欠ける点ではありますが、「どこからともなくやってきて映画が始まり、映画の中では人を斬りまくり、そして最後はデザート代わりの斬捨て御免とともに、どこへともなく去っていく」という、一種のスガスガシサが、魅力ですね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-12-28 01:13:13) (良:1票) |
4.狂四郎の何気ない台詞が妙に格好良い。殺陣も前に観た2作(1作目、4作目)に比べるとかなり見られるものになって好印象。ただ作品としてはいまひとつ。狂四郎の行動もふら付き過ぎに思える。 【MARK25】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-06-09 21:04:23) |
3.江戸の町の風俗描写的な場面から小道具の使い方の一つ一つまで、ひたすら感心してしまいました。もう何度目かの鑑賞だけど、でも、見るたびに発見がある。一般に、三隅の狂四郎って言うと、『無頼剣』の屋上での天池茂との対決の場面で語られることが多いけど、この映画の冬枯れの寺の境内でのチャンチャンバラバラも、実に美しいこと。 【いのうえ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2007-06-02 22:32:31) |
2.第5作。1作目とは真逆の妖艶な悪女を中村玉緒が演じる。玉緒ちゃんに「女を犯すことには慣れている男だと観念されるがいい お前のような女を見ると 俺のひねくれた無頼の欲情がそそられる 愛撫の最中に殺すつもりなら俺が先に殺す 明日になればお前に興味はない 明日は他人だ」とか言っちゃって完全に外道に走ってます。そんな中で第2作(同じ三隅研次監督作品 )以来の狂四郎の微笑がいい。とはいえその後すぐに表情も変えず通り過ぎざま中村玉緒を斬る狂四郎様、そこに痺れる憧れる~。 【バカ王子】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-09-30 22:35:38) |
1.シリーズ第5作。海賊を滅ぼした藤堂藩の江戸家老と、その海賊から没収したお宝を幕府に献上する仕事に携わっていた商人「鳴海屋」の悪巧みに狂四郎が巻き込まれる話し。監督は三隅研次なので映像がスタイリッシュ。狂四郎もガチガチにハードボイルドだし、虚無感垂れ流しで素敵なのよ!チャンバラシーンもいい感じに配置されていて満足です。鳴海屋を演じる西村晃のヌルっとした小悪党ぶりがまたいいんだよな~。相手役には中村玉緒が登場。色と欲の固まりみたいな女を熱演しているんだけど、終始ギンギンに目に力入れてるのがチト疲れますね。なんとなくロミー・シュナイダーを思い出したりして。ラストがまた渋いんだなぁ。ヒドイっちゃヒドイんだけど。なんせこの作品の惹句は「犯すもよし。殺すもよし。」だからねぇ、オイオイどこからもクレームつかなかったか?って感じです。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2004-08-06 16:33:46) |