6.「忠臣蔵外伝・丹下左膳ビギニング」みたいなお話で、その名前を少しもじった丹下典膳という人が主人公。高田馬場の決闘から吉良邸討ち入りまでの中山(堀部)安兵衛の姿と、そこにクロスする丹下典膳なる人物の運命が描かれ、物語運びの上手さ、巧みな演出に、さらに忘れ難きは雷蔵の美しくも悲壮な表情、これぞまさに出色の時代劇です。高田馬場の決闘をきっかけに、安兵衛と典膳とは互いに一目おく存在となり、武士道を通じた敬意による、信頼関係が生まれる。しかし同時にまた二人の運命の交錯は、それぞれにとっての波乱の始まりでもあり、道場からの破門、同じ女性への恋。そして典膳と妻に悲劇が襲いかかる……。安兵衛が見つめる川面に降り注ぐ涙雨。典膳夫妻の絆を象徴する紙人形。背景の暗転によって強烈に浮かび上がる肩口の血の深紅。決闘の場へとひた走る勝新の描写、あるいは俯瞰による殺陣の描写など、カメラの工夫にも溢れており、そして何と言っても、ラストの息も絶え絶えの(後の『大殺陣 雄呂血』でも見せたような)悲愴感溢れる雷蔵の死闘、そして表情。ああ、早く来てくれ勝新よ、と思わずにはいられないクライマックスが、もうたまりません。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-10-26 10:28:16) |
5.市川雷蔵の映画をまともに観たのは、初めて..この手の時代劇も初めてかな..まず、59年製作なのに、モノクロでないところに 驚き!(気合いが入ってる..) 物語が、意外とちゃんとしていることに、また驚き..殺陣は、時代劇黄金期そのもの..リアリティーは無いものの、時代劇らしい魅せる殺陣..リアルタイムで観た世代には、たまらなく懐かしいのでは.. しかしながら、時代を感じさせる演出、そして編集、今時の若い人が観るには、ちょっと辛いかな..私的には、映画にリアリティーを求めているので、この点数.. (ちなみに、時代劇なら、黒澤作品と、「たそがれ清兵衛」が好き) 【コナンが一番】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-10-25 19:57:03) |
4.二大スター共演作なのでちょっと期待してたけど期待はずれです…。丹下典膳の雷蔵、堀部安兵衛の勝新ともにキャラはいいが、ストーリーがつまらない。美術にしても大映でもこんなのあるのね…ってくらい差が激しい。 【バカ王子】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-10-18 22:06:15) |
3.♪んっふっふ~、黒猫おねいさま、密室で若い殿方をユーワクするなんて、いけませんことよ~(笑)。さてさて、市川雷蔵の代表作とも言われるこの作品ですが、ちょっと台詞やナレーションで説明し過ぎの気がしました(まあ入り組んだ話なので、多少はしょうがないのだけれど)。もう少し短くシャープにも出来たんじゃないでしょうか。それと【黒猫クロマティ】さんも仰られてますが真城千都世はどちらかというと悪女タイプ(別にけなしてるわけじゃないですよ、念のため)の女優さんだと思うので、も少し清純タイプの方が千春役には合ってたんじゃないかなーと思いました。とはいえ市川雷蔵は見事役にはまっていたと思います。欲を言えば、ブレイク前のカツシンの愛嬌、可愛らしさをもっと前面に出して欲しかったなー。 【ぐるぐる】さん 6点(2005-01-11 18:06:28) (良:1票) |
2.高田馬場の決闘に偶然出くわした事から狂ってゆく、丹下典膳(雷蔵)とその妻千春の運命を描いた忠臣蔵外伝。内容は(特に前半)かなりのメロドラマ調なので見ていて赤面してしまいます。老け顔の千春のカマトトぶりはヤリ過ぎ?出張中の典膳を思いながら雛人形に話しかけてるシーンなどちょっとヤバイ位です。ただ雪の中での壮絶且つ美しいラストシーンは見応えあります。ハツラツ勝新とどんより雷蔵の対比もイイッスね。【ボビー】様先に書いちゃってスミマセン。【紅蓮天国】様また二人部屋ですね、フフフ。おや、そんなに照れずとも・・誰も見てませんて。1/12追記:しまった、見つかったか。ヤボねぇ、ぐるぐるの旦那ァ~(笑) 【黒猫クロマティ】さん 6点(2004-09-01 15:28:08) |
1.二人の男と一人の女。怨みと時代に翻弄される三角関係が、運命を赤い血に染めてゆく。いつの時代も複雑に絡み合った恋のもつれ、剣豪・中山安兵衛といえどそう簡単には断ち切れぬのだ。 【紅蓮天国】さん 5点(2004-08-21 23:24:28) |