1.「緋牡丹博徒」シリーズというと、世間的には加藤泰が監督を手がけた作品の評価が高いみたいですが、いやいや個人的にはこの作品も良かったっすよ。斉藤武市という監督さんは日活アクションを撮ってた人だそうで、そのキャリアが良い影響を与えているようで、一言で言うとキモチ良い「活劇」。過剰になる事を恐れない演出はエネルギッシュでエモーショナルな躍動感があるし、脇役もきちんと描かれている所はちょっとマキノにも似てる気がする(いつもは割と三枚目っぽい長門裕之が、男気のあるかっちょいー役なんだ、コレが)。また、この手の任侠モノは「善玉・悪玉」の図式がはっきりしているので、ともすれば物語が単調になりがちなのだけれど、名脇役待田京介が、跡目を継がせてもらえない事を不満に思って悪玉側に寝返りつつも苦悩する代貸、という複雑なキャラを演じているおかげで、物語に深みが出ています。あーもっちろんの事、お竜さんはため息出ちゃう位素敵だし(長門裕之の助っ人に颯爽と登場するとこなんかサイコー!)菅原文太もかっちょいー、熊虎親分の登場で大爆笑、そして最後は殴り込みだぁ!うりゃあ、とりゃあ、ほりゃあ!と、やたら盛り上がってしまう作品なのでした。