1. 怖い。怖いッす。この映画って要は僕らが日頃「朝鮮中央通信」とかの映像で見ているパレードの集大成みたいなヤツなんです。もちろん体制に反対な人は映ってないし、淡々と北朝鮮政権の許可されたコースに乗っかって撮影し、取材しただけのものなんです。が、ポーランド製作者側が何の主観も入れずに編集していることが、却って北朝鮮の真実の一面を、つまりはかの体制が、膨大な無批判な人たちに歓迎されていることを、虚飾無く浮かべたてているので見ている方が怖くなる。行く所行く所マンセ!の声と無邪気な笑顔だけが有る。今更何では有るが、笑顔と歓声も、この国では何の自由も示さない。ただ笑顔の数だけ少数の笑えない人たちが疎外されていく愚かしさが行間に有るはずなのだ。