32.多くの人々の人生を滅茶苦茶にした赤狩り。仲間や他人を売る事を強要する腐れ外道に尻込みして物言えぬマスコミの中で真っ向勝負を挑むマロー。こういう人がいたのを初めて知り、その勇敢さにひれ伏すばかりです。デヴィッド・ストラザーンに見惚れ聞き惚れました。 硬派に過ぎた作りに物足りなさも感じたところです。 |
31.録画してから3~4年たってやっと観賞しました。 「赤狩り」なんですけど、古き良きアメリカの雰囲気が出ていて、過剰な演出も娯楽性もなく淡々とした史実に基づいた映画という感じでとてもクールで知的。バーで談笑しながら仲間と飲んでるシーンは粋です。デヴィッド・ストラザーンがかっこいい、特に目がいいです。 「ER」のロス先生で知ったジョージ・クルーニー、あの風貌といい個人的にチャラいイメージがあるんですが、面白いとは言えなかったけど「コンフェッション」とか、映画の題材を選ぶセンスはかなりイイと思います。批評家たちにけっこうウケがいいんですよね、確か。やっぱり録画したまま未見となってる「ミケランジェロ・プロジェクト」あるから近いうちに観てみよう。 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-08 13:37:10) |
30. 1950年代に全米を揺るがしたマッカーシズムと闘うジャーナリストたちの物語。表層的な再現ドラマの域を出ない印象。タバコ燻らせ上目遣いのマロー役は、ハリウッドお得意の“そっくりさん芝居”。 古い時代の空気を醸成する技法として、モノクロ映像による表現が効果的だと長らく思っていた。しかし、この手法はあくまで特定のテーマに限ると最近思うようになった。カラー化以前、映像は白黒でも現実は色彩豊かな風景なのだから、と。本作を観て特に感じるのは、記録映像の活用にこだわるあまり、マッカーシーの動きが見えないこと。カラー撮影で彼の行動をもっと掘り下げれば、歴史を学ぶだけでなく現代を学ぶことにも繋がるのではないか。硬派な題材はジャーナリズムに対する昨今の風潮にも警句を発する価値があるだけに、突っ込み不足が惜しい。 テレビの理想を語る場面は示唆に富むが、M・バール、E・サリヴァン、S・アレン等の番組、良かれ悪しかれそれらもひっくるめてテレビなのだ。まあ、テレビの現状(特に地上波)を見るにつけ「娯楽と逃避のためだけの道具」になりつつあるとは思うが……。 【風小僧】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-27 13:51:36) |
29.アメリカ映画を見ていると忘れた頃にその名が出てきて嫌でもある程度知ることになる、 アメリカ映画界にも大きな影響を与えたジョセフ・マッカーシーと赤狩り。 マッカーシズムと真っ向勝負を挑んだCBSのアンカーマン、エドワード・マローを主人公としながらも、 その対決の相手となるジョセフ・マッカーシー上院議員を演じる人はいない。 マッカーシーは頻繁に登場しますが、それは全て当時のモノクロのアーカイブ映像の中に登場する本人。 そしてエンターテイメント性を徹底的に廃し作品自体もモノクロにすることで、 本作のキャストが同じ時代で当時のマッカーシズムと闘っているような緊張感を生み出しています。 ジョージ・クルーニーが映画人として骨のある所を見せつけた佳作。 作品タイトルの"good night and good luck"、これはエドワード・マローへのこれ以上ないリスペクトであると思います。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-06-17 20:40:25) |
28.ハリウッドがこれほどなまでに民主党支持者が多いのは、この黒歴史の反動が大きいのだろう。ただ、赤狩りの知識がないとかなり厳しい映画で、全編室内のみで展開するならまだしも、淡々どころか大きな変化もないまま終わるため、マッカーシズムに対抗する記者たちの奮闘と功績を実感できなかった。インテリが好みそうなまさにアカデミー賞受けの作品だと思うが、ここまで来ると独り善がりの感じが否めない。 |
27.再現ドラマ的で、ニュースフィルムを使った部分の興奮を超えるところはなかったけど、時代の気分は味わえた。それはつまり赤狩り時代の気分であり、後世にとってはこの21世紀初頭の記録になっている(つまり赤狩り時代を検証したくなる社会情勢だったということ)。アメリカ映画はよくテレビ界をテーマにしており、単に映画界のライバルとしてのやっかみを超えて、大衆批判としての意義を持っている。あれは偉い。本作でも、ついにマッカーシーに勝った番組を持ち上げるものの、それもクイズ番組には勝てずゴールデンアワーを追われていくの。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-10-18 10:02:28) |
26.「古き良きアメリカ」という言葉はよく聞くけれども、この時代のアメリカになぜか惹かれてしまうのはアメリカ人だけではないと思う。もちろんこの時代にも様々な問題があり、黒人の人たちにはまだ選挙権もなく、女性の地位も低かった。それでもケネディ大統領までのアメリカにはまだ良心、あるいは知性といってもいいかもしれないけれども、それがあったと思う。もちろんそれがあればこその黒人の選挙権獲得、女性の社会進出があったわけだけれども。まるで少年のようなアメリカ。ベトナム以前のアメリカ。ある意味すごくピュアなアメリカが、エド・マローとともに描かれている。モノクロ画面の美しさ。デヴィット・ストラザーンのしんとするようなかっこよさ。指が焼けるのではとはらはらさせられるタバコのシーン。 【はちかつぎひめ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-09-19 13:09:11) |
25.こういうタイプの映画が大好きで、ジョージクルーニーにも期待していたのだが、そこまで期待に応えてくれる映画ではなかった。 【みんな嫌い】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-11-13 23:23:08) |
24.実話モノとしてストーリー自体は興味深いが、アメリカ人でもなく予備知識がほとんどないため裏で自動的に流れていくストーリーについていけず、さらにこの終わり方は不満。もう少し外側からも「勝負」を描いて決着まで見せて欲しかったな 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-10-07 02:31:16) |
23.単純なアメリカ的正義で終わってないところが良い。メディアのあり方を問うメッセージ性の強い作品。映画としてはそれほど見どころがなかったがコンパクトにまとめてあって見やすい。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-05-14 01:29:10) |
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22.マッカーシズムの大体を把握してないと少しきついかもしれないですね。抑えられた脚本というか、無理に見せ場をつくろうとしていないところがこぢんまりとして好感を持てます。いやー、かっこよかったなぁ。モノクロが渋い。省略シーンや暗転が多く、90分にまとめるための苦労が感じられたような…。あっさりしすぎたきらいもあるかもしれません。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-02-17 21:32:56) |
21.ネタに新鮮味がなく途中であきた。モノクロ映像は雰囲気抜群でよかったが。 【MS】さん [DVD(字幕)] 5点(2009-08-16 09:56:30) |
20.オスカー主要部門への大量ノミネート、ベルリン映画祭主演男優賞&脚本賞受賞も納得の仕上がりでした。クルーニーとグラント・ヘスロフ(トゥルーライズ等に出てた人)による脚本が非常に秀逸で、事実ベースの淡々とした物語でありながら、エンターテイメントとして十分楽しめる作品となっています。この手の作品にありがちな過剰な煽りや一方的な主張がなく、ジャーナリズムの良心というテーマ同様、本作の制作陣の姿勢も非常に良心的なものだと言えます、事実に基づいた話を取り上げる場合、必ずしも映画が望むタイミングで山場やオチが来てくれないという大きな制約があり、これに直面した多くの作品は事実とはズレのある展開・解釈を加えることで製作者が意図する物語にしようとしますが(インサイダー、ビューティフル・マインド、シンドラーのリスト等々)、本作は脚色を極力排除し、事実を追うことを最優先にしています。また、劇中声を荒げるのは記録映像におけるマッカーシー議員のみであり、論理的なセリフの淡々とした積み重ねのみでスリリングで物語が構築されています。このように映画を盛り上げるための技術を相当放棄しながらも面白い作品にしているのですから、驚異的な仕上がりと言えます。この手の作品は冗長になりがちですが、コンパクトにまとめたのが勝因でしょうか。話をあちこちに飛ばさず局内で起こることのみに集中し、登場人物や発生するイベントを無闇に水増しするようなことをしていません。仕事とプライベートの間での悩みといったお決まりもなし、ジャーナリストとして為すべきことを為すプロの姿のみが描かれます。こうした地に足のついた描写は、ニュースキャスターを父に持つクルーニーならではの強みでしょうか。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 8点(2009-06-05 22:49:34) |
19.報道の真の意味を問い闘うエド・マローがとことんカッコ良いです。それはたとえあのジョージ・クルーニーがダサめの眼鏡をかけていなくたって彼の方が格好良く見えたでしょう。というのはマローの鋭い眼光だけではなく、始終プカプカ吸い続けている指の間で今にも燃え尽きそうなあのタバコがキーアイテムになっているからです。クルーニーが白黒で撮ったのは当時の映像に合わせる為よりもタバコの煙の美しさを表現するためではないかと思えるくらいに、あるいはタバコ会社がスポンサーについているのではないかと思えるくらいにタバコが素晴らしいです。特にマローが登場するファーストショットがしびれます。横顔の影にタバコの白い煙が美しくまっています。この魅力的なショットから始まることによって、これから始まるマローの物語において彼がいかに立派に闘ったかという事に説得力を持たせ、英雄譚として成立させているのです。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-19 18:13:23) |
18.私が日本人のせいか..まったくピンとこない内容..マスコミの裏事情を描いているのだろうが..時代が50年代だけに..どれだけ凄いことなのか..良く理解できない..予備知識がないと、退屈なストーリー&ありふれた展開... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 3点(2008-10-29 12:59:24) |
17.派手な映画への出演が多いからか、ジョージ・クルーニー、必要以上に渋い映画を作って知的アピールに出ている。時折ちょっとだけ流れるジャズ以外は音楽も無く、報道に自らを掛ける男達が喋ること喋ること。実際の事件を下敷きに、ジャーナリズムかプロパガンダかのせめぎ合いは見応えがあった。けれど、挿入された事件当時の映像が一番盛り上がって目を惹くというのは、映画としてどうなんだろう。話の流れも王道で、次に何があるか解ってしまう。渋くて大人だけど実はプロトタイプ。クルーニーそのものか。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-04-27 22:11:39) |
16.広告主がいるので経済界には逆らえないし、免許制だから行政には逆らえないし、TV業界の限界をあらためて認識したな。まあ規制に守られてヌクヌクと商売できる業界だって事は間違いないわけで、ちょっと株か買い占められると大騒ぎするのは見ていて滑稽なだけだな。 |
15.マスコミの役割ってのはこういうことですな。にしてもテレビキャスターの煙草プカプカには驚いたなー。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-02-03 21:17:59) |
14.うーん……。エド・マロー、カッコいいんですよ。それだけでもいいんですけどね。 ただ、「実話ですから」と言ってしまえばそれまでのアッサリとした幕引き(せめてその後の補足はあっていいのでは?)と、テレビの娯楽的な在り方云々を、娯楽の一種であるはずの映画に“わざわざ”言わせていること。エンディング付近のこの二点にどうも違和感があるんです。7点は堅いと中間は感じていましたが、この違和感のみで私は厳し目に5点とします。 繰り返しますが、「実話ですから」と言われてしまえば、それまでなんですけどね。 【まつもとしんや】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-05-17 03:44:22) |
13.映画の出来としては、とても良いと思います。舞台設定も人物描写も、最小限にまとめてあって、派手に主張するようなくどいセリフやあざといシーンもなく、丁寧な抑えられた演出と演技に好感が持てました。個々のキャラクタの人間関係がほとんど説明がないので、普通のドラマとして観てしまうと、流れの読めない映画とも思われてしまうかもしれませんが、最後まで観るとあまり気になりません。しかし、テーマがよくある「メディアの正義」で、想像した程度にしかストーリーが展開しないので、退屈な映画でもありました。 【かねたたき】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-03-31 17:04:26) |