2.これはまさに松竹得意のメロドラマ調。ちょっとあり得ない展開が続くのだが、しかし、川島節・ユーモアが散りばめられており、ただのメロドラマにしていない。
特に、鶴田浩二・佐田啓二がそれぞれ社長とやり合う場面においてはテンポの良さとユーモアが込められており痛快。30数席の狭い会場が爆笑!メロドラマに喜劇的な要素が融合し、実に気持ち良い作品であった。
個人的には川島雄三はこの辺りから、悪癖が抜けてウケの良い作品を作り始めたかなと思っている。
フィルムがボロボロで途切れる場面が多かったが、逆にこういう作品を上映してくれた事にも感謝しないといけませんね。
(ラピュタ阿佐ヶ谷 津島恵子特集にて)