18.里子はデリヘルの電話番で秋代はデリヘル嬢。ちひろはOLで塔子はイラストレーター。この2組の女性の群像劇。原作は魚喃キリコという漫画家で本人も塔子役で出演している。彼女のマンガは前から読んでみたかったので、偶然この映画に出会ってちょっと得した気分になった。映画としては、脚本も演技も共に自然で全く違和感は感じなかったし、飽きずに最後まで観られた。ただし、異様に登場人物の声が小さく録音されているのがストレスフル。終始イヤホンをつけて鑑賞せざるをえなかった。 男性が観れば、「女って怖い」という感想が自然と出てきそうな映画だ。「女ってこんなこと考えてんだ」とか「女性に比べて男は子供だ」とか。女特有のねっとりとしたというか隠微に淫靡な雰囲気が濃厚に感じられる。それはそれで面白かった。でも、ちょっとこれはやりすぎと言うか何と言うか、「男には分からない女」を描くことに固執しすぎたがゆえに、嘘っぽく見えてしまうところもある。 世の中は、女性が男性を打ち負かすことを良しとする戦闘的なフェミニズムの時代から、女性が「ありのままに」「自分らしく」生きていくことを是とする時代になった。この映画は完全に後者の視点で作られており、それが少し俗っぽく感じられた。例えば、この映画にはデリヘル嬢が出てくるんだけれども、一抹の寂しさはあれど、彼女の生きかたはまったく否定されていない。それどころか、この映画を観た女性のレビューは概ねこの4人の生きかたを支持しているものが多い。彼女たちの色んな意味での奔放さは「何かかっこいい」のである。 となると、この映画はリアルではないのではないか?という疑惑が生まれてくる。人間は、普通自分にないものを持っている者をかっこいいと感じるからだ。男性に隠されている女性のリアルな部分が濃縮された結果、この映画はリアルではなくなったのではないか。この映画のもつ不自然な「女臭さ」(「男臭さ」と対比して)が同性の支持者たちの憧れの対象なのではないか。ということで、結論は以下のとおり。 結論:この映画はリアルではなく、「女臭い」映画である。したがって、女はそんなに怖くない。 でも、僕は所詮男だから「いや、本当に女はあんなふうに考えていつも行動してるんだよ。」と女友達に言われたら、信じるしかなくてちょっと怖くなる。「女なんて怖くないさ!」と嘯く僕はまだ子供なのかもしれない。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-11-19 23:09:32) (良:1票) |
17.この映画は現代に生きる女性のリアリティーがつまっています。この4人の女性、それぞれが少しバランスを崩している。でもみんなそれぞれに魅力的。彼女たちは時に弱く、ずるく、かっこ悪い。そしてさみしい。そういう人間としてマイナス要因であるものでも、人間としての魅力だったりするんです。それは彼女たちが、それでも自分に素直に生きていくことを守っているから。自分の大切にしているものをきちんと見失っていないから。世の女性、みんな少なからず、この4人のような感情は経験があるはず。この映画を見て、共感できる女性は少なくないと思います。現代をしたたかに生きる女性に贈る、応援歌のような映画だと思いました。 【ぷりんちょう】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-12-08 21:26:01) |
【フッと猿死体】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-06-01 07:28:01) |
15.なんというか、女性的な「SEXと人生」的な物語。物語と言ってもストーリーらしいストーリーはないし、僕には何も伝わりませんでした。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-05-23 18:31:43) |
14.音楽がほとんどありません。だから余計に台詞と演技で勝負してる映画だと思いました。現代の女の子の生々しい姿が見れます。でもここまで個性的な4人が揃うと強烈。みんな不器用に生きてますね。この救い用のない不器用さがやけにリアルで結構好きだったりします。この映画の中の加瀬亮は本当にダメ男でした。ダメダメな役も似合います。 【未歩】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-05-11 16:27:32) |
13.池脇千鶴の素なキャラクターに笑った。 そこら辺にいそうな、フツーな女の子をリアルに演じてます。 外の3人もなかなか。ミョーに脱ぎが多かったな…ま、無駄ではないけどさ。 ちょいと尺が長いように感じました。 【ふくちゃん】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-03-24 20:36:43) |
12.最初の里子がずるずる引きずられているところは良かったけど、それ以降の99%はつまらなかった。 映画の中心となるストーリーがなければ、盛り上がりもありません。パッケージ見て躊躇したんだけど.......やっぱり借りなきゃよかった。 【紫電】さん [DVD(邦画)] 0点(2008-02-11 21:20:06) |
11.リアルすぎて気持ちが悪かった。 もうちょっと精神的に成長してから観賞したなら違った見方が出来るのかもしれないが。 【おっちょ】さん [DVD(邦画)] 3点(2007-11-13 22:59:47) |
10.妙に生々しい描写というか、今を生きる女の実態を淡々と描いている。 と同時に同じときを生きる男どもの実態も暴いている。 かなり痛々しい気分にもなるけど、でもこれが現実なんだろうな。 夢物語を語る映画も良いけど、こういうのも存在感があっていい。 淡々とと書いたが話の進行がとにかくゆったりしている、でもこれも現実に合っているか。 出演者がみんな良かった。 それぞれの役を良く表現していた。 特に池脇千鶴、実にうまい。 【称えよ鉄兜】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-09-16 14:39:42) |
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9.久しぶりに素晴らしい邦画を観た。 4人の女性の描かれ方がとても丁寧でいてリアル。 素晴らしい。 それにあらゆるシーンで小技が効いている。 とても丁寧に作られた作品という印象。 「やっつけ的にいかにもサクっと撮りました」的な邦画が多い昨今、これはとても貴重である。 矢崎監督の力量とセンスに脱帽だ。 中越典子が微妙なウザキャラを演じている辺りもハマり役。 そして池脇千鶴のおとぼけキャラも自然。 “棺おけベッド”がリアリティを欠いているとか、音声が小さすぎてセリフを聞き取りにくいとか、細かい欠点はあったが、そんな部分を帳消しにしてしまう程の傑作であった。 ちなみに性的描写が満載で、そういう意味でものめりこめる本作。 女性のリアルな日常、リアルな性描写、うそ臭くない演出が素晴らしい。 終り方も秀逸。 音楽もいいし、映像センスも良し。 ここ最近の邦画の中では傑出した作品である。 あ、池脇千鶴ファンの方と中越典子ファンの方は要注意! 彼女たちの女優イメージにしては、かなり過激なシーンがありますょ。 放尿シーンや顔○シーンなど、際どいシーンが盛りだくさんなのであります。 彼女たちに演じさせるにはどうかな、という感じです。 つまり、まだ深い関係にはないカップルが観るには適さない作品なのです。 【にじばぶ】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-09-05 22:29:24) |
8.音が小さすぎて何と言っているのかわからないところが多かった。電車の音なんかは割りと大きな音になっていたのだから、聞こえても聞こえなくてもどうでもいい内容だったということなのだろうか。女性には共感できるところがあるのかもしれないが、僕には登場人物の気持ちは全く理解できなかった。 【HK】さん [DVD(邦画)] 5点(2007-06-09 13:39:42) |
7.どんな内容なのかよく知らずに家族で見始めたら、お茶の間が凍りついた。 まあ、そんなことはどうでもいいんだけど、とにかく声が小さい。 ボリュームを上げてもセリフが聴き取り難い。 たぶんどうでもいいようなことを喋ってるんだろうけど、 何を言ってるのかわからないのは致命傷に感じた。 物語は無いに等しく、若い娘たちの日常がやや下品に描かれている。 それがいいのか悪いのかよくわからないけど、 あんまり面白いというものではなかった。 駄作とまでは言わないけど、僕には向かない作品だったようだ。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 4点(2007-05-17 18:52:49) |
6.鬱積する都会の雑踏の中で、もがくように、ひたすらに生きる4人の女性像。それは時にどこまでも痛々しく、時にどこまでもいとおしい。 いたずらに感情を込めず、淡々と彼女たちの“深い部分”を描き出した情感溢れる世界に胸が詰まる。 魚喃キリコの原作は素晴らしく、もちろんあの原作があってこそのこの映画なのだが、難しいとされる漫画の映画化をとても巧く、とても丁寧に成していると思う。 微妙な感情が渦巻く4人の女性を、それぞれの女優がとても巧く表現していて、そのことが何よりもこの映画の完成度を高めている。 池脇千鶴は惨めさの中に不思議な愛らしさを併せ持つ不器用な女を好演していたし、中村優子は切なく痛々しい二面性を持つ微妙な女性を、絶妙な表情と声のトーンで演じ分けていた。 実のところ、世に生きる幾多の女性たちの何がリアルで何が虚像なのかなんてことは分からないけど、少なくともこの映画の中の女性たちの苦悩や葛藤というものは、ありのままであり、それはあくまで創られた世界でのことだけれど、伝わってくるそれはほんとうの“声”だと思った。 彼女たちの苦しみは、完全に消え去ったわけでは決してないのだけれど、それでもラストシーンの浜辺でのそれぞれの微笑みには、深い安堵感を覚えた。 そういうことを、とても自然に観る者に与えることが出来ている、さりげなくも本当に良い映画だと思う。 こわれやすく、愛らしいショートケーキのように、けなげに、ひたすらに、すべての女性は生きていく。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-05-06 01:09:43) (良:1票) |
5.都会に住む孤独で寂しさを感じながら、何とかして自分の居場所や幸せを手にしようとあがく4人の女性のリアル。それぞれが皆何かに耐えていて、それがどうしようもない事を分かっていて、でも何とかしようとあがく彼女達は時として痛々しく見えるが同時に彼女達の懸命さ切なさにほろっとしてしまう。僕は秋代と塔子が印象的だった。セリフが少なく映像で描こうとする姿勢も気に入った。 【思込百遍】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-04-30 23:13:36) |
4.いい映画ですね。大都会で孤独に生きるリアルな日常を切り取り、それぞれが抱える期待と苦悩を静かに映し出している。歯ブラシをそっと持ち帰るちひろやハムスターを埋めてやる塔子、坂道を自転車で勢いよく駆け上がる秋代や神様にお願いをする里子。そして、それぞれを写す背景描写も印象的。新しい何かが始まりそうなラストも好感がもてる。深夜にそっと見ればなお良いような気がした。秀作。 【カリプソ】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-04-30 13:23:11) (良:1票) |
3.原作コミックを買いたくなって、実際に購入した、唯一の映画。 ラスト15分は涙が止まらないです。 さりげないいつもの明かりが、こんなにもなけるなんてびっくりです。すばらしい。 ただ、ちょっとエロい。 でも本当に久々に心が打ち震えた。ので、10点! |
2.ルームメイトの二人が夜の屋上で会話している。二人のコミュニケーションのずれが遠景を横移動する上下線の電車灯の動きで明快に示されている。位置関係からタイミングまで絶妙だ。池脇千鶴がベランダのブランコから消灯する東京タワーに向かって語りかける場面の的確なタイミングも然り。ハムスターを埋葬している岩瀬塔子の背景の鉄道高架を走る電車に反射する夕陽の光線などなど、奥の情景にある機械的な光の運動に手前のドラマをあくまで自然に組み合わせていく緻密さ、芸の細かさは見事といってよい。発車寸前の電車デッキ内でのやりとりも臨場感に満ちて素晴らしい。各々個性的な携帯電話着信音や、各人各様の置き時計の機械音など、音の感覚も鋭敏かつ繊細である。 【ユーカラ】さん [映画館(邦画)] 8点(2006-11-05 22:22:28) |
1.原作は未読ですが、矢崎監督の「三月のライオン」が好きだったのと、我がココロの婚約者(←・・・ツッコミは、ナシの方向で)池脇千鶴が出演してるので観に行きました。ぶっちゃけた話、恋愛経験が乏しいワタクシには、女性心理の微妙な機微みたいのが分からない所もあったのですが(だからちょっと点数低めなんです)、“強いけど、弱い、そして弱いけど、強い”四人の女性がそれぞれ魅力的でした。個人的に一番魅力を感じたのは画家の塔子。ルームシェアしているちひろを半ば軽蔑・嫌悪しつつも、実はちひろのようになれない自分が悔しいと思っているような感じも見られたし、つまりはお互い自分にないものを持っているから苛立ちや劣等感を感じつつもお互いを必要としてたって感じなのかな。池脇千鶴演じる里子は一番平凡ぽいキャラだけど、実は四人の中で一番強くてある意味したたかなのかもしれない。デリヘル嬢の秋代は、、切なかった。とにかく女性の描き方がカッコ良い映画でした。何だか一部で、過激なベッドシーンの事が大きく取り上げられてるみたいだけど、割と自然だったし(悪い意味での)イヤラシさは感じなかったし、きっと女性が観ると感じるものが多いんじゃないかな、と思います。 【ぐるぐる】さん [映画館(邦画)] 7点(2006-10-26 18:33:16) |