10.オムニバスは得点がつけづらい。ジョン・ウーの映画はあまりに類型的かつメロドラマっぽくてあざとい演出が目に付き、まったく受け付けなかった。分かりやすすぎる。最初のタンザ、ブルージプシー、イエスの子らはとても面白かった。個人的にはビルーとジョアンがロードムービーになっていて、好み。ジョナサンは正直よくわからなかった。チロはフェリーニの81/2を彷彿とさせるような賛歌となっていて思わず笑みがこぼれる。突き抜けた圧倒的な作品はなかったが、同じ目的のなかで単なる募金映画というか啓発映画に終わらなかったところは評価できる。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-05-21 12:11:01) |
9.どの話もヘヴィーな中に、ほんの少しの安らぎが見え隠れしているのでホッとしました。「チロ」で綿菓子を買うシーンや、あるべき場所でなさそうな遊園地のシーンに惹かれました。自殺の低年齢化が進む日本と比べてしまいました。生きていくことが苦しみなのか死ぬことが苦しみなのか、幾つになってもわかりません。 【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-24 02:01:39) |
8.そう、子どもは逞しい。「それでも生きる」生き物なんだよな。逞しい、というより、生きるしかないと思っている。これが、大人になってくると「死にたい」とか「生きてる意味あるのか?」という概念が湧いてくる。誤解を恐れずに言えば、ある種、子どもは動物みたいなものだと思う。動物は、生きるために生きる。自分の生存価値なんて考えない。子どももそう。だから、逞しく、というよりあらゆる手段を講じて生きようとする。この映画の作品群に出てくる子どもも、皆、逞しい。傷ついたり悲しんだりするが、絶望はしていない様に見える。でも、残酷なことに、時間は必ず一定の速度で前に進んでいくんだよな。彼らの今後を思うと切ない。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-11-21 15:23:20) |
7.非常に深刻なテーマを扱った作品ですが、7編とも重過ぎず軽過ぎず、非常にいい匙加減の内容だったと思います。一本一本の尺が短いうえに登場人物の大半が子供たちなので、必然的にセリフによる描写は減りますが、その代わりに飛び込んでくるのが映像。様々な問題を背負った子供たちのちょっとした表情や仕草などの何と表現豊かなことか。時々思い出したように見返してみたくなる映画です。 【とかげ12号】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-10-26 17:24:12) |
6.私は一番最初のアフリカの少年兵の話が良かった。たとえば青空の下の畑(?)での大人の敵兵との撃ち合いなんか、そこが遊ぶにふさわしいような場所だけに、その唐突さ・非現実感から現実感が生まれてくるジワッとした感じなどが迫ってくる。破壊するために訪れた教室で、学ぶ夢に誘われる少年を、スニーカーを脱いだ足で見せた。言葉は寡黙で映像が雄弁という理想的な作品だった。“学校の夢”はラストの中国篇とも呼応している。また中国篇は“ゴミ拾い”でブラジル篇と、アフリカ篇は“戦争”でイギリス篇とつながり、“盗み”でジプシー篇とイタリア篇が通じ合っている(あのイタリア篇、夜の遊園地が夢のようにきれいだと思ったら、カメラがヴィットリオ・ストラーロだったのか)。いま世界での苛酷な子供の状況を多元同時進行的に捉えることが出来るオムニバスでもある。 【なんのかんの】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-05-22 12:21:40) |
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【グレース】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-05-05 20:19:16) |
4. 7編のオムニバスで構成されていますが、一編一編決して疎かにできない珠玉の作品達。社会・政治的な問題が産む戦争・貧富の差・虐待・エイズ等に翻弄されながらも、それでも逞しく、ひたむきに生きる子供たちの姿を観て、生きる希望をもらっているのは、実は大人である自分達ではないかと思ったりした。 それほど、子供たちの涙顔・笑顔・眠った顔はストレートに観る者に強い力と希望を 与えます。このような映画は国・宗教・世代を超えて広く見て欲しいと切に感じます。 【たくみ】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-04-27 20:10:10) |
3.「ビルーとジョアン」「アメリカのイエスの子ら」「ブルージプシー」が良かった。(クストリッツア以外)作品ひとつひとつのキャラクター性が少し弱かったからか、とりたてて駄作はなかったけど、テーマが社会派の割に、突き抜けた作品がなかった。ただクストリッツアの短編がもっと見てみたいと思ったのは収穫。邦題◎ |
2.まさかジョン・ウーに泣かされるとは。エンドテーマの「TEACH ME AGAIN」もまた涙を誘います。彼ら彼女らは可哀想な子供達だ、大人はそう言うし、それは何も間違いでは無いのだけれど、子供たちは自分は不幸な存在だ、なんて思ってるだろうか?ただがむしゃらに前を向き、希望に向かって突き進む。世界中の社会問題、この悲惨な現実を知って下さいと世間に訴えるだけの映画ではなく、そんな前向きな希望を感じとれる作品でした。良いです。 |
1.ライフルを握る少年の、闇の中で光る涙。捨てられた人形を宝物にする少女。格差社会なんて言うけれども、この国に生きている以上は幸せな人生を送っている私たちには重過ぎる現実です。原題を直訳すると「存在を消された子供たち」というところでしょうか。地球上の一番下の方で虐げられながら、それでも彼らは笑顔なんです。良い邦題ですね。単館公開だけでなく、全国ロードショーから自治体の自主上映まで、あらゆるツールで啓蒙上映してほしい作品です。 【denny-jo】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-07-16 12:30:33) |