2.この手の映画はネタが命なので、詳細なレビューは書けない。
端的に書くと、①このオチは個人的には好ましくなかった、②ストーリーは辻褄が合わず、基本的にはご都合主義満載、③イリュージョンは単なるCGにしか見えないので面白みに欠ける、④全体の雰囲気はそれほど悪くはない、というところか。
これら以外で最も気になったのは、ポール・ジアマッティ扮する警部の内面の変化だ。
キーパーソンは間違いなくポール・ジアマッティ扮する警部であり、彼の内面こそこのイリュージョンの成功のカギとなる。
胡散臭いアイゼンハイムを信用するのかどうかという問題は、ポール・ジアマッティ扮する警部の問題ばかりではなく、本作を見ている観客の問題でもある。
「ポール・ジアマッティ扮する警部の内面=本作を見ている観客の内面」といってもいいかもしれない。
この肝心のポール・ジアマッティ扮する警部へのイリュージョンが、そのまま観客へのイリュージョンに繋がるようには、上手くオチていないのがもったいない。
中盤と終盤のポール・ジアマッティ扮する警部の内面の変化がやや突飛すぎるところがあるのが少々残念だ。
ポール・ジアマッティの内面の変化にももう少し注意を向けて欲しかった。
冒頭にオチは好ましくないとは書いたが、工夫次第ではそれほど悪くはないものになりそうだ。
気になるご都合主義も細部を丹念につぶしていけば、クリアできそうな気がする。
オチで驚かせてやろうという根性を捨てて、もうちょっと全体を通して筋が通るものにすべきではなかったか。